フィギュアスケーターズの華麗ないちにち 5日目at SPOSALOON
フィギュアスケーターズの華麗ないちにち 5日目 - 暇つぶし2ch2:スポーツ好きさん
10/05/31 23:52:54 +3/7zryo
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・スケーターたちへの尊敬の念を持って書きましょう。
・書き込む前にリロードして新しいレスがないか確認しましょう。話に矛盾が出てしまいます。
・話に矛盾が出来ないよう、書き込む方は少なくとも5レスは遡って読みましょう。
・気に入らない話の流れを批判するよりも、より面白くする流れを考えましょう。
・妄想カプネタ、ハゲネタ、性別人種差別、宗教系等、世界で「タブー」とされているネタ、は自重してください。
・一人で連続投稿や長文はなるべく控えること。 どうしてもという時はこのスレを有効に使ってください。
・1スレ(500KB)で完結を目指して書いていきましょう。
・本スレが目指すのは大団円です。
・何か意見等ある時は、このスレ(スレリンク(sposaloon板)l50)
を有効活用してください。勿論、ROM専さんの御意見御感想も大歓迎です!
            まとめwiki(URLリンク(www23.atwiki.jp)

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3:スポーツ好きさん
10/06/01 00:30:49 6vSxAYMr
ある日、ジョニ子の元に一通の手紙が届いた。
シンプルな封筒には差出人も住所も書かれていない。
「あら、何かしら?ファンレターにしては随分さっぱりしてるわねぇ?それとも新手の通販かしら?!」
ジョニ子はひとまず中身を読んでみる事にした。

4:スポーツ好きさん
10/06/01 00:38:47 uTyAiCzM
「拝啓 ジョニー・ウィアー様

突然のご連絡失礼いたします。
株式会社CAMCOWの広報担当の者です。
実は、当社の人気ゲーム「フィギュアスケーター」シリーズの最新作「フィギュアスケーターⅢ」が完成し、世界規模でのPR活動を行う運びとなりました。
そこでぜひ、女性にも大人気のジョニー・ウィアーさまに、北米CMへの出演をお願いしたく、お手紙を送らせていただきました。

1度直接お会いして、お話をしたいと願っております。
つきましては、◯月◯日の◯時に、北米支社に御足労いただけませんでしょうか?

株式会社CAPCOW
広報担当 より」


5:スポーツ好きさん
10/06/01 00:54:15 aHnViZgP
同じ頃、バンクーバー。
「し、CMの出演依頼!? すごいじゃないっすか!」「ダンスの番組に出てたのが良かったんですかねぇ」
株式会社CAPCOWからの封筒を手に、ジェレミー・テンとケヴィン・レイノルズは大はしゃぎしていた。
ちなみに、本来の受け取り人は彼らではない。彼らの横で得意気に微笑んでいる、
「まぁ、アタシの知名度からすれば当然…… とは言えないわねぇ。正直びっくりしてるわよぉ」
エマ先輩こと、エマニュエル・サンデュである。
「まさかアタシだけってことはないわよね? 北米CMにって書いてあるし。他に誰かいるのかしら…」

6:スポーツ好きさん
10/06/01 00:57:43 /BaH55qD
「CMの出演依頼キタワァ.*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!」
興奮のあまりBad Romanceをフルで歌いながら踊ってしまい
近隣から苦情が来たけれど、そんなのは気にしちゃいられない。
ちょっと息切れがするのは年齢のせいかしら?と悲しくなったけれど
それも気にしちゃいけない。

アタシの魅力を再び世界に発信するいい機会だわ。
北米どころか全世界で流れるように交渉してみせるわっっっ!

7:スポーツ好きさん
10/06/01 00:59:04 UYOnWo0z
「強くて美しいスケート界のDIVAことこのアタシにCM出演依頼なんて
CAMCOWったら中々分かってるわよね!でも、ゲームか・・・
アタシ、ゲームの事はよく分からないのよねぇ ゲームと言えば彼だけど、さてどうしようかしら」
もちろんジョニーはCM依頼が他のスケーターの元にもいっていようとは露ほども思っていない

8:スポーツ好きさん
10/06/01 01:04:08 uTyAiCzM
フィギュアスケーターⅢ

致命的なバグが見つかった当初の企画は凍結し、CAPCOWは新モードペアバトルを開発した。
中国拳法の流れをくむアイスダンスと、プロレスの華々しさを取り入れ進化させたペア。
男女一組となって戦うペア選手たちは、愛の力でブレードの痛みや体重を克服し戦う。

