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栃木市がコイ放流再開検討 ヘルペス流行で中断観光用に新年度
栃木市は、市中心部の巴波(うずま)川や県庁堀で、コイヘルペスウイルス病(KHV)がまん延して以来
途絶えていたコイの放流を、新年度に再開することを検討している。昨年11月に県庁堀に400匹を試験
放流し、KHVが発生しやすい暖かい時期を乗り越えられるか経過を見守っており、順調なら本格放流を
行っていく方針だ。
「大きくて色鮮やかなコイがたくさんいる」。さいたま市からきた25人程の観光客の一行は、観光ボラ
ンティアの案内で県庁堀を訪れ、コイの一群を指さしながら思わず歓声をあげた。
栃木市は、「鯉(こい)のいる街、蔵の街」をキャッチフレーズに、江戸時代から残る蔵とともに、コイを
観光の目玉にしてきた。放流は1963年に始まり、「人口と同じ8万匹のコイがいる」と言われるほどだ。
しかし、04年に県内でKHVが大流行し、市内でも次々とコイが死んだ。県内水面漁場管理委員会は、
KHVのまん延防止策として、コイの放流を禁止し、栃木市でも04年以降、行われなくなった。
このところ、市民から「コイが減って残念だ」との声が増えてきたため、対応を検討した。禁止措置では、
事前の検査でKHVの陰性が確認済みのコイについては、放流できることから、昨年11月、体長30セン
チ程のニシキゴイ100匹と稚魚300匹を試験的に放流した。現在のところ、元気に堀の中を泳いでおり、
栃木市の日向野義幸市長は「コイのいる街にコイがいなければさみしい。試験放流が定着すればさらに
広げていきたい」と話している。
(2009年1月14日 読売新聞)
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