代数的整数論at MATH
代数的整数論 - 暇つぶし2ch1:132人目の素数さん
05/09/12 16:30:31
代数的整数論に関するスレッドです。

2:132人目の素数さん
05/09/12 16:33:10
↓の依頼により立てますた。
ガロア理論 Part 2
スレリンク(math板:695番)

208さん後はよろしく。


3:132人目の素数さん
05/09/12 16:57:17
隔離スレおめ

4:132人目の素数さん
05/09/12 17:10:30
Neukich??

5:20B
05/09/12 17:21:31
このスレでは素人の発言は厳禁。したときは
容赦なくたたくからよく覚えておくように!
おれの怖さは、オイラースレのハンドル198で味わえ。

6:208
05/09/12 17:35:54
そう怖がらなくていい。
予備知識としてはガロワ理論と一般位相、位相群の初歩くらいか。

7:132人目の素数さん
05/09/12 17:47:22
ちんこ?

8:132人目の素数さん
05/09/12 17:50:47
Yes

9:132人目の素数さん
05/09/12 17:59:53
まんこ?

10:132人目の素数さん
05/09/12 18:04:45
No

11:132人目の素数さん
05/09/12 18:18:43
二次体の整数環の構造を教えて下さーい

12:132人目の素数さん
05/09/13 02:55:27
おっぱい?

13:132人目の素数さん
05/09/13 15:19:23
208さん、たくさんカキコしに来てくださ~い
他スレで浮気しちゃだめよ

14:208
05/09/13 16:00:38
もうちょっと待ってくれ。

15:132人目の素数さん
05/09/13 18:54:02
整数的代数論って何?

16:132人目の素数さん
05/09/13 18:55:28
代数的整数論って何?

17:132人目の素数さん
05/09/13 18:59:53
ググればわかる

18:132人目の素数さん
05/09/13 19:04:01
ググルのめんどくさい。教えて

19:132人目の素数さん
05/09/13 19:40:20
整数的代数論のことか?

20:132人目の素数さん
05/09/13 19:51:15
スレ主は全然面倒見てくれないな。無責任だよ。

21:132人目の素数さん
05/09/13 19:55:04
人のいるところでオナニーしないとつまらないんでしょ
208的に

22:208
05/09/14 09:54:06
ガロワ理論スレで述べたDedekindの判別定理の証明には以下の命題
が陰に使用されていた。

AをDedekind環、K をその商体、L/K を有限次分離拡大体。
BをLにおけるAの整閉包とする。
IをBの(非零な整)イデアルとする。
このときB/Iの任意の剰余類に L = K(θ) となる元θ∈B が存在する。

この証明を演習問題として提出しよう。

23:132人目の素数さん
05/09/14 16:37:26
結局圏ってなんなんですか? 関数だか集合だかの拡張と聞いたんですが
具体的イメージが湧きません。

24:208
05/09/14 17:07:05
次の命題もDedekindの判別定理の証明に使われる。

命題
AをDedekind環、K をその商体、L/K を有限次分離拡大体。
BをLにおけるAの整閉包とする。
PをBの任意の(非零)素イデアルとする。
p = A∩P とする。B/P は A/p の分離拡大と仮定する。
このとき、元θ∈B とモニックな多項式 P(X)∈A[X] で以下の条件を
満たすものが存在する。
1) θのmod Pの剰余類は、B/PのA/p上の(拡大体としての)生成元。
2) P(X) (mod P) はθ(mod P) の最小多項式
3) P(θ) ∈ P - P^2

この証明も演習問題として提出しておく(証明は高木に載っているが)。

25:208
05/09/14 17:24:12
>>24の命題のθとして、L = K(θ) となるものがとれる。

この証明も演習問題として提出しておく(証明は高木に載っているが)。

26:132人目の素数さん
05/09/14 17:37:14
てす

27:208
05/09/14 17:38:40
>>24の命題のθとして、L = K(θ) かつθ∈ I となるものが取れる。
ここで I は、前もって任意に与えられた P と素なBのイデアル。

この証明も演習問題として提出しておく(証明は高木に載っているが)。

28:132人目の素数さん
05/09/14 17:39:36


29:208
05/09/15 09:15:54
>>22のヒント

θ∈ B で、L = K(θ) となる元をとる。
α∈B を任意にとる。
t ∈ A∩I で0でないものをとる。
m > 0 を整数として、K(α+(t^m)θ) を考える。

30:208
05/09/15 09:58:29
命題
BをDedekind環、Pをその(非零)素イデアルとする。
πを P - P^2 の任意の元とし、S を B/P の剰余類の完全代表系とする。
αをBの任意の元とし、m > 0 を任意の整数とする。
α = a_0 + a_1π + ... + a_(m-1)π^(m-1) (mod P^m)
となる。ここで、各 a_i ∈ S

この証明も演習問題として提出しておく(証明は高木に載っているが)。

31:208
05/09/15 10:05:14
高木の代数的整数論の前半の各命題(全部ではない)の証明を
現代的に書き直すのは、いい勉強になる。
後半(類体論)を書き直すのはちと手にあまる。

32:208
05/09/15 10:13:30
高木の本は必要とされる予備知識が少ないのに驚く。
ガロワ理論さえも仮定されていない(本文の中で導入している)。
群論の初歩はさすがに必要かな。
体論は、本文の中で殆ど自己完結しているが、予備知識ゼロだと
少しきついかもしれない。

33:208
05/09/15 10:24:47
良く知られてはいないが、抽象代数の勃興はDedekindの影響が大きい。
Dedekindの代数的整数論は非常に明快かつ驚くほど現代的。
代数的整数論は抽象代数の母体であるといえる。
そして抽象代数の勃興が現代数学の他の分野の抽象化を促した。
こう見てくると代数的整数論というのは一見非常に特殊な分野に見えるけど、
現代数学に大きな影響を持っていた(そしてたぶん今も)と言える。

34:208
05/09/16 09:43:11
命題
BをDedekind環、Pをその(非零)素イデアルとする。
πを P - P^2 の任意の元とし、S を B/P の剰余類の完全代表系とする。
αをBの任意の元とし、m > 0 を任意の整数とする。
α = a_0 + a_1π + ... + a_(m-1)π^(m-1) (mod P^m)
となる。ここで、各 a_i ∈ S

この証明も演習問題として提出しておく(証明は高木に載っているが)。

35:132人目の素数さん
05/09/16 10:12:04
ガロワ理論のスレで書いたことやや一般にして再度述べる。

AをDedekind環、K をその商体、L/K を有限次分離拡大体。
BをLにおけるAの整閉包とする。
判別定理の証明のために以下の仮定をする。

Aの各(非零)素イデアルpに対して、A/p は完全体である。

Kが代数体のときは A/p は有限体だから、この仮定は当然満たされる。

TrをLからKへのトレース写像とする。
M(L/K) = {ξ∈B; Tr(ξB) ⊂ A} とおく。
M(L/K)は B を含むBの分数イデアルである。
D(L/K) = M(L/K)^(-1) とおく。D(L/K)をL/Kの共役差積という。
D(L/K)はLの整イデアルである。

L = K(θ) となるθ∈B に対して、F = {ξ∈B; ξB ⊂ A[θ]}
を環 A[θ] の導手(fuhrer)と呼ぶ。F は B のイデアルである。
f(X)∈A[X] をθの最小多項式とする。f'(X) をf(X)の微分とする
と、f'(θ)B = D(L/K)F という関係が成立つ。これはf(X)に関する
Eulerの公式から得られる(例えば高木の代数的整数論参照)。

命題
PをLの任意の(非零)素イデアルとしたとき、P が F を含まないような
θ∈B が存在する。

36:132人目の素数さん
05/09/16 12:20:41
おい学生、せっかく俺が問題出したんだ、少しは解けや。
高木を見てもいいよ。その代わり自分で理解して書いてくれ。
この問題は、判別定理で使うし、問題自体基本的なことばかり。

37:132人目の素数さん
05/09/16 12:38:13
面白いアーベル多様体の例を教えてくだーさい

38:132人目の素数さん
05/09/16 13:02:08
今、大学の試験時期か? どのスレも閑散としてるな

39:132人目の素数さん
05/09/16 18:17:01
問題がオモロナイ。

40:132人目の素数さん
05/09/21 09:17:36
高木の代数的整数論の前半で一番難しい部分を噛み砕いて教えようと
してるのにオモロナイとはいい度胸だ。
誤解のないように言っておくけど、ここで俺が出す問題は基本的には
代数的整数論の基本部分を分かりやすく説明するために出したものであり、
問題を出すことそれ自体を目的にしたものではない。今後もその予定。
問題はどれも素直なものばかり。これ等の問題を解くことにより基本が
身につくように配慮した。問題の意味は後になってわかるようになっている。
ちょうどプラモデルの組み立てみたいなもの。各問題は最終完成品の
部品に過ぎない。

41:132人目の素数さん
05/09/21 09:18:11
命題
AをDedekind環、K をその商体、L/K を有限次分離拡大体。
BをLにおけるAの整閉包とする。
PをBの(非零)素イデアルで、B/P は A/p 上分離的とする。
ここで、p = A∩P。
I を P と素なBの(非零)イデアルとする。
このとき、以下の条件を満たすθ∈B が存在する。
1) L = K(θ)
2) θ∈I
2) 任意のω∈B と任意の整数 m > 0 に対して、
ω = G(θ) (mod P^m) となる多項式 G(X) ∈ A[X] がある。

証明
>>24, >>25, >>27 より、
元θ∈B とモニックな多項式 φ(X)∈A[X] で以下の条件を
満たすものが存在する。
1) θのmod Pの剰余類は、B/PのA/p上の生成元。
2) φ(X) (mod P) はθ(mod P) の最小多項式
3) φ(θ) ∈ P - P^2
4) L = K(θ)
5) θ∈I

>>30から、このθが求めるものである。
証明終

42:132人目の素数さん
05/09/21 09:59:45
問題
AをDedekind環、I, J をその(非零)イデアルとする。
α∈I で αA = IR, R + J = A となるものが存在する。
ここで、R は A の(非零)イデアル

ヒント:中国式剰余定理を使う。

43:132人目の素数さん
05/09/21 10:03:54
>>35の命題を改めて書く。
命題
AをDedekind環、K をその商体、L/K を有限次分離拡大体。
BをLにおけるAの整閉包とする。
PをBの(非零)素イデアルで、B/P は A/p 上分離的とする。
ここで、p = A∩P。
このとき、以下の条件を満たすθ∈B が存在する。
1) L = K(θ)
2) A[θ] の導手 F はPと素である。

44:132人目の素数さん
05/09/21 10:05:19
>>43の命題の証明

pB = (P^e)I, I + P = B とする。
>>41より、以下の条件を満たすθ∈B が存在する。
1) L = K(θ)
2) θ∈I
2) 任意のω∈B と任意の整数 m > 0 に対して、
ω = G(θ) (mod P^m) となる多項式 G(X) ∈ A[X] がある。

c ∈ f'(θ)B ∩ A となる c ≠ 0 をとる。
f'(θ) ≠ 0 だから、このような c は存在する。
c が p に含まれないとすると、f'(θ)B は P に含まれない
ことになり、f'(θ)B = D(L/K)F より、F は P に含まれない。
よって、この場合は証明が終了する。
よって、 cA = (p^h)J, h > 0, J + p = A とする。ここで J は A のイデアル。
>>42より、dA = JR, R + p = A となる元 d ∈ J と A のイデアルRが
存在する
>>41より、任意のω∈B に対して、ω = G(θ) + β となる、
G(X) ∈ A[X] と β∈P^(eh) がある。
θ∈ I だから、(θ^h)β∈(I^h)P^(eh) = (IP^e)^h = (p^h)B
d(θ^h)β ∈ (p^h)JRB = cRB ⊂ f'(θ)B ⊂ F ⊂ A[θ]
よって、d(θ^h)ω = d(θ^h)G(θ) + d(θ^h)β ∈ A[θ]
ωは任意のB の元だから、d(θ^h) ∈ F となる。
d と θ は P に含まれないから F は P に含まれない。
証明終

45:132人目の素数さん
05/09/21 10:16:09
>>29のヒントでもまだたりない?

mを変化させると、KとLの中間体 K(α+(t^m)θ) の列が得られる。
L/Kは分離的だから、中間体の数は有限(ガロワ理論より)。
だから、この列は実質有限。つまり、K(α+(t^m)θ) = K(α+(t^n)θ)]、
m ≠ n となる整数m, n がある。

46:132人目の素数さん
05/09/21 10:20:37
>>45

実は、t^m = 1 となるケースがある。この場合、上の論法は使えない。
ただし、これが起きるのは I = A のときだけだから、問題ない。

47:132人目の素数さん
05/09/21 10:23:46
>>46の訂正

>これが起きるのは I = A のときだけだから、

これが起きるのは I = B のときだけだから、

48:132人目の素数さん
05/09/21 11:08:22
>>45はDirichletの部屋割り論法の一種。
この論法は数論でよく使われる。簡単だけど強力。

49:132人目の素数さん
05/09/21 14:03:16
高木の初等整数論はガウスのDA+デデキントの整数論の本のサマリ。
高木の代数的整数論は、ヒルベルトの(19世紀数学百科)報文の
引き写し+自分の類体論 だと誰かが言ってたが、そこらへんどうなの?

