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君が代問題:斉唱不起立で処分の根津教諭、反対への思い訴え--東広島で講演/広島
◆「君が代押しつけは教育といえぬ」
入学式の君が代斉唱時に起立しなかったとして、停職1カ月の処分を受けた東京の公立
中学校教諭、根津公子さん(55)が28日、東広島市鏡山1の広島大中央図書館で講演した。
根津さんは「日の丸・君が代の強制には歴史的に考えて反対なだけでなく、一方的に生徒を
従わせることは教育とはいえず、教師として許せない」と話した。
講演会は、同大の学生で作る実行委員会が開いた。根津さんは不起立や家庭科の授業で
従軍慰安婦問題を取り上げたことなどを理由に、94年以降、都教委から7回の処分を受けて
いる。
根津さんによると、石原慎太郎知事の就任後、状況は厳しさを増したという。教科書にない
ことを教えたり、学習指導要領外の教材を使用しただけで、都教委に呼び出されるようになった。
根津さんは「日の丸・君が代の問題は、現在の閉塞的な学校教育の象徴」と考えている。
昨年の卒業式前、根津さんは生徒に日の丸・君が代の歴史を話し、なぜ起立しないかを
説明した。
だが、このままでは免職になるとの不安を感じ、卒業式の君が代斉唱時には途中まで起立
していた。生徒たちの視線は厳しく、それが忘れられない。「クビになっても、生徒を裏切れ
ない」と思い、翌月の入学式では起立せず、停職となった。
停職中は毎日、校門前で座り込みを続けた。最近は小学校の授業で君が代を教えるため、
歌うのが当然と考える中学生が増えているらしい。起立するのかしないのか、考えるきっかけ
にしてほしかったという。
根津さんは「今の学校は、自由に議論できる状況にない。今後も生徒や若い教師に思いを
伝えていきたい」と話した。
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