06/12/30 05:25:31 q0w6G/r90
私は向かう、東へと。殺しに行くために。ゲームに勝って生き残るために。
学芸「もう、私には何も……」
思い出はもう思い出でしかなくなってしまった。
もう新しく築かれることは永久(とわ)にない。
学芸「東外さん……お茶の水さん……」
優しくてゆるやかな時間が流れていた日々を思い出すと、ただただ哀しくなる。
一緒に、買い物をした日、お菓子を作った日、勉強会という名目でおしゃべりしてただけの日。
学芸「くっ!」
あふれでてこようとする涙を、あわてて唇を噛むことで殺しにかかる。
血の味がしだしたけど、かもうもんか。
もうこれからは泣かない。絶対に泣かない。
すべてが終わったら、全部を吐き出して盛大にわんわん泣き叫んでやる。
学芸「ここで歩みを止めるわけにはいかない。
私のできる唯一のことは生き残ることだけだもの」
そうだ。まだ私が残ってる。
だけど、果たしてこの”私”は東外さんとお茶の水さんが知ってる私だろうか?
数々の殺人を犯した私は本当に生き残る価値なんてあるのだろうか?
私は私だと信じたい。もちろん自分の中に別人が住んでるような感じはしない。
学芸「もともと、こうだったのかな……」
大本の性格が変わってしまったような気はしないし、記憶も意識もはっきりしている。
こんな異常な状況だし、変わるなというのが無理な話かもしれない。
昔からマイペースな私であろうと変わらざるを得ないのかもしれない。