08/06/29 14:35:37 48DjlSrx
>>683
公務員試験の消費理論で頻出の、一定の予算制約のもとで効用を最大化する問題を
一般には「制約条件つき最大化問題」と称する。この問題は一般にはラグランジェ未定
乗数法という手法を用いて解くことができる。学部中級向け教科書ならその説明がある
し、公務員試験対策本でも、計算量を少なくできるということで載せている本もあるようだ。
ただ、スー過去のこの問題に対する推奨解法は、「予算制約式を変形して効用関数に
代入することにより1変数関数に変換した上で、その最大値をとる点を微分計算によっ
て求める」というものだ。この解法は、問題によっては計算量が多くなるというデメリットが
あるが、一方で計算体力さえあれば数学的理屈がいらないというメリットもある。また、
計算量が節約できるといっても、公務員試験の場合は2財モデル(=2変数関数)しか
出ないので、大して差は出ないということもあると思う。
さて、以上の説明を念頭に>>683の書き込みを読むと、上半分は、制約つき2変数関数
問題を1変数問題に変換して解く場合の話、下半分はもっと一般的な2変数関数の
話であることがわかる(本人は自覚していないかもしれないが、両者を混同しているという
ことになる)。それを納得した上で、彼 or 彼女の質問に答えてみよう。
>個人が効用関数u(x,y)を最大化するとき、Δu/ΔxとΔu/Δyは常に0なんでしょうか?
ただしくは∂u/∂x、∂u/∂yだが、飽和するタイプの効用関数(3次元では山の頂上を
形成する形)なら、そのとおり。しかし∂u/∂x、∂u/∂yが0ならすべて極大値かという
と、残念ながらそうではない(必要条件であって十分条件ではない)。ある側面からみる
と山の頂上でも、もう一つの側面からみるとお椀の谷という場合もあり得る(馬の鞍のよ
うなので、鞍点と称する)。
このあたりの1階の条件、2階の条件などについて詳しく知りたい場合は、きちんとした
経済数学の本を参照のこと。当然のことながら、公務員試験の学習範囲をかなり逸脱
するので、お勧めはしないけど。