08/12/11 10:22:45 rk5VCU92
最大出力回転数を下げていることがこの出力の低下につながっていると思うが、この回転を下げた理由が不明だ。
この理由を推察してみる。
吸気バルブの閉じるタイミングを圧縮行程に持って来るという広いバルブ開角を持っていることになるが、
これはレーシングエンジンと同様のタイミングを持っていることになる。
レーシングエンジンは回転数の高いところで出力を上げるために、バルブタイミングを広げ、吸気の流れの慣性を利用して、最高出力時の充填効率を上げる。
つまり圧縮比を13にしたミラーサイクルエンジンは6000rpmで回すと充填効率が高まり、ノッキングを起こし、使えないという可能性がある。
多分、急速に閉じることの難しいポペットバルブ遅閉じとの組合せでは、吸気慣性との組合せで回転数により充填効率の変化が大きいといった問題があると考えられる。
本来、圧縮比13という高圧縮比ミラーサイクルは回転数に対する充填効率の変化が大きく、使えない回転領域がでてくるエンジンなのだ。
そもそもミラーサイクルが自動車用に使いやすいものであれば、燃料高騰のおりもっと多用されているはずである。
他にミラーサイクルを利用した車には、マツダ・デミオの圧縮比11、1348cc、90ps/6000rpmがある。
マツダはミラーサイクルを最初に使い始めた企業だ。車両用の通常の使用に対応するエンジンとしてはこのくらいが限度なのだろう。
ちなみにホンダのシビックも使っているが、これは低回転時のパーシャルのポンピングロス改善に使っている。
ミラーサイクル機関は発電用など定常運転用であるものを、プリウスはモーターの力を借りて何とか利用しているのだ。
対して、6サイクルエンジンでは通常の4サイクルと同様のタイミングでバルブを開閉するので、このようなネガは無い。
もちろんミラーサイクルを利用しようと思えば出来る。
次に、6サイクルエンジンの出力を推定してみるが、
単純に考えると1サイクルの回転数が増えた分出力が減り、2/3の出力になるように思えるが、意外と出力が出るのだ。