(ヒルベルトの報文って、手に入らないので、高瀬さんでも翻訳本
出してくれないものかな)

50:132人目の素数さん
05/09/21 14:33:48
>>49

ヒルベルトの報文は当然参考にしてるだろうだろうが、それが主要
なソースかどうかは知らない。
邦訳があったような。記憶違いかな。

自分の類体論といっても、ArtinとかChevalleyとかの改良を
取入れている。Artinのは改良と言うより、類体論の主定理と
言っていいものだが。

51:132人目の素数さん
05/09/21 19:55:21
ガロアスレでx^3+x+1の分解体で31Z以外は分岐しないことが即答できない程度の
人間が何をいきがってんだろ?

52:132人目の素数さん
05/09/21 20:28:35
ここは王国なんだから干渉しちゃだめ

53:132人目の素数さん
05/09/22 09:32:43
なんだレスついたと思ったら煽りかよ。

54:132人目の素数さん
05/09/22 09:56:37
命題
AをDedekind環、K をその商体、L/K を有限次分離拡大体。
BをLにおけるAの整閉包とする。
Bの任意の(非零)素イデアルPに対して、B/P は A/p 上分離的とする。
ここで、p = A∩P。
このとき、L/K の共役差積 D(L/K) は、f'(θ) 全体で生成される。
ここで、θ∈B、L = K(θ) で f(X)∈A[X] はθのK上のモニックな
最小多項式。

証明
A[θ] の導手をFとすると、f'(θ)B = D(L/K)F となる。
これと、>>43 からわかる。
詳しくは演習問題(簡単)とする。

55:132人目の素数さん
05/09/22 10:26:10
AをDedekind環、K をその商体、L/K を有限次分離拡大体。
BをLにおけるAの整閉包とする。
θをB の元で L = K(θ) とする。
A[θ] の導手をFとする。
p を A の(非零)素イデアルで、pB + F = B とする。
包含射 A[θ] → B と標準射 B → B/pB の合成
A[θ] → B/pB は、同型 A[θ]/pA[θ] = B/pB を誘導する。

証明
pB + F = B と F ⊂ A[θ] より、A[θ] → B/pB は全射。

A[θ] ∩ pB = (pB + F)(A[θ] ∩ pB) ⊂ pA[θ] + pA[θ] ⊂ pA[θ]
逆の包含関係 pA[θ] ⊂ A[θ] ∩ pB は明らかだから、
A[θ] ∩ pB = pA[θ] となる。
よって, A[θ] → B/pB の核 A[θ] ∩ pB = pA[θ] となる。
証明終

56:132人目の素数さん
05/09/22 10:41:45
命題
Aを(可換)環、p をAの極大イデアルとする。
f(X)∈A[X] をモニックな多項式とする。
A[X]/(f(X)) = B とおく。
このとき、B/pB = κ[X]/(φ(X)) となる。
ここで、κ= A/p、φ(X) は κ[X] のモニックな多項式で
f(X)の係数を mod p で考えたもの。

証明
演習問題(簡単)とする。

57:132人目の素数さん
05/09/22 11:03:27
高木のp.83の付記の証明、つまりDedekindの判別定理の証明の
初めの部分、f(X) = P(X)^eA(X) (mod p) が良く分からない。
これほんとに成立つのかな? p がθの導手と素なら>>55で述べたように
言えるけど、この場合、そうとは限らない。あの付記で言えるのは
pの上にある特定の素イデアルPと素になることだけ。

58:132人目の素数さん
05/09/22 11:07:09
>>55>>56を組み合わせると、θのK上のモニックな最小多項式
f(X)∈A[X] の mod p での既約多項式の分解により pB の素イデアル
分解が得られる。詳しくは、演習問題とする。

59:132人目の素数さん
05/09/22 11:11:45
結局、高木のDedekindの判別定理のイデアル論による証明は
よく分からない。Zariski-Samuelに綺麗な証明があるので
それを後で紹介する。その前にDedekind環の基本からやり直す。

60:132人目の素数さん
05/09/22 11:17:27
>>49
確か、Springerから、英訳が出ていたのがそうだと思う。これじゃない?
The Theory of Algebraic Number Fields" David Hilbert (著)
ところで、ガロアスレでWeberの代数学の本の話があったけど、
どうやれば手にはいるか知ってる人いる? 独、英訳どちらでもいい。

61:208
05/09/22 11:21:01
>>60
>ガロアスレでWeberの代数学の本の話があったけど、

amazon.comにあったので最近注文した。まだ届いてない。
それが最後の在庫だったらごめん。

62:132人目の素数さん
05/09/22 11:40:22
>>60
AMSのBookstoreで購入可能!
URLリンク(www.ams.org)

63:132人目の素数さん
05/09/22 11:42:58
まず、可換代数の初歩から復習する。
今後、環と言えば可換環を意味する。

定義
A を環、SがAの積閉集合とは、次の条件を満たすAの部分集合である。
1) 1 ∈ S
2) a∈ S, b ∈ S なら ab ∈ S

64:132人目の素数さん
05/09/22 11:59:38
>>63
零元は含まない、という条件も加えたら?



65:132人目の素数さん
05/09/22 11:59:50
A を環、SをAの積閉集合とする。
I = {x ∈ A; sx = 0 となる s ∈ S がある}
とおく。
I はA のイデアルである。
φ: A → A/I を標準射とする。
φ(S) の各元は B = A/I の非零因子である(演習問題)。
よって、φ(S) の各元は B の全商環 Q において逆元を持つ。
よって、Qの部分環 A_S = {φ(x)/φ(s); x ∈ A, s ∈ A} が定義
出来る。
A_S を A の S による局所化という。
A_S は A[1/S]とも書く。
A_S の元 φ(x)/φ(s) は、普通略して x/s と書く。

66:208
05/09/22 12:05:28
>>64

やだw
何故なら環というとき零環、つまり 1 = 0 となる環も含めたいから。
これがBourbakiやGrothendieckの流儀。
こうすると、f ∈ A のとき A[1/f] がfがベキ零でも定義できて
場合分けの面倒がない。

67:64
05/09/22 12:15:28
>>66
了解! そのほうが形式的にすっきりします。

68:132人目の素数さん
05/09/22 12:15:33
ちなみに、可換代数でもっとも重要な概念は>>65の局所化である。
この概念を自由自在に使いこなせるようになることが、可換代数を
学ぶ上での最初のハードルである。この重要な概念がやっと1940年代に
定式化されたのは驚くべきことだろう。

69:64
05/09/22 12:18:32
>>69
さらに任意の可換環に対する局所化の定式化は
これからかなり遅れて成された、ということも驚き。

70:132人目の素数さん
05/09/22 12:20:57
>>69
はあ? >>65は任意の可換環の局所化だけど

71:60
05/09/22 12:40:55
>>62
ありがとう!

72:132人目の素数さん
05/09/22 12:59:17
A_S を圏論的に特徴つけると以下のようになる。

可換環の圏を Ring と書く。
A を環、SをAの積閉集合とする。
B を環としたとき、
F(B) = {f ∈ Hom(A, B); f(S)の任意の元は可逆 } とおく。
対応 B → F(B) により、Ring から集合の圏 Setへの共変関手 F が
得られる(確かめよ)。
F は A_S により表現可能である。
つまり、関手 B → Hom(A_S, B) は 関手 F と標準的に同型になる。

これを、噛み砕くと
f ∈ F(B) に対して、g∈ Hom(A_S, B) で、gφ = f となるものが
一意に存在する(図を書くとよくわかる)。

ここで、φ: A → A_S は a ∈ A に a/1 ∈ A_S を対応させる標準射。

73:132人目の素数さん
05/09/22 13:14:11
>>72
圏と関手の定義を簡単に説明してくれんか?
できればわかりやすく!

74:132人目の素数さん
05/09/22 13:47:50
>>73
英語が読めればwikipedeiaでcategory theoryを検索すればいい。
英語が読めないときは、図書館に行って日本語の圏論の入門書を調べてくれ。

75:132人目の素数さん
05/09/22 13:54:06
ところで、学部では圏論やらないの?

76:132人目の素数さん
05/09/22 14:01:23

非可換環の場合、局所化はどうなるんですか?

77:132人目の素数さん
05/09/22 14:02:57
>>75
学部でやるとかやらないとか関係ねーじゃん
公式のカリキュラムなんてほんの目安で
必要と思えば自分で勉強すればいいじゃん

小学生じゃねんだからさ

78:132人目の素数さん
05/09/22 14:13:27
>>74
けちなこと言うなよ。お前の悪いところだ。自分のいいたいことは延々と
垂れ流すくせに、こういうときは妙に素っ気ない。

79:132人目の素数さん
05/09/22 14:59:21
>>78

英語読めないやつはいっていいよ。数学やってるのに英語読めないってのは
話にならない。さらに独、仏も読めないとな。
高木は、ドイツ語だけでなくフランス語もよく出来たらしいね。
むこうで、フランス語で発表したらしい。発表だけでなく会話も。

80:132人目の素数さん
05/09/22 15:43:17
>>79
なら、このスレも英語で書いてみな。書けるものなら。
フランス語でもいいぞw

81:132人目の素数さん
05/09/22 15:45:12
環Aの素イデアルの集合をSpec(A)と書く。
SをAの積閉集合とする。
T(S) = {p∈Spec(A); p ∩ S = 空集合} とおく。
p∈S に p(A_S) を対応させるとT(S)からSpec(A_S)への全単射が
得られる。この写像の逆写像は、P ∈ Spec(A_S) に P のφによる
逆像φ^(-1)(P) を対応させるもの。ここで、φ: A → A_S は標準射。

以降、この全単射により、T(S)とSpec(A_S)を同一視する。

82:132人目の素数さん
05/09/22 15:48:32
>>80

残念でした。俺は英語は得意。しゃべりも書くのも。
外人とりラックスして話せる。食事を楽しみながらな。

83:132人目の素数さん
05/09/22 15:49:12
非可換環の場合はどうなるんですか?

84:132人目の素数さん
05/09/22 15:55:53
A をネーター環とし、SをAの積閉集合とすると、
A_S もネーター環である。

85:132人目の素数さん
05/09/22 16:07:09
A を環とし、MをA-加群とする。
SをAの積閉集合とする。
M_S = M(x)A_S と定義する。
ここで、M(x)A_S は M とA_Sの A 上のテンソル積。
M_S は A_S-加群となる。M_S を M[1/S] と書くこともある。

x ∈ M, s ∈ S のとき、x(x)(1/s) を x/s と書く。

x/s = 0 とすると、ある t ∈ S があり、tx = 0 となる。

86:132人目の素数さん
05/09/22 16:10:30
M → M_S は完全関手である。
つまり、A-加群の完全列 0 → N → M → L → 0 があると
0 → N_S → M_S → L_S → 0 も完全である。

87:132人目の素数さん
05/09/22 16:12:26
A を環とし、MをA-加群とする。

x ∈ M に対して、Ann(x) = {a∈A; ax = 0 } とおく。

Ann(M) = {a∈A; aM = 0 } とおく。

Supp(M) = {p∈Spec(M); M_p ≠ 0 } とおく。

88:132人目の素数さん
05/09/22 16:17:57
>>87
>Supp(M) = {p∈Spec(M); M_p ≠ 0 } とおく。

M_p は M の S = A - p による局所化。
同様に A_p も定義される。

89:132人目の素数さん
05/09/22 16:19:10
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。
p ∈ Spec(A) で、ある x ∈ M に対して p = Ann(x) となるとき
p を M の随伴素因子という。M の随伴素因子全体を Ass(M) と書く。

90:132人目の素数さん
05/09/22 16:41:44
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。
x ∈ M, x ≠ 0 とすると、
Ann(x) を含む p ∈ Ass(M) がある。

証明
A イデアルの集合 T = {Ann(y); 0 ≠ y ∈ M, Ann(x) ⊂ Ann(y)}
は空でない(すくなくともAnn(x)がその要素)。
A はネーター環だから、T に極大元 Ann(y) がある。
a ∈ A - Ann(y)、b ∈ A とする。
Ann(y) ⊂ Ann(ay) で、ay ≠ 0 だから、Ann(y) の極大性から
Ann(y) = Ann(ay) となる。ab ∈ Ann(y) とすると、b ∈ Ann(ay) だから、
b ∈ Ann(y) となる。これは、Ann(y) が素イデアルであることを示す。
証明終

91:132人目の素数さん
05/09/22 16:47:13

非可換環の場合はどうなるんですか?

