04/11/09 18:52:22 o8SgED8R
勝手に使ってみるorz
僕は道を歩いていて、ときどきクスッと自嘲気味に笑うことがある。
「ああ、自分は西京生なんだ」と思うと、不安感がこみ上げてくる。
初めて西京の門をくぐってから２年。
西京の合格証を手にしたときのあの喜びがいまはどこへやら。
「西京高校・・・・・さいきょうこうこう」 ・・・
その言葉を聞くと、僕は自然と身が引き攣ります。
西京生として先輩方に恥じない商業魂が自分にあろうか・・・・。
しかし、先輩方は僕に語りかけます。
「いいかい？伝統というのは生徒自身が作り上げていく物なのだよ」と。
僕は動揺に打ち震えます。
「そして君は看板クラブの映画研究会の人間なのだ。学校が何をしてくれるかを問うてはならない。
君が君自身が、自分のために何をなしうるかを問いたまえ、そして映画を見たまえ」
僕はやるせなさに胸が熱くなり、身震いを禁じえませんでした。
でもそれは将来日本をになう最高のエリートである僕たちの芽を摘み取るための
悪魔の配剤なのでしょう。
西京の歴史を作りあげてきた先輩はじめ先達の深い盲目なのでしょう。
西京生になることにより、僕たちはありきたりな日々を紡いでゆくのです。
嗚呼なんて愚鈍な西京高校哉。
京都での知名度はＮo.４～６。人気、実力すべてにおいてはもはや出場権がもらえるか怪しいぐらい。
ぱっとしない実績。余計な説明はますます自らをおとしめるだけです。
ただ周りの通塾生には「西京生です。」の一言で同情の眼差しが。
「映研です」の次の一言で拒絶の眼差しが。
文化祭のたびに繰返される女子中高側からの交際お断り。
近所のお受験ママ達からの冷めたまなざし。
そして京都府中の学校から洩れ聞こえる、勢いを得ない西京パワーの威力。
西京へ入学してしまった本当に・・・。
映研に入ってしまった本当に・・・。