06/10/19 21:10:53
「・・・ゆ、ユイ・・・すまなかった・・・(ゲフッ!)」
「・・・碇・・・哀れだな・・・」
「・・・か、葛城ぃ・・・俺が・・・何をしたって言うんだ・・・(ガクッ)」
そして、当事者のコメント。
「・・・はぁぁぁ・・・なんで僕がみんなに奢らなきゃならないのさ・・・僕が何を
したっていうんだ・・・出たばっかりのあのゲーム、欲しかったのに・・・(涙)」
さらに、当事者のクラスメート達のコメント。
「・・・い、碇さん!わいは、わいは必ずあなたの元に戻りまっせ!たとえ首から下を
埋められても!・・・くううっ!う、腕だけでも抜ければ・・・ぬ、抜けろぉっ!」
「・・・くっ!お、俺は負けない!この懐にあるエプロン姿を現像するまではっ!
・・・トウジ、そっちはどうだ・・・?」
「・・・ユウキさん・・・や、やっぱり、もうちょっと積極的に行かなきゃ、
ダメなのかしら?・・・アスカや綾波さんに負けてられないし・・・」
51:EPISODE:09 Both of You,Dance Like You Want to Win!
06/10/19 21:11:48
結局、ジオフロントの人気のない林に首から下を埋められたトウジとケンスケは、
アスカ達から事情を聞き出したシンジが助け出すまでの三日間、埋まったままだった。
加持リョウジはネルフ本部内の一室で、なぜか瀕死の大怪我を負っていたところを、
偶然訪れたシンジに助け出された。
ちなみにその後、ケンスケが例の『エプロンシンちゃん恥じらいバージョン』を
品数限定でオークションにかけたところ、最高で一枚につき数万円の値が付いて、
その売り上げを管理している『委員会』上層部のメンバーは大いに潤ったとの事だが、
もちろんシンジ本人にはその事は知られていない。
そして、アスカ、レイ、ヒカリが回収した『お宝映像』は湯気にによって鮮明には
写っていなかったのだが・・・
「・・・ぐふっ、ぐふふふ・・・し、シンジの裸・・・ぐふふふ・・・」
「いやぁ~ん(ハァト)シンちゃんったら、意外とたくましいんだから~(ハァト)」
「あぁ・・・ユウキさん・・・は、肌が白くて、ス・テ・キ(ハァト)・・・あぁっ!
わ、私って不潔よぉぉっ!・・・で、でも・・・でもでもっ!(ポッ)」
・・・このように、三名の少女達を毎晩のようにベッドの上で転がらせていたが、
それもまた、シンジには知り得なかった事であった。
第九話 完
52:あとがき
06/10/19 21:12:34
あとがきです。 エヴァンゲリオンEX第九話、ようやく完結です。
いや~・・・遅くなってしまいましたね。思えば、Aパート完成から三ヶ月・・・
待っていた人(・・・いるのか?)には大変申し訳なく思っております。
おまけに、長くなりすぎて一話を三部に分割するという暴挙に出てしまいました。
ちなみに、第九話は全部で135KB・・・(^^;
毎回こうだと良いんですが・・・(^^;;
でも、暴走しすぎかも(爆汗)
相変わらずシンジは暗いし、アスカはキャラ変わっちゃってるし・・・
『解け合う心がアスカを壊す・・・色々と(笑)』ってな感じで。
唯一変わってないのは、暴走ミサトさんだけかも・・・(笑)
さて、次の予告ですが・・・次回、第壱拾話『マグマダイバー』・・・
タイトルは原作まんまですが、話の方はどうなるのでしょう・・・?(^^)
プロット通りなら、みなさんニヤリとしていただけると思うのですが・・・
それでは、今回はこの辺で。
53:名無し専門学校
06/10/19 21:14:10
Q夜警国家では多くの社会問題が発生した。そうした点が改良された現代国家はどのように表現されるか答えなさい
Aパトリオッター国家
Q現在民主政治の基本原理として確立されている3つの項目を答えなさい
A粗悪年金・公務員優遇・暴走国家
大日本帝国ハ[鉄ヲタ]ノ天皇之ヲ統治ス
天皇ハ[処女]ニシテ侵スベカラズ
天皇ハ[金正日]ノ協賛ヲ以テ立法権ヲ行フ
日本臣民ハ[新手ノ宗教]ニ於テ言論著作印行集会結社ノ自由ヲ有ス
54:名無し専門学校
06/10/19 21:16:19
このスレ(゚⊿゚)イラネ
55:名無し専門学校
06/10/19 21:18:18
エヴァ荒らしは当面ないだろう。
56:名無し専門学校
06/10/19 21:19:11
49649lklgklfgkllk;klksd; 2何し死晴れ仮李レスのfjgofj
57:名無し専門学校
06/10/19 21:22:05
まとまな話題を見つけないと…
58:名無し専門学校
06/10/19 22:50:35
文化祭は仕込み禁止みたいだね
59:名無し専門学校
06/10/19 23:16:03
┏┓
┃━┏┃┃┃ じゃいじゃいじゃい
┏━
┗━
60:名無し専門学校
06/10/19 23:17:05
∧∧ ∧∧ ∧∧
( ゚∀゚) <jive! ( ゚∀゚)<jive! ( ゚∀゚)<jive!
_| ⊃/(___ _| ⊃/(___ _| ⊃/(___
/ └-(____/ / └-(____/ / └-(____/
61:名無し専門学校
06/10/19 23:18:51
_ ∩
( ゚∀゚)彡 じゃいじゃいじゃい!
⊂彡
62:名無し専門学校
06/10/19 23:21:36
>>1
氏ね、カス、基地外、ニート、引き篭もり、巨人ファン、土方、日雇い、ルンペン、団魂世代、
デブ、吉牛ファン、クレーマー、ゴキブリ、蠅、田代、ラーメンヲタ、ポロシャツ、チョン、モーヲタ
63:名無し専門学校
06/10/19 23:25:54
,.───‐、────:、 ,.───‐
__ / ヽ l二二l l二二二l .ヽ../
________//_/___ /________ヽ________ヽ._⊂|二|⊃____
... / \__________________________
| ┌───┐.┌───┐ |
| |ロ.京成津田沼|.....| 8503 ..ロ| | ___ _____
| │ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄│.│ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | |i─‐i| ||i─‐i|i─‐i|| || ̄ ̄ ̄ ̄|||| ̄ ̄ ̄ ̄|||| ̄
| │ │.│ | | || .|| ||| .||| .||| || |||| ||||
| │ │.│ ∧,,∧ ...│ | || .|| ||| .||| .||| ||――||||――||||―
| │ │.│ ミ●●彡 | | || .|| ||| .||| .||| || |||| ||||
| ├───┤.├───┤ | ||__,|| |||__,|||__,||| ||____||||____||||_
| │◎◎ │.│ ◎◎│ |─| |──|| | ||────────
| └───┘.└───┘ |─| |──|| | ||────────
|... ...| | | || | ||
|... ...| |__| ||__|__||
||三三三三_──_三三三三|_|___________________________
| | ..目 [ ].=] .目 | | | ├‐┤  ̄ ̄r'[|二|≡==∨==|\==≡二|] |_|_| | |
| |_三三三三三_| | | └‐┘ 二二|..|l宝㊥宝|_|旦旦|.\|宝㊥宝|.. |__|_
\______|_____// ゝゝ_ノ ゝゝ_ノ
64:名無し専門学校
06/10/19 23:28:04
低脳ニートなチンポが臭くて生きている価値のない愚民どもよ、喪前ら植草教授みたいに手鏡使って覗きしたり痴漢したりして捕まるなよ、でもヲナニーばかりしてるなよ。チンポ腐るからな、それではごきげんよう。
65:名無し専門学校
06/10/20 01:27:37
,.───‐、────:、 ,.───‐
__ / ヽ l二二l l二二二l .ヽ../
________//_/___ /________ヽ________ヽ._⊂|二|⊃____
... / \__________________________
| ┌───┐.┌───┐ |
| |ロ.急行 小田原|.....| 8503 ..ロ| | ___ _____
| │ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄│.│ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | |i─‐i| ||i─‐i|i─‐i|| || ̄ ̄ ̄ ̄|||| ̄ ̄ ̄ ̄|||| ̄
| │ │.│ | | || .|| ||| .||| .||| || |||| ||||
| │ │.│ ∧,,∧ ...│ | || .|| ||| .||| .||| ||――||||――||||―
| │ │.│ ミ●●彡 | | || .|| ||| .||| .||| || |||| ||||
| ├───┤.├───┤ | ||__,|| |||__,|||__,||| ||____||||____||||_
| │◎◎ │.│ ◎◎│ |─| |──|| | ||────────
| └───┘.└───┘ |─| |──|| | ||────────
|... ...| | | || | ||
|... ...| |__| ||__|__||
||三三三三_──_三三三三|_|___________________________
| | ..目 [ ].=] .目 | | | ├‐┤  ̄ ̄r'[|二|≡==∨==|\==≡二|] |_|_| | |
| |_三三三三三_| | | └‐┘ 二二|..|l宝㊥宝|_|旦旦|.\|宝㊥宝|.. |__|_
\______|_____// ゝゝ_ノ ゝゝ_ノ
66:名無し専門学校
06/10/20 01:34:32
ってか、リアルビジネスのN先生(♂) って何もしてないよね?
何で顧問やってるの?つっ立ってたり、徘徊したり・・・本当にヒマ人だね。仕事しろ!
67:名無し専門学校
06/10/20 06:46:16
次回のゼミはスーツ?
68:名無し専門学校
06/10/20 08:09:27
>>66
無能な生徒がいるもんだな。
69:名無し専門学校
06/10/20 10:01:52
64は留学生だな
日本語がおかしい
70:名無し専門学校
06/10/20 17:40:55
>>69
お前もsageてからカキコしな。
71:名無し専門学校
06/10/20 18:07:36
>>69
お前が留学生だろ?
半年ROMってろ。
72:名無し専門学校
06/10/20 18:09:27
残酷な天使のように
少年よ 神話になれ
蒼い風がいま 胸のドアを叩いても
私だけをただ見つめて
微笑んでるあなた
そっとふれるもの もとめることに夢中で
運命さえまだ知らない いたいけな瞳
だけどいつか気付くでしょう
その背中には 遥か未来
めざすための羽根があること
残酷な天使のテーゼ
窓辺からやがて飛び立つ
ほとばしる熱いパトスで
思い出を裏切るなら
この宇宙を抱いて輝く
少年よ 神話になれ
73:名無し専門学校
06/10/20 18:10:58
ずっと眠ってる 私の愛の揺りかご
あなただけが 夢の使者に呼ばれる朝がくる
細い首筋を 月あかりが映してる
世界中の時を止めて 閉じこめたいけど
もしもふたり逢えたことに意味があるなら
私はそう 自由を知るためのバイブル
残酷な天使のテーゼ
悲しみがそしてはじまる
抱きしめた命のかたち
その夢に目覚めたとき
誰よりも光を放つ
少年よ 神話になれ
74:名無し専門学校
06/10/20 18:12:18
人は愛をつむぎながら歴史をつくる
女神なんてなれないまま 私は生きる
残酷な天使のテーゼ
窓辺からやがて飛び立つ
ほとばしる熱いパトスで
思い出を裏切るなら
この宇宙を抱いて輝く
少年よ 神話になれ
75:名無し専門学校
06/10/20 19:57:03
チーズバーガーは自分の名前が分からない。
返事も出来ない。
76:名無し専門学校
06/10/20 22:42:11
最近の就職対策ってある先生の独壇場になってるよね。。
77:名無し専門学校
06/10/20 22:44:25
独壇場・・・
78:ブラックローズ
06/10/20 23:46:53
ナカナイデ~
79:ブラックローズ
06/10/20 23:48:16
本当の孤独も知らない
80:ブラックローズ
06/10/20 23:50:47
まだ淡い花びらに涙の粒抱えたまま…
81:ブラックローズ
06/10/20 23:52:02
ah さわらないで 暖かなその手は
82:ブラックローズ
06/10/20 23:52:33
わたしのすべて 狂わす
83:名無し専門学校
06/10/21 00:23:46
84:名無し専門学校
06/10/21 00:33:15
>>69確かに>>64はおかしいが、いちいちレベルの低い奴に相手するな
馬鹿だからすぐにムキになってくるからな
きをつけろよ!!
85:名無し専門学校
06/10/21 08:06:43
>>84
お前が一番低脳だろ。
86:名無し専門学校
06/10/21 09:03:50
84
87:名無し専門学校
06/10/21 10:41:05
ここは五十歩百歩という言葉を知らない香具師が多いね。あと1行は無理だからせめて5行以内にしてほしい
88:名無し専門学校
06/10/21 13:09:06
>>87
どうカキコするかはお前次第。
ルールを作った所で無駄だ。
89:ブラックローズ
06/10/21 14:11:46
ねぇ 許さないで 傷口を押さえて
90:ブラックローズ
06/10/21 14:12:44
微笑んでるあなたがいる もう 帰らないね
91:ブラックローズ
06/10/21 14:14:31
堕ちてく時の甘い香り 繰り返すたびに ひどくなる
92:ブラックローズ
06/10/21 14:15:36
ダキシメテ~ いまだけ好きだってフリして
93:ブラックローズ
06/10/21 14:16:19
たったひとつだけなら ぜんぶ ぜんぶ いらない
94:ブラックローズ
06/10/21 14:17:18
Bloomin'like a Rose 本当の孤独も知らない
95:ブラックローズ
06/10/21 14:19:41
まだ淡い花びらに 涙の粒 抱えたまま…
96:( ゜∀゜)彡 じゃいじゃいじゃい!
06/10/21 14:24:13
Remenber what you said
About the life we led
Oh we never found out why
Although we tried
To understand ourselves
97:( ゜∀゜)彡 じゃいじゃいじゃい!
