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ぷちナショナリズム症候群~若者たちのニッポン主義~
香山リカ/2002.9.10初版 中公新書ラクレ62
第2章「崩壊するエディプス神話」
親の七光りを少しも恥じない「屈託のない二世」たちが続出しているとして、本来、誰にでもあるとされてきた反抗期を経験せず、権威や権力を何の疑問もなく「素直」に受け入れる人々が紹介される。
コンプレックスの見られないこれらの新人類は、精神が健全で結構なのかというとそうでもなく、精神科医にとっては既存の精神分析理論が通用しない、治療が困難なケースが多いそうだ。
その背景には、つらい体験などをしたとき、それを自己の人格に取り込むことなく切り離してしまう、病理的なメカニズムが働いているのではないかと考えられる。