07/06/30 20:10:10
Aさんの再現答案
Aが退去強制事由該当の判断を争うために、認定または裁決のいずれ
を取消訴訟を提起すべきか、Cの最後の発言の中の見解をふまえて検
討する。
まず、認定、判定、裁決という三段階の行為を一体と捉える立場は、
裁決の中で、処分の違法性を争うことが可能と考えていると思われる。
最終判断までの迅速化を図った規定を重視すれば、一体的にとらえる
こともできなくはない。
これに対して、明文規定の有無を重視する立場は、行政事件訴訟法10
条2項により、認定の取消の訴えと裁決の訴えを提起できる場合には、
裁決の取消の訴えにおいては、裁決固有の瑕疵しか争えず、処分の違
法を理由として取消を求めることはできないとする考え方であると思わ
れる。したがって、処分の違法性は、処分の取消訴訟の中で争うこと
になる。
そこでどちらでよいか検討するに、行政事件訴訟法の適用があるので
あるから、10条2項を重視し、処分の取消訴訟の中で処分の違法性
を争うのが妥当と考える。なぜなら、裁決の取消訴訟が認められたと
しても、処分は以前として残るのであるから、紛争の根本的解決にな
らないからである。したがって、認定を対象とするのが適切である。