06/10/21 14:24:55
But now the times have changed
And no one is so blame
All we got is love to share
Wihtout despair
Holding love in hand
98:( ゜∀゜)彡 じゃいじゃいじゃい!
06/10/21 14:25:59
Come on and jive,jive,jive(Jive)
into the night
Come on and try,try,try,honey
Come on and jive,jive,jive(Jive)
into the night
Come on now,ho ho ho honey
That's all right
99:名無し専門学校
06/10/21 14:33:32
┃━┏┃ 今きづいたけどオレちょっとみんなと違うよな。
┏┓ まぁ気にせず
┃━┏┃┃┃ じゃいじゃいじゃい
┏━
┗━
100:名無し専門学校
06/10/21 14:34:11
_ ∩
( ゚∀゚)彡 じゃい!
⊂彡
_ ∩
( ゚∀゚)彡 じゃい!
⊂彡
_ ∩
( ゚∀゚)彡 じゃい!
⊂彡
とっても大好き
ヾ( ゚д゚ )ノ彡 いんとぅーざないっ!
101:名無し専門学校
06/10/21 14:34:59
みんないっしょに!
_ ∩
( ゚∀゚)彡 じゃいじゃいじゃい!
⊂彡
102:名無し専門学校
06/10/21 14:37:22
∧_∧
(`・ω・´)彡 わんっ!つうっ!
Σm9っ つ
人 Y
し (_)
∧_∧∩
( ゚∀゚)彡 わん!つう!すりー!ふぉー!!!
⊂ ⊂彡
(つ ノ
(ノ
__/(___
/__(____/
103:名無し専門学校
06/10/21 14:38:41
♪ ぅう~~~~♪
∧_,,∧ ♪ う~~~~~~~~~♪
♪ (´・ω・`) ぇるふぃっふぃ~~~~~ ♪
___ _○__\ξつヾ__ぇるふぃっふぃ~~~~~ ♪
/δ⊆・⊇ 。/†::† /δ ⊆・⊇。/
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| | ::: . | |
_ ∩
( ゚∀゚)彡 じゃいじゃいじゃい!
⊂彡
∩. _
とらいとらいとらい! ミ(゚∀゚ )
ミつ
_ ∩
( ゚∀゚)彡 じゃいじゃいじゃい!
⊂彡
104:名無し専門学校
06/10/21 14:44:28
. | ̄ りめんば わっとゅう~せ~~い
. ( ゚д゚) .| ぁばうざ らいふぅい~れ~~っ
| ヽノヽr┘ おぅ!ぅいねば ふぁうんだうんとわ~いっ
>> 'T おぅぞぅぃとら~い~っ
| ̄ とぅ
( ゚д゚ ) .| あ~んだ~すた~ん
| ヽノヽr┘ ゎせ~~るっ
>> 'T
. | ̄ ばっとなうざたいむはぶちぇ~ん
. ( ゚д゚) .| ぁんのぅわん いずとぅぶれぇ~ん
| ヽノヽr┘ おぉるぅいがっとぃずらぶとぅしぇぃ!
>> 'T ぅぃずあうと でぃすぺぃ~
| ̄
(゚∀゚) .| ほぉ~り~んら~ぶ
|ヽノヽ r┘ いん は~~んど!
>> 'T
105:爆音で名前が聞こえません
06/10/21 14:48:49
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ かもん あんど
ヽ 〈
ヽヽ_)
_ ∩
( ゚∀゚)彡 じゃいじゃいじゃい!
⊂彡
m9(゚Д゚)っいんとぅざないっ! かもん あんど
∩. _
とらいとらいとらい! ミ(゚∀゚ )
ミつ
ほぅね~~~ぃ ヽ(゚∀゚)ノ かもん あんど
106:爆音で名前が聞こえません
06/10/21 14:51:27
_ ∩
( ゚∀゚)彡 じゃいじゃいじゃい!
⊂彡
m9(゚Д゚)っいんとぅざないっ! かもん なぅ
ヽ(゚∀゚)ノ
へ ) ほぅっほぅっほぅっほぅね~~~ぃ
>
. _ ∩
(゚∀゚)/ ざっつおーるら~いっ!
⊂ |
つ ノ
(ノ
___/(___
/ (____/
107:爆音で名前が聞こえません
06/10/21 14:52:32
♪ ぅう~~~~♪
∧_,,∧ ♪ う~~~~~~~~~♪
♪ (´・ω・`) ぇるふぃっふぃ~~~~~ ♪
___ _○__\ξつヾ__ぇるふぃっふぃ~~~~~ ♪
/δ⊆・⊇ 。/†::† /δ ⊆・⊇。/
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| | ::: . | |
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ かもん あんど
ヽ 〈
ヽヽ_)
_ ∩
( ゚∀゚)彡 じゃい!じゃい!じゃい!じゃい!
⊂彡
108:爆音で名前が聞こえません
06/10/21 14:57:34
m9(゚Д゚)っいんとぅざないっ! かもん あんど
∩. _
とらいとらいとらい! ミ(゚∀゚ )
ミつ
ほぅね~~~ぃ ヽ(゚∀゚)ノ かもん あんど
_ ∩
( ゚∀゚)彡 じゃい!じゃい!じゃい!じゃい!
⊂彡
m9(゚Д゚)っいんとぅざないっ! かもん なぅ
ヽ(゚∀゚)ノ
へ ) ほぅっほぅっほぅっほぅね~~~ぃ
>
109:爆音で名前が聞こえません
06/10/21 14:58:42
. _ ∩
(゚∀゚)/ ざっつおーるら~いっ!
⊂ |
つ ノ ハ_ハ
(ノ ('(゚∀゚∩ かもん あんど
___/(___ ヽ 〈
/ (____/ ヽヽ_)
_ ∩
( ゚∀゚)彡 じゃい!じゃい!じゃい!じゃい!
⊂彡
m9(゚Д゚)っいんとぅざないっ! かもん あんど
∩. _
とらいとらいとらい! ミ(゚∀゚ )
ミつ
ほぅね~~~ぃ ヽ(゚∀゚)ノ かもん あんど
110:爆音で名前が聞こえません
06/10/21 14:59:58
_ ∩
( ゚∀゚)彡 じゃい!じゃい!じゃい!じゃい!
⊂彡
m9(゚Д゚)っいんとぅざないっ! かもん なぅ
ヽ(゚∀゚)ノ
へ ) ほぅっほぅっほぅっほぅね~~~ぃ
>
∧∧∩
( ゚∀゚ )/
ハ_ハ ⊂ ノ ハ_ハ
('(゚∀゚ ∩ (つ ノ ∩ ゚∀゚)')
ハ_ハ ヽ 〈 (ノ 〉 / ハ_ハ
('(゚∀゚∩ ヽヽ_) (_ノ ノ .∩ ゚∀゚)')
O,_ 〈 〉 ,_O
`ヽ_) (_/ ´
ハ_ハ ざっつおーるら~いっ! ハ_ハ
⊂(゚∀゚⊂⌒`⊃ ⊂´⌒⊃゚∀゚)⊃
111:名無し専門学校
06/10/21 17:51:03
いばらぎって言うと切れる人どうなった?
112:名無し専門学校
06/10/21 19:30:22
>>111
心配してるのか?
113:名無し専門学校
06/10/21 21:58:46
あざーすは学校には来るようにはなったが…
114:名無し専門学校
06/10/21 23:04:25
_ ∩
( ゚∀゚)彡 じゃいじゃいじゃい!
⊂彡
115:名無し専門学校
06/10/22 01:14:44
ミヌター東観の池沼ベスト5
1位チーズバーガー
2位リンちゃん
3位南京錠
4位ロンちゃん
5位コボちゃん
やっぱしアニヲタの書き込みよりも、鉄書き込みのほうがまし。
文化祭でミスター東観やるから、鉄学科は誰がやるか楽しみ!!!
文化祭の実況を頼むポ!
116:名無し専門学校
06/10/22 01:15:35
訂正
ミスター東観の池沼ベスト5
1位チーズバーガー
2位リンちゃん
3位南京錠
4位ロンちゃん
5位コボちゃん
やっぱしアニヲタの書き込みよりも、鉄書き込みのほうがまし。
文化祭でミスター東観やるから、鉄学科は誰がやるか楽しみ!!!
文化祭の実況を頼むポ!
117:名無し専門学校
06/10/22 10:17:13
>>115-116
伊予くんが入ってないな。漏れ的には
1位チーズバーガー
2位伊予くん
3位リンちゃん
4位ロンちゃん
5位コボちゃん
が、妥当なところだろう。
エヴァヲタは当面長文荒らしはないだろう。
まあ、荒らされてもいいけどね。
118:名無し専門学校
06/10/22 20:49:13
ミスター東観はロンちゃん!
119:名無し専門学校
06/10/22 21:54:33
>>118
どうして?
120:名無し専門学校
06/10/22 22:43:51
>>119
髪が長くて目立つから。
前期の授業でかなり目立ってたじゃん!!!
自分が寒いと良く冷房消しに行ってたし~
ロンちゃんがミスター東観出たら俺1票やるよん。
121:名無し専門学校
06/10/22 22:45:37
↑漏れも
122:名無し専門学校
06/10/23 18:56:54
11科目のスレ削除して。書き込みができないから。
放置してもしょうがない。
123:名無し専門学校
06/10/23 19:00:38
どうして?
124:名無し専門学校
06/10/23 19:18:05
>>122
無理だな。
125:名無し専門学校
06/10/23 19:23:15
>>122
ルールを守ってない奴のカキコに従う必要はないな。
126:名無し専門学校
06/10/23 21:00:58
>>125
だってあのスレは書き込みできないし、削除してもいいんじゃん。
127:名無し専門学校
06/10/23 21:43:30
>>126
まずお前はsageような。
初心者はガイドでも読んどけ。
128:名無し専門学校
06/10/23 21:48:36
>>126
貴様が削除依頼を出せばいいまでだ。
129:名無し専門学校
06/10/23 22:05:47
このスレも低脳ばっかだな…
130:名無し専門学校
06/10/23 22:59:10
>>129
何を今更・・・('A`)
131:名無し専門学校
06/10/24 00:18:08
ここは低脳とオタが集うところのようだ!
132:名無し専門学校
06/10/24 18:13:04
>>131
オマエモナー
133:名無し専門学校
06/10/24 20:57:03
Y田っていう就職できなくてN●Eをクビになった
輩の卒業したガッコはここですかぁ?
134:名無し専門学校
06/10/24 21:00:30
>>133
おっしゃてることが、分かりかねますが…
135:名無し専門学校
06/10/24 21:42:20
つまり、就職できない挙句に
バイトしてたN●●をクビになった香具師?
136:名無し専門学校
06/10/24 22:32:03
>>133
>>135
そのN●Eとかが分からぬのだ。
伏せる必要もあるまい。
137:名無し専門学校
06/10/24 23:02:30
>>136
多分NREかと
それは兎も角、Y田っててっきり16にいる肥満児のことかとオモタ
138:名無し専門学校
06/10/24 23:07:35
残酷な天使のように
少年よ 神話になれ
蒼い風がいま 胸のドアを叩いても
私だけをただ見つめて
微笑んでるあなた
そっとふれるもの もとめることに夢中で
運命さえまだ知らない いたいけな瞳
だけどいつか気付くでしょう
その背中には 遥か未来
めざすための羽根があること
残酷な天使のテーゼ
窓辺からやがて飛び立つ
ほとばしる熱いパトスで
思い出を裏切るなら
この宇宙を抱いて輝く
少年よ 神話になれ
139:名無し専門学校
06/10/24 23:08:13
ずっと眠ってる 私の愛の揺りかご
あなただけが 夢の使者に呼ばれる朝がくる
細い首筋を 月あかりが映してる
世界中の時を止めて 閉じこめたいけど
もしもふたり逢えたことに意味があるなら
私はそう 自由を知るためのバイブル
残酷な天使のテーゼ
悲しみがそしてはじまる
抱きしめた命のかたち
その夢に目覚めたとき
誰よりも光を放つ
少年よ 神話になれ
140:名無し専門学校
06/10/24 23:09:10
人は愛をつむぎながら歴史をつくる
女神なんてなれないまま 私は生きる
残酷な天使のテーゼ
窓辺からやがて飛び立つ
ほとばしる熱いパトスで
思い出を裏切るなら
この宇宙を抱いて輝く
少年よ 神話になれ
141:名無し専門学校
06/10/24 23:53:41
レーイプ!
142:名無し専門学校
06/10/25 13:33:48
chinko
143:名無し専門学校
06/10/25 16:41:50
嘆きの樹
144:名無し専門学校
06/10/25 17:49:19
トクターマン参上!
へ~んしん!
