07/06/29 09:11:16
新司法試験の採点基準示す 問題演習で考査委員2人 '07/6/29
昨年五月に実施された新司法試験後に大宮法科大学院大学(さいたま市)で、
教授二人が考査委員として自ら出題・採点を担当した新司法試験の問題を使って
演習を実施、学生に「採点基準」を示していたことが二十九日、分かった。
非常勤国家公務員の考査委員には採点基準などに関して守秘義務がある。
二人は「個人的な採点基準を示しただけで、実際の基準とは違う」と釈明しているが、
法務省は「受験者の間に不公平感を生む恐れがあり、好ましくない」としている。
新司法試験をめぐっては、考査委員の植村栄治・慶応大法科大学院教授(57)が
今年の試験前に、実際の問題と類似した論点を学生に説明していたことが既に判明。
背景には、少しでも合格率を上げたい学校間の過当競争があるとみられ、法務省は
対応措置を迫られそうだ。
問題の教授二人は、倒産法担当の弁護士(59)と国際関係法担当の弁護士(52)=
いずれも第二東京弁護士会。
関係者や二人の説明によると、倒産法の教授は昨年六月ごろ、一カ月前に行われた
新司法試験の倒産法の論文式問題を学生に出題して採点。その後の講義で、出題趣旨
とともに論点別の配点(採点基準)を記載した資料を学生に配布した。
この教授は「学生の指導に役立つと思ってやったが、配慮が足りなかったかもしれない」と
話している。
国際関係法の教授も昨年八月に実施した問題演習で、新司法試験の国際関係法・私法系の
論文式問題について同様に配点を記した資料を配布。「学生同士で採点し合うための資料に
使ってほしい」と説明した。
この教授は「考査委員だからといってほかの法科大学院でもやってることをやらなければ、
学生に不利になる。個人的な採点基準を示すことは問題ではない」としている。
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