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憂楽帳:第二の土俵
しばらくぶりで一緒にメシを食ったら、「50キロ以上はやせました」と笑った。うちのヨメさん1人分ぐらいは減った勘定だ。それでも130キロ台の堂々たる体格は、“横綱”の貫禄をしのばせる。
大相撲高砂部屋の元幕下・朝陽丸こと三好正人さん(29)。近畿大4年で全日本選手権を制し、アマチュア横綱に輝く。大学の先輩の高砂親方(元大関・朝潮)に誘われ、02年に角界入りした。
だが、左ひざ靱帯(じんたい)断裂に始まり、両目の網膜はく離では5度の手術。けがに泣き、昨年の春場所で引退を決意した。プロ入りしたアマ横綱で唯一、関取(十両以上)になれなかった無念は残る。
縁あって大阪市内の会社に就職し、物流部門の現場で働く。市場から来る食材を取引先のスーパーマーケットなどに仕分ける日々。「好きな相撲だけをやってた時と違い、気も使う」と漏らす。
けがばかりでなく、気を配る性格が勝負で災いした感はある。でも、実社会ではプラスに働くはずだ。兄弟子の朝青龍は、思い出したように携帯電話のベルを鳴らす。天下の横綱も、行く末を気にかけてくれている。【堤浩一郎】
毎日新聞 2009年1月22日 大阪夕刊
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