92:132人目の素数さん
05/09/22 17:01:04
>>91

うるせえな。すこしは自分で調べろよ。

93:132人目の素数さん
05/09/22 17:48:06
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。
p ∈ Ass(M) であるためには、A-加群としての単射 A/p → M が
存在することと同値である。

94:132人目の素数さん
05/09/22 17:59:04
>>91のような質問を完全にスルーするのは感心できないな。

Ore setで調べてみ。

95:132人目の素数さん
05/09/22 18:00:01
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。
SをAの積閉集合とする。
Ass(M_S) = Ass(M) ∩ Spec(A_S) となる。
ここで、M_S は A_S-加群として考え、>>81 の同一視をしている。

証明
p ∈ Ass(M) ∩ Spec(A_S) とする。
>>93より、A-加群の単射 A/p → M がある。この像をNとする。
よって A-加群の完全列 0 → p → A → N → 0 が得られる。
>>86より、0 → p_S → A_S → N_S → 0 は完全。
よって、N_S = A_S/p(A_S) となる。
仮定より、p(A_S) ∈ Spec(A_S) である。
A-加群の完全列 0 → N → M → M/N → 0
より、A_S-加群の完全列 0 → N_S → M_S → (M/N)_S → 0
が得られる。つまり、A_S-加群の単射 A_S/p(A_S) → M_S
が存在する。よって、p(A_S) ∈ Ass(A_S) となる。

逆に、p(A_S) ∈ Ass(A_S) とする。
Ann(x/s) = p(A_S) となる、x ∈ M、s ∈ S がある。
A はネーターだから、p は有限個の生成元 a_1, ..., a_n をもつ。
(a_i/1)(x/s) = 0 だから、t(a_i)x = 0 がすべての a_i で成立つような
t ∈ S がある。よって、p = Ann(tx) となる(詳細はまかす)。
証明終

96:132人目の素数さん
05/09/22 18:02:07
>>94
スレ違いだろ。可換環論と関係ない

97:132人目の素数さん
05/09/22 18:06:38
>>96
一言キーワード与えるくらい別に大したことないじゃん。
しかし、おぬしの口からスレ違いとは。。。

98:132人目の素数さん
05/09/22 18:17:03
Aを環、p ∈ Spec(A) とする。
>>81 より Spec(A_p) = {q ∈ Spec(A); q ⊂ p } となる。
よって、A_p はpA_pをただ1つの極大イデアルにもつ。
つまり、A_pは局所環である。
A_p/pA_p は A/pの商体に同型である。

99:132人目の素数さん
05/09/22 18:37:09
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。
Ass(M) ⊂ Supp(M) となる。

証明
p ∈ Ass(M) とする。
A/p ⊂ M とみなせる。
よって、(A/p)_p ⊂ M_p
一方、(A/p)_p = A_p/pA_p ≠ 0
よって、M_p ≠ 0
証明終

100:132人目の素数さん
05/09/22 19:11:50
208がここに落ち着いてくれのたはうれしい。
いちいち、あげないでくれというのはさすがに無理か?

101:132人目の素数さん
05/09/22 22:09:16
208 さんの書き込みは勉強になります。
ずっとこのスレだけに書き込み続けてください

102:132人目の素数さん
05/09/22 22:20:44
>>96
そんなことだから、いつまでたっても風采が上がらんのだよ。

103:132人目の素数さん
05/09/22 22:35:47
ところで非可換環に対してもスキームみたいなことって
研究されてるのかね

104:132人目の素数さん
05/09/22 22:41:36
>>94

レスどうもです。Ore ring と言うんですね。
検索したらいろいろあって勉強になりました。

105:132人目の素数さん
05/09/23 00:56:10
>>74
>日本語の圏論の入門書
殆ど無いような気がするけど、どんな本のことを言ってるの?
最近和訳されたMac Laneとか?

>>75
やらないかと、、

関係ないけど、英語のwikiは充実振りが凄いね

106:132人目の素数さん
05/09/23 01:00:16
>>79
そうだね
数学やってるんだから露も読めないとねw
代数幾何やってるのにイタリア語を読めないとか、カスだねwww

ってたまたま語学堪能な数学者に言われたらあなたどういう気持ちがしますか?
分野によっては独語とか殆ど使わないような気がしますが、、

107:132人目の素数さん
05/09/23 01:55:54
気のせい。

108:132人目の素数さん
05/09/23 02:35:43
数学専攻ならロシア語くらいは読めんとな。

109:132人目の素数さん
05/09/23 06:17:50
数学の神ラマヌジャンの祖国インドの全ての民族語も読めんとな。

110:132人目の素数さん
05/09/23 06:35:29
数学専攻なら古代サンスクリットとマヤ語くらいは読めんとな。


111:132人目の素数さん
05/09/23 06:58:39
古代エジプト人はリーマン予想を解いていた

112:132人目の素数さん
05/09/23 16:11:53
リーマン予想くらいは解けんとな。

113:132人目の素数さん
05/09/26 09:52:11
スレ違いの質問でも数学のことなら俺は答えるべきとか無視すべきではない
とかと考えてるやつがいるけど(例えば、>>91, >>97)、どっからそういう
とんでもない思い込みが来るんだ?
誤解のないように言うけど、スレ違いでも流れから自然に出てくるのは、
駄目とは言ってない。だから、>>91 の質問も最初のときはいいんだよ。
だけど、それに俺が答えるかどうかは、俺の勝手だろ。
その質問は俺にとっては興味がないんだよ。可換環の概念のそれぞれに対応する
非可換バージョンは何かという発想は俺には退屈なんだよ。わるいけどな。
他の人が答えるぶんにはいっこうにかまわない。

114:132人目の素数さん
05/09/26 09:58:02
>>106
>ってたまたま語学堪能な数学者に言われたらあなたどういう気持ちがしますか?
>分野によっては独語とか殆ど使わないような気がしますが、

どういう気もなにも必要ならその言語を勉強するしかないだろ。
気持ちの問題じゃないんだよ。必要かどうかの問題なの。

115:132人目の素数さん
05/09/26 10:02:40
>>105
>殆ど無いような気がするけど、どんな本のことを言ってるの?
>最近和訳されたMac Laneとか?

俺なんか学部1年目で読んだけどな。岩波の現代数学概説Iを。
あの本は、あまり良くないけど圏論について一応は書いてある。
他には岩波の河田のホモロジー代数。圏論はこっちのほうが詳しい。

116:132人目の素数さん
05/09/26 11:07:32
>>85
>x/s = 0 とすると、ある t ∈ S があり、tx = 0 となる。

これを定義(M_S = M(x)A_S)から直接証明するのはかなり面倒。
普通は、M_S を M×S のある同値関係の同値類として定義し、
これが、M(x)A_S と同型になることを示す。

ここでは、Bourbakiに従って、面倒なほうの証明を紹介する。
そのためには、テンソル積と帰納極限が可換なことを使う。
詳しく述べると、

A を環とし、(M_i), i ∈ I をA-加群の帰納系とする。
ここで、I は有向前順序集合。
同様に、(N_j), j ∈ J をA-加群の帰納系とする。
ここで、J は有向前順序集合。
このとき、
ind.lim M_i(x)N_j = (ind.lim M_i) (x) (ind.lim N_j)
となる。ここで等号は同型を表す。

117:132人目の素数さん
05/09/26 11:47:03
集合 I が前順序集合であるとは、I に以下の条件を満たす関係≦が
定義されていることを意味する。

1) 任意の i ∈ I に対して i ≦ i
2) i ≦ j, j ≦ k なら i ≦ k

前順序集合 I が有向であるとは、任意の i, j ∈ I に対して
i ≦ k, j ≦ k となる k が存在することをいう。

有向前順序集合 I を添え字集合とする A-加群の族 (M_i) が帰納系
であるというのは i ≦ j のとき A-加群の射 f_(j, i) : M_i → M_j
があり、以下の条件を満たすものをいう。
1) f_(i, i) は M_i の単位射
2) i ≦ j, j ≦ k なら f_(k, j)f_(j, i) = f_(k, i)

帰納系(M_i) から A-加群 M への射を 射 f_i: M_i → M の族(f_i)で
i ≦ j なら f_i = f_j f_(j, i) となるものと定義する。

帰納系(M_i) から A-加群 M への射 (f_i) があるとする。
これが次の条件を満たすとき、M を帰納系(M_i) の帰納的極限という。
1) 帰納系(M_i)から A-加群 N への射 (g_i) があるなら、
射 f: M → N が存在し、g_i = f f_i が各 i ∈ I で成立つ。
2) f は上の条件で一意に定まる。

M を ind.lim M_i と書く。ind. はinductiveの略。

118:132人目の素数さん
05/09/26 12:02:28
有向前順序集合 I を添え字集合とする A-加群の帰納系 (M_i) には、
必ず帰納的極限が存在する。

T を M_i の直和集合とする。T に以下のように同値関係を導入する。
x_i ∈ M_i, y_j ∈ M_j が同値であるとは、i ≦ k, j ≦ k となる
k があり、f_(k, i)(x_i) = f_(k, j)(y_j) となることをいう。
ここで、f_(k, i) は、帰納系 (M_i) を定義する射。
これが同値関係を満たすことの確認は各自にまかす。
T をこの同値関係で割った商集合を M とする。
M が A-加群になり、M = ind.lim M_i となることも各自にまかす。

119:132人目の素数さん
05/09/26 12:18:46
帰納的極限 ind.lim (M_i) は次の意味で同型を除いて一意に定まる。
帰納系 (M_i) の 極限として M と N があるとする。
このとき、A-加群の同型射 f: M → N があり、
f f_i = g_i となる。ここで、f_i: M_i → M, g_i: M_i → N は
それぞれの極限を定義する射。

このことは帰納的極限の定義からすぐ出る。

120:132人目の素数さん
05/09/26 12:30:58
>>118から次のことがわかる。
M = ind.lim (M_i) とし、x ∈ M_i, y ∈ M_j に対して、
f_i(x) = f_j(y) とする。このとき、i ≦ k, j ≦ k となる k があり、
f_(k, i)(x) = f_(k, j)(y) となる。

とくに、x, y ∈ M_i で、f_i(x) = f_i(y) とすると、
i ≦ j となる j があり、f_(j, i)(x) = f_(j, i)(y) となる。

これから、f_i(x) = 0 なら f_(j, i)(x) = 0 となる j がある。

121:132人目の素数さん
05/09/26 13:00:19
>>113
そんなに長々と理屈こねなくても、素直に知りませんと言えばすむことじゃん。

122:132人目の素数さん
05/09/26 13:23:44
圏論を学部で教えないってのはおかしいな。
私見によれば圏論は20世紀の数学が発見したものの中で最も重要な概念だ。
19世紀の集合概念の発見に匹敵するものだろう。
パラダイムが変わったといってもいいほどのもの。

123:132人目の素数さん
05/09/26 13:26:51
面白そうでないということくらいなら知ってる

124:132人目の素数さん
05/09/26 13:28:24
何故知ってるかというと昔、浅野の環論をちらっと見たから
たしかエライ面倒

125:132人目の素数さん
05/09/26 13:31:09
対象よりも射によって色々なものを定義しようって発想ですな
つまり人間は一人で生きるにあらずということを主張しているわけですよ
圏論というものは

126:132人目の素数さん
05/09/26 13:36:40
>>121
スルーしたってことで終わりだろ。それをぐだぐだ言う奴がいる。
なんか勘違いしてるんだな

127:132人目の素数さん
05/09/26 13:41:26
挑発的なレスは208?

128:208
05/09/26 13:45:07
今日のレスで>>121,>>125,>>127以外は今のところ俺

129:132人目の素数さん
05/09/26 14:00:57
ぐだぐだ言ってるのは208だと思います><

130:132人目の素数さん
05/09/26 14:07:02
そのとおりだとおもいまゅ(><)

131:132人目の素数さん
05/09/26 14:07:40

これからの数学にとって、非可換環ほど重要なものはないだろ?

132:208
05/09/26 14:18:13
>>131

これからって、どのくらいのスパンを考えてる?
50年以上先ってのなら、そういう話は今しないでくれ。

133:132人目の素数さん
05/09/26 14:24:59
GL(2,Z)の整数論でもやらないか?

134:208
05/09/26 14:31:49
>>133
ヘッケ環だろ。
特殊な非可換環なら昔から整数論でやってる。
群環だって表現論では昔から重要。

135:132人目の素数さん
05/09/26 14:41:17
例えば、M(2,Z) を2次の行列環とするとき、
Spec(M(2,Z)) はどういうものになるんですか?

