07/11/16 06:53:43
(1) 第1訴訟 XのYに対する移転登記請求
Xの主張 : ① 本件宅地は、元々X・Yの父親Aが所有していたが、Bに売渡担保として提供し、
その後に債務を弁済してAが所有権を回復した(しかし、他の債権者からの差押えを避ける
ためにY名義で登記)。
② Aが死亡しXが単独相続した。
③ 仮に、そうでないとしても、相続以来、所有の意思をもって占有しているから
取得時効が完成している。
Yの主張 : ① 本件宅地は、Bから自分が買い受けた。
② Xの宅地占有は、Xに使用貸借させていたからである
( ← Xの時効取得の否定)
(2) 第2訴訟 YのXに対する建物収去土地明渡請求
(3) 第1訴訟の途中で、第1訴訟と第2訴訟との弁論が併合された
(4) 第1審・控訴審 : Y勝訴
(5) 上告審 : 破棄差戻し
第1の訴えで、Yが「使用貸借の事実」をXの「取得時効の主張」に対して
提出しているが、それが第2の訴えで斟酌されていないことが問題とされた
→ 使用貸借は、第2の訴えを請求棄却する事実である
Xは第2の訴えで、Y主張の使用貸借を援用していないため、
自白は成立していないが、相手方の援用のない事実であっても、
不利益陳述として判決の基礎とすることは許されるのであるから、
原審はこれを斟酌すべきであった。
そのうえで、使用貸借が終了したか否かを審理判断すべきであるのに
それをしなかったのは審理不尽である。