145:名無し専門学校
06/10/25 19:47:13
々々々々々々々々々
146:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:22:03
「・・・あぁ~・・・それにしてもホントにあっついわね~・・・シンジぃ・・・何とかしてよぉ・・・」
年中真夏の日射しを片手で遮りながらアスカが自分の左側を歩くシンジに言った。
「無茶言わないでよ、アスカ・・・」
思いっきり道行く人々の視線を集めているシンジが応える。
女性からは『あの子・・・ちょっと可愛いかも・・・(ハァト)』ってな視線を、
男性からは『あのガキ・・・あんなに可愛い娘を二人も・・・!』ってな視線を受けている。
「そうよ!全く、セカンドは我が儘ばっかり言って!あたしのシンちゃんを困らせないでよね!」
シンジの左を歩いているレイが速攻でアスカに噛みつくと、アスカはレイを睨んだ。
「ぬわぁんですってぇ!?ファーストの分際で生意気よっ!」
「セカンドこそ『二号さん』のくせに・・・邪魔よっ!」
シンジを挟んで睨み合う二人。
「・・・ふ、二人とも、早く行かないと時間がなくなっちゃうよ?」
周囲の視線を一身に受けているシンジは、何とかしようとしてそう言った。
「っ!・・・そ、そうねっ!早く行くわよっ!」
「っ!・・・し、シンちゃんの言う通りだよねっ!」
二人の美少女は、びくりと肩を震わせてそう言うと、ずしずしと歩き出した。
それにつられて、シンジも動く。
147:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:22:57
なぜなら、シンジの右手はアスカの左手に、シンジの左手はレイの右手に、
しっかりと握られていたからだ。
「・・・シンジ!あんたには、アタシに似合うセクシ~な水着を選んで貰うわよ!」
とアスカが笑顔で言えば、
「・・・シ~ンちゃ~ん♪あたしに似合う可愛い水着、選んでよ♪・・・ね?」
とレイもにっこり笑って言う。
二人は、道行く女性達が年齢を問わずシンジに視線を送ってくるのに気付いており、
それを牽制するためにわざとしているのだ。
もちろん、シンジを挟んで反対側にいるライバルを牽制するためでもある。
それにシンジは、多少引きつった笑顔で応えていた。
こんな時に笑顔を浮かべていないとどうなるか、シンジはすでに学習済みだった。
以前、やはり三人で買い物に出かけた時、シンジが考え事をしててぼーっとしていたのを見たアスカは
「・・・なによ!アタシと一緒に出かけるのがつまんないのね!?」
と言ってふてくされ、レイは
「・・・シンちゃん・・・あたしと一緒に居るの・・・つまんない?」
と言って目に涙を浮かべた。
148:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:24:13
それを見た通りがかりの男達は、まさに視線だけで人が殺せそうな熱いモノをシンジに向けてきたのだ。
もちろんシンジがその場で二人に平謝りに謝ったのは言うまでもない。
(・・・み、みんなこっちを見てるよ・・・でも、僕にはどうしようもないし・・・
た、助けてよ!誰か僕を助けてよ!・・・ぼ、僕のせいじゃないんだぁ!)
シンジは、道行く男達が自分に殺意の籠もった視線を送ってくるのを感じて、
『顔で笑って心で泣いて』を地で行っていた。
「そう言えば、あの娘達は?」
眼鏡を掛けてモニターを見つめていたリツコが、遊びに来ているのか邪魔しに
来ているのか不明なミサトに尋ねた。
「・・・シンジ君を連れて買い物だってさ。いい気なモンね」
そうミサトが答えた。
吐き捨てるように言うその口調は、微かに嫉妬を感じさせる。
「ふふっ・・・あの子達も遊びたい盛りなのよ。それにあの学校、確か修学旅行がもうじきだったはずでしょう?」
リツコの言葉に、ミサトは目を見開いて叫んだ。
「な、なぁんですってぇ!?」
「・・・あら、ミサト、知らなかったの?」
いかにも意外だというリツコの表情。
149:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:25:16
「し、知らないわよっ!い、いつなのよ!?」
「ええと・・・確か、来月に入ってすぐよ。・・・行き先は沖縄だったはずよ。
・・・あなた、シンジ君から聞いていないの?」
「くっ・・・」
「その様子じゃ、聞いてなかったようね。シンジ君に信用されてないのかしら?」
「ぐっ・・・」
「・・・・・・思いっっっっっっきり・・・・・・・無様ねっ!」
ニヤリと笑みを浮かべて言うリツコ。
「ぐぐぐぐぅ~・・・リ~ツ~コ~・・・」
歯を食いしばってリツコを睨みつけるミサト。
「まぁ、落ち着きなさい。・・・で、あの娘達だけど、今日の買い物はその修学旅行に
必要な物を買いに行ってるんじゃないの?」
上手く話をすり替えるリツコ。
そして、ミサトの作戦部長としての頭脳が全力で回転した。
(・・・修学旅行・・・それは、年頃の男女が公然と一緒に旅行できるイベント・・・
そして・・・互いに思い合う少年少女達はその想いを伝え合い、その夜は・・・)
150:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:26:02
「・・・・・・そう。そうなのね・・・ふふふ・・・あの小娘達・・・
この葛城ミサト様を出し抜こうなんて、百億年早いのよぉ~・・・」
(アスカぁ~、レイぃ~!修学旅行にかこつけて無理矢理シンジ君をヤろうだなんて、
誰が許してもこのミサト様が許さないわよぉ~!絶対に邪魔してやるぅ!
・・・シンジ君、ごめんね。でもこれはあなたを守るために、仕方が無い事なのよっ!
後であたしがじっくりたっぷりねっとり慰めてあげるから・・・ぐふふふぅ・・・)
いきなり燃え出したミサトの目に、リツコは近寄りがたい物を見て、思わず上体を反らした。
(ご、ごめんなさい、シンジ君・・・私、眠れる怪獣を起こしてしまったわ・・・)
心の奥でシンジに謝るリツコだった。
ちなみに、その脳裏に浮かんでいるのは巨大化したミサトが口から放射線を吐き出して
零号機と弐号機を攻撃しているシーンだった。
151:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:28:57
そして、総司令執務室。
「・・・碇、本当に良いのか?」
冬月がいつもの姿勢でゲンドウに尋ねた。
「・・・ああ。使徒はいつ来るか不明・・・葛城一尉の言う事ももっともだ・・・」
「しかし、シンジ君も楽しみにしているのでは無いのか?」
「・・・問題ない・・・」
ゲンドウはそう応えて、一冊の書類を冬月に差し出した。
「ん?なんだ、これは?」
「・・・先ほど、赤木博士が持ってきたものだ・・・」
「なになに・・・『サードチルドレンの女性化とその周囲への影響について』だと?」
冬月が受け取った書類の表紙に書いてある言葉を読んだ。
もちろんこの書類はミサトがリツコに賄賂を送って作らせた物だ。
「・・・それの4-C、『近しい年代との関係についての考察』だ・・・」
「どれ・・・『ユウキとなったサードチルドレンは第一中学校の生徒に人気があり、
修学旅行ともなれば男女ともにサードチルドレンを狙うと予想される。最悪の場合、
彼(彼女)の貞操の危機もあり得る』だと!?」
驚きの表情を浮かべて読み続ける冬月。
152:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:30:04
「『なお、万が一そのような事態になった場合、サードチルドレンの精神状態は極端に
不安定な状態に陥り、最悪の場合は精神崩壊の可能性もある』・・・い、碇!」
「・・・修学旅行の日程中に『碇ユウキの日』が入っている。MAGIの予想なら、
ほぼ間違いは無かろう・・・その書類はユイにも見せた。ユイも葛城一尉の案に賛成だそうだ・・・」
「・・・わかった。お前とユイ君がそう言うなら、私に異論は無い。・・・だが、
シンジ君の不興を買う事になるぞ?」
「・・・問題ない。シナリオ通りだ・・・」
そう言いきったゲンドウに、冬月は眉をひそめた。
(・・・シナリオだと!?何の事だ、俺は知らんぞ!・・・碇の奴め、また何か勝手な
事を考えているな?・・・いや、もしかしたら、俺が忘れてしまったのか・・・?
う~む・・・思い出せん・・・なんだったのか・・・)
冬月が頭を悩ませているのにも気付かず、ゲンドウはニヤリと笑みを浮かべた。
153:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:31:19
「「・・・ええっ!?修学旅行に行っちゃダメ~!?」」
夕食後、買い物からの帰りにシンジに夕食を誘われたアスカとレイがハモった。
ちなみにアスカはユニゾンの訓練後、ユイ&ゲンドウの元でレイと一緒に暮らしている。
本人はシンジと一緒に暮らす事を強く望んだのだが、レイの強硬な反対とシンジの
やんわりとした反対にあい、仕方なくユイの誘いに乗ったのだ。
そして、ユイ監視の元でレイと暮らし始めたアスカだが、ことある事にレイと衝突し、
それを見かねたユイの『二人がどうしても争うと言うのなら、今後一切、シンジと
付き合う事は遠慮して貰うわよ!もちろん会話も挨拶もダメ!』との最後通告を受け、渋々和解していた。
とは言っても、ただ肉弾戦をしなくなったというだけの事で、互いに牽制し合っているところは変わらない。
「・・・そっ」
思いっきり身を乗り出して自分の目の前に迫っているアスカとレイを気にもせず、
いつも通りエビちゅを一気飲みするミサト。
「「どうしてっ!?」」
またもハモるアスカとレイ。
154:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:32:17
「戦闘待機だもの」
「「聞いてないわっ!」」
「今、言ったわよ」
「「誰が決めたの!?」」
(・・・結構仲が良いんだな、この二人・・・)
食後のけだるさに身を任せながら、シンジはぼうっとそんな事を考えていた。
「作戦部長である、このあたしが決めました。碇司令の了解も得ています」
新しいエビちゅを手に取りながらきっぱりと言うミサト。
「「ぐっ・・・」」
そう言われては、ただのパイロットに過ぎない二人は逆らえない。
「・・・ただし、条件があるわ。あなた達のうち、誰か一人だけでも待機していれば、後の二人は行っても良いわよ」
「「えっ!?」」
(・・・この二人がユニゾンやった方がよかったんじゃないかな・・・?)
ハモる二人を見て、シンジはそう考えていた。
次の瞬間、アスカとレイは互いを見合って口を開いた。
155:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:33:19
「ファースト!アンタが残りなさい!」
「なに勝手な事言ってるのよ!あたしがシンちゃんと一緒に修学旅行に行くの!」
「フン!シンジと一緒に修学旅行に行くのはア・タ・シよ!あんたは零号機と一緒にお留守番してなさい!」
「セカンドこそ、大事な弐号機と一緒に留守番してれば良いでしょ!?」
「何よ!」
「何さ!」
またも始まった口論に、シンジが慌てて口を挟んだ。
「・・・あ、あのさ、僕が留守番してるから、二人とも行ってきて良いよ」
「な、何言ってるのよ!アンタが行かないと意味が無いじゃない!」
「そ、そうよ!シンちゃんと一緒じゃなきゃ意味が無いじゃない!」
慌てて反論するアスカとレイの姿を見て、ミサトが内心ニヤリと笑った。
(・・・かかったわね・・・)
「二人とも行ってきたら?せっかくシンジ君がこう言ってくれてるんだし・・・
シンジ君が残ってくれるんだったら、貴女達は行っても構わないわよん」
「「っ・・・・」」
二人の美少女は唇を噛み締めた。
156:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:34:23
シンジが行かないとなると、必死に練り上げた数々の『作戦』がムダになってしまう。
だからといって自分が「行かない」と言えば、相手は喜んでシンジを無理矢理にでも
連れて行ってしまうだろう。
二人とも、それがわかっているからこそ、互いに留守番を押しつけあうのだ。
しかし、状況は千日手ともいえる状況・・・硬直状態に陥っていた。
互いに顔を突き合わせて睨み合うしか出来ない。
当然、どちらも退く気は無い。
イコール、永遠にケリがつかないという事だ。
ミサトは計画通り、次の段階へ進んだ。
「・・・シンジ君。あなたが残ってくれるのね?」
「は、はい。僕が戦闘待機します」
おろおろしながら二人の争いを見ていたシンジは、いきなりミサトに声を掛けられて驚きながら応えた。
「そう。わかったわ。・・・それじゃ、アスカ、レイ。貴女達は行っても良いわ。
よかったわね、二人とも。シンジ君に感謝しなさいよ?」
揶揄するように言うミサト。
「「くっ・・・」」
唇を噛んでミサトを睨む二人。
157:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:35:03
「あら、どうしたの?・・・行きたいんでしょ?修学旅行。・・・そりゃそうよねぇ。
一生に一度しかない、大切な思い出のイベントだもんねぇ~・・・」
そう言ったミサトに、シンジがおずおずと口を開いた。
「・・・あ、あの・・・ミサトさんはどこへ行ったんですか?修学旅行・・・」
「あぁ、あたし?・・・あたし達には、そんなの無かったわ・・・」
(ふふっ!ナイス質問よ、シンジ君!)
そんな事を考えながらあっさりと応えるミサト。
「えっ?・・・な、なんでですか?」
不思議そうな顔をしているシンジ。
アスカとレイも、『なんで?』って顔でミサトを見ている。
「・・・セカンドインパクトがあったからね・・・」
少しだけ翳りをこめた寂しげな微笑みを浮かべ、呟くように答えるミサト。
もちろん、シンジの気を引くための策略だ。
「あ・・・ご、ごめんなさい!」
そのミサトの顔を見て慌てて頭を下げるシンジ。
「うふふ・・・良いのよ、別に。シンジ君が気にする事じゃないわ・・・」
158:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:36:02
「で、でも・・・」
「もう良いの!・・・シンジ君、本当に優しいのね・・・」
まだ謝ろうとするシンジを少し強い口調で抑え、優しげな微笑みを浮かべるミサト。
「・・・」
シンジはその微笑みを見て、真っ赤になって沈黙した。
当然、そんな光景を見てアスカとレイが黙っているはずは無い。
「・・・し、シンジ!あ、アンタが残るならアタシも残るわよ!・・・ファーストっ!
アンタ、行きたがってたんだから、一人で行ってきなさい!」
「何ですって!?・・・シンちゃん、シンちゃんが残るならあたしも残るからね!
セカンドっ!あなたこそ、あんなに行きたがってたじゃない!あたしとシンちゃんが
待機してるから、あなたは楽しんでくると良いわっ!」
「なぁんですってぇ!?アンタとシンジを置いて行けるわけが無いでしょうが!」
「フン!あなたなんて居なくても、あたしとシンちゃんが使徒を倒してみせるわっ!」
またも始まった口論に、シンジはため息をついてミサトを見た。
シンジの視線を受けたミサトは微かに頷き、テーブルを思いっきり叩いた。
「・・・二人とも!黙りなさい!」
「「っ!」」
159:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:37:03
「・・・黙って聞いていれば・・・あんたらにはシンジ君の気持ちが分からないの!?
