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■「マルサスの人口論」という考え方(3)
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1798年の初版では、「人口は算術級数的に増加するのに対し、食糧は幾何級数的にしか増加しないと主張し、
そして両者を均衡に導く要因として、死亡率に関する積極的抑制(悪徳;viceと窮困;misery)と出生率に予防的抑制を挙げた。
これがマルサスの「第一人口論」である。これが発表されるや一大センセーシヨンとなったが、多くの避難を浴びた。
それに対抗するべく第三の対策として、「道徳的抑制;moral restrint」を書き加えて刊行したのが第二版である。マルサスはこれを先の初版と
は全く新しい著作として公表した。マルサスの第二人口論という所以である。
その後第六版までつぎつぎと改訂版が刊行された。その中核をなす理論は一貫しており、各版の叙述と力点には多少の差異がみられるが、
理論の充実化の中で大きな相違はないようである。
一般に、マルサス的な人口論(マルサス主義)においては、農業生産性の増加が原因で、人口増加が促進され、究極的には最低生存費の等しい
レベルの窮乏化に陥ると考えられている。
つまり、食糧の供給が非弾力的であるという前提から出発する。
したがって、人口は非弾力的な食糧供給によって規定される従属変数
として扱われたとみることができる(Boserup, Ester 1981)。