この世界市場でのヒットを狙うCAPCOWは、欧州・ロシア・日本・北米の4支社がそれぞれ担当地区のスケーターたちで広告やCMを作ることになった。
アメリカ支社はジョニーVSライサチェクの宿命のライバル対決CMをメインにPR活動をする予定である。

9:スポーツ好きさん
10/06/01 01:09:46 TuFCJZ31
「ワーォ。CM出演の話がきたよ。アハンアハン」
ベッドの上にいるてんとう虫のぬいぐるみにご機嫌に話しかけるランビエール。
「以前日本のCMにライアンと一緒に出たのを思い出すなあ。
そうだよ、あの衣装でだよ。(以下延々とシマウマポエム話が続くので略)
『フィギュアスケーターⅢ』か…実は僕、まだスケⅡもやったことないんだよねえ。
やっぱり広報の人に会う前にやっておいた方がいいのかなあ?」
だが返事はない。ぬいぐるみだ。当然だ。
しかしランビはそんなことは気にしない。心の中で声を聞くポエマースケーターだ。
「アハンアハン。やっぱりそう思う?でも僕はハードもソフトも持ってないし…」

さて誰のところへいこうかな。

10:スポーツ好きさん
10/06/01 01:16:33 lMoYxqNm
同じ頃……此処は日本。
「…ゲームのCM依頼?ですか?」「おもしろそう!やってみたいな~♪」「俺の名前もあるの?…マジ?」
世界チャンプの大輔&真央、そして若きエース崇彦の元にも皆と同じ封筒が届いた。
「でもこれって、『北米CM』だよね…。」「私達もいいのかなぁ?」「まっ、誘われてもおかしくはないよね」
興味津々の三人。北米支社に行く為のスケジュール合わせを早速始める。

11:スポーツ好きさん
10/06/01 01:22:20 7wMxCUFz
「あー腹減った」「私も…」「お姉ちゃん、私も!アドリアン先輩おごってくださーい!」
騒いでいるのは、合宿帰りのSWE組、ADSLとヴィッキーと、ヴィッキー妹のヨシちゃんだ。
「ヨッシーうっさい」
「もー先輩、ヨッシーとか呼ばないでっていう!お腹空いたっていう!」
「…ヴィッキー、君のでかい妹黙らせてくんない?」
「いいよ~おごってくれたらね♪…でもレッドブ○じゃダメだからね!」
「俺にタカるなよ!そんな金ねーんだから…あーあ、スポンサーつかねえかな」
「もうそれくらいにしなさい。割り勘でいいじゃないか、僕も多めに出すからさ…」
べるるんが後輩達をたしなめる。やれやれ、当分これが続くのか…「…先輩?何ニヤけてんですか?」
「いや何でもないよ、アドリアン。さ、みんなで食事に行くか!」…当分こういうのも悪くないな。
…どーーーん!とそこに、唐突にトラが降って来た。「おいっ!スケスリCMの話、聞いたか!?」

12:スポーツ好きさん
10/06/01 01:42:18 BWcfnwKw
「ふぅぁ~疲れたわ」
両手いっぱいの紙袋を抱えてジョニ子は帰宅した。
全世界で己のCMを流すべく、来るべき交渉に備えて美貌に磨きをかけていたのだ。
まあ、要はエステに行って服を買って靴を買ってと楽しい無駄遣いをしてきた帰りであった。
『CMに出演するなら当然すべて経費扱い』と株式会社CAPCOWの名前でしっかり領収証をもらうことも忘れていない。
「ウフフ。ついでに欲しかったGareth PughのレギンスもChristian Louboutinの靴も買っちゃった。幸せ~」
(必要経費っていう魔法の呪文が使えるのは今だけよね。明日は何を買おうかしら。
化粧品が切れそうだったわね。あっスケーターとして依頼が来てるんだったわね。
ついでに新しいコーチや振り付け師も経費で頼んじゃうってのも手だわ。
ロケ地をロシアでするって提案しようかしら。ついでにロシアのお家も買って貰っちゃったり)

13:スポーツ好きさん
10/06/01 05:06:16 lMoYxqNm
ここはニュージャージー州。アイスダンサーのリード一家の暖かいマイホームがある場所だ。
「Wow...凄い!キャシー!これ見てよ凄いよ!」
『スケIII』 ベータヴァージョンをプレゼントされたクリスは、興奮気味でパッケージを開けた。
「ちょっと!ゲームのやり過ぎには注意しなさいってママにも言われたばかりでしょ!ブログに書いたばかりじゃない!」
「これは特別だよ!……ほらほら見てよ!最新作にはアイスダンス選手もでるんだって!」
「え?ホント?じゃ……ワタシ達もいるのかな?」
「そりゃ~いるよ絶対!じゃ、早速始めるよ!キャシー」
意気揚々とプレイを始めるクリス。しかし、それは選択画面にアイスダンサーやペアの選手はいるものの、
選択する事がまだできない、不完全なプロトタイプなのであった。
「あ……れ? もしかして、俺達隠しキャラ扱いなのかなぁ?ま、まさか前作のキャラ全クリアしないと
出てこない、とか……?(汗)」
クリスは次第に、焦り始めた。


