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>>139 《続き》
(中略)
生物兵器は少なくとも中世には存在していた。14世紀にヨーロッパの人口の3分の1を殺した
ペスト菌はモンゴル帝国の侵略者が疫病で死んだ遺体を征服地のトルコに放り投げたことから
始まった。そして15世紀末の「新大陸発見」以降、白人がアメリカ大陸に入植してわずかの期間に
原住民の多くが疫病にやられた。最初は意図的ではなかったかもしれないが、後には原住民を殺
すために、故意に疫病で死んだ者を毛布で包んで原住民に“プレゼント”したことがよくあったという。
1918年に全世界で1億人を殺した「スペイン風邪」を引き起こしたウイルスも鳥由来のタイプであり、
大流行が恐れられている鳥インフルエンザと共通点が多い、そのスペイン風邪は若い男性の
感染率が高かったとされることから、これも生物兵器だったとする説もある。アメリカは流行当時、
北極まで行って、感染して死亡した人間の冷凍遺体を発掘している。
(中略)
731部隊に属していた研究者たちは、戦争犯罪を免罪されることと引き替えに研究成果を全部
アメリカに渡した。そして、アメリカは1950年の朝鮮戦争で細菌や昆虫を使った生物兵器作戦を
仕掛けたと中国から告発されている。
(中略)
次にアメリカの“疫病生産”の証拠が登場するのは1969年7月1日の下院議事録である。
当時の国防副長官や医学博士らが議会に生物兵器開発のための予算を申し立てた。彼らは
5-10年以内に今までのものとはまったく違うタイプの疫病を開発できると約束した。しかもその疫病
は、人間の免疫を直接攻撃できるとまで主張していた。まるでエイズウイルス発見を予測していた
かのようだ。その後、予算が通り研究開発が始まった。
結果が出始めたのは早くも1971年。ロバート・ギャロ博士が、猿のウイルスと猫のエイズウイルス
を掛け合わせると人間に癌(エイズのひとつの合併症である)を発生させるウイルスができることを
発表した。その他、ギャロ博士は鼠や鳥、猿などいろいろな生物に感染したウイルスを掛け合わせ、
ヒトに感染可能なウイルスを作り出している。
《続く》