07/11/24 01:34:03 2iSLqlKj
研削原理の前に切削の初級編。なぜ2番(逃げ)が必要なのか、から。
板状(木でもプラでも)の上に角ブロックが置いてあるとイメージしてほしい。その角ブロックをスライドさせることで
板の表面を削るとする。そのとき板と平行にブロックを置いたまま横にスライドさせても滑るだけで削れない。
そこで片方を少し浮かし面でなく「線」で当たるようにすると削れてくる。
この浮かす角度が逃げ角に相当する。切削工具は逃げ角を作ってやらないと加工が進まないのはこの理由による。
では逃げ角は大きいほどいいのか。逃げ角が大きいと刃先だけに圧力が集中し刃物自身が食い込むようになる
特に柔らかい材料では意図せず過大に食い込んでしまう。逃げ角は必要以上に食い込ませない「抑制」の役目もある。
NCは「定量」送りだがボール盤は「定圧」送りである。NCなら逃げ角が大きくても食い込みは機械で抑制されるが
ボール盤はそれがないので過大に食い込んでしまう。
刃先は逃げ面磨耗とスクイ面磨耗がある。普通は同時に進行するが逃げ面だけ大きく磨耗することもある。
これは部分的に逃げ角がゼロということで、上記でならブロックの横スライド状態ということになり加工効率は大きく下がる。
ドリルの再研磨とは磨耗した逃げ角を初期値に戻してやる作業とも言える。(スクイ角は変更できないので)
ドリルは円筒形なので逃げが正しく取れているか確認しずらい。青マジックを逃げ面に塗り加工後に刃先以外に
取れていなければ正常。擦って取れていればそこが高いのでそこだけを研磨する。
(初級編なのでここまで。工具は加工しながら材料に潜っていくことになる。その送り量と逃げ角の差分が必要だが
定圧送りのボール盤では特に考慮しなくていい)