せっかくシンジ君が自分を犠牲にしてくれるって言うのに、あんたらは自分の事しか
考えないで言いたい放題言って・・・少しはシンジ君の気持ちも考えなさい!」
「「・・・」」
さすがの二人も、ミサトのこの言葉は身にしみた様で、黙って俯いてしまった。
「あ、あの、ミサトさん、そこまで言わなくても・・・」
「いいえ!シンジ君、あなたは少し黙っていて。・・・アスカ、レイ。貴女達には罰が必要なようね・・・」
「「・・・」」
「・・・罰として、貴女達にネルフ本部での戦闘待機・及び訓練を命じます」
「「っ・・・」」
ミサトの宣言を聞き、俯いたまま震えるアスカとレイ。
「・・・シンジ君には特別強化合宿に参加して貰います。・・・わかった?」
「あ、は、はい。・・・でも、特別強化合宿って、何をするんですか?」
「ヒ・ミ・ツよん♪シンジ君にはもっと強くなって欲しいからね♪」
「・・・わかりました」
首を傾げながらも頷いたシンジを見て、ミサトは内心ほくそ笑んだ。
160:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:38:16
(作戦成功っ!バカ娘達は修学旅行に行けなくなったし、シンジ君も引き留められたし
・・・合宿と称してシンジ君と二人だけでラブラブな毎日を過ごすのよっ!
・・・海辺で必死に訓練するパイロットと鬼コーチ・・・暑い真夏の日射しの元、
やがて二人の間には愛が芽生えて・・・う~ん、たまらないわよねぇ~~~っ!!
・・・あ、山にこもるってのも良いわね・・・涼しげな奥深い山の中・・・人里離れた
山中で来る日も来る日も二人きり・・・やがてパイロットは、美人でナイスバディな
コーチに禁断の感情を抱くのよ・・・ぐふっ・・・ぐふふぅぐふぐふ・・・)
かなり都合の良い妄想に思考をピンク色に染めているミサト。
それを見て、再び首を傾げるシンジだった。
そして、アスカとレイは再び互いを睨み合うのだった。
「三人とも残念だったな・・・(せっかくの稼ぐチャンスが・・・三人の水着姿・・・
高く売れるとふんでいたのに・・・特に碇は・・・くぅっ!)」
「碇さん・・・すんまへん・・・(なんでや!なんで碇さんが一緒に行けないんやぁ!
・・・この修学旅行中に、わいのこの熱いモノを伝えよう思っとったのに・・・)」
「アスカ、綾波さん、おみやげ買ってくるからね・・・(でも、どちらかって言うと
ユウキさんが居ないのが一番残念なのよね・・・)」
それぞれの気持ちとは少し違う言葉を居残る少年少女に声を掛け、彼らは飛び立って行った。
161:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:39:24
「・・・行っちゃったね・・・」
飛び立った飛行機を見ながら呟くシンジ。
「「・・・」」
黙って飛行機を見送っているアスカとレイの寂しそうな顔を見て、シンジは二人が
少しだけ可哀想に思えて、そっと声を掛けた。
「・・・あ、あのさ・・・もしよければ、一緒に遊びに行かない?」
「「・・・えっ!?」」
全く予想もしていなかった言葉に、アスカとレイは驚愕してシンジの顔をまじまじと見つめた。
「あ、い、いやなら良いんだ。ご、ゴメン・・・」
その二人の視線を拒否するものだと勘違いして謝るシンジに、アスカとレイが速攻で言った。
「い、イヤなわけないでしょうが!行く、行くわよっ!」
「シンちゃんの誘いなら、あたしはいつでもOKの三連呼だもん♪」
「そ、そう。・・・良かった・・・それじゃ、みんなで遊びに行こうよ」
シンジがにっこり笑ってそう言った。
162:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:40:21
その笑みを正面から見てしまった二人の美少女は、その端正な顔を真っ赤にしながら
互いに目配せしあった。
(わかってるでしょうね、ファースト!?)
(セカンドこそ!抜け駆けしないでよね!)
一瞬のアイコンタクトで語り合ってから、アスカがシンジに尋ねた。
「・・・で、どこに連れてってくれるのかしら?」
「あ・・・そ、それは・・・」
シンジは驚いた表情を見せた。
(・・・どこに行こうってのは考えてなかった・・・ど、どうしよう・・・)
「シンちゃん、考えてなかったんでしょ?」
レイが悪戯っぽい表情で言うと、シンジはばつが悪そうに頷いた。
「う、うん・・・。ゴメン・・・」
「・・・ま、アンタの事だからそうだろうと思ったわよ。・・・それじゃ、
このアタシが決めてあげるわよ」
アスカも悪戯っぽい表情でそう言った。
163:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:41:16
「あ、う、うん・・・」
「それじゃ、そうね・・・暑いからプールに行くわよ!ネルフのプールを貸し切りに
して、たっぷりと楽しむのよっ!」
そう言ったアスカの脳裏には、一つの作戦が浮かんでいた。
(この間、シンジに選んで貰って買った新しい水着で、シンジを誘惑するのよっ!)
「・・・プール・・・そうね。それも良いよね♪」
微笑んで頷くレイ。
もちろんアスカと全く同じ事を考えているのは、もはや当然と言える。
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
イヤ~な方に話が進んでいると思ったシンジは、慌てて遮った。
「ん?何よ?」
「どうしたの?」
少しだけ眉をひそめているアスカとレイに、シンジは、小声で呟くように言った。
「・・・そ、その・・・僕・・・お、泳げないんだ・・・」
その言葉に、アスカもレイも一瞬だけ唖然としたが、すぐに復活して競うように宣言した。
「そ、それじゃ、アタシが泳ぎ方を教えてやるわよっ!感謝しなさいよねっ!」
「シンちゃんが泳げるようになるまで、あたしが優しく教えてあげるね♪」
「え・・・い、良いよ、別に・・・」
身に染みついた水への恐怖がよみがえり、シンジは微かに身体を震わせた。
164:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:42:22
「なに遠慮なんかしてんのよ。アタシが良いって言ってるんだから、アンタは素直に
アタシに甘えてれば良いのよっ!」
「シンちゃん、あたしが優し~く教えてあげる。だから、遠慮なんてしなくて良いの。・・・ね?」
そう言いながら顔を寄せてくる二人の美少女の迫力に、とうとうシンジも陥落して頷いてしまった。
「・・・う、うん・・・」
ぱちゃ・・・ばしゃ・・・
やけに力のない水音がする。
「・・・はぁ・・・」
「・・・ふぅ・・・」
ネルフ本部のプールに浸かりながら、アスカとレイがため息をついた。
その原因はプールサイドにあった。
「・・・シンジっ!早くこっちに来なさいよっ!」
「そうだよ、シンちゃん。泳げるようになると楽しいよ♪」
アスカとレイが、プールサイドでパソコンに向かっているシンジに呼びかけた。
165:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:43:11
「・・・う、うん・・・でも・・・」
おどおどと応えたシンジにアスカが怒鳴って、プールから上がってきた。
「バカねっ!そんな中学レベルの課題なんてアタシが答えを教えてやるわよ!」
タオルで身体を拭きながらのアスカの言葉に、シンジが驚いて振り返った。
「えっ!?中学レベルって・・・?」
「フン!見せてみなさいよ!」
そう言いながら、シンジの肩越しにパソコンの画面を覗き込むアスカ。
そんな事をすれば、振り返っているシンジの目の前に、アスカの14歳にしては
豊満な胸が接近することになる。
「・・・」
赤と白のストライプのビキニという扇情的な格好もあって、シンジは瞬間的に顔を
真っ赤にしてパソコンの画面に視線を戻した。
「どれどれ?・・・アンタ、こんな簡単な問題でつまってるの?・・・ほら、これが答えよ」
アスカはシンジの肩越しに手を伸ばしてキーボードを叩いた。
シンジの後頭部には、柔らかくて暖かい感触が当たっている。
「・・・あ・・・」
顔どころか全身を真っ赤にしてアスカの攻撃から逃れようとするシンジだが、
アスカはニヤリと笑ってさらに攻撃を続けた。
166:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:44:01
「・・・あら?シンジ、これは何て書いてあるの?」
「こ、これは、熱膨張についてだよ・・・」
「熱膨張?・・・ずいぶん幼稚な事やってんのね」
「よ、幼稚って・・・アスカってどういう教育受けてるの!?」
自分がいくら頭を捻っても解けなかった問題を『幼稚』などと言われて、
思わず尋ねてしまうシンジ。
「アタシ?アタシはドイツで大学を卒業してきたわ」
「だいがくぅ!?」
あっさりと答えるアスカに、シンジが素っ頓狂な声をあげた。
「・・・だからどうしたのよ?あたしだって大学くらい出てるわ」
アスカの背後から、思いっきり不機嫌な声がした。
「なっ!?・・・ふぁ、ファースト!?」
突然の声に慌ててアスカが振り返ると、そこには自分を睨みつけているレイが居た。
「フン!セカンドがどこの大学を出たか知らないけど、あたしはユイかーさんと
赤木博士に直接教わったのよ!」
レイが見下すように言うと、アスカも対抗心を燃やしてレイを睨みつける。
167:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:44:53
「あ、アタシだって、ママに直接教わったわ!」
「何よ!」
「何さ!」
アスカとレイの視線がまさに火花を散らした瞬間、プールに別の女性の声が響いた。
「・・・それじゃ、二人にはたっぷりとその自慢の頭を使ってもらおうかしら?」
「っ!ミサト!?」
「ミサトさん!?」
三人が声のした方を見ると、いつの間にか、プールの入り口にミサトが立っていた。
「・・・なぁに学歴自慢なんてしてるのよ。学校の勉強なんて、実際に社会に出てから
役に立つモノなんてごく僅かなのよ。・・・シンジ君、別に気にしなくて良いからね」
ミサトは呆れた顔でアスカとレイに言うと、最後の部分を優しくシンジに言った。
「・・・でも、僕は大学なんて出てないし・・・」
その言葉を聞いてアスカとレイがハッとした表情になった。
「だから、気にしなくても良いのよ。世の中には、義務教育も卒業できなくても
立派に仕事をしている人もいるんだからね。それに、どんなに立派な大学を出ても
人に迷惑を掛ける事しか出来ない連中もいるんだし・・・」
そう言ってちらりとアスカとレイを見るミサト。
「・・・はい・・・」
小声で返事をするシンジと、唇を噛み締めるアスカ&レイ。
168:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:45:57
「それじゃ、シンジ君。そろそろ時間だから・・・」
「あ、は、はい。すぐに着替えてきます」
そう言ってシンジはパソコンを持つと更衣室へ向かった。
「・・・貴女達、少しはシンジ君の事も考えなさいよ」
「「・・・」」
アスカとレイが俯いたのを見て、ミサトは満足そうに頷いた。
ミサトとシンジがプールから出て行った後、アスカとレイが喧嘩を始めてしまい、
プールの設備に被害が及んだのは言うまでもない。
「・・・これだけではよくわからんな・・・」
作戦司令室にいるのは、ゲンドウ、ユイ、冬月、リツコ、マヤの五人。
浅間山地震観測所から送られてきた映像を見て、冬月が呟いた。
「しかし、この影は気になります」
モニターに映っている黒い影を見ながら応えるリツコ。
「もちろん、無視はしないわよ。・・・リッちゃん、MAGIの判断は?」
ユイが眉をひそめて尋ねた。
「フィフティ・フィフティです」
「現場へは?」
ゲンドウの問いに、リツコが少しだけ唇をつり上げて応えた。
「・・・すでに葛城一尉が到着しています」
169:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:46:50
そのミサトは・・・
「・・・なぁんでこのあたしがこんなところまで出て来なきゃならないのよ・・・
せっかくシンジ君と二人きりで、たのし~い強化合宿だったのに・・・」
浅間山の火口内を沈降する無人探査機から送られてくるデータが映し出されているモニターを見ている。
ミサトの隣では、日向がネルフから持ち込んだ端末をコントロールしている。
モニターに示されている深度は650。
別のモニターには警告メッセージが光っている。
「深度700!もう限界です!」
観測所の所員が眉をひそめて言った。
「・・・いえ、あと500お願いします」
ミサトが応える。
(・・・こんな事のために、シンジ君との楽しい時間を邪魔されたなんて・・・
せめてこの機械を壊してやらないと気がすまないわっ!)
