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●一風変わった悩み
1920年代、ソヴィエト人の心理学者がソロモン・シェレシュヴィ
スキーというジャーナリストに関する研究を始めました。彼はほ
ぼ完璧ともいえる記憶力をもっており、研究はその秘密を探る目
的で行われたのですが、彼にはある悩みがありました。それは、
人が話す言葉を聞いたり、あるいは自分の中に様々な考えや記憶
が現れると、嵐のようにイメージが五感を通して彼の中にわき上
がってくるというものです。曰く、
「音を聞くと、色を見ないではいられない。例えば、誰かが話を
すると私にはその言葉が"見える"のです。その際に別な人の声が
割り込んできたりすれば、ブーンという音が聞こえてきて。この
耳障りな音が言葉の節に入り込み、相手が何を言っているのか聞
き取れなくなってしまう」
このことに関するエピソードは、いろいろあり、ソヴィエトの偉
大な心理学者ヴィゴツキーと話していたときに、「あなたはなんて
もろい黄色い声をしているのか」と言ったり、映画制作者エイゼン
シュテインの声はかなり気に入ったらしく、「彼の声を聞いている
と燃えさかる炎が自分に向かってくるような感じを受けた。彼が
何を話しているか分からなくなるほど声に引きつけられた」と話
しています。
さて、ここまで、氏の一風変わった悩みについて話しましたが、
医学的な見地から見ても、幻覚を起こしていたわけではなく、彼
の潜在意識は一般の人に比べ、フルに活躍していたかもしれない
ですが、日常生活の中で支障を北面のではありませんでした。た
だ 、一つ言えることは私たちのほとんどが持っている、必要な
時にイメージ・ストリームを抑圧する能力に欠けていたのです。