03/12/17 22:44
漏洩疑惑 憤る受験者 「人生かかってるのに」
先行き不透明な不況の中、手に職をつけようと、国家試験の第一種電気工事士試験の
受験者は年々増加している。そんな中で持ち上がった試験問題漏洩疑惑。「人生がか
かっているのに」。受験者から憤りの声が聞かれた。
「問題がインターネットに載っている」。大阪府内の40代の男性は、技能試験翌日の
8日、知人からそう教えられた。自宅のパソコンで確認し、目を疑った。インターネッ
トの掲示板への書き込みは、試験のポイントの一つだった「3路スイッチ」がでるなど
具体的だった。試験が終了した7日以降は、「助かりました」「ありがとうございまし
た」などと、匿名の書き込みへの感謝の言葉が相次いだ。「情報って漏洩するんだよな
あ。得したよ。あんな回路図、いきなり見せられたらパニックになるよ」という書き込
みもあった。
男性は「そのまんまやないか。こんなひどいことあるか」と、電気技術者試験センター
に事実確認と調査結果の公表を求めた。数日後、再度電話すると、対応した職員は「個
人が遊び程度でやったことではないか」と話し、その場では漏洩を認めなかったという。
男性は「こちらは人生がかかっているのに、『個人の遊び』だなんて。腹が立った」と
話す。
2年前、勤め先の広告会社が倒産した。年齢面や資格がないことから、希望する会社の
面接さえ受けられなかった。今はアルバイトをしている。そんな時、一種の電気工事士
の資格があれば、比較的求人があることがわかった。
電気関係は素人だが、資格があれば、大規模な電気工事もできる。「資格を取れば、面
接だけでも受けられる。やっと希望が見えた」と思い、今年4月から試験勉強を始めた。
10月の筆記試験は通過した。だが、実技はうまくいかなかったという。