八つ当たり的思考だ。
やがて激しい警告音が鳴り響いた。
「深度1200!耐圧隔壁に亀裂発生!」
「葛城さん!」
たまらずに所員が叫ぶ。
170:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:47:37
「壊れたらうちで弁償します。あと200」
全く所員の言葉を聞こうとしないミサト。
そしてミサトの言うとおりに沈降を再開する無人探査機。日向の持つ端末が警告音を発した。
「・・・モニターに反応っ!」
「解析開始!」
日向の報告にかぶせるようにミサトが命ずる。
「はいっ!」
力強く応える日向だが、やることはボタンを押すだけ。
その直後、先ほどよりも激しい警告音が鳴った。
「・・・探査機圧壊、爆発しました」
「あぁ・・・」
その報告に、先ほどから叫んでいた所員が絶望の声をあげてへたり込んだ。
「・・・解析は?」
ミサトはささやかな復讐を果たして優越感に浸りながら日向に尋ねた。
「ぎ、ギリギリで間に合いましたね。パターン青です!」
耳元で囁かれるような体勢で押し殺したミサトの声を聞いた日向は、真っ赤になって
動揺しながら答えるが、ミサトはそんな事には目もくれずにモニターに見入っていた。
「・・・間違いない・・・使徒だわ!」
171:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:48:44
そのモニターには、卵に包まれて身体を丸めた胎児のような使徒の姿がはっきりと映っていた。
「これより当研究所は完全閉鎖。ネルフの管轄下になります。一切の入室を禁じた上、
過去六時間以内の事象は全て部外秘とします!」
ミサトは振り返って背筋を伸ばして宣言した。
そのまま廊下に出て電話を取り出し、周囲に誰もいないのを確認して本部に電話した。
「・・・もしもし、青葉君?・・・碇司令宛にA-17を要請して。大至急よ!」
「・・・気をつけて下さい!これは通常回線です!」
返って来た青葉の言葉に、ミサトが突っ込んだ。
「わかってるわよ!さっさと守秘回線に切り替えて!」
「A-17!?こちらから打って出るのか!?」
「ええ、仰る通りですわ」
その場に居る老人達の一人が、ユイの口から出た単語に反応して叫んだ。
「ダメだ!危険すぎる!」
「15年前の事を忘れたとは言わせないぞ!」
他の老人達も同じように叫んだ。
「これはチャンスなのですわ。これまで防戦一方だった我々が、積極的に攻勢に出るための・・・」
ユイが微笑みを浮かべてそう言った。
が、ユイの正面に座ったバイザーの男はユイの顔を見て呟いた。
172:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:49:44
「・・・でも、生きた使徒のサンプル。その重要性は皆様も御承知の事でしょう?」
落ち着き払って答えるユイ。
「・・・失敗は許さん」
バイザーの男がそう言ったとたん、その場にいた老人達の姿が消え去った。
どうやら、ホログラムか何かだったらしい。
「・・・ふぅ・・・」
ユイが軽く息を吐いて部屋の明かりをつけると、ドアが開いてゲンドウと冬月が部屋に入ってきた。
「・・・本当に良いのか?碇」
「ああ・・・シナリオ通りだ・・・なぁ、ユイ?」
「ええ。浅間山温泉に家族旅行・・・楽しみですわ・・・」
ユイの言葉を聞いて、冬月は驚いた顔をした。
「なっ!ま、まさか!」
「・・・ふっ・・・問題ない・・・冬月、お前は留守番だ・・・」
驚く冬月に、ゲンドウがニヤリと笑って言った。
「な、なんだと!?」
告げられた言葉に衝撃を受ける冬月。
「あなたっ!」
ユイがゲンドウを怒鳴った。
173:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:50:30
「っ!・・・な、何だ、ユイ・・・」
思いっきり冷や汗をだらだら流しているゲンドウ。
「冬月先生に向かってそんな言葉遣いは無いでしょう!・・・冬月先生、申し訳ございません・・・」
「い、いや・・・それはかまわんのだが・・・」
「ありがとうございます。ついでに、後の事をお願いしてもよろしいでしょうか?」
「あ、後の事と言うと・・・」
「・・・私達はシンジとレイ、アスカちゃんもですけど、浅間山に家族で温泉旅行に
行ってきますので、ネルフの事はお任せしたいのですけれど・・・」
ユイは、少しだけ瞳を潤ませて冬月の目を覗き込んだ。
「・・・う、うむ・・・わかった・・・」
真っ赤になってこくこく頷く冬月。
「ありがとうございます。・・・それでは、お先に失礼します。ほら、あなた」
「あ、ああ」
そう言ってユイとゲンドウが部屋から出ていった。
しばらくしてから、冬月は顔をしかめた。
「・・・ユイ君にしてやられたか・・・」
呟いてから、冬月は考え込んだ。
174:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:51:44
(・・・はて・・・何をしてやられたのだ?・・・ユイ君が私をハメるなどと・・・
そんな事は、夢か思い違いだと思うのだが・・・はて・・・?)
イヤな事を忘れたい心理の働きか、それとも単なる老人ボケか、冬月はすぐに
『お留守番』にされた事を忘れてしまった。
パイロット控え室に集められたチルドレン達は、リツコの説明を受けていた。
「・・・これが・・・使徒?」
シンジが驚いた表情で尋ねた。
彼らの前にはモニターがあり、そこに使徒の映像が映し出されていた。
「ええ、そうよ。まだ完成体になっていない、さなぎの状態みたいなものね。
今回の作戦は、使徒を捕獲する事を最優先とします。出来るだけ原型を留めたまま、生きたまま回収する事」
リツコがそう応えると、アスカとレイが目を瞬かせた。
「はぁ?それ本気で言ってんの?」
「・・・本気ですか?赤木博士」
「ええ。出来なかった時には、即時殲滅。良いわね?」
アスカとレイにリツコが言うと、シンジが頷いた。
「・・・わかりました」
175:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:52:31
「それで、作戦担当者は・・・」
リツコが言いかけるのをアスカが手を挙げて遮った。
「はいは~い!アタシが潜るっ!」
「・・・アスカ、弐号機で担当して。これは碇司令からの直接指名でもあるわ」
「えっ!?と、父さんの・・・ですか!?」
シンジが驚きの声をあげた。
「ふっふっふっ・・・これはアタシの能力に対する正当な評価よっ!」
嬉しそうに言って、優越感に浸りきった顔でレイを見るアスカ。
「・・・そうかもね・・・」
リツコはそう言いながらも、頭の中では別の事を考えていた。
(・・・違うわよ・・・本当は司令からじゃなくて、ユイ博士の指名なんだから・・・
まぁ、どうやって説得しようかと思ってたから、ちょうど良かったけどね・・・)
これは実は、アスカを本部に待機させておいて『家族』水入らずで温泉を楽しもうと
していたゲンドウをユイが諫めた結果であり、『せっかくの家族旅行なのに』と
だだをこねるであろうレイ対策に、ユイが考え出した策であった。
ユイにしてみれば、レイもアスカも同じように可愛がってやりたいのだ。
「・・・でも、大丈夫?」
「なぁに言ってるのよ。大丈夫、大丈夫♪」
176:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:53:43
心配そうなシンジに自信満々の様子で応えるアスカをムムッと横目で見ながら、レイが口を開いた。
「・・・あたしはどうすれば良いんですか?」
「プロトタイプの零号機には、特殊装備は規格外なのよ。バックアップにまわって。
もちろん、シンジ君と初号機もバックアップね」
マヤが微かに顔をしかめて応えた。
(・・・くっ!・・・アスカちゃん!私のシンジ君といちゃつくんじゃないわよ!
いいかげんにしないと、弐号機の命綱を事故に見せかけてブッちぎるわよ!)
そんな事を考えながらも表情には出さないマヤ。
実は結構腹黒いのかも知れない。
「・・・A-17が発令された以上、すぐに出るわよ。支度して!」
リツコが持っていたファイルをパタンと閉じて言った。
アスカは手渡された『耐熱耐圧専用プラグスーツ』を着て、リツコを振り返った。
「ちょっと?いつもの奴とどこが違うのよ?」
「・・・右手首のスイッチを押して」
リツコはアスカの方も見ないで、手元の書類に視線を落としたまま応える。
「・・・?」
ぽちっ、とアスカが言われたスイッチを押すと、プラグスーツが膨らんだ。
「っ!?あ~ん、いやぁ~~~~~っ!何よ、これえぇ~~~~~~~~~~っ!?」
ロッカーの間に挟まってしまったプラグスーツを見下ろして、アスカが叫んだ。
177:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:54:33
「・・・弐号機の用意も出来てるわ」
リツコがぼそっと言った。
「・・・いやぁ~~~~~っ!何よ、これえぇ~~~~~~~~~~っ!?」
リツコと共に苦労してゲージまでたどり着いたアスカを、変わり果てた姿の弐号機が出迎えた。
弐号機もアスカと同じ様な姿になっていた。
アスカと違うのは、首から上もきっちりと潜水夫のようにカバーされている事だけだ。
「耐熱耐圧対核防護服。局地戦用のD型装備よ」
リツコがまたもやぼそっと応えた。
「・・・こ、これがアタシの弐号機・・・」
情けない声でアスカが呟いた。
「ぷっ・・・くくくく・・・」
アスカの耳に、堪えきれない笑い声が聞こえてきた。
アスカが慌ててそちらを見ると、何時から居たのか、プラグスーツ姿のシンジとレイが並んで立っていた。
もちろん、笑っていたのはレイだ。
シンジは、意外な事に笑うそぶりも見せていない。
その事に少しだけホッとしながら、アスカはレイに怒鳴った。
「なによっ!何がおかしいのよっ!?」
「だ、だって・・・くくくっ・・・あははははっ♪」
非常に楽しそうに言って、レイは堪えきれずに爆笑した。
178:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:55:41
「なっ・・・!」
アスカは怒りと羞恥で真っ赤になっている。
「シンちゃん、みてみて~♪ダルマが喋ってるぅ~♪あははははっ♪」
レイは爆笑しながら辺りの床を転がり回っている。
シンジがレイに注意しようとしたが、その前にアスカが動いた。
「こんのバカファーストがぁ~~っ!これでもくらえぇ~っ!」
アスカはそう叫びながら、転がり回っているレイに駆け寄って思いっ切り
フライングボディアタックをかけた。
・・・つまり、膨らんだプラグスーツのまま、レイの上に飛びかかったのだ。
それが見事にレイの頭部を直撃した。
当然、レイはアスカの体重+αのダメージを食らう。
「ぶぎゅっ!」
妙な声をあげて沈黙するレイ。
アスカは勢いをつけて飛んだので、当然、レイの上に乗ったくらいでその勢いが完全に
なくなるわけではなかった。
そして、アスカは今、胴体が完全に丸くなっているのだ。
その結果、アスカはレイの上に飛び乗った勢いのままで、ごろごろとゲージの端まで
転がっていき、笑っていたレイはいきなり顔の上にとてつもない衝撃を受け、
顔面を抑えて呻きながら転がる事となった。
179:第壱拾話 マグマダイバー
06/10/25 20:56:20
「きゃあぁぁぁぁ~~~~~!誰か止めてぇ~~~!」
「ううぅ~~~~~!顔が、顔が痛いよぉ~~~~!」
その光景の一部始終を見ていたシンジは唖然としたまま固まっており、リツコはため息をついた。
「・・・とっっっっっても・・・ブザマねっっ!!」
ちなみに、リツコの力を込めた一言と同時に、アスカがゲージの壁に良い音を立ててぶつかっていた。
ぼよ~ん・・・
「きゃあぁぁぁぁ~~~~~!誰か止めてぇ~~~!」
「ううぅ~~!顔が、あたしの顔があぁ~~~~~!」
壁で跳ね返って転がって来るアスカと、今だに顔(主に鼻)を押さえて呻いている
レイを見て、もう一度リツコがため息をついた。
(・・・こんなんで、本当に使徒が倒せるのかしら・・・?)
もちろん、ゲージで作業をしながらその光景を見ていた者達が、リツコと同じ様に
考えていたのは言うまでもない。
180:名無し専門学校
06/10/25 21:15:10
いっそこのスレを潰してくれた方がいいかもね。
181:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 21:57:20
浅間山火口付近に到着した一行は、すぐに先発隊のミサト達と合流し、作戦準備に取り掛かっていた。
「・・・もう一度、今回の作戦の確認をするわよ。D型装備の弐号機を浅間山火口に
投入、未だ孵化していない使徒をキャッチャーで捕獲。地上に引き上げると同時に
特殊硬化ベークライトで使徒を固定。万が一、使徒が孵化した場合は、直ちに
キャッチャーを破棄、殲滅する事。・・・わかってるわね、アスカ?」
「わかってるわ。そんなに何度も言わなくてもね」
ミサトの言葉に、アスカは自信満々に頷く。
丸々と肥えた耐熱プラグスーツ姿でなければ、非常にきまっていたのだが・・・。
「・・・ププッ・・・か、確認しただけ・・・よ。・・・し、シンジ君の初号機と
レイの零号機は火口脇にて待機・・・良いわね?」
ミサトは、アスカの丸々とした格好を見て思わず吹き出してしまう。
そんなミサトを思いっきり睨みつけるアスカ。
「はい」
「・・・りょ~かい・・・」
凛々しい表情で頷くシンジと、真っ赤になった鼻を手で押さえているレイ。
「・・・凛々しいわよ、シンジ・・・」
「ああ・・・良くやったな、シンジ・・・」
なぜか仮設指揮車の影からそんな四人の姿を見ていたユイとゲンドウが呟いた。
182:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 21:58:09
そして、指揮車の中では、リツコが呟いていた。
「・・・ブザマね・・・」
「・・・何がですか?先輩」
首を傾げて尋ねるマヤに、日向が苦笑しながら応えた。
「・・・司令とユイ博士が・・・でしょう?赤木博士」
「・・・そうよ・・・」
頷いたリツコは、ため息をついた。
本来なら、ネルフの司令と第二副司令が本部を離れて戦場に行くなど、許される事では
ないのだが、ゲンドウとユイはリツコ及びオペレーター二人だけに自分達も同行すると
伝え、ミサト&パイロット三人に隠れて浅間山までやってきたのだ。
ちなみに、二人の計画によると作戦終了後には子供達と一緒に温泉旅行へ行く事になっている。
しかし、ミサトの脳裏には別の将来のビジョンが浮かんでいた。
(・・・ぬふっぐふふふふふぅっ・・・邪魔なアスカとレイを先に追い返して・・・
シンジ君と二人だけで特別強化合宿ぅ~(ハァト)・・・ぐふぅ・・・そうよっ!
