09/09/27 11:20:09 4qx88wHk
初心者以外には冗長な説明だがスクイ角について簡単に。
バターをバターナイフで削るときナイフを掬(すく)うように傾ける。バターは傾けたナイフ面に沿って取り去られる。
このときナイフを直角に立てるようにすると、バターは細かな亀裂が入りながら取り去られる。つまり無理をしている。
前者が正のスクイ角、後者がスクイ角ゼロ、さらに反対側に傾けると負のスクイ角となる。
同じことが金属の切削でも起きている。スムーズな前者を「流れ型」といいキリコの理想型とされる。
普通のシンニングは後者の「直角」が多い。それは作りやすいことと先端の強度が高いためにラフに扱っても刃先が欠けないからだ。
これをドリル中心から「流れ型」のキリコがでるように研げれば強度の不安はあるものの理想形になる。
そのドリルをアクリルになら指で軽く押し当てて回すだけで窪みが出来てくる。いかにスラストが低いかの証左である。
この経験は日本ではたぶん誰もやったことがない。正のスクイ角を持つシンニングは実用的ではないからだ。
なお微小レベルで見るとスクイ角は正でも負でもあまり差がない。負の代表格は研削である。
一つひとつの研磨粒子のエッジは負であるが、微小な除去量なため問題にならない。切削でも耐久性を重視し負になっているのもある。