136:208
05/09/26 14:54:33
俺は知らないからスルー

137:132人目の素数さん
05/09/27 05:47:22
現代数学概説Iはやたら一般の代数系に拘ったり
素朴集合論に70~80ページとか費やしてる割に
群、環、体はあまり深く議論してなかったり、突っ込みどころ満載かと、、

圏論について書いてないことも無いけど、あれを学部生に読ませるのは駄目だと思う
あの本が参考文献で出てくること自体が、
ほとんど日本語の本が出てないこと、学部教育に圏論が必要と
考える人が少ないことをを端的に表している

138:132人目の素数さん
05/09/27 06:45:52
>>137
まあ圏論なんて代数幾何とかやらないとなかなかありがたみがわかないと思う。
圏論だけの授業やってもあまり面白くないと思うし、しょうがないわな。

139:208
05/09/27 08:56:16
>>137
>現代数学概説Iはやたら一般の代数系に拘ったり
>素朴集合論に70~80ページとか費やしてる割に
>群、環、体はあまり深く議論してなかったり、突っ込みどころ満載かと、、

そうそう。俺なんか、何も知らない1年生だったから、退屈なのを
我慢して読んだよ。束論なんかもいやに詳しくて、そのくせ
あそこに書いてある束論の結果なんか俺は今もって使ったことがない。

あれはBourbakiにひどく影響されて書かれたものなんだね。
Bourbakiの集合論と代数の内容をあの一冊に収めようとしたのが
そもそもの間違い。

140:208
05/09/27 09:09:09
>>138
>圏論だけの授業やってもあまり面白くないと思うし、

何も圏論だけの授業をやれと言ってるんじゃない。
圏論は代数幾何とまで言わなくても、普通に代数に使われるよ。
位相幾何もそう。これ等をやる前にちょこっとやればいいじゃん。

141:208
05/09/27 09:21:09
圏論使わないと教えるのに不便なんだよ。
圏論の初歩、つまり米田の補題とか随伴関手くらいまでだったら
証明を理解するのは簡単だろ。簡単すぎてあくびがでるくらい。

142:208
05/09/27 09:38:59
>>116の命題を証明する。
命題
A を環とし、(M_i), i ∈ I をA-加群の帰納系とする。
ここで、I は有向前順序集合。
同様に、(N_j), j ∈ J をA-加群の帰納系とする。
ここで、J は有向前順序集合。このとき、
ind.lim M_i(x)N_j = (ind.lim M_i) (x) (ind.lim N_j)
となる。ここで等号は同型を表す。
(M_i(x)N_j) の添え字集合は I と J の直積に、(i, j) ≦ (i', j')
を、i ≦ i' かつ j ≦ j' と定義したものこれが有向前順序集合に
なることは明らかだろう。

証明
M = ind.lim (M_i)
N = ind.lim (N_j)
T = ind.lim M_i(x)N_j とおく。

M × N から T への写像φを以下のように定義する。
(x, y) ∈ M × N とし、x = f_i(x_i), y = g_j(y_j) とする。
ここで、x_i ∈ M_i, y_j ∈ N_j で、f_i, g_j はそれぞれ
(M_i), (N_j) の極限を定義する標準射。
φ(x, y) = h_(i,j)(x_i (x) y_j) とする。
ここで、h_(i,j): M_i(x)N_j → T は標準射。
これが、x_iとy_jの取り方によらないことと、双線形写像であること
の確認は各自にまかす。
よって、テンソル積 M (x) N の性質から、φ(x, y) = λ(x (x) y)
となる A-加群としての射 λ: M (x) N → T が存在する。
他方、 μ_(i,j) : M_i(x)N_j → M (x) N が μ_(i,j) = f_i (x) g_j
と定義して得られる。射の族 (μ_(i,j)) は帰納系 (M_i(x)N_j) から
M (x) N への射を定義する。よって、μ: T → M (x) N が得られる。
λとμが、互いに逆写像になっていることは容易にわかる。
証明終

143:208
05/09/27 09:56:48
>>142の記号を使う。

x ∈ M, y ∈ N とし、x (x) y = 0 とする。
>>118より x = f_i(x_i), y = g_j(y_j) となる
x_i ∈ M_i, y_j ∈ N_j がある。

(f_i (x) g_j) (x_i (x) y_j) = f_i(x_i) (x) g_j(y_j) = x (x) y = 0
となる。
>>120 より、 x_k (x) y_l = 0 となる、x_k ∈ M_k, y_l ∈N_l
がある。ここで i ≦ k, j ≦ l であり、x_k = f_(k, i)(x_i),
y_l = g_(l, j)(y_j)

144:208
05/09/27 10:09:42
命題
A を環とし、M と N を A-加群とする。
x ∈ M, y ∈ N とし、x (x) y = 0 とする。
このとき、x を含む A上有限生成の M の部分加群 M' と
y を含む A上有限生成の N の部分加群 N' が存在し、
M' (x) N' の元として x (x) y = 0 となる。

証明

M の有限生成部分加群全体の族 (M_i) を考える。
ここで添え字集合 I は M の有限生成部分加群のなす集合であり、
包含関係により順序を定義する。I は有向順序集合である。
当然、有向前順序集合でもある。
M = ind.lim (M_i) は明らかだろう。
同様に、N の有限生成部分加群全体の族 (N_j) を考える。
N = ind.lim (N_j) となる。
こもまでくれば、>>143より命題は明らかだろう。
証明終

145:208
05/09/27 10:38:01
>>85の証明をする。

命題
A を環とし、MをA-加群とする。
SをAの積閉集合とする。
M_S = M(x)A_S と定義する。
ここで、M(x)A_S は M とA_Sの A 上のテンソル積。
M_S は A_S-加群となる。M_S を M[1/S] と書くこともある。
x ∈ M, s ∈ S のとき、x (x) (1/s) を x/s と書く。
x/s = 0 とすると、ある t ∈ S があり、tx = 0 となる。

証明
x/s = x (x) (1/s) = 0 より、x/1 = x (x) 1 = 0 となる。
>>144 より、A_S のA-加群としての有限生成部分加群 N で
1 を含み、M (x) N の元として x (x) 1 = 0 となる。
N の生成元を、a_1/t_1, ... , a_r/t_r とする。
t_1, ..., t_r の積を t とすれば、N ⊂ A(1/t) となる。
I = {a ∈ A; ある s ∈ S に対して sa = 0} と定義すると、
I は A nのイデアルである。
a ∈ A のとき、a/t = 0 となるのは、sa = 0 となる s ∈ S
があるときに限る。つまり、a ∈ I である。
A-加群としての射 f: A → A(1/t) を、f(a) = a/t で定義する。
この射の核は、I に他ならない。f は明らかに全射だから、
A(1/t) は A/I と同型である。よって、 M (x) A(1/t) は
M (x) (A/I) = M/IM に同型である。この同型により、
x (x) 1 = x (x) (t/t) は tx mod IM に移る。
x (x) 1 = 0 だから、tx ∈ IM となる。よって、tx = Σ(a_i)(m_i)
となる、有限個の a_i ∈ I と m_i ∈ M がある。
すべての a_i に対して sa_i = 0 となる s ∈ S がある。
この s により stx = 0 となる。
証明終

146:208
05/09/27 12:17:37
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。
p を Supp(M) の極小元とすると、p ∈ Ass(M) となる。

証明
M_p は空でないから、>>90より Ass(M_p) は空でない。
Ass(M_p) は Spec(A_p) の部分集合であり、Spec(A_p) は
{q ∈ Spec(A); q ⊂ p} と同一視される(>>81)。
pの極小性より、Ass(M_p) = {pA_p} となる。
一方、>>95より、この同一視により Ass(M_p) = Ass(M) ∩ Spec(A_p)
となる。よって、p ∈ Ass(M) となる。
証明終

147:208
05/09/27 12:31:14
随伴素イデアル(つまり Ass(M) の元)という概念 は Bourbakiの
手柄だね。それ以前は、この概念は準素加群分解に現れる素イデアル
ということでしか定義されなかった。
随伴素イデアルの重要性を示すために例として有限アーベル群の
随伴素イデアルは何かという問題を出そう。

別の例として、V を代数的閉体 K 上の有限次ベクトル
空間とし、u を Hom(V, V) = End(V) の元とする。
K[X] を K 上の1変数多項式環とし、 X に u を対応させることにより、
K-多元環としての射 K[X] → End(V) が得られる。この射により、
V は K[X]-加群となる。このK[X]-加群の随伴素イデアルは何か?

148:132人目の素数さん
05/09/27 12:43:22
しかし、これだけ演習題を提示して
証明もあたえらるなら、本にして売ったほうがいいような気がする
「電車男」なんてインチキ本が売れるんだ、
「数」の世界にごまかしはないからぜひとも編纂願う

149:132人目の素数さん
05/09/27 12:50:06
興味ある奴の絶対数が違いすぎる

150:208
05/09/27 12:52:09
随伴素イデアルの理論の次はだいたい以下のように考えている。

・Artin環
・Dedekind環の特性つけ
・Krull-秋月の定理
・正規環の因子類群
・ガロワ拡大におけるHilbertの分岐理論
・Dedekindの判別定理の証明
・付値論の初歩
・完備付値体の理論

途中で変更の可能性もある。

151:132人目の素数さん
05/09/27 12:56:30
興味ない奴はスルーすればいいだけとか言うくらいだったら、
自分でサイト作ってそこに文章書いて掲示板でも設置すればいいのに。

彼が2chという掲示板でやる理由は何だろうね。

152:132人目の素数さん
05/09/27 12:57:29
わかりきった問いをするなよ

153:132人目の素数さん
05/09/27 13:12:21
本当は大学か何かの先生だったりします?>>208

154:132人目の素数さん
05/09/27 13:58:34
>>153
だろうね。

155:208
05/09/27 15:27:24
そんなわけねえだろ。学部で圏論教えてるかどうか聞いてるのに。

156:208
05/09/27 15:28:45
>>152

ほう、教えてくれ

157:208
05/09/27 15:45:20
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。
N を M の部分加群とする。
Ass(M/N) が1個の素イデアルのみからなるとき、N を M の
準素(primary)部分加群という。Ass(M) が1個の素イデアルのみから
なるとき、つまり {0} が M の準素部分加群となるとき、
M を余準素(coprimary)加群という。

M の部分加群 N が真に大きい部分加群の共通部分になるとき、
つまり、N = N_1 ∩ N_2, N ≠ N_1, N ≠ N_2 となる部分加群
N_1, N_2 があるとき、N を可約部分加群という。可約でないとき
既約という。

158:208
05/09/27 16:03:24
命題
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。
N を M の部分加群とする。
N が準素部分加群でなければ、N は可約である。

証明
M を M/N に置き換えて N = 0 と仮定してよい。
よって、Ass(M) に属す素イデアルで互いに異なる p, q がある。
p = Ann(x), q = Ann(y) となる元 x, y ∈ M がある。
Ax は A/p に A-加群として同型だから、Ass(A/p) = {p} となる。
同様に Ass(A/q) = {q} である。
Ass(Ax ∩ Ay) ⊂ Ass(A/p) ∩ Ass(A/q) だから、Ass(Ax ∩ Ay) は
空集合である。よって、Ax ∩ Ay = 0
証明終

159:208
05/09/27 16:25:22
補題
A をネーター環とし、Mを 有限生成 A-加群とする。
f ∈ Hom(M, M) とする。
ある整数 n > 0 に対して f^n(M) ∩ Ker(f) = 0 となる。

証明
M の部分加群の昇列 Ker(f) ⊂ Ker(f^2) ⊂ ...
を考える。M はネーターだから、Ker(f^n) = Ker(f^(n+1)) となる
整数 n > 0 がある。この n が求めるものである。
証明終

160:208
05/09/27 17:03:07
A を環、I を A のイデアルとする。
V(I) = {p ∈ Spec(A); I ⊂ p } と定義する。
V(I) の形の Spec(A) の部分集合を閉集合と定義することにより、
Spec(A) に位相が入る。この位相を Spec(A) のZariski位相という。

161:208
05/09/27 17:04:58
補題
A を環とし、Mを 有限生成 A-加群とする。
Supp(M) = V(Ann(M)) となる。

証明は演習とする。

162:208
05/09/27 17:17:27
A を環、f ∈ A とする。S = {f^n; n = 0, 1, 2, ...} とする。
S は積閉集合である。A_S を A[1/f] または A_f と書く。
A[1/f] が零環となるのは f がべき零のときに限る。
よって、Spec(A[1/f]) が空となるのは、f がべき零のときに限る。
Spec(A[1/f]) は、集合 D(f) = {p ∈ Spec(A); f は p に含まれない}
と同一視される(>>81)。

163:208
05/09/27 17:20:32
命題
A を環とする。A のすべての素イデアルの共通部分は A のべき零元の
全体と一致する。

証明は>>162より明らか。

A のべき零元の全体を Nil(A) と書く。

164:208
05/09/27 17:35:13
A を環、I を A のイデアルとする。Nil(A/I) の標準射 A → A/I
による逆像を I の根基(radical)とよび、rad(I) と書く。
これは、mod I でベキ零となる A の元全体である。
>>163より、rad(I) は I を含む素イデアル全体の共通部分である。

165:208
05/09/27 17:50:11
ネーター環 A の Nil(A) はベキ零である。

証明は演習

166:208
05/09/27 17:58:15
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。
Ass(M) と Supp(M) のそれぞれの極小元の集合は一致する。

証明
Ass(M) ⊂ Supp(M) (>>99) と >>146 からわかる

167:208
05/09/27 18:02:21
命題
A をネーター環とし、Mを 有限生成 A-加群とする。
rad(Ann(M)) は p ∈ Ass(M) 全体の共通部分と一致する。

