07/01/16 16:19:58 tmVtkQGE
チカン撲滅のために市販して欲しいといった要望に応じられないのは、
機密保持の理由からだけでなく、メンテナンス面もあってのことなので、
メールをいくら送って来られても、出来ないことは出来ないとしか答えられない。
まるで生物のような複雑な有機的な構造を持つ、散逸構造体システムの製作には、
分子一つ一つを制御するような、プラズマの技術も使われていて、
こつこつと組み上げていく製作工程はとてつもない数にのぼり、
製作には専用の工場で2年以上もかかる。
人類が、擬似人造生物を作る技術は、まだまだ未発達で、
とても市販できる金額の範囲に開発費が収まりそうもない。
なにしろ、ほんの数年前までは、単純な基本動作をするだけの散逸構造体システムでも、
50メートルプールのサイズと、それを維持する大勢の常駐スタッフを必要としたのだから。
人の腸の中に納まるサイズまで小型化されて、動かすのに人手を必用としなくなり、
携帯できるようになったことは、まるで夢のような気がする。
私は地球規模の開放型の散逸構造体システムを、電離層上に実装することを夢見て、
生得的真理のデータベースにいかにしてアクセスするかというテーマに夢中になっているが、
娘のほうはもっと現実的なものに目を向けていて、携帯できる散逸構造体システムの製作で、
一歩先を越されてしまったような気がする。
まあ、よい後継者に恵まれていると考えれば、悔しくもない。