06/12/13 20:09:56
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例えば、試験を受けなければ医者にはなれません。
これは、医者という職業を選択しづらくしていますので、
職業選択の自由に対する制限であり、憲法22条に触れるとも
思えます。
(第二十二条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。)
ですが、誰も医師の国家試験を違憲だと思っていませんね。
憲法は他の法律と違い、権利を保障する性質を持っています。
権利を保障するということは常にその他の人の権利を害する恐れを持っています。
ですから、憲法の場合は他者の権利を害さない範囲でのみ権利が保障されています。
これを、「公共の福祉」による制限といいます。
刑法と比べてみればよくわかっていただけると思います。
人殺しをした者をいくら死刑台に送っても誰の権利も害しません。
しかし、医師の国家試験を廃止し、能力のない人も医者になったら、患者さんにいつ被害が出るかわかりません。これは患者さんの生存権を害していることになります。
なので、患者さんの権利を守るべく、職業選択の自由は一定限度の制限を受けるのです。
なお、「公共の福祉」と言うと全体主義的なニュアンスを感じる方がおられますが、それは誤解です。
確かに、憲法で制限を受ける人の方がどうしても少数なことが多いので「公共の福祉」は少数派を押さえつけるための便法に見えてしまうことがあります。
先ほどの医師国家試験の例でも、医者になろうとする人の方が全国民に比して少数ですから、医者になろうとする人を押さえつけているようにも思えます。しかし、判断する時はあくまで個人と個人を念頭に起きます。
例えば、医者になろうとする人1人の職業選択の自由と、患者さん一人の生存権を比べたらどのように調整すべきか、と考えるのです。是非誤解なさらないようにお願いします。
このように、憲法では制限が認められますので。
一定の制限であれば違憲ということにはならず、
一定限度を超えた場合にはじめて違憲となります。
貴方が権利を持っているということは他の誰かも
権利を持っているということですので、やむを得ない
ところです。