証明
>>161>>166 よりわかる。

168:208
05/09/27 18:07:01
A をネーター環とし、Mを 有限生成 A-加群で余準素(>>157)とする。
このとき、定義より、Ass(M) は一個の素イデアル p よりなるから
>>167より p = rad(Ann(M)) である。>>165 より、p^n ⊂ Ann(M)
となる整数 n > 0 がある。よって、(p^n)M = 0 となる。

169:208
05/09/28 09:11:33
現代数学概説Iの悪口を書いたけど、俺はあれで集合論を勉強した。
束論も意識してないけどジョルダン・ヘルダーの定理なんかで、
無意識に使ってるかもしれない。若い頃に読んだものって結構
影響力がある。因みにあのシリ-ズはいい本があるね。
岩沢の代数関数論とか。あの本はいいらしいけど超難しい。
俺も学部のころ仲間で読もうとしたけど、最初の付値論の
近似定理あたりで皆おだぶつ。

170:208
05/09/28 09:29:13
今やってる随伴素イデアルとか今後やる予定の殆ど(全部ではない)
はBourbakiの可換代数に書いてあるんで、それを参照してくれと
言えばお終いだけどね。その本が手元にない人も多いだろうから
こっちの復習もかねてここに書いてる。

171:208
05/09/28 09:36:20
前に数回書いてるけどBourbakiの可換代数はいいよ。なんで皆、
Ati-Macとか松村で勉強するんだろ。松村はBourbakiが書いて
ないこともあるからいいけど。Bourbakiのいいところは、すべて
証明をつけてあるところ。しかもほとんどの命題の証明が比較的簡単
なんだな。だから、根気さえあれば読める。これはGrothendieck
のEGAにもある程度言える。

172:208
05/09/28 12:35:52
A を環、M を A-加群、N をその部分加群とする。
Supp(M) = Supp(N) ∪ Supp(M/N) となる。

証明
完全系列 0 → N → M → M/N → 0
より、p ∈ Spec(A) に対して
完全系列 0 → N_p → M_p → (M/N)_p → 0
が得られる。
これより明らか

173:208
05/09/28 12:43:00
A を環、M を A-加群、(M_i), i ∈ I をその部分加群の族で
M = ΣM_i とする。ここで、Σは直和ではなく単なる和をあらわす。
つまり、M は(M_i)で生成される。
S を A の積閉集合としたとき、
M_S = Σ(M_i)_S となる。

証明は演習。っていうか明らかだろう。

174:208
05/09/28 12:46:58
A を環、M を A-加群、(M_i), i ∈ I をその部分加群の族で
M = ΣM_i とする。ここで、Σは直和ではなく単なる和をあらわす。
Supp(M) = ∪Supp(M_i) となる。

証明は>>173より明らかだろう。

175:208
05/09/30 16:01:36
定義
Aを環とし、MをA-加群とする。
Aの元 a が M に関して概べき零であるとは、各 x ∈ M に対して、
整数 n(x) > 0 が存在して、a^(n(x))x = 0 となることを言う。
n(x) が x によらないとき、つまり、ある整数 n > 0 に対して、
(a^n)M = 0 となるとき、a を M に関してべき零であるという。

176:208
05/09/30 16:52:47
Aを環とし、I をそのイデアルとする。
Supp(A/I) = V(I) である。

証明は演習とする。

177:208
05/09/30 17:13:43
A を環とし、Mを A-加群とする。
Supp(M) に属す全ての素イデアルの共通部分は、M に関して概べき零な
元全体と一致する。

証明
>>174より、Supp(M) = ∪{Supp(Ax); x ∈ M} である。
Ax は A/Ann(x) と同型であるから、>>176より、Supp(Ax) = V(Ann(x))
となる。>>164より、Supp(Ax) に属す素イデアルの共通部分は、
rad(Ann(x)) である。
証明終

178:208
05/09/30 17:22:25
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。
Ass(M) に属す全ての素イデアルの共通部分は、M に関して概べき零な
元全体と一致する。

証明
>>166と>177より。
証明終

179:208
05/09/30 17:32:47
定義
Aを環とし、MをA-加群とする。
Aの元 a が M に関して正則であるとは、
u(x) = ax により定義される射 u: M → M が単射であることをいう。
M に関して正則であることを M-正則と言うこともある。

180:208
05/09/30 17:35:35
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。
Ass(M) に属す全ての素イデアルの合併部分は、M に関して非正則な元
全体と一致する。

証明
>>89>>90より。
証明終

181:208
05/09/30 17:50:59
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。
次の条件は同値である。
1)Ass(M) が1個の素イデアルのみからなる。
2)A の元で M に関して非正則なものは概べき零である。

証明
>>178>>180より。
証明終

182:132人目の素数さん
05/09/30 18:20:07
A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。
N を M の真部分加群 とする。
N は有限個の準素部分加群の共通集合となる。

証明
M の部分加群のなす順序集合は極大条件を満たすから、
N は有限個の既約部分加群(>>157)の共通集合となる。
既約部分加群は準素部分加群である(>>158)。
証明終

183:132人目の素数さん
05/10/03 10:00:08
>>166は暗黙に次の命題を使用していた。

A を環、p をその素イデアルとすると、p に含まれる極少素イデアルが
存在する。

証明は、Zornの補題より簡単に得られる。

A がネーターの場合は、零イデアルの準素イデアル分解が存在すること
を使えば、Zornの補題は必要ない。
因みに、ネーター環においては、素イデアルの降鎖列は有限で停留する。

184:132人目の素数さん
05/10/03 11:23:43
A をネーター環、M を A-加群、(M_i) を M の部分加群の族で、
M = ∪M_i とする。このとき、 Ass(M) = ∪Ass(M_i) となる。

証明
明らか。

185:208
05/10/03 11:32:46
A をネーター環、M を A-加群、N をその部分加群とする。
Ass(M) ⊂ Ass(N) ∪ Ass(M/N) となる。

証明
p ∈ Ass(M) とする。M の部分加群 L で A/p と同型になるものが
ある。 L ∩ N が空でなければ、p ∈ Ass(L ∩ N) ⊂ Ass(N)
となる。L ∩ N が空なら、L は (L + N)/N ⊂ M/N と同型。
よって、p ∈ Ass(M/N) となる。
証明終

186:208
05/10/03 11:38:28
A をネーター環、M を A-加群、(M_i) を M の部分加群の族で、
M = ΣM_i (直和)とする。このとき、 Ass(M) = ∪Ass(M_i) となる。

証明
>>184より(M_i)は有限個の族、特に2個の場合を証明すればよい。
M = M_1 + M_2 (直和)とする。
>>185 より、Ass(M) ⊂ Ass(M_1) ∪ Ass(M_2) となる。
逆の包含関係は明らか。
証明終

187:208
05/10/03 11:46:19
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。
N を M の部分加群 とする。
N = Q_1 ∩ Q_2 とする。ここで、Q_1, Q_2 は準素部分加群であり、
{p} = Ass(M/Q_1) = Ass(M/Q_2) とする。
このとき、N は準素であり、{p} = Ass(M/N) となる。

証明
M/N は M/Q_1 + M/Q_2 (直和)の部分加群に同型である。
よって>>186より、 Ass(M/N) ⊂ Ass(M/Q_1) ∪ Ass(M/Q_2)
証明終

188:208
05/10/03 11:59:08
定義
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。
M の部分加群 N が有限個の準素部分加群の共通集合となっている
とする。N = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n
各 i に対して N ≠ ∩{Q_j; j ≠ i} となっているとき、
これを N の無駄のない準素分解と言う。
さらに、{p_i} = Ass(M/Q_i} としたとき、各 p_i が互いに異なって
いるとき、これを、N の最短準素分解と言う。

189:208
05/10/03 12:04:07
ところで、かなりかったるいな。随伴素イデアルとか準素分解が
こんなに長くなるとは思ってなかった。早くDedekind環に行きたい
んだけど。まあ、もう少しで終わるから辛抱して。

190:208
05/10/03 14:21:29
A をネーター環とし、Mを A-加群とする。
M の部分加群 N の最短準素分解
N = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n があるとする。
各i に対して {p_i} = Ass(M/Q_i) とすると、
Ass(M/N) = {p_1, p_2, ... , p_n} となる。

証明
M/N は Σ(M/Q_i) (直和)の部分加群に同型だから、
>>186 より、Ass(M) ⊂ {p_1, p_2, ... , p_n} となる。
各i に対して P_i = ∩{Q_j; j ≠ i} とおく。
N = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n は無駄がないから、
P_i/N ≠ 0 である。P_i/N は (P_i + Q_i)/Q_i に同型であり、
(P_i + Q_i)/Q_i は M/Q_i の部分加群だから、
Ass(P_i/N) = {p_i} となる。P_i/N は M/N の部分加群だから
p_i ∈ Ass(M/N) となる。
証明終

191:208
05/10/03 14:34:30
>>175
Mが有限生成なら、A の元が M に関して概べき零であることと、
べき零であることは同値である。

192:208
05/10/03 14:51:49
Mが有限生成の場合に、>>158の別証を述べる。
この証明はネーター自身の証明と本質的には同じである。

命題
A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。
N を M の部分加群とする。
N が準素部分加群でなければ、N は可約である。

証明
M を M/N に置き換えることにより、 N = 0 と仮定してよい。
0 が準素でないとする。>>181より、A の元 a で M に関して非正則かつ
(M に関して)べき零でないものがある。A-加群 としての自己準同型 f
を f(x) = ax により定義する。仮定より、f は単射でもべき零でもない。
>>159 より、0 は可約になる。
証明終

193:208
05/10/03 15:04:02
次の命題はしばしば使われる。

命題
A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。
M の部分群の列
0 = M_0 ⊂ M_1 ⊂ ... ⊂ M_n = M で 各 M_i/M_(i-1) が A/p_i
と同型になるものが存在する。p_i は素イデアル。

証明
p_1 ∈ Ass(M) とすると、A/p_1 と同型な M の部分群 M_1 がある。
M/M_1 ≠ 0 なら、p_2 ∈ Ass(M/M_1) をとり同様にする。
M はネーターなのでこの操作は有限回で終わる。
証明終

194:208
05/10/03 16:45:49
A を環、Mを A-加群、
N, L を M の部分加群とする。
S を A の積閉集合とする。
M_S の部分加群として、(N ∩ L)_S = N_S ∩ L_S となる。

証明
完全列
0 → N ∩ L → M → M/N + M/L(直和)
より、完全列
0 → (N ∩ L)_S → M_S → M_S/N_S + M_S/L_S(直和)
が得られる(>>86)。
証明終

195:208
05/10/03 17:13:36
A をネーター環とし、Mを A-加群、
Q を M の準素部分加群、Ass(M/Q) = {p} とする。
S を A の積閉集合とする。p ∩ S が空なら、Q_S は M_S の
準素部分加群であり、Ass(M_S/Q_S) = {pA_S} となる。
さらに、φ^(-1)(Q_S) = Q となる。ここで、φ: A → A_S は
標準射。
p ∩ S が空でないなら Q_S = M_S となる。

証明
p ∩ S が空とする。
>>95より、
Ass(M_S/Q_S) = Ass(M/Q) ∩ Spec(A_S) となる。
よって、Ass(M_S/Q_S) = {pA_S} となる。
s ∈ S、x ∈ M、 sx ∈ Q とする。>>180より s は
M/Q に関して正則元だから x ∈ Q となる。
これは、φ^(-1)(Q_S) = Q を意味する。

次に、p ∩ S が空でないとする。
Ass(M_S/Q_S) = Ass(M/Q) ∩ Spec(A_S) は空となるから、
M_S/Q_S = 0 である。
証明終

196:208
05/10/03 17:31:40
A をネーター環とし、Mを A-加群、
N = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n を M の部分加群 N の最短準素分解
各i に対して {p_i} = Ass(M/Q_i)、
S を A の積閉集合とする。
0 < r < n, i = 1, ... , r に対して
p_i ∩ S は空、j = r+1, ... , n に対して p_j ∩ S は空でない
とする。このとき、N_S = (Q_1)_S ∩ (Q_2)_S ... ∩ (Q_r)_S
となり、これは N_S の M_S における最短準素分解である。

証明
>>194>>195より。
証明終

197:208
05/10/03 17:44:20
>>195
>ここで、φ: A → A_S は標準射。

ここで、φ: M → M_S は標準射。

198:208
05/10/03 17:45:20
A をネーター環とし、Mを A-加群、
N = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n を M の部分加群 N の最短準素分解
各i に対して {p_i} = Ass(M/Q_i) とする。
ある i に対して p_i が極小素イデアルとすると、
Q_i = φ^(-1)(N_p_i) となる。よって、 Q_i は、N と p_i により
一意に決まる。
ここで、N_p_i は、いつものように積閉集合 S = A - p_i による局所化。
φ: M → M_p_i は標準射。
証明
>>196より。
証明終

