07/09/14 01:20:12 r/ke1GVI
ドリルは小さなバイトの集合体である。どういうことか。
キリコは流れ型とムシレ型がある。スクイ角が適正ならキリコは圧縮を受けずに流れるように出る。これが流れ型で理想形。
しかしスクイ角を鈍角にしていくとキリコは圧縮を受け工具もワークも負荷が増し強引にムシリ取っている感じになる。
これがムシレ型で面は荒れワークには残留応力を多く与える。
ドリルは外周部はネジレ角=スクイ角なので理想に近い。しかしチゼルにいくほどスクイ角はなくなりしまいにはゼロか
負になってしまう。これを避けるためシンニングをする。つまり流れ型のキリコをより多く出すためにシンニングはある。
理想的なドリルとはチゼルから正のスクイ角が付いていて、流れ型のキリコが出るタイプということだ。
(これには強度が足りない欠点がある。またチゼル付近の磨耗にも弱い)
一般的なシンニングのスクイ角はゼロ(負でも正でもない)である。これは研削のしやすさとチゼルの強度から
多用されているが、通常の両頭グラインダではそれをしようにも砥石のエッジが丸まっていることが多いので限界がある。
これらは一般のドリルのことであって、微細用や高硬度材には敢えて負のスクイ角を付けることがある。
私が作った40μのドリルは負のスクイ角で、能率より「折れない」ことを優先したことと、設備が貧弱なので
正に作れなかったのが理由だ。負でもエッジが鋭ければチャンと削れる。ただしキリコは粉末状になるほど送りは小さい。
ドリルのキリコをそういう目で見てみるといい。チゼル付近は圧縮を受けたムシレ型、外周部は流れ型になっているはずだ。