厳しい特訓、疲れ果てた美少年パイロットを優しく支える美人の女上司・・・
そして、愛っ!・・・完璧よっ!これでシンジ君もあたしのモノね~(ハァト))
そんな事を考えてにやけているミサトに、アスカとレイの冷たい視線が突き刺さった。
183:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 21:59:22
「自分の歳を考えなさいよ・・・」
「・・・ばあさんは用済み・・・」
ボソッと呟いた二人に、シンジが冷や汗を流した。
「・・・」
(・・・ふ・・・二人とも・・・み、ミサトさんを挑発しないでよ・・・)
だが、ミサトは妄想の世界にイッており、幸いにも二人の言葉は聞こえなかった。
「はぁ・・・アスカ、綾波、そろそろ・・・」
二人の言葉に反応しないミサトを見て、シンジは安堵のため息をついて言った。
「・・・そうね。これ以上、このバカ牛女の相手をしてても時間の無駄よね」
アスカがそう言ってシンジの手を取ろうとしたが、その前にレイがシンジの腕に抱きついた。
「行きましょ、シンちゃん♪」
「あ、綾波・・・」
体の線がモロに出るプラグスーツで抱きついてきたレイに、シンジは耳まで真っ赤にした。
「・・・ちょっと!何やってるのよ!このバカファーストぉ!」
アスカがそれを見咎め、自分も負けじと勢い良くシンジの腕に抱きつこうとした。
が、アスカは自分の姿を忘れていた。
異様に膨らんだ耐熱プラグスーツのアスカが、シンジの腕に抱きつこうとすると
どうなるか・・・。
結果、シンジは・・・勢い良く・・・飛んだ。
184:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:00:05
「・・・うわぁぁぁぁぁっ!」
もちろん、シンジの腕に抱きついていたレイも一緒になって飛んで行った。
「・・・きゃあぁぁぁぁっ!」
二人が土煙を上げて『着陸』したのを見て、アスカは額に汗を浮かべた。
「・・・あ・・・」
ミサトはまだ妄想の世界の中から帰ってきていない。
「・・・さ、さて!そろそろスタンバイしなきゃね!」
アスカはやたらと明るい声でそう言うと、ややぎこちない動きで弐号機に向かった。
「・・・あら?シンジ君?アスカ?レイ?」
アスカが逃げるように弐号機に乗り込んだ後、やっと『帰ってきた』ミサトが辺りを
きょろきょろ見回して首を傾げた。
「あらあら・・・アスカちゃんったら・・・」
「・・・だ、大丈夫なのか・・・シンジ・・・レイ・・・」
その様子を指揮車の影から暖かく見守っていたユイとゲンドウが呟いた。
185:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:01:08
その頃、包帯姿の無精髭-加持リョウジは謎の美女と共に、箱根ロープウェイに乗っていた。
加持は、ミサト達から受けた傷が治っていなかったのだ。
「A-17発令ね。それには現資産の凍結も含まれているわ」
「お困りの方も・・・さぞ、多いでしょうな」
美女の言葉に、加持はそう言って肩を竦めようとした。
が、傷が痛かったのか、その動きはかなりぎこちなかった。
そんな加持の姿を見た美女は、後頭部に汗を浮かべながらも動揺を見せずに尋ねる。
「何故、止めなかったの?」 「理由が有りませんよ。発令は正式な物です」
「でも、ネルフの失敗は世界の破滅を意味するのよ?」
「彼らはそんな傲慢ではありませんよ」
そう言って僅かに口元を歪める加持。
「・・・そうかしら?」 「ええ、おそらくはね」
ニヒルな笑みを浮かべる加持に、美女は少し引きつりながら尋ねた。
「・・・それじゃ、貴方のその傷はなんなのかしら?」
「こ、これですか?これは・・・まぁ、凶暴なライオンに襲われた、ってところです」
まさか『碇ユウキ応援委員会』の連中にやられたとは言えず、加持は言葉を濁した。
「・・・ライオン、ねぇ・・・ネルフには色々と凶暴なケモノがいるみたいね」
加持の言葉を聞いて呆気にとられた表情をしていた美女は、苦笑して言った。
「・・・ええ・・・」
その言葉に、加持も苦笑せざるを得なかった。
186:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:02:04
「レーダー作業終了!」
「進路確保」
「D型装備、異常無し!」
「弐号機、発進位置」
日向とマヤが次々とチェック項目を読み上げる。
「・・・ミサト、準備完了よ」
リツコの言葉にミサトは緊張した表情で頷いた。
「・・・それじゃ、良いわね・・・アスカ?」
「ばっちりよ!」
指揮車からのミサトの問いかけに、アスカがニヤリと笑みを浮かべて頷いた。
すでに弐号機はクレーンに吊され、マグマが滾る火口の真上に位置している。
火口の縁には初号機と零号機が片膝をついた姿勢で待機している。
「作戦開始!」
「了解!」
ミサトの命令に日向が頷き、弐号機を吊しているケーブルがゆっくりと火口に向けて伸びて行く。
「・・・ねぇ、シンジぃ~」
甘ったるい声でシンジを呼ぶアスカ。
187:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:03:08
もちろん、その回線は初号機にだけ繋がっている。
「ん?なに、アスカ?」
「見て見てぇ!ジャイアントストロングエントリー!」
アスカがそう言うと同時に、弐号機は足を大きく開き、マグマの中に入っていった。
「・・・結構、元気なんだね・・・アスカ・・・」
(・・・そう言えば、あのプラグスーツも気に入ってたみたいだし・・・)
アスカが聞いたら激怒しそうな事を考えながら、シンジはボソッと呟いた。
そして零号機では、その光景を見ていたレイが一言・・・
「・・・セカンドって・・・ふしだらなのね・・・あんなに足を開いて・・・
でも、相手がシンちゃんなら、あたしも・・・やぁん、もう!」
真っ赤になった顔を両手で覆ったレイが何を考えていたのかは不明だった。
「・・・深度900!」
日向の声が指揮車に響く。
「アスカ、何か見える?」
「・・・全然見えないわよ」
アスカはミサトの問いにそう応え、ため息をついた。
「暑いし、視界は悪いし、汗でベタベタするし、もう最低~!早く終わらせてシャワー浴びたいっ!」
188:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:03:50
「・・・そうね。さっさと終わらせて本部に戻ると良いわ」
ミサトがさりげなく言う。
その言葉に、リツコの眼鏡の縁が怪しく光った。
(・・・さすがね、ミサト・・・邪魔なアスカとレイを先に帰らせる事で、自分は
シンジ君と一緒に・・・でもね、貴女には知らない事があるのよ・・・)
そんなリツコの様子など気づきもせずに、ミサトは日向の肩越しにモニターを覗き込んでいる。
「深度1000!目標地点に到達!」
「なにこれぇ~・・・どこにも居ないわよ?」
日向の報告に続いて、アスカの声が聞こえた。
目標地点に到達した時点で、沈降は停止している。
「・・・リツコ?」
「思ったより対流が速いようね。流されてしまったのよ。・・・マヤ、再計算して!」
「了解!」
マヤの指が素早くコンソールを叩く。
「・・・どう?」
「・・・再計算、終了しました!目標の現在位置は・・・深度1800です!」
「そう。・・・再度沈降、よろしく」
ミサトが頷いて言った。
再び潜り始める弐号機。
189:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:04:43
「・・・深度1200!安全深度オーバーです!」
日向が報告した。
その報告と同時に、バキッという音と共に弐号機の足についていたプログナイフの
固定帯が壊れ、弐号機は唯一の武器を失った。
「!」
「弐号機、プログナイフ喪失!」
「・・・固定帯が保たなかったわね・・・」
リツコが呟いた。
「・・・アスカ、大丈夫ね?」
「もちろんよ!」
ミサトの問いにアスカは元気に応える。
「・・・深度1400!」
日向の報告と共に、今度はD型装備のどこかに亀裂が入った音がした。
「くっ・・・」
アスカが唇を噛み締める。
「・・・作戦続行」
ミサトは厳しい顔をして呟くように言う。
「葛城さん!今度は人が乗っているんですよ!?」
さすがに日向が反論するが、応えたのはアスカだった。
190:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:08:31
「・・・大丈夫、まだ行けるわ!」
「・・・あなたなら当然よね、アスカ。・・・それから、日向君。これより以降、
深度報告はしないで。あなたが報告すると、何かあるみたいだから」
ミサトが真面目な表情で言った。
「・・・か、葛城さん・・・了解しました・・・」
驚いた顔をした後、思いっきり俯いてしまう日向。
そして、弐号機はさらに潜っていく。
「深度1800!目標修正予測地点です!」
今度はマヤが深度報告をした。
「・・・居たわっ!」
アスカの緊迫した声が聞こえた。
「・・・対流速度を考えると、チャンスは一度しか無いわ。アスカ、慎重にね」
「わかってるわよ!」
リツコの声にアスカはそう応えて、モニターに映る使徒を睨んだ。
そして、ぴったりのタイミングで弐号機は電磁柵を展開し、使徒を捕獲した。
「・・・電磁柵展開!使徒の捕獲に成功しました!」
マヤの報告に、ミサトとリツコが止めていた息を吐き出した。
「・・・ふぅ・・・」
191:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:09:39
「・・・お疲れさま、アス・・・」
ミサトが呼びかけるのを遮って、シンジが尋ねた。
「アスカっ!大丈夫!?」
「し、シンジ・・・あ、あったりまえじゃな~い!この惣流・アスカ・ラングレー様に
かかれば、こんな簡単な事なんてあっという間なのよ!」
アスカは、いきなり飛び込んできたシンジの必死な声に、身体を震わせて応えた。
(シンジ・・・アタシを心配してくれてる・・・アタシの教育のたまものよねっ!)
「・・・さて、日向君、さっさと引き上げて」
「・・・りょ、了解・・・」
やや不機嫌になったミサトに、日向の力の無い声が返った。
(むぅ~・・・シンジ君ったら、アスカなんかに声をかけたりして・・・誰にでも
優しすぎるんだから・・・)
そして、不機嫌なのはレイも同じだった。
(むぅ~・・・シンちゃんのバカぁ・・・赤毛ザルなんてほっとけば良いのに・・・
あたしにだけ優しくしてよぉ・・・)
このあたり、二人の思考は似通っていると言える。
そして、もう一人・・・
(・・・シンジ君・・・私の事も心配してよぉ・・・くすん・・・)
そんな事を考えながら、じっとモニターを見つめているマヤだった。
192:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:10:57
「ま、まぁ、アタシの恋人であるシンジがアタシの心配をするのは当然だけどね~」
張りつめていた気が抜けたのか、いらん事を言うアスカ。
それを聞いて、ムッとする3人の女性達。
「・・・マヤちゃんっ!弐号機エントリープラグ内の温度を5度上げて!」
「了解っ!」
ミサトの命令に速攻で反応するマヤ。
「・・・ねぇ、シンちゃ~ん♪シンちゃんの恋人はあんな赤毛ザルじゃなくて、あたしだよね~?」
レイは思いっきり甘えた声でシンジに語りかけた。
もちろんその回線は、初号機にだけ繋がっている。
「え?あ、その・・・」
困った表情のシンジ。
「・・・ブザマね・・・」
いつものセリフを吐くリツコ。
「・・・葛城さん・・・」
小声で呟き、唇を噛み締める日向。
「・・・きゃっ!な、なによ!?いきなり暑くなったわよ!?ちょっとっ!」
アスカが顔をしかめて怒鳴った。
193:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:12:19
「・・・あぁ~ら、どうしたのかしらぁ?」
「先ほどの亀裂発生によって、冷却系統に異常が発生したものと考えられます」
ミサトのわざとらしいセリフにマヤがニヤリと笑みを浮かべて応えた。
「・・・アンタらねぇ・・・」
暑さのためか、それとも怒りのためか、アスカが顔を赤くした。
「・・・っ!?使徒に異常発生!」
「なんですってぇ!?」
突然の日向の報告に、ミサトが素っ頓狂な声をあげた。
「なっ・・・なによ、これぇ~~~っ!」
アスカが目の前のモニターに映し出されている光景を見ながら叫んだ。
「これは・・・」
「くっ!羽化を始めたのよ!」
モニターに映し出される使徒の映像にマヤが戸惑いの声をあげ、リツコが唇を噛んで叫ぶように言った。
「キャッチャーは!?」
「とてももちません!」
「アスカっ!作戦中止!キャッチャーを破棄して!日向君!最大速度で巻き上げて!」
ミサトが怒鳴った。
194:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:13:11
アスカはミサトの指示に従って、キャッチャーを離した。
同時に日向も弐号機のケーブル巻き上げ速度を最大にする。
ゆっくりと沈降し、弐号機から離れていくキャッチャーと使徒。
だが、すぐに使徒が完全に羽化してキャッチャーを破壊した。
「くっ!プログナイフ装着・・・って、さっき落としたぁ~っ!」
アスカが青くなりながら叫んだ。
「シンジ君!プログナイフを投げ込んで!」
「了解っ!行くよ、アスカっ!」
シンジは勢いをつけて初号機のプログナイフをマグマの中に投げ込んだ。
羽化してキャッチャーを完全に破壊した使徒は、弐号機に向かって突進してきた。
「・・・アスカ、避けてっ!」
「バラスト放出っ!」
ミサトの声に被さるようにアスカの声が聞こえ、弐号機は重りとしてD型装備の
外側につけていた袋を切り離した。
そのすぐ足下を、羽化した使徒が通過する。
「速いっ!」
「プログナイフは!?」
「30秒後に弐号機に到達予定!」
「・・・チッ・・・見失ったか・・・」
さすがのアスカも冷や汗を浮かべている。
195:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:14:14
そして、唐突に弐号機の正面モニターが反応した。
「っ!」
いきなり正面に使徒が現れ、猛スピードで突っ込んできたのだ。
「・・・く、くちぃ~!?」
目の前に迫り来る使徒の一部分が開いたのを見て、アスカは素っ頓狂な声をあげた。
「・・・この状況下で口を開くなんて・・・」
驚きの表情を浮かべて呟くリツコ。
「あ~ん、遅いぃ~!もう、はやくきてぇ~!」
非常に紛らわしい声をあげながら、ゆっくりと落ちてくるプログナイフに向けて
手を伸ばすアスカ。
そして、弐号機の手がプログナイフを掴むと同時に、使徒が弐号機に噛みついた。
「くっ!こんのぉ~!」
衝撃を受けながらも、手探りで使徒のコアにプログナイフを突き立てるアスカ。
「・・・ムダよ。この状況で無事でいられるのよ。プログナイフなんかじゃダメね」
非常に悔しそうなリツコ。
自分が作った武器が効かないという事に、ムッとしているようだ。
「・・・そ、それじゃ・・・」
マヤが顔を青ざめさせた。
いくらアスカが恋敵だとしても、目の前で死なれたのでは寝覚めが悪すぎるのだろう。
196:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:15:14
「セカンドっ!熱膨張よ!」
それまで沈黙を守っていたレイが叫んだ。
「!・・・冷却液を3番に回して!早くっ!」
それを聞いたアスカも一瞬でレイの言葉の意味を悟り、手早くプログナイフで
D型装備に繋がっている冷却液循環パイプの一本を切って叫んだ。
「マヤっ!」
「はいっ!」
リツコの声にマヤが素早く反応した。
直接コアに冷却液を吹き付けられた使徒は悶え、次の瞬間、アスカはプログナイフを
コアに突き立てた。
そして使徒は崩れ去っていったが、最後の力を振り絞ったのか、その手を伸ばして
弐号機を支えていた5本のケーブルのうち3本を切断して、完全に消滅した。
「・・・使徒の反応が消滅しました!」
「弐号機はっ!?」
「ケーブルは残り2本です!」