14:スポーツ好きさん
10/06/01 08:49:46 6vSxAYMr
その頃のロシア。
平和なサンクトペテルブルグ上空に突如、轟音とと共に金色の宇宙船が飛び立った。
その様子を眺める親子連れ。
「マーマ、ジェーニャのおふねがとんでる~!」
「あら、そうねぇ。今日はどこへお出かけかしらねぇ?」
出現するたびに世界各都市で騒動を起こす宇宙船だが、さすがサンクト市民は慣れていた。

「とりあえず目的地はCAPCOWのロシア支社だから、モスクワだね?」
無事退院し、練習復帰したばかりのゲーム大好き宇宙人のプルにも当然白羽の矢が立っていた。
これからロシア支社まで打ち合わせに行くところだ。
「ジェーニャのほかにも何人か担当のスケーターがいるそうよ。ロシア支社で合流ですって」
交渉事をプル一人に任せるのが心配で同行したヤナ姐さんは、届いた手紙を内容をチェックしていた。
「そうなんだ?いったい誰だろうな?…向こうに付いたらゲームやらせてもらえるかな?」
交渉事よりゲームの中身が気になるプルだった。


15:スポーツ好きさん
10/06/01 08:53:10 lMoYxqNm
その頃の日本、関西大学の庭の一角にて。
「…ヒマじゃのう、信成。」「はいはい、そうですか。僕は忙しいですけどね。」
これは信成の頭の中での会話である。最近信成に召喚され慣れてきた信長は、海外旅行に行きたくてたまらない。
「…………これは…?」信成は皆にも送られたCMの依頼の手紙を開いていた。
「おお!これは仕事の依頼ではないか!…なになに…ろけ~しょんはあめりか…アメリカじゃと!よし!」
「………ちょ、ちょっと。まだ引き受けたわけじゃ」
「これはまたとない絶好の機会じゃ!仕事であれば姫も許すじゃろう。行け、参れ信成!」
「………………。」
その時突然空から女性が降って来た!彼女は信成の大親友、安藤美姫である。
「のぶ君!例の手紙、やっぱり持ってるわね♪」
「…………美姫ちゃんも…だよね。他のみんなはどうしてるかなぁ?」
「もうとっくにLAに飛んでる筈よ。ささ、決まったとならば早速飛びましょう♪」
「…………飛ぶって……僕がクワド飛ぶの?(汗)」「えっ………自身無いわけ?!もう!」
仕様がないわね~……あたしが飛ぶわよ!ええ!この際ど根性だしてみせるわ!ハリウッドがあたしを待ってる!
意気揚々と4Sを飛んだ美姫と信成(とその頭の中の信長。)
しかし、美姫にとっては慣れない移動用クワド。ちょっとばかり自爆してしまったようである。

16:スポーツ好きさん
10/06/01 10:15:43 uTyAiCzM
「なんで日本支社もアメリカで打ち合わせをやらなきゃいけないんだか……」
「日米対決ってことで未来VS真央をとることになったからでしょ。未来ちゃんは日米両方で人気あるし」
「真央VS美姫だけでいいじゃん。なぜダブルスタンダード」
「いや、オレは未来ちゃんのファンだから問題ない」

17:スポーツ好きさん
10/06/01 11:17:15 lMoYxqNm
打ち合わせ&撮影をコンパクトにする為に、ハリウッドで直に集合することになったチームジャパンと日本支社。
しかし、肝心のメンバーはまだ三人しか集まっていないようである。
「あれ?のぶ君まだ来てないの?」「美姫ちゃんにはさっきメールしたよ?」「リード姉弟がまだ来ていない…」

