03/12/07 18:58 M1tGZEkV
>>534
バソプレシン
[英vasopressin 仏vasopressine 露вазопрессин]
【同】抗利尿ホルモン,血圧上昇ホルモン
神経下垂体ホルモンの一つ.哺乳類の腎臓の尿細管における水の再吸収を促進させるため抗利尿ホルモン,
また毛細血管や細動脈を収縮させて血圧を上昇させるため血圧上昇ホルモンともよばれる.
バソプレシンは視床下部の視索上核,室旁核で合成され,軸索内を流れて神経葉に貯えられた後,血液中に放出される.
平常時は体液の浸透圧のわずかな変化を浸透圧受容器が感知して微妙にバソプレシン分泌を調節して,体液の浸透圧の恒常性を保っている.
一方,出血などによって急激に細胞外液が減少したときには,血圧受容器あるいは血管の進展受容器が作動してバソプレシンが分泌され,抗利尿作用と血管収縮作用が協調して細胞外液量と血圧を保つ.
バソプレシン受容体には少なくとも2種類ある.血管収縮作用の受容体(V1受容体)はホスホリパーゼCを介して作用を発揮する.一方,抗利尿作用の受容体(V2受容体)はアデニルシクラーゼを活性化して尿細管細胞内のcAMPを増加させ,細胞膜の水透過性を増大させる.
岩波生物学辞典第4版CD-ROM版より(一部省略)