07/06/29 21:48:32
新司法試験の考査委員・慶大教授、法務省が解任
法科大学院の修了生を対象に先月実施された今年度の新司法試験を巡り、出題と採点を担当する「考査委員」を務める慶応大法科大学院の植村栄治教授(57)(行政法)が、試験前の答案練習会で試験問題と類似の論点を学生に教えていた問題で、
法務省は29日、植村教授を同日付で解任したと発表した。
考査委員の解任は、旧司法試験時代も含め、初めて。
同省の司法試験委員会は近く、考査委員全員を対象に、同様の受験指導をした事実がないか報告を求め、大学院の教員が考査委員も務める現行制度の見直しについても検討するとしている。
長勢法相は同日の閣議後記者会見で、「他の法科大学院も重く受け止めてほしい」と述べた。
同省は、植村教授を2回にわたって呼び出して事情を聞き、
〈1〉今年2~3月、慶応大法科大学院の学生らを対象に、考査委員が禁じられている答案練習会を7回開き、関連する判例の要旨などを学生に一斉メールで送った
〈2〉試験直前の先月6日、試験で書いた論文を再現したものがあれば個人的に採点するとした一斉メールも学生に送った
―などの事実を確認した。
同省は、問題そのものが学生側に漏えいした事実は確認していないとしているが、「答案練習会を行い、試験の公正さに疑念を生じさせただけで十分に解任理由になる」としている。
また、試験後の個人的な採点についても、実際に行っていれば、採点基準に関する守秘義務違反に当たる恐れがあったとしている。
一方、有識者らでつくる同省の司法試験委員会は、今夏の採点作業が本格化する前に、155人の考査委員全員を対象に、任期中に答案練習会や勉強会などの受験指導を行ったことがないか報告させる。
(2007年6月29日12時36分 読売新聞)
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