08/03/06 23:53:58
このところ、投資ファンドや不動産関連企業の方にお会いすると、「いやー、もうオフィスビルを売りたい人ばかりで大変ですよ」という声が急に増えてきました。
また、地価上昇にも急ブレーキがかかり始め、表参道などの都心部でも地価が下落基調に入ってきたようです。
昨年中頃までの国内不動産市場は、都心のオフィスビルはファンド同士の奪い合い、マンションは業者の売り惜しみで高値安定・・・などという状態でしたが、どうやら逆回転に入りつつあるようです。
ストーリーはごく単純で、サブプライムローン問題をトリガーに、日本の不動産を買い上げていたファンドなどの資金が急速に収縮しており、例えば不動産ファンドの投資家の解約売りなどに伴い、物件売却をいそぐ動きが出ているようです。
元々、都心部のオフィスビル建築ラッシュや、高級な高層マンション建築ラッシュには「成熟社会、人口減少社会で、供給ばかり増やしても、いずれ限界が来るのは自明ではないか」と多くの人が思ってはしていたと思います。
とはいえ、J-REITの急激な拡大や、私募の不動産ファンド、外資系を中心とした投資銀行などによる不動産投資など、主として投資資金による需要が旺盛なことにより、ミニバブル状態が形成されてきました。
エンドユーザーである企業(オフィス)や個人(マンション)の需要もありますが、むしろ中間的存在である不動産投資家によってつくられたミニバブルだったと言えるかもしれません。
不動産ファンドは、一旦こういうスパイラルに入ると、株式と違い流動性が低いため、運営が非常に厳しくなりそうです。投資資金の逃避が続き、高値で買った物件の売却せざるを得ないようなことになると、破綻するファンドが出てもおかしくありません。