10/02/24 15:36:52
ははは、どストライクだったな。
混成軌道もそうだが、軌道相互作用というのはエネルギーが接近している方が有利。
酸素の場合は、混成軌道を形成するよりもs軌道とp軌道が独立していた方が、エネルギー的に
有利だ、ってそれだけのこと。
水素結合は軌道相互作用じゃなくって、クーロン力でおこる。軌道相互作用は異方的で距離の6乗に
反比例するのに対し、クーロン力は等方的で距離の2乗に反比例する。相互作用距離の長い水素結合は
これを見てもクーロン力が支配的ということがわかる。
従って、特定の軌道が水素結合に関与するというより、電子の非局在化がクーロン力の原因であると
考えた方がより正しい。
水は水素結合のネットワークが成立しているものの、プロトンの授受が連続的におこっていると
考えるのはおそらく間違いである。一つ一つの水分子そのものは独立していると考えた方が、多くの
物理化学的現象をよりよく説明する。