ミサトの声に日向が答えた。
その時、その2本のケーブルのうち1本がちぎれかかっていることにマヤが気付いた。
197:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:16:04
「・・・先輩っ!ケーブルが荷重に耐えられません!」
「なんですって!?」
「日向君!全速で引き上げてっ!」
さすがに焦った様子のミサトの声に、リツコが冷たく応えた。
「・・・ムリよ。引き上げる前に切断されるわ」
未だ繋がっていた通信によって、アスカは指揮車での会話を全て聞いていた。
「・・・もうダメなのかな・・・せっかくやったのに・・・ママ・・・シンジ・・・」
アスカは、辛うじて見えてきた空を見上げて呟いた。
そして、最後のケーブルが・・・切れた。
それまで、なんとか繋がっていた通信は全てが完全に切断され、弐号機は重力に従って沈降し始めた。
「・・・どうして・・・アタシ・・・死ぬの・・・?・・・イヤ・・・助けて・・・」
アスカが呟き、助けを求めて手をあげた時、弐号機を柔らかな衝撃が包んだ。
「・・・え・・・?」
弐号機の沈降が止まり、手には暖かい感触がした。
伸ばした手の先を見たアスカが目にしたものは、しっかりと弐号機の手を握り締めた初号機の姿だった。
「・・・し、シンジ・・・?」
奇跡を見たかのような表情で、アスカは初号機を見つめ、そして呟いた。
「・・・ムリしちゃって・・・」
198:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:16:59
そして同時に、地上では大混乱が起こっていた。
「「「シンジ君っ!?」」」
「「シンちゃんっ!?」」
「シンジっ!?」
一番上の声はミサトとリツコ、マヤのもので、二番目はレイとユイ、そして一番下はゲンドウの声だ。
皆、いきなり火口に飛び込んだ初号機-シンジの身を案じて叫んだのだ。
初号機は左手でマグマの上のケーブルを握り締め、右手で弐号機の手を掴んだのだ。
当然、初号機の左手の肘から上は胴体を含めて全てマグマの中に浸かっている。
「・・・マヤちゃんっ!初号機のシンクロをカット!早くっ!」
「は、はいっ!」
我に返ったミサトの命令と、それに反応しようとするマヤ。
だが、その行動は当の本人であるシンジの声によって遮られた。
「・・・ぐっ・・・だ・・・ダメです・・・シンクロをカットしたら・・・手を・・・
離してしまう・・・だから・・・ダメ、ですっ・・・ううぅっ・・・」
音声のみの通信で必死に言うシンジの声に、マヤが動きを止めた。
「・・・日向君っ!最大速力で巻き上げて!早くっ!」
冷や汗を浮かべたリツコが叫び、日向が速攻で反応した。
「了解っ!」
199:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:17:54
そして、二機分のエヴァの重さを支えつつ、ケーブルはゆっくりと巻き上げられた。
やがて引き上げられ、地上に降ろされた初号機と弐号機に、零号機が駆け寄った。
「シンちゃん!」
レイの表情は、今にも泣きそうだった。
「・・・」
引き上げられてから、シンジは一度も呼びかけに応えていない。
零号機は、所々ひしゃげているD型装備の弐号機に軽くケリを入れてから、初号機の
背後に回って首の後ろの部分の溶けかかっている装甲を引き剥がした。
そして、飛び出てきたエントリープラグをそっと掴み、地上に置くと自分も慌てて
エントリープラグから出て、初号機のプラグに駆け寄った。
ちなみに、泣きそうなレイの視界の隅には蹴っ飛ばされた弐号機が指揮車のすぐ側に
転がったところが映っていたが、そんなモノには目もくれずに、初号機に駆け寄る。
レイが初号機プラグに到着した時には、すでに整備士達の手によってシンジは救出されていた。
シンジは意外と元気そうで、自分の足でしっかり立ち、駆け寄ってきたレイを見て声をかけた。
「・・・あぁ、綾波。大丈夫だった?」
死にそうな目にあったばかりだというのに、まだ他人の心配をするシンジに、レイは
言いようのない複雑な感情を抱いた。
200:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:18:52
「大丈夫なの?無事で良かった。無茶しないで!」
様々な想いがレイの胸を駆け巡り、視界に映るシンジの姿を曖昧にさせた。
「・・・あ、綾波!?」
いきなり目の前で泣き出したレイに、シンジが驚いた顔で声をかけた。
「・・・うっ・・・うぇっ・・・シンちゃ~ん!」
思いっきりシンジの胸に抱きつくレイ。
「・・・あ、綾波・・・だ、大丈夫!?」
「うぅ・・・シンちゃんのバカぁ~!あんまり無茶しないでよぉ・・・」
自分にしっかりと抱きついて泣きながらそう言うレイに、シンジは胸が熱くなり、
おずおずとその肩に手を回した。
「・・・綾波・・・ごめん・・・」
「・・・っ・・・ぐすっ・・・」
やがて、レイが泣き止んで顔を上げた。
「・・・綾波・・・」
「・・・シンちゃん・・・」
至近距離で見つめ合う二人。
そして、レイがそっと瞼を閉じた。
(・・・ややややややったぁ~!シシシ、シンちゃんとファーストキスぅ~!!
・・・あぁ、シンちゃんっ!私の『初めて』はシンちゃんのモノだよ・・・)
201:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:19:50
レイがそんな事を考えているとは全く考えもせず、シンジは雰囲気に飲まれて、
ゆっくりと顔を近づけていく。
微かに震える二人の影が重なった・・・と思えた瞬間、二人は横から衝撃を受けた。
「・・・こんのバカファースト~っ!!アタシのシンジに何すんのよっ!?」
叫んだのは、未だに耐熱プラグスーツを着たままのアスカだった。
レイがシンジの元に駆けつけたのを見て、慌てて駆けつけてきたのだ。
そして、衝撃を受けたシンジとレイは・・・またもや飛んでいた。
膨らんだままの耐熱プラグスーツによって、突き飛ばされたのだ。
どさどさっ!!
二つの物体が『着地』した音と共に、土煙が上がった。
「・・・きゃああぁ~!誰か止めてぇ~!!」
アスカはと言えば、二人を突き飛ばした拍子に石に躓いて転び、そのまま『着地』
した二人の上を転がって火口の方向へゴロゴロと転がっていた。
そして、そこが坂になっている事も災いして、アスカの速度は上がっていった。
「・・・っ!」
火口の方向へ転がっている事に気付いたアスカは、何とかして止まろうとしたが、
ダルマのように膨らんでいる耐熱プラグスーツは、簡単には止まらない。
「きゃぁぁぁぁっ!!シンジぃっ!!助けてぇ~っ!!」
さすがのアスカも、迫りくるマグマの池に、心底恐怖を覚えた。
202:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:20:59
が、その時。
ぼよ~ん・・・
という音と共に、勢い良く転がっていたアスカが元来た方向に弾き返された。
「きゃぁぁぁぁっ!!」
アスカは、何が起こったのかわからないうちに、シンジを挟んでレイと反対側に
見事に『着地』した。
「・・・きゅう・・・」
がっくりと頭を落とすアスカ。
勢い良くあがった土煙に、その場にいた整備士達は一様に大きな汗を浮かべた。
そして、少し時を戻して、指揮車では・・・
「・・・初号機パイロットは無事です!」
マヤの報告に、ミサトの表情が少しだけ和らいだ。
「弐号機は?」
「・・・弐号機は通信が完全に途絶えていますので・・・無線通信に切り替えます。
アスカちゃん、聞こえる?」
「聞こえてるわ!シンジは!?」
アスカの声に、リツコが答えた。
「・・・シンジ君なら奇跡的に大丈夫みたいね。今、レイが救助に・・・きゃっ!」
リツコの声は途中で途切れた。
203:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:21:48
なぜなら、指揮車の真横に何かが落ちてきたからだ。
「きゃあぁぁっ!?な、何よっ!?」
アスカの声も聞こえる。
「なんなの!?」
「・・・あの・・・葛城さん・・・」
叫ぶミサトに、日向がおずおずと口を開いた。
「なによ!?」
「・・・零号機が・・・弐号機を蹴っ飛ばして行った様です・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
日向の報告に、指揮車は沈黙に包まれた。
「・・・レイ・・・」
ため息をつくリツコ。
「・・・くっくっくっ・・・」
いきなり通信機から聞こえてきた含み笑いに、さすがのリツコもやや退きながら声をかけた。
204:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:22:55
「な、何・・・?」
「・・・ファースト・・・良い根性してるじゃない・・・ミサトっ!さっさとプラグを
排出しなさいよっ!」
アスカの怒声に、ミサトは思わず頷いた。
「わ、わかったわ・・・ま、マヤちゃん!」
「りょ、了解!」
マヤが頷いてコンソールを操作した。
D型装備の首の後ろが開き、エントリープラグが排出された。
すると、ハッチが勢い良く開き、アスカが飛び出てきた。
そのままアスカはパイロット搭乗用クレーンに飛びつき、さっさと地上に降りた。
「・・・はぁ・・・」
「・・・あの様子じゃ、問題ないみたいね・・・」
「アスカはアレくらいじゃ殺しても死なないわよ」
リツコとミサトが苦笑して語り合った。
その視線の先には、シンジとレイの元に駆け寄っていくアスカがいた。
「っ!れ、レイっ!」
「っ!レイちゃんっ!」
そして、ミサトとマヤが、シンジとキスしようとしているレイを見て、一瞬で表情を変えた。
205:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:23:55
「・・・あ、あなたたち・・・」
リツコは二人の表情を見て冷や汗を流しながら呟いた。
「行くわよ、マヤちゃんっ!」
「了解っ!」
互いに声を掛け合って指揮車から飛び出そうとした二人を、日向とリツコが背後から
羽交い締めにして止めた。
「か、葛城さん!?」
「マヤっ!」
「は、離しなさいっ!日向君っ!」
「先輩っ!離して下さいっ!」
必死に抵抗するミサト&マヤ。
「待って下さいっ!葛城さん!」
「お、落ち着きなさい!後はアスカに任せるのよっ!!」
「うっさいっ!!」
「だって、だってぇっ!」
そんな4人の目の前で、アスカがシンジとレイを『直前』ではじき飛ばし、自分も
転がって行った。
206:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:25:15
「・・・あ、あなたたち・・・」
リツコは二人の表情を見て冷や汗を流しながら呟いた。
「行くわよ、マヤちゃんっ!」
「了解っ!」
互いに声を掛け合って指揮車から飛び出そうとした二人を、日向とリツコが背後から
羽交い締めにして止めた。
「か、葛城さん!?」
「マヤっ!」
「は、離しなさいっ!日向君っ!」
「先輩っ!離して下さいっ!」
必死に抵抗するミサト&マヤ。
「待って下さいっ!葛城さん!」
「お、落ち着きなさい!後はアスカに任せるのよっ!!」
「うっさいっ!!」
「だって、だってぇっ!」
そんな4人の目の前で、アスカがシンジとレイを『直前』ではじき飛ばし、自分も転がって行った。
207:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:26:06
「・・・」
「・・・アスカ・・・」
「・・・シンジ君・・・」
「・・・ブザマね・・・」
それぞれの感想を呟く四人だった。
が・・・
「っ!葛城さん!アスカちゃんの行く方向が!」
「!?火口っ!?」
「せ、先輩っ!」
「・・・ムダよ・・・もう間に合わないわ・・・」
やけに冷静なリツコの声。
確かに、アスカの転がる勢いからして、ここからでは間に合わない。
ミサトはその事を理解して、唇を噛み締めた。
頼みの綱のシンジもレイも、今は仲良く並んで気絶中。
エヴァは一機も動かせず、為す術は無い。
そして、後少しでアスカが火口に飲み込まれそうになった時、アスカと火口との間に
『何か』があらわれた。
同時に指揮車で警報が鳴り、日向は慌ててモニターを覗いた。
208:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:27:14
「!?ATフィールド反応!火口付近です!発生源は・・・エヴァ弐号機!?」
日向が叫び、リツコが呟いた。
「・・・守ったというの・・・彼女を・・・?」
「いける・・・って、リツコ?」
リツコの横でミサトが呟く。
「・・・何よ?」
「・・・どっかで聞いたような会話じゃない・・・?」
「・・・奇遇ね。私もそう思っていたわ・・・」
『それ』にぶつかって跳ね返り、勢い良く飛んでシンジの横に『着地』した
アスカの姿を見ながら、リツコはため息をついてそう応えた。
「あ、あれは・・・」
アスカが転がっていく方を見て、思わず飛び出そうとしたユイとゲンドウだったが、
ATフィールドが発生したのを見て、辛うじてその場に留まっていた。
「・・・弐号機か?ユイ・・・」
「ええ、おそらく・・・でも、さすがキョウコね・・・」
「・・・アスカ君を守るために、ATフィールドを発生させるとはな・・・」
相変わらず指揮車の影に隠れて、ブツブツ言うユイとゲンドウ。
209:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:27:46
「・・・それにしても・・・」
「あら、なんです?」
「人格の移植についてはよくわからんが・・・確か、コアに宿してあるのは、君達、
適格者の母親の『本能』そのものだと言っていたな?」
本来は遺伝子工学が専門であるゲンドウが、精神物理学・・・とでも言うべき学問の
専門家であるユイに尋ねた。
「ええ。もっと詳しく言ってみれば、そうですね・・・生存本能と種族維持本能・・・
言い換えてみれば、外敵から自分を守ろうとする本能と、愛する子供を守りたいと思う
本能・・・それらを、デジタル化してエヴァ各機に移植したんです。・・・それが
どうかしましたか?」
人間の精神のデジタル化・・・それがどんなに困難な事かわかっているゲンドウは、
そう言って微笑む妻とその親友・・・惣流キョウコと、今は亡き盟友である綾波夫妻の
優秀さに改めて敬意を表した。
210:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:28:33
「・・・3人とも、お疲れさま。特に、シンジ君。御苦労様」
ミサトが、目覚めた3人を前にして言った。
あの後、気絶した3人を仮設テントに運び込み、目覚めるのを待っていたのだ。
「い、いえ・・・」
名指しで褒められたシンジは照れたのか、少し俯いて呟くように答えた。
「ほ~んと疲れたわよ、全く。大体さぁ、普通、あんなところで孵化する?」
その様子を見て、少しムッとした表情でアスカが言うと、すかさずシンジを挟んで
反対側にいたレイがボソッと呟いた。
「・・・バカセカンド・・・気を抜きすぎなのよ・・・」
その言葉に、速攻でアスカが反応して怒鳴った。
「なぁんですってぇ!?アンタなんか、何にもしなかったくせに!」
ちなみに、アスカが着ているプラグスーツは、もう膨らんでいない。
「なっ・・・なによっ!?」
「それに引き替え、シンジは命を張ってアタシを助けてくれた・・・シンジぃ・・・」
あっという間にアスカはシンジの腕に縋り付くように張り付いて、その肩にコテンと頭を乗せた。
「あ、アスカぁ・・・」
肩と腕に感じる柔らかい感触に、全身真っ赤になるシンジ。
「・・・は、離れなさいよっ!バカセカンドっ!」
それを見たレイが怒鳴りながらアスカとシンジを引き剥がそうとする。
211:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:31:37
その前では、ミサトが頬を引きつらせながらアスカを睨んでいる。
(・・・こ・・・こんのバカアスカぁ~・・・い、良いわよ!見てなさいよ!)
