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「安楽死事件/医療の深淵に目向けよう 」
(2003/08/10 神戸新聞より)
URLリンク(www.kobe-np.co.jp)
長いので2回に分けます。前半
大阪市福島区の関西電力病院で、大腸がん末期の男性患者が、
医師に塩化カリウムの原液を点滴投与された直後に死亡していたことがわかった。
大阪府警は、医師の行為が法律で認められていない「安楽死」に当たるとし、
殺人容疑で書類送検した。
患者の死亡から八年以上がたち、死亡に至る詳細な経過が確定できないことや、
患者・家族が同意したと受け止められる経緯などもあり、実際に殺人罪で起訴するのは
難しいという。
たとえ患者の死は避けがたく、患者本人や家族の同意のようなものがあったとしても、
医師には最後まで最善の医療を尽くす責任がある。薬液で死期を早める行為は許される
ものではない。
同じような安楽死は、過去にも繰り返されてきた。背後にある高度医療技術に
支えられた終末期医療の問題とその混乱状況に目を向けない限り、根絶するのは
難しいのではないだろうか。担当の医師のみを責めて済む問題とは思えない。
問題になってきた安楽死のほとんどは一人の医師が生死の判断を行ってきた。
今回の事件も、そうである。
死に直面した患者と、見守るしかない家族に対し、病院としてどのように医療を
尽くそうとしたのかが見えてこない。
病院が内部告発で初めて事の次第を知ったことや、患者の死亡直前の医療カルテを
紛失していたことに、それが表れている。