06/04/22 10:46:52 5HS/R/dN
切削の基本は旋盤のバイトがいい手本になる。スクイ角、逃げ角(二番)が二大基本角であとは状況により
刃殺し(ネガランド)やチップブレーカーなどの小要因が加わる。
大事な点は二番がきちんと逃げていること。スクイ角は効率や面粗さや残留応力にも繋がるが
正だからよし、負だから切れないという単純なものでもない。あえて負のスクイ角で高硬度材を加工することもある。
二番が当たっていると原理上でも加工は進まない。(軟質材は進むことがあるが強引さでゴマかしているだけ)
ドリルは中心ほど”刃のようで刃でない”構造的な弱点がある。
これを刃にするためにシンニングを施すのだが、強度とのバランスも出てくるのでシンニングはスクイ角はゼロ付近が多い。
ボール盤なら”ドリルとの対話”をしながら加工できるので切れ味の感触が掴みやすいが、自動送りやNCだと
強引に一律で送るため砥ぎの優劣がすぐには分かりにくい。まず手送りでドリルを評価しながらスキルアップするのがいい。
大雑把に言うと以下の傾向になる。
1 進まない→二番が当たっている。
2 びびる。三角穴になる→二番のつけすぎ。またはシンニング不足で食い込み初期で酔歩が起きている。
3 抜け際のバリが大きい→周辺(肩)の二番が大きい。肩付近だけでも切れ味をよくし逃げ角を浅くする。
4 穴径が大きくなる→中心がずれている。入り口付近だけ大きくなるのなら2の酔歩が原因。
5 ドリルが熱を持つ→肩周囲が磨耗しすぎてランドが穴側面にコスられている。それを避ける位置まで研削する。
6 構成刃先が生じやすい→スクイ角が不足している。(または切削油不足)