199:208
05/10/04 11:25:15
ネーター加群における準素加群分解(>>182)は、既約部分加群が
準素であるという事実(>>158または>>192)に基づいていた。
しかし、準素部分加群は既約とは限らない。既約とは限らない
準素部分加群による分解は次の結果から得られる。

命題
A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。
p ∈ Ass(M) とすると、M の部分加群 N で、
Ass(M/N) = {p}, Ass(N) = Ass(M) - {p} となるものが存在する。

証明
Ass(M) = {p} なら命題は自明なので、Ass(M) ≠ {p} と仮定する。
M の部分加群 N で、Ass(N) に p を含まないものの中で極大なもの
とする。このようなものが存在することは、M がネーター加群である
ことからわかる。Ass(M) ⊂ Ass(N) ∪ Ass(M/N) だから、
p ∈ Ass(M/N) となる。q ∈ Ass(M/N) で p ≠ q となるものがある
とする。N ⊂ L で L/N が A/q と同型になるような部分加群 L が
存在する。Ass(L/N) = {q} で Ass(L) ⊂ Ass(N) ∪ Ass(L/N) だから
Ass(L) は p を含まない。これは N の極大性に反する。
よって、Ass(M/N) = {p} である。Ass(N) = Ass(M) - {p} は、これと
Ass(N) ⊂ Ass(M) および、Ass(M) ⊂ Ass(N) ∪ Ass(M/N) からわかる。
証明終

200:208
05/10/04 12:23:14
A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。
各 p ∈ Ass(M) に対して、M の部分加群 Q(p) で、
Ass(M/Q(p)) = {p}, Ass(Q(p)) = Ass(M) - {p} となる
とする(>>199)。
このとき、0 = ∩{Q(p); p ∈ Ass(M)} となり、
これは、0 の最短準素分解である。

証明
N = ∩{Q(p); p ∈ Ass(M)} とおく。Ass(N) ⊂ Ass(Q(p))
だから、Ass(N) は空である。よって N = 0 である(>>90)。
0 = ∩{Q(p); p ∈ Ass(M)} は最短準素分解である。
何故なら、もしあるp ∈ Ass(M) に対して
0 = ∩{Q(q); q ∈ Ass(M), q ≠ p} とすると、
M は、直和 ΣM/Q(q) に埋め込まれて、
Ass(M) ⊂ ∪Ass(M/Q(q)) となり矛盾する。
証明終

201:208
05/10/04 12:59:11
A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。
Ass(M) に属す素イデアル全体の共通集合は、Mに関してべき零
となる元全体からなる(>>178)。
Ass(M) に属す素イデアル全体の合併集合は、Mに関して非正則
な元全体からなる(>>180)。

特に、A を A-加群とみると、これは有限生成だから、
Ass(A) に属す素イデアル全体の共通集合は、A のべき零元全体と
一致する。つまり、Nil(A) である(>>163)。
Ass(A) に属す素イデアル全体の合併集合は、A の非零因子全体と
一致する。

202:208
05/10/04 17:50:56
A をネーター環とし、Mを有限生成 A-加群とする。
M の部分加群 N が準素であるためには、M/N に関して非正則な
A の元は、M/N に関してべき零であることが必要十分である。

証明
>>181>>191より明らかだろう。

203:208
05/10/04 18:03:34
命題
A を環、I, J を A のイデアル、p を A の素イデアルとし、
IJ ⊂ p とする。
このとき、 I ⊂ p または、J ⊂ p となる。

証明は明らかだろう。

204:208
05/10/04 18:18:37
命題
A をネーター環とする。
Ass(A) = {p_1, p_2, ... , p_r} とする。
p を A の任意の素イデアルとすると、
ある i に対して p_i ⊂ p となる。

証明
A の零イデアルの最短準素分解を
0 = q_1 ∩ q_2 ∩ ... ∩ q_r とし、Ass(A/q_i) = {p_i} とする。
(q_1)(q_2)...(q_r) ⊂ q_1 ∩ q_2 ∩ ... ∩ q_r
だから、>>208 より、q_i ⊂ p となる i がある。
>>178より、p_i = rad(q_i) である。
よって、>>165より、(p_i)^(n) ⊂ q_i となる整数 n がある。
よって、(p_i)^n ⊂ p となる。
再び、>>208 より p_i ⊂ p となる。
証明終

205:208
05/10/06 11:39:25
ネーター環において極小素イデアルは有限個しかないということは、
>>204からわかるが、これは、 A がネーター環のとき、Spec(A) の
閉部分集合全体が極小条件を満たすことからもわかる。
これを以下に説明する。

定義
位相空間 X が可約とは、 X = F_1 ∪ F_2 となる、X の閉部分集合
F_1, F_2 で X ≠ F_1, X ≠ F_2 となるものが存在することをいう。
空集合でない位相空間が可約でないとき既約という。

位相空間 X の部分集合 A が既約とは、A に部分空間としての位相を
いれたときに、既約なことをいう。

206:208
05/10/06 12:05:53
u: A → B を環の射とすると、位相空間としての射
u~: Spec(B) → Spec(A) が、u~(p) = u^(-1)(p) で定まる。
u~が写像として定まり、連続であることを確かめるのは
読者にまかす。

u: A → A/Nil(A) を標準射とすると、
u~: Spec(A/Nil(A) ) → Spec(A) は、位相空間としての同型射となる。
これを確かめるのも、読者にまかす。
ここで、Nil(A) は A のべき零元の全体である(>>163)。
よって、Spec(A) の位相を考えるときは、Nil(A) = 0 と仮定してよい。

Nil(A) = 0 となるとき、A を被約という。

207:208
05/10/06 12:33:54
空でない位相空間 X が既約なためには、X の任意の空でない開集合
が稠密であることが必要十分である。これは、2個の空でない開集合の
共通集合が空でないことと同値である。

208:208
05/10/06 12:40:21
A を環とする。
Spec(A) の開集合は、D(f) (>>162) の形の開集合の合併集合になる。
よって、Spec(A) が既約なためには、任意の D(f) と D(g) が空で
なければ、D(f) ∩ D(g) = D(fg) が空でないことが必要十分である(>>207)。

D(f) が空であることと、f がベキ零であることは同値である(>>162)。
よって、A が被約なら、D(f) が空でないことは、f ≠ 0 と同値である。
よって、A が被約なら、Spec(A) が既約であることと、A が整域で
あることは、同値である。

これから、被約とは限らない A については、Spec(A) が既約であることと、
Nil(A) が素イデアルであることは同値である(>>206)。

209:208
05/10/07 10:16:08
位相空間 X の空でない部分集合 E が既約なことと、以下の条件が成立つ
ことは同値である。

E ⊂ F_1 ∪ F_2 となる X の閉部分集合 F_1, F_2 があるとすると、
E ⊂ F_1 または E ⊂ F_2 となる。

証明は定義(>>205)から明らかだろう。

210:208
05/10/07 10:48:33
位相空間 X の部分集合 E が既約なことと、その閉包 cl(E) が既約
なことは同値である。

証明
証明は>>209から明らかだろう。

211:208
05/10/07 10:50:59
演習問題
ハウスドルフ空間が既約なのは、それが1点よりなる場合のみである。


212:208
05/10/07 11:12:55
命題
位相空間 X の既約部分集合の集合 {E} が包含関係に関して全順序
集合となっているものとする。この合併集合 ∪E は既約である。

証明は>>209から明らかだろう。

213:208
05/10/07 11:48:58
定義
位相空間 X の既約部分集合 E が包含関係に関して極大なとき、
つまり、E を真に含む既約部分集合が存在しないとき、
E を X の既約成分という。

既約成分は>>210より閉部分集合である。

>>212とZornの補題より任意の既約部分集合に対して、それを含む
既約成分が存在する。

位相空間の任意の点 p に対して {p} は、既約である。
よって、任意の位相空間はその既約成分の合併集合になる。

214:208
05/10/07 19:13:37
定義
位相空間 X の閉部分集合を要素とする空でない任意の集合に包含関係に
関しての極小元が存在するとき、つまり、閉部分集合に関して極小条件
が成立つとき、X をネーター空間と呼ぶ。
これは閉部分集合の降鎖列が途中で停留することと同値である。
さらに、これは開部分集合に関して極大条件が成立つことと同値である。

215:208
05/10/11 10:49:44
定義
位相空間 X の任意の開被覆が有限部分開被覆を持つとき、X を
準コンパクト(quasi-compact)という。位相空間がハウスドルフかつ
準コンパクトなときコンパクトという。

216:208
05/10/11 10:58:31
ネーター空間は準コンパクトである。

証明
X をネーター空間とし、X の開被覆 {U_i} があるとする。
有限個の U_i の合併となる開部分集合全体を考える。
X はネーターだから、この中に極大なものがある。
これを U とすると、U の極大性から、任意の
U_i ⊂ U となる。よって X = U となる。
証明終

217:208
05/10/11 11:09:44
位相空間がネーターであるためには、その任意の開部分集合が
準コンパクトであることが必要十分である。

証明は各自にまかす。

218:208
05/10/11 11:21:25
ネーター空間の既約成分は有限個である。

証明
X をネーター空間とし、X の空でない閉部分集合で有限個の
既約閉部分集合の合併とならないものがあるとする。
X はネーターだから、このようなもののなかに極小なものがある。
これを F とする。F は既約ではないから、 F = F_1 ∪ F_2 となる
閉部分集合 F_1, F_2 で F と異なるものがある。F の極小性から
これらは有限個の既約閉部分集合の合併となる。よって F も
有限個の既約閉部分集合の合併となる。これは矛盾。
よって X の任意の空でない閉部分集合は有限個の既約閉部分集合の
合併となる。とくに X がそうなる。
証明終

(注) このような論法は今までにも暗黙に使った。例えば>>182
この論法をネーター帰納法と呼ぶ。

219:208
05/10/11 11:47:45
A を環、E を Spec(A) の部分集合とする。
E に属すすべての素イデアルの共通部分を I(E) と書く。

I を A のイデアルとすると、 I(V(I)) = rad(I) となる(>>164)。
I = rad(I) となるイデアルを根基イデアルという。

Spec(A) の閉部分集合の集合と A の根基イデアルの集合は
F に I(F) を対応させることにより1対1に対応する。

220:208
05/10/11 11:49:36
A を環、E を Spec(A) の部分集合とする。
cl(E) = V(I(E)) となる。ここで、cl(E) は E の閉包をあらわす。

証明
E ⊂ V(I(E)) は明らか。E ⊂ V(J) とする。ここで J は A のイデアル。
I(V(J)) ⊂ I(E) である。I(V(J)) = rad(J) だから(>>219)、
rad(J) ⊂ I(E) となる。よって V(I(E)) ⊂ V(rad(J)) = V(J)
つまり V(I(E)) は E を含む最小の閉部分集合である。
よって、cl(E) = V(I(E)) となる。
証明終

221:208
05/10/11 12:02:42
A をネーター環とすると、Spec(A) はネーター空間である。

証明
>>219 より Spec(A) の閉部分集合の集合と A の根基イデアルの集合は
1対1に対応する。これより明らか。

222:208
05/10/11 12:09:19
A を環とする。Spec(A) の既約部分集合の集合は Spec(A) と1対1に
対応する。

証明
>>208 より V(I) が既約なためには rad(I) が素イデアルであることが
必要十分である。これより明らか。

223:208
05/10/11 12:13:06
環 A の極小素イデアルと Spec(A) の既約成分は1対1に対応する。

証明
既約成分の定義(>>213) と>>222 より明らか。

224:208
05/10/11 12:15:25
命題
ネーター環の極小素イデアルは有限個である。

証明
>>218>>223 より。

225:132人目の素数さん
05/10/11 12:17:36
おもしろいスレじゃのう。
よっ、この208! 仕事人!!ガンガレ

226:132人目の素数さん
05/10/11 12:42:45
Hand book of K-theory , Springer (Eric Friedlander & Dan Grayson)

kore yondahitoiru??

227:208
05/10/11 12:45:57
Thanks(>>225).

これを書くのにBourbakiの可換代数を参考にしてることは前に書いた。
私見によれば、現在のところ可換代数の入門書としてはBourbakiの
可換代数がトップだろうな。8、9、10章が数年前に出たことにより
松村を抜いた。8章は次元論。9章は完備局所環の構造定理とその応用。
10章は、ホモロジー代数の応用とCM環。

228:208
05/10/11 12:52:39
Bourbakiの可換代数の8章の次元論は、Atiyah-MacDonald とか
EGA とか 松村と違って Krull の次元定理 を Hilbert-Samuel の
特性多項式を使わないで直接に証明している。Krullのオリジナル
の証明に近い。これは、俺も賛成。他の証明は迂回しすぎ。

229:132人目の素数さん
05/10/11 14:42:30
>>Bourbakiの8、9、10章

French version, or English version?