「それじゃ、アスカ、レイ。貴女達は、すぐに本部に戻って待機しなさい」
「「えぇ~っ!?」」
見事にハモるアスカとレイ。
「・・・シンジ君は、これから特別強化合宿に参加して貰います」
「えっ!?こ、これから・・・ですか!?」
驚いてミサトの顔を見るシンジ。
「そうよ。・・・それじゃ、行きましょう。シンジ君」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよっ!アタシも行くわよ!」
「そうですよっ!あたしも行きますっ!」
慌てて言う二人だが、ミサトはジロッと二人を見て言った。
「・・・アスカ、レイ。貴女達には待機任務を与えたのを忘れたのかしら?」
「「・・・くっ!」」
ミサトの命令を思い出して、二人は同時に唇を噛んだ。
その時、タイミングを見計らっていたかのように、仮設テントの入り口が開けられた。
「・・・ミーちゃん、その命令は撤回してもらうわ」
「・・・その通りだ・・・」
「!?・・・ゆ、ユイ博士・・・い、碇司令!?」
テントに入ってきた二人を見て、ミサトが驚きの声をあげた。
212:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:32:44
「ミーちゃん、悪いけど、これから家族旅行を兼ねてパイロットの慰労会を行おうと
思うの。だから、ミーちゃんは一人で本部に帰ってもらえるかしら?」
ニッコリと微笑んで、だが断固とした表情で言うユイ。
「で、でも・・・」
「心配しないで。ここの後始末はマーちゃんとマヤちゃんに任せてあるから」
なおも言い返そうとしたミサトに、ユイは目を細めて言った。
「・・・マーちゃんって・・・も、もしかして・・・日向さんの事!?」
シンジが驚いて尋ねると、ユイは笑みを浮かべたまま頷いた。
「ええ、そうよ」
「・・・」
絶句してしまうシンジと、呆然とした表情でユイを見つめるアスカ。
レイとゲンドウとミサトは慣れているのか、平然とした顔をしている。
「・・・葛城君、命令だ。君は直ちに本部に戻って冬月のサポートにつきたまえ」
「くっ・・・りょ、了解っ!」
ゲンドウからの正式な命令に、唇を噛んだミサトはきっちりと型にはまった敬礼を
見せると、さっさと天幕を出て行った。
「・・・ユイかーさん、慰労会って・・・」
ミサトの後ろ姿を見送っていたレイが、ふと気付いて尋ねた。
213:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:33:41
「ふふっ。これから、貴女達と私達でこの近くにある温泉旅館に行くのよ。もちろん、
アスカちゃんも一緒にね」
そう言いながらアスカに向けて微笑むユイ。
「え・・・で、でも・・・」
アスカは、少し気まずそうな顔をして戸惑っている。
ユイが言った「家族旅行」という言葉に疎外感を感じているのかも知れない。
「あら、遠慮なんてするんじゃないわ。私にとっては、アスカちゃんもレイと同じ
大切な娘なんですからね。ね、ゲンちゃん?」
「・・・ああ・・・問題ない・・・シンジ、お前もそう思うな?」
ゲンドウがシンジを見た。
本人にしてみれば普通に見ているだけなのかも知れないが、他の者達にしてみれば
その様子はまさに「睨みつけている」ようにしか見えなかった。
「・・・う、うん・・・」
最近、少しだけ仲良くなれたと思っていた父親からそんな視線を受けたシンジは
思わず俯きながら、それでも辛うじて頷いた。
「・・・惣流君・・・そういうことだ・・・」
「は、はい!」
少し横を向きながらのゲンドウの言葉に、アスカは嬉しそうに頷いた。
214:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:34:37
「それじゃ、すぐにあっちの仮設指揮車で着替えてきて。そうしたら、出発よ」
「「はい!」」
アスカとレイが勢い良く頷いた。
「・・・うん」
シンジは、少し疲れたような笑顔で頷いた。
そして、浅間山温泉郷にある、とある旅館。
「・・・シンジ、どうした。入らんのか?」
先に湯の中に入っていたゲンドウが、もじもじしているシンジに声をかけた。
「・・・う、うん・・・」
おずおずと頷くシンジ。
「・・・入るなら早くしろ・・・」
「・・・う、うん・・・」
再び急かされて、シンジはおずおずとゲンドウから少し離れた場所に入った。
「・・・」
「・・・」
不思議な沈黙が漂う。
そして、沈黙を破ったのは、ゲンドウだった。
215:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:35:37
「・・・シンジ」
「は、はい!」
「・・・身体を洗ってやる。出ろ」
このゲンドウのセリフに、シンジの頬が微かに引きつった。
(・・・普通は『背中』を洗ってやる、って言うんじゃないの・・・?)
シンジの戸惑いなど気付かない様子で、ゲンドウはさっさと湯から出ると洗い場に向かった。
「・・・どうした、早くしろ・・・」
「あ、う、うん・・・」
再び呼ばれて、シンジはおずおずと頷き、父の元に向かった。
その頃、女湯では・・・
「・・・はぁ~♪気持ち良い~♪」
肩まで温泉に入ったレイが両手両足を伸ばして深呼吸しながら言った。
「そうね。アスカちゃんはどう?」
ユイがレイと同じように肩まで温泉につかりながら尋ねた。
「ええ、気持ち良いです・・・でも、日本の温泉って熱いんですね」
少しだけ緊張しながらアスカが答えた。
216:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:36:34
それは、初めて見るユイの同性としての大人の身体に対するものなのか、それとも
恋のライバルの肢体に対するものなのか。
「ふふっ。欧州育ちのアスカちゃんにはそうかもね」
「え?どういうこと?」
レイがユイに尋ねた。
「・・・欧州は日本みたいに火山地帯にあるわけじゃないから、日本の温泉とあちらの
温泉を比べると、あちらの方が少し温度が低いのよ。まぁ、温泉っていうより暖泉ね」
ユイが丁寧に説明した。
「へぇ~、『ぬるい』んだ」
そう言ってちらりとアスカを見るレイ。
「・・・『ここまで熱くない』って言って欲しいわ」
その視線に答えてレイを見るアスカ。
「・・・そう言えば、シンちゃんは熱いお湯が好きなのよね~」
「あら、アタシもシンジと同じくらいの温度が好きなのよね~」
互いに負けていないアスカとレイ。
「・・・全く・・・」
こんなところでもライバル意識むき出しの二人に、さすがに苦笑し得ないユイ。
そして、改めてユイが口を開いた。
「・・・それじゃ、男性陣を驚かせてあげましょ♪」
217:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:37:33
そして、男湯。
「・・・痛くないか・・・?」
「・・・う、うん・・・」
シンジは背中を擦るタオルに、不思議な暖かさを感じながら頷いた。
「・・・そうか・・・」
ゲンドウはそう言って、続けてシンジの背中を洗ってやる。
(・・・シンジ・・・長い間、すまなかった・・・)
そんな事を考えながら、ずいぶんと丁寧にシンジの背中を洗うゲンドウ。
そのまましばらくの時が過ぎ、もうシンジの背中はかなり綺麗になっているが、
ゲンドウはまだタオルを擦り続けている。
(・・・それにしても・・・これはなかなか・・・何と言うか・・・我がムスコながら
色っぽいと言うか・・・このうなじなど、なかなか・・・さすがだな、ユウキ・・・)
シンジの白い背中を見ながら、だんだん思考が暴走してきたゲンドウ。
どうやら、シンジの背中とユウキのイメージを重ねてしまったらしい。
「・・・あ、あの・・・と、父さん・・・?」
「・・・」
シンジが声をかけたが、ゲンドウは何も言わずに、ただシンジの背中を洗っている。
「・・・父さん・・・?・・・っ!?」
再びシンジが声をかけた時だった。
ゲンドウが、いきなりシンジの身体に手を回して後ろから抱きしめた。
218:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:38:33
思わず凍り付くシンジ。
そして、次の瞬間。
「シンちゃん♪」
「し、シンジっ!」
「ゲンちゃん♪」
三者三様に言いながら、レイ、アスカ、ユイが脱衣所のドアを開けた。
もちろん、三人とも水着を着用している。
「「「「・・・」」」」
思いっきり絶句する、シンジを含めた四人。
その中で一人、ゲンドウだけがブツブツと呟いている。
「・・・ユウキ、ユウキぃ・・・美しいぞぉ・・・ユウキぃ・・・」
そして、シンジが最初に我に返った。
「た、助けて母さんっ!綾波ぃ!アスカぁ!」
その声に我に返った女性陣は、一瞬のうちに見事なアイコンタクトを交わすと、
シンジの救出に取り掛かった。
ユイが錯乱しているゲンドウをナノセコンド単位のうちに気絶させ、レイとアスカが
シンジを強引にゲンドウから引き離したのだ。
219:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:39:16
「・・・ふぅ・・・全く、この人ったら・・・可愛いんだから・・・」
ため息をつきながらそう言ったユイに、シンジ達三人は思いっきり引いてしまった。
「・・・か、母さん・・・(汗)」
「・・・ゆ、ユイかーさん・・・(汗)」
「・・・お、おばさま・・・(汗)」
『マジか!?こいつっ!』という様な表情で自分を見る三人を見返して、ユイが言った。
「・・・シンちゃん、大丈夫だった?」
「そうよっ!シンちゃん、平気っ!?」
「シンジっ!!」
「・・・う、うん・・・」
ずずいっと迫ってくるアスカとレイに、シンジは少し怯えながら頷いた。
どうやら、ゲンドウにいきなり抱きつかれたショックが抜けきらないらしい。
「・・・良かったわ・・・シンちゃんの貞操の危機を回避できて・・・」
ユイはそう言って、自分の足下に俯せに気絶しているゲンドウを踏みつけた。
「・・・ホント~よね~。シンちゃんの貞操はあたしが貰うんだから♪(ポッ)」
言いながら赤くなるレイに速攻で噛みつくアスカ。
「な~に言ってんのよ!シンジの初めての女になるのはアタシよっ!!」
220:EPISODE:10 MAGMADIVER
06/10/25 22:40:07
「・・・」
二人の会話を聞いて真っ赤になっているシンジ。
その視線は、ちらちらとアスカとレイの水着姿の方へ向いている。
「・・・とにかく・・・シンちゃん?レディの前なんだから、少しくらい隠した方が
良いんじゃないかしら?」
ユイが苦笑してそう言った。
「・・・え?・・・わあぁぁっ!!」
シンジは、一瞬、何を言われたのかわからなかったが、自分の身体を見下ろして
今の自分の格好に気づき、真っ赤になって叫びながらしゃがみこんだ。
ここは温泉・・・混浴ではない。
そして男湯・・・男のシンジが入るのに、何の制約も無い。
風呂に入るのに服を着て入る者は、普通は居ないだろう。
水着着用のルールがある温泉も存在する様だが、残念ながらここはそうでは無かった。
つまり、シンジは素っ裸だったのである。
そして、シンジが持って入ってきた身体を隠すための唯一のアイテム-タオルは、
身体を洗うためにゲンドウに渡してあった。
そのタオルは、今、気絶したゲンドウが後生大事に握り締めている。
シンジは、素っ裸で母親&レイ&アスカの目の前に立っていたのだ。