08/02/19 00:11:50
サルトルや日本の学生運動を支持した言論人などの末路は
歴史参加型言論人の限界を現しているね。
カミュとサルトルの論争は現代にも通用する。が、残念ながらサルトルは敵役にしかならないだろう。
共産主義に関わったものの自己弁護としては安部公房の「榎本武揚」「第四間氷期」これが一番いい。
「榎本武揚」には戦中と言う現代に関わった憲兵の男が出てくる。
彼は当時『正義』とされていたものへの忠誠を誓っていた。
しかし、日本は敗戦を向かえ、戦前戦中の『正義』は全て否定された。
それでは憲兵の忠誠はどうなってしまったのだ、と言う話なんだけど、
これは共産主義という『正義』に一時期忠誠を誓っていながら
彼の手の届かない所で共産主義が駄目になってしまった安部公房の自己弁護として読める。
サルトルを読む際にもこれを見て人間の歴史との関わり方を考え直すのがいい。