230:208
05/10/11 17:08:19
8、9、10章の英語版はないはず

231:132人目の素数さん
05/10/13 09:50:46
ところで、環 A の素イデアルの集合を何故 Spec(A) (Spec というのは
Spectrum(スペクトル)の略)と書くか。
これを追求するのは結構面白いと思う。
スペクトルというのは虹の7色に代表されるように光を周波数で
分けたもの。これは、突き詰めると原子内の電子がエネルギー
を放出することによって特定の周波数の光を放出する現象
だろう(多分)。
だから、Spec(A) は量子力学からきたものと思う。
聞きかじりによると、Hilbert空間のエルミート作用素の固有値が
原子の出す光の振動数に対応するらしい(間違ってる可能性もある)。

空間が有限次の場合は、>>147 の例が示唆的だろう。
V は K[X]-加群となり、Ass(V) は、線形写像 u の固有値の集合
とみなされる。 この場合、Ass(V) = Supp(V) であり(>>166)
Supp(V) = V(Ann(V)) = Spec(A/Ann(V)) である(>>161, >>176)。
つまり、Spec(A/Ann(V)) は u の固有値の集合とみなされる。

232:208
05/10/13 11:06:51
>>231
>Supp(V) = V(Ann(V)) = Spec(A/Ann(V)) である

この A は体 K 上の多項式環 K[X] をあらわす。
Ann(V) は 線形写像 u の固有多項式で生成される。

233:208
05/10/13 11:21:49
>>199
>しかし、準素部分加群は既約とは限らない。

この例を Zariski-Samuel から引用しよう。
そのために、次の命題がいる。

命題
A をネーター環、 m をその極大イデアルとする。
整数 n > 0 に対して Ass(A/m^n) = {m} である。

証明
Supp(A/m^n) = V(m^n) である(>>176)。
一方、V(m^n) = {m} である(>>203)。
よって、Ass(A/m^n) = {m} である(>>99)。
証明終

234:208
05/10/13 11:42:19
準素部分加群が既約とならない例(Zariski-Samuel):

K を体、 A = K[X, Y] を K 上の2変数多項式環とする。
A は Hilbert の基底定理よりネーター環である。
m = (X, Y) は A の極大イデアルである(何故か?)。
m^2 = (X^2, XY, Y^2) は A の準素イデアルである(>>233)。
m^2 = (m^2 + AX) ∩ (m^2 + AY) となる(演習問題とする)。
m^2 ≠ m^2 + AX, m^2 ≠ m^2 + AY であるから、
m^2 は可約である。

235:208
05/10/13 12:37:38
Artin環について述べる前に、可換環論において頻繁に使われる
中山の補題を証明する。私の知る限りこの証明は3種ある。
その全部を紹介しよう。

236:208
05/10/13 12:38:51
補題
A を環、M を A-加群とする。
n > 0 を整数。
a_(i,j), 0≦i, j≦n を A の元の列。
x_1, x_2, ... , x_n を M の元の列とする。

これ等の間に次の関係式:

a_(1,1) x_1 + a_(1,2) x_2 + ... + a_(1,n) x_n = 0
a_(2,1) x_1 + a_(2,2) x_2 + ... + a_(2,n) x_n = 0
.
.
.
a_(n,1) x_1 + a_(n,2) x_2 + ... + a_(n,n) x_n = 0

があるとする。
このとき、det(T)x_i = 0 が各 i で成立つ。
ここで、 T = (a_(i,j)) であり、det(T) は T の行列式。

(注) 行列式は可換環でも普通と同様に定義される。

237:208
05/10/13 12:42:13
>>236の補題の証明

上の関係式を行列記法で書くと、TX^t = 0 となる。
ここで、 X = (x_1, x_2, ... , x_n)
X^t は X の転置行列。

T~ を T の余因子行列とする。
線形代数でよく知られているように
T~T = det(T)E となる。ここで、E は n-次の単位行列。
よって、T~TX^t = det(T)X^t = 0 となる。
つまり、det(T)x_i = 0 が各 i で成立つ。

証明終

238:132人目の素数さん
05/10/13 13:11:57
定義
環 A のすべての極大イデアルの共通集合を A の Jacobson根基といい、
rad(A) と書く。Jacobson根基を省略して J-根基ということもある。

239:132人目の素数さん
05/10/13 14:09:07
よく恥ずかしげもなくassなんて書けるな

240:208
05/10/13 17:26:14
補題
A を環、x を A の元で x = 1 (mod rad(A)) とする。
このとき、 x は可逆元である。

証明
x ∈ m となる A の極大イデアルがあるとする。
rad(A) ⊂ m だから x = 1 (mod m) である。
当然、x = 0 (mod m) だから 1 = 0 (mod m) となって矛盾。
よって、Ax = A でなければならない。
何故なら、Ax ≠ A とすると Zornの補題より、Ax を含む極大イデアル
が存在するから。
証明終

241:208
05/10/13 17:27:04
補題
A を環、E, F を A の元を成分とする n-次の正方行列とする。
I を A のイデアルとする。
E = F (mod I) とは、行列の成分毎の mod I での合同を意味する
とする。このとき、det(E) = det(F) (mod I) である。

証明
明らか。

242:208
05/10/13 17:36:29
中山の補題
A を環、I を A のイデアルで I ⊂ rad(A) とする。
M を有限生成 A-加群とする。
IM = M なら M = 0 である。

証明
M の A-加群としての生成元を x_1, ... , x_n とする。
IM = M より、I の元の列 a_(i,j), 0≦i, j≦n があり、
これ等の間に次の関係式が成立つ:

a_(1,1) x_1 + a_(1,2) x_2 + ... + a_(1,n) x_n = x_1
a_(2,1) x_1 + a_(2,2) x_2 + ... + a_(2,n) x_n = x_2
.
.
.
a_(n,1) x_1 + a_(n,2) x_2 + ... + a_(n,n) x_n = x_n

つまり、TX^t = X^t となる。
よって、(E - T)X^t = 0 となる。
ここで、T = (a_(i,j))、
X = (x_1, x_2, ... , x_n)
X^t は X の転置行列。 E は n-次の単位行列。

よって det(E - T)x_i = 0 が各 i で成立つ(>>236)。
よって、det(E - T)M = 0 となる。
一方、E - T = E (mod I) となるから、
det(E - T) = 1 (mod I) となる(>>241)。
よって、det(E - T) は可逆元である(>>240)。
よって、M = 0 となる。
証明終

243:208
05/10/13 17:47:48
中山の補題(>>242)の別証1

>>242の記号を使う。
a_(1,1) x_1 + a_(1,2) x_2 + ... + a_(1,n) x_n = x_1 より、
(a_(1,1) - 1) x_1 + a_(1,2) x_2 + ... + a_(1,n) x_n = 0
a_(1,1) - 1 は可逆(>>240)だから、
x_1 ∈ Ax_2 + ... + A x_n となる。
よって、M = Ax_2 + ... + A x_n となる。
これから、n に関する帰納法より、M = 0 となる。
証明終

244:208
05/10/13 17:58:50
補題
A を環、M を有限生成 A-加群とする。
N を M の部分加群で N ≠ M とする。
N を含む M の極大部分加群が存在する。

証明
N を含む M の部分加群で M と異なるものから構成される
全順序集合(包含関係による) S があるとする。
S の要素全体の和集合 L は M の部分加群で M と異なる。
何故なら M = L とすると L は M の有限個の生成元を含むから
S の要素で M と一致するものがあることになり矛盾。
よって Zorn の補題より N を含む M の極大部分加群が存在する。
証明終

245:132人目の素数さん
05/10/14 08:33:28
>>244
明らかな事を証明するな馬鹿

246:132人目の素数さん
05/10/14 08:51:11
>>244
明らかな事を証明するな馬鹿


omae usero BOKE!!!

247:132人目の素数さん
05/10/14 09:07:51
>208

O-BOKE!!! !!!

248:132人目の素数さん
05/10/14 09:20:45
>>245-247 寝た子を起こすな。

249:208
05/10/14 10:24:13
補題
A を環、I を A のイデアル、M を A-加群とする。
(A/I)(x)M は M/IM と標準的に同型である。

証明
A-加群の完全列
0 → I → A → A/I → 0
より完全列
I(x)M → A(x)M → (A/I)(x)M → 0
が得られる。これより明らか。
証明終

250:208
05/10/14 10:29:27
中山の補題(>>242)の別証2

M ≠ 0 とする。
>>244 より、M の極大部分加群 N が存在する。
M/N は 0 以外に真の部分加群を持たない。つまり単純加群である。
よって M/N は1個の元で生成されるから、A の適当なイデアル m に
対して A/m と同型である。N は極大だから m は極大イデアルである。
よって、完全列
M → A/m → 0
が得られる。
よって、完全列
M(x)(A/I) → (A/m)(x)(A/I) → 0
が得られる。
一方、>>249より、
M(x)A/I = M/IM
(A/m)(x)(A/I) = A/m (I ⊂ m に注意)
と見なされる。つまり、完全列
M/IM → A/m → 0
が得られる。
よって、M/IM ≠ 0
証明終

251:208
05/10/14 10:38:20
個人的には、>>250の証明が中山の補題の本質を突いてると思う。
どの証明もZornの補題を本質的に使っていることに注意。
A がネーター環ならZornの補題はいらないが。

252:208
05/10/14 11:23:43
中山の補題と準素イデアル分解の応用として「Krullの共通イデアル定理」
を証明する。

定理(Krull)
A をネーター局所環、m をその極大イデアルとすると、
∩m^n = 0 となる。ここで n はすべての正の整数 n > 0 を動く。

証明
I = ∩m^n とおく。
mI = I を示せば、中山の補題より I = 0 となる。
mI ⊂ I は明らかだから I ⊂ mI を示す。
mI = q_1 ∩ ... ∩ q_r とする。ここで、各 q_i は準素イデアル。
ある i に対して、I ⊂ q_i とならないと仮定する。
mI ⊂ q_i だから m の各元は mod q_i で零因子となる。
よって、{m} = Ass(A/q_i) である。
よって、m^n ⊂ q_i となる整数 n > 0 がある(>>168)。
一方、I = ∩m^n だから I ⊂ m^n である。
よって、I ⊂ q_i となって矛盾。
証明終

253:208
05/10/14 12:05:02
定義
A を環、M を A-加群とする。
M ≠ 0 で
M ≠ N かつ N ≠ 0 となる部分加群 N が存在しないとき
M を単純加群と呼ぶ。

254:208
05/10/14 12:06:05
定義
A を環、M を A-加群とする。
M の部分加群の列
M = M_0 ⊃ M_1 ⊃ M_2 ... ⊃ M_n = 0
があり、各 i に対して M_i/M_(i+1) が単純とする。
このとき、列 (M_i) を M の組成列と呼ぶ。
n をこの組成列の長さという。

255:132人目の素数さん
05/10/14 14:26:25
アホかお前

256:132人目の素数さん
05/10/14 14:27:57
>>255
たのむからこのスレに文句つけるのやめてくれ。


257:208
05/10/14 18:45:16
可換環論においてネーター環が重要なことは当然だし、ネーター環は
色々、好都合な性質を持っている。だから、常にネーター性を
仮定出来れば、すっきりする。ところが、そうは問屋がおろしてくれない。
ネーター環でない重要な環がある。例えば離散付値でない付値環。
それに、不幸なことにネーター整域のその商体における整閉包は必ずしも
ネーター環ではない。

258:132人目の素数さん
05/10/14 19:34:24
そ れ が な に か ?

259:132人目の素数さん
05/10/14 19:44:55
>>256

260:132人目の素数さん
05/10/15 10:11:17
可換環論においてネーター環が重要なことは当然だし、ネーター環は
色々、好都合な性質を持っている。だから、常にネーター性を
仮定出来れば、すっきりする。ところが、そうは問屋がおろしてくれない。
ネーター環でない重要な環がある。例えば離散付値でない付値環。
それに、不幸なことにネーター整域のその商体における整閉包は必ずしも
ネーター環ではない。


tatoeba hokaniaru?

