04/08/08 13:58 KogMQTk3
自ら命を絶つまでに追い詰められた人をどうすれば救うことができるか。この問いの持つ意味はずっしり重く、しかも一段と重みが増している。
三万四千四百二十七人。警察庁が発表した昨年の自殺者数である。過去最悪となった。三万人台は、一九九八年から六年続いている。毎日九十四人が自ら命を絶っている。
交通事故で亡くなる人より四倍から五倍も多い。人口十万人当たりの自殺率の高さは、先進国の中でも際立っている。
わたしたちの社会は、そういう社会であることを自覚する必要がある。
原因・動機別では、病気を苦にしたものが全体の約45%を占めて最も多い。次いで経済・生活問題の約八千九百人、家族問題の約三千人、仕事の失敗など勤務問題の約二千人と続いている。
中でも経済・生活問題の増加が著しく、前年より約千人増え、過去最悪だった。負債を理由にしたものや生活苦、就職失敗などの理由によるものが急増している。
さらに、心を重くするのは三十歳代の自殺が初めて四千人を超えたことである。
リストラなどの影響で、仕事の負担がのしかかるようになり、過度のストレスを抱える人が増えたのではないか、との見方をする専門家もいる。
いずれにせよ、現在の社会状況を色濃く映し出した結果といえるだろう。今や自殺は「個人の問題」として済まされなくなっていることは、はっきりしている。