05/08/26 15:53:56
’04記者メモ帳から:
/1 負傷乗り越え…“陽”は沈まない
「長さ5センチぐらいのボルトがまだ2本入ってる」。大相撲の幕下・朝陽丸(25)=本名・三好正人=が
そう言って、左ひざ内側と外側に2本ある25センチの手術痕をさする。
近大4年の01年アマ横綱。翌春場所幕下15枚目格付け出しで高砂部屋に入門。185キロの巨体を生かし
1年後の03年初場所で関取目前の幕下2枚目と順調に番付を上げた。
しかし悪夢が。2勝2敗で迎えた十両の北桜戦。あと2番勝てば関取だ。「踏ん張った時、ゴリゴリっという
音がした」。ひざは反対に折れ曲がり、じん帯が3本切れた。無邪気な小学生のころ、楽しかった学生時代が
頭の中をかけめぐる。「友人に『治らんかも』って電話した後、涙が止まらなかった」
3カ月入院し5場所全休。高砂親方や新横綱となった朝青龍の見舞いを励みにリハビリし今年初場所、
序二段で全勝優勝した。だが今度は左目の網膜はく離。20日間の入院で2回手術した。「もう気持ちが
切れそうです」。部屋の若松親方(元前頭朝乃翔)にもらした。「将来があるのに今辞めたら悔いが残る」
と諭され、思いとどまった。
今年夏場所。しこ名を「朝三好」から、沈まぬ太陽と丸い体にちなみ「朝陽丸(あさひまる)」と改名
した。同期の豪風は幕内。前相撲からスタートした片山も十両目前。「(関取だけが持てる)タケ関(豪風)
の明け荷を見て、腹の中に初めて燃えるものを感じた」と朝陽丸。序二段で2度目の全勝優勝後、先場所
まで4場所連続大勝ち。初場所で全勝すれば十両に上がる幕下13枚目に付けた。
「結婚したとか、子供が生まれたという便りが同級生から来る。自分も早く一人前にって思う」。黒ぶち
メガネの奥が光った。【上鵜瀬浄】=つづく
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