18:スポーツ好きさん
10/06/01 12:15:26 6vSxAYMr
こちらはCAPCOWロシア支社。
生憎出演者はまだ全員揃ってないらしく、集まったスケーターは社内の応接室に通された。
今ここにいるのはプルとヤナ、そしてイーラである。
なんでも前作の隠しシナリオ「イリーナ波乱万丈編」が大人気で、新作PRの依頼がイーラにも来たそうだ。
「まさか今回も依頼が来るとは思わなかったわ。」
「良いじゃない、それだけ皆に人気があるんだしさ……僕も早く新しいのをやってみたいなぁ」
「ジェーニャ、テストプレイは全員揃ってからってさっき広報さんが言ってたでしょ?」
手持ち無沙汰なプルが室内を見回すと、本棚にとある本が並んでいた。関連会社の出版物のPRに置いてるらしい。
手にとってみると、頭上に高く伸ばした片足のブレードを手に取った独特のポーズを取る、女性スケーターが描かれている。
そこにはロシア語でこう書かれていた。
「フィギュアスケートスーパースター列伝『伝説のスピン誕生!デニス・ビールマン物語』」

あの日本発の名作(?)エンターテイメントスケート漫画が、ついに世界各国にも出版され始めたようである。


19:スポーツ好きさん
10/06/01 13:55:38 47tAibLZ
Pちゃんは瞳孔をガン開きして手紙を読んだ。3回読み返した。
「…CM出演か。よっしゃあ!!」
誰へともなくガッツポーズをするPちゃん。
「そうだよな、北米でCMとくれば俺が出ないわけにはいかないもんな!」
早速Pちゃんは上機嫌で洗面所に行き、顔を洗ったり髪を整えたりし始めた。
しかし、髭をそりながらノリノリで鼻歌を歌うPちゃんの胸にある心配が浮かんだ。
「…まさか、『歌え』とか言われないよな…?」

ゴルフにホッケー、車にゲームと多芸なPちゃんだが、歌だけは大の苦手だった。
バンクーバーオリンピックのCMでちょっとアレな歌唱力をお披露目してしまった過去を思い出し、
Pちゃんは苦い笑みを浮かべるのだった。

20:スポーツ好きさん
10/06/01 14:21:18 Mq6ZDjq1
突如出現したトラにどん引くSWE組の前に、すとーーーん!…また何か降って来た。
「トマシュ先輩!いきなり跳んでったからびっくりしたじゃないですかもう!」
チェコ後輩ミハルである。(また自爆かと思って焦った…)とは口が裂けても言わない。
とりあえず軽く飯でも、という事で、SWEチェコ組は手近なIKEAカフェに入った。
「…えーと、トマシュがさっき言ってたCMのことって?」
とりあえず状況を把握しようとするべるるんに、トラがまくしたてる。
「スケスリだよスケスリ!知らないの!?てか出演依頼来てるだろ!?来てないのか!?」
「ハイハイ先輩落ち着いて。…まあ>>8というわけで、僕らに出演依頼が来たんです」
「スケツーとかスケスリとか、何ですか?…ちょっとアドリアン、遊んでないで検索してよ!」
ヴィッキーがADSLをつついた。SWEロールを食いながら、ミハル持参のノートPCで幻覚系フラッシュに見入っている。
「うぃ…綴りは?何だっけ、『女(スケ)』…『透け』…」
ばき。ヴィッキー&ヨシが同時にADSLをはたいた。さすが姉妹、ナイスツープラトン。
「痛って!てか君たち2人でタッグ組んでペアに転向すべきじゃない?…はいはい検索するってばよ」

21:スポーツ好きさん
10/06/01 14:49:02 lMoYxqNm
少しばかりLAに早く来すぎた大輔&真央&崇彦。流石に三人だけでは打ち合わせもへったくれもない。
「メンバーが集まるまでもう少し待っていてくれませんか。今のうちに観光、という手もありますよ」
日本支部の職員が休暇をとるように進めてくれる。それは三人にとっても好都合だ!何しろ此処はLAである。
「さ~何処いこっか?」「勿論ディズニーランド~♪」「エンジェルスタジアムはどう?マツイ見ようよマツイ」

22:スポーツ好きさん
10/06/01 15:23:00 6vSxAYMr
他のスケーターが来るまでの間、プルは例のスケート漫画を見ていた。
「懐かしいなぁ。僕はTVで彼女の演技を見て、ビールマンやりたいと思ったんだよねぇ」
それからマムーリャと一緒にストレッチ始めて、必死で練習して出来るようになったんだけど。
などど懐かしい記憶とともにページをめくっていると、そこにはプルの予想を超える展開が載っていた。

『彼女はこの技を生み出す為、日夜片手と足を括り付けて厳しい特訓に励んだ』
『練習時にはビールマンの体制で1時間以上回り続けていた』
『彼女のビールマンが繰り出されるとその周囲は真空状態になり、カマイタチ現象が発生した』……等々。

「……すごい!やっぱりみんな努力してるんだ!」
偉大な先人の努力にすっかり関心してるプルだが、その作品は梶原三騎のトンデモエンターテイメントが
全力で散りばめられた世