261:感想
05/10/15 12:28:52
おつかれさま。これからもがんばって。
いや、なんだか大変そうだから。読んで文句をいうだけなら楽でも書くのは大変かと。

以下愚痴:素人というのはつまり、今はどんな状態からどんな状態へとつなぐ為に
こんなことをしています、っていうイメージがわかないひとのことかな、って思った。
たどれる(なぞれる)だけでは意味がなくてそれぞれの場面でどこを目指せばいいか
そんなレベルで知りたくて見てる私は素人なので、途中の道に目印だけ置かれて
途中で迷子にならないように何とかとりあえずついていくだけだと、ちょっとさびしく。

原語がわかるから言語的イメージを持てるのかもしれないけれど、
図形などの視覚的イメージや同じ~類似の形式的性質を持つモデルがあったらな。
でもわかるひとには長くてくどくなるし、かくのにも面倒だから、無理なんだろうな…。

たとえば?えーと上の局所化って内部相互差の一部の同一視なのかな、とか、
それによって扱うべき差異に注目して、本題以外の情報を視野から外せるかなとか、
ネイター環なら閉集合縮小時=限定条件強化=焦点化に限界があって、
開集合拡大時=存在条件ゆるめ時の限界と表裏で、操作時いろいろ便利だ、とか。
かなり雑で不正確な気がするけど、ここの文だけだとそんなイメージになったよ。

262:132人目の素数さん
05/10/15 12:52:02
そんな無茶苦茶な理解しても役に立たんよ
数学は基礎からきちんと勉強しないと身につかない

それからネイター環じゃなくてNoether(ネター/ネーター)ね
物理の人とかたまにナーターとか読んでたりするけど

263:感想
05/10/15 14:06:13
そうそう、そんな感じで。

何がどう間違ってるか突っ込まない教授って
あまり学習者には役に立たないものだから。
単に不正確とかいうのは、まず無意味。
ちゃんと正しい記述に直してくれてありがとう。

ちなみにこのoeは円唇音(≒咽頭開け音でも可、
口腔内前後径延長によって同様の音の変化
=全フォルマントの低音化が起きるから容認発音)
のエで、やや長めなので、その通りになります。

他で基礎を全部学ぶならこの場はいらない。
半分の理解(=誤解)の段階が想定対象だから、
軌道修正が中心になるのは当然、でもそれがない
参考書等が多く、このスレッドを頼りに学ぶわけで。

参考文献が入手困難か読みにくい外国語だけ、
または本の記述の細かさのムラのために
初学者が理解困難な場面の解説をしてくれている
そんな親切なひとのスレッドなのです。

だけど一人だと負担が重くなりすぎるので、
焦点が外れていたらスレ主は流すしかない。
こういった親切な人が助けてくれないと、
質問者は「???」なままになるわけ。

で、ROMは気が引けるので、声援・応援レスなのです。

264:132人目の素数さん
05/10/15 15:46:55
ラのために
初学者が理解困難な場面の解説をしてくれている
そんな親切なひとのスレッドなのです。

だけど一人だと負担が重くなりすぎるので、
焦点が外れていたらスレ主は流すしかない。
こういった親切な人が助けてくれないと、
質問者は「???」なままになるわけ。

で、ROMは気が引けるので、声援・応援レスなのです。

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265:208
05/10/15 16:30:38
>>260
>tatoeba hokaniaru?

例えば、Krull環、例えば、ネーター整域のその商体における整閉包とか

266:208
05/10/15 16:35:11
初学者? そうね、我慢して証明を追っていく。
そのうち、トンネルを抜けるように見晴らしがパーっと良くなる。
この感覚は言葉でいくら説明してもわからない。
体験するしかない。

267:208
05/10/15 16:46:04
まあ、そう突き放すのも何だから、わからないところは質問して
くれればいい。

268:132人目の素数さん
05/10/15 16:49:10
さて、ここでクリトリスについて考察してみよう。

まず、「リス」を漢字で書くと「栗鼠」、すなわち
  (リス) = (栗鼠)

ここで、
  (栗) + (栗鼠) = (栗) (1 + 鼠)

故に、
  (クリトリス) = (栗) (1 + 鼠)

を得る。

269:208
05/10/15 16:55:44
何なんだろうね。釣りに反応するのもなんだけど。
数学がなんかすごくまじめくさった面白くもなんともないもんだと
誤解してんだろうね。数学ってのは場合によるとセックスより気持ち
いいもんなんだよ。これは知るひとぞ知る公然の秘密

270:132人目の素数さん
05/10/15 17:15:22
問題が解けたときって、100円玉拾ったときと脳波がおなじじぇあねーの?

271:シュリ
05/10/15 18:26:57
 今、就職活動中で、もし数学に事を何も知らない面接官に「代数学って何?」ってき
聞かれたら、何て説明しますか!?(素朴な疑問でスミマセン・・・。)
 あとこの掲示板では、代数的整数論の話題以外の分野で質問するのは、マズイですか!?

272:132人目の素数さん
05/10/15 18:29:15
おでん屋みたいなものですとネタを入れる

273:GiantLeaves ◆6fN.Sojv5w
05/10/15 18:44:30
talk:>>271 集合に、いくつかの演算の構造を入れた空間を考える学問。(もはや「代数」などとは呼べないかもしれないが。)

274:132人目の素数さん
05/10/15 18:53:07
>>273
それは「数学」の説明では?


275:132人目の素数さん
05/10/15 19:10:33
暗号に使える高級数学とでもいっておけば。。。どんな暗号ってって会話が続くかも
営業で代数専攻でっていったら客がぽかーんとするから、そのときどう答えるかを聞いてるんだよ。
代数なんかで商売できる仕事はない

276:132人目の素数さん
05/10/15 19:14:27
まあとにかく
・好きでやった
・一生懸命やった
・努力する才能はある

という点をアピールするのが目的だから、
説明と言う手段にこだわりすぎないほうがよい。



277:132人目の素数さん
05/10/16 15:46:59
・好きでやった
・一生懸命やった
・努力する才能はある
・本質は馬鹿である
・他人に教える才能も無い
・つぶしが利かない
・人生やめたほうが良い

278:132人目の素数さん
05/10/16 16:24:57
もとの話題に戻りましょ。208さん、すみません。


279:132人目の素数さん
05/10/16 16:37:52
微分幾何学と数値解析はなにに使えるって聞かれて。。。
リアクターの中のケミカル物質の濃度解析につかえるといったら。。
うちでは使う機会がないといわれた。。。

だったら面接に呼ぶなよな。。。忙しいのに。。。
馬鹿の面接官を出す会社は最初から蹴ったほうがいい

280:132人目の素数さん
05/10/16 16:41:26
大手は形式だけ試験受けてくれで。。。即決だった。
判断が速い。格の違いを感じた。

281:208
05/10/17 09:48:11
最近(実はほんの2、3日前)、Kummerの理想数に関して以外な発見を
した。俺だけが気がついたとは思はないが。
足立の「フェルマーの大定理」という本を1ヶ月ほど前にアマゾンで
買った。この本にはKummerの理想数について書いてあると聞いたから。
ところが読んでみるとあまり詳しく書いてない。
ただ、定義は書いてあった。

K を代数体(実は円分体だが一般の代数体でも同様)、A をその主整環、
p を素数とする。p の素因子とは、p と A の元ωの組 (p, ω)
で以下の条件を満たすものである。
1) ω ≠ 0 (mod pA) である。つまり ω ⊂ pA とならない。
2) α、βを A の元で、αβω = 0 (mod pA) なら、
αω = 0 (mod pA) または βω = 0 (mod pA) となる。

このとき、(p, ω) は p の素因子 P を定めるという。

αω = βω (mod pA) のとき α と β は 素因子 P を法として
合同といい、α = β (mod P) と書く。


初めこれを読んだとき、なんじゃこれは? 奇妙な定義だなと思った。
ところが、2、3日前に読み返してみて気がついた。
皆、もうわかるよね? そう 素因子 P とは A/pA の随伴素イデアル、
つまり P ∈ Ass(A/pA) のことだ(>>89)。
これは驚きだよね。随伴素イデアルの概念はやっと1950年代の
終わりにBourbakiが定式化したものだ。それを、Kummerが100以上前に
代数体でやっていたとは。

282:208
05/10/17 10:24:37
Kummerの定義によると α ∈ A が (p, ω) で定義される素因子 P の
n乗で割れるとは αω^n = 0 (mod (p^n)A) となることをいう。
A がDedekind環であることを使うと、これはイデアルとして
αA ⊂ P^n と同値であることが分かる。

283:132人目の素数さん
05/10/17 10:54:37
偉大なり、kummer

拡大スレをあげるんだ!

284:208
05/10/17 12:06:11
補題
A を環、M を A-加群とする。
M が長さ n の組成列(>>254)を持てば、M の任意の部分加群 N は、
長さ ≦ n の組成列を持つ。

証明
n に関する帰納法。
M = M_0 ⊃ M_1 ⊃ M_2 ... ⊃ M_n = 0 を組成列とする。
(N + M_1)/ M_1 は N/(M_1 ∩ N) と同型である。
N + M_1 = M_1 つまり N ⊂ M_1 の場合は帰納法の仮定より、
N は長さ ≦ n-1 の組成列を持つ。
N + M_1 ≠ M_1 の場合は、N + M_1 = M であり、N/(M_1 ∩ N) は
単純加群(>>253)である。一方、M_1 ∩ N は帰納法の仮定より、
長さ ≦ n-1 の組成列を持つ。よって、N は長さ ≦ n の組成列を持つ。
証明終

(注) 図を書くと証明が良く分かる。

285:208
05/10/17 12:22:24
補題
A を環、M を A-加群とする。
M が長さ n の組成列(>>254)を持てば、M の任意の部分加群 N に
対して、M/N は長さ ≦ n の組成列を持つ。

証明
n に関する帰納法。
M = M_0 ⊃ M_1 ⊃ M_2 ... ⊃ M_n = 0 を組成列とする。
(N + M_(n-1))/N は M_(n-1)/(N ∩ M_(n-1)) と同型である。
N + M_(n-1) ⊃ M_(n-1) であり、M/M_(n-1) は長さ = n-1 の
組成列を持つ。よって、N + M_(n-1) に帰納法の仮定が使える。
残りの証明は読者に任す。

286:208
05/10/17 12:30:31
定理(Jordan-Holder)
A を環、M を A-加群とする。
M = M_0 ⊃ M_1 ⊃ M_2 ... ⊃ M_n = 0 を組成列とする。
M の任意の組成列の長さは n であり、その剰余群の列は、
順序を別にして 列 (M_i/M_(i+1)) と同型である。

証明
n に関する帰納法。
M = N_0 ⊃ N_1 ⊃ N_2 ... ⊃ N_m = 0 を別の組成列とする。
M_1 ∩ N_1 は補題(>>284)より長さ ≦ n-1 の組成列を持つ。
これと、帰納法の仮定を使えばわかる。
詳しくは読者に任す。

287:208
05/10/17 12:32:51
>>286から自然数の素因数分解の一意性がすぐに出る(演習)。
だから、>>286は非常に基本的な定理ということが出来る。

288:208
05/10/17 12:37:52
定義
A を環、M を長さ n の組成列を持つ A-加群とする。
>>286より n は組成列の取り方によらない。
n を leng(M) と書き、M の長さと呼ぶ。
一般に組成列をもつ加群を長さ有限の加群と呼ぶ。

289:208
05/10/17 12:41:14
命題
A を環、M を長さ有限の加群、N をその部分加群とする。
このとき、N も M/N も長さ有限であり、
leng(M) = leng(N) + leng(M/N) となる。

証明
>>284>>285から明らか。

290:208
05/10/17 12:45:08
命題
A を環、M をA-加群とする。
M が長さ有限であるためには、部分加群に関して極大条件と
極小条件を同時に満たすことが必要十分である。

証明
>>286>>289を使えば簡単なので読者にまかす。

291:208
05/10/17 12:49:44
>>281

自画自賛だけど、このスレで随伴素イデアルを扱ったのは正解だね。
なにしろ、Kummerがやってるんだから。
普通は代数的整数論の導入部で随伴素イデアルに関してここまでやらない。

292:208
05/10/17 16:00:19
定義
A を環とする。それをA-加群とみたとき極小条件を満たすなら、それを
Artin環という。

293:132人目の素数さん
05/10/17 16:03:51
>>286から自然数の素因数分解の一意性がすぐに出る(演習)。
うそつけ

294:208
05/10/17 16:06:13
命題
Artin環が整域なら、それは体である。

証明
a ∈ A を 0 でない元とする。
イデアルの列 aA ⊃ (a^2)A ... ⊃ (a^n)A ⊃ ...
は途中で停留するから、(a^n)A = (a^(n+1))A となる整数 n > 0 が
ある。よって、a^n = a^(n+1)x となる x ∈ A がある。
A は整域だから、1 = ax となる。
証明終

295:208
05/10/17 16:15:32
>>293

素直に、わからないから教えてくださいと言えばいいものを。


296:208
05/10/17 16:19:35
>>294の系

Artin環の素イデアルは極大である。


297:132人目の素数さん
05/10/17 16:20:38
>>295

おしえてなんかいらねーよ






298:132人目の素数さん
05/10/17 16:21:46
208は教えてクンでもあったのか・・・

299:208
05/10/17 16:28:42
命題
Artin環の素イデアルは有限個である。

証明
p_1, p_2, ... , p_n を相異なる素イデアルとする。

p_1 ≠ (p_1)(p_2) である。
何故なら、p_1 = (p_1)(p_2) なら、p_1 ⊂ p_2 となるが、
p_1 は極大イデアルだから(>>296)、p_1 = p_2 となって矛盾。
同様に、(p_1)(p_2) ≠ (p_1)(p_2)(p_3) である。
何故なら、(p_1)(p_2) = (p_1)(p_2)(p_3) なら、p_1 ⊂ p_3
または p_2 ⊂ p_3 となるから。
よって、降鎖列 p_1 ⊃ (p_1)(p_2) ⊃ (p_1)(p_2)(p_3) ...
が得られ、隣合うイデアルは異なる。
極小条件から、この列は無限に続かない。
証明終


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