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関西科学大：設置申請取り下げ 奈良学園、書類に虚偽記載
学校法人「奈良学園」（奈良県大和高田市、伊瀬哲也理事長）は１７日、
来年４月の開学を目指して文部科学省へ提出していた関西科学大（奈良市中登美ケ丘３）
の設置認可申請を取り下げたと発表した。申請書に添付された理事会の議事録に退任した理事
の名前が記載されており、虚偽と判断した同省が８日、認可しない方針を伝えていた。
同省によると、虚偽を理由にした不認可や申請取り下げは、資料が残る約４０年間で初めて。
同学園は今年４月の理事会で大学設置を決定。議事録（写し）には理事１０人のうち
死亡と病気で退任した２人を「欠席」として記入し、同月からの新理事２人を記入していなかった。同学園は「パソコンで以前の議事録を上書きし、退任理事の名前が残った。悪意はなかった」と釈明し、０８年度の開学を目指す。
学園は県内で奈良産業大や奈良学園中など６校園を運営。
関西科学大は約４万４４００平方メートルに「スポーツ科学部」「看護学部」の設置を予定し、
工事を半分終えた。出願は１２月１日から受け付ける予定だった。１年遅れの開学で約２０億円、
開学できないと約１００億円の損害が出るという。
文科省は今後の対応を協議するが、悪質と判断すれば５年間設置を認めない場合もある。
【石田奈津子】
毎日新聞 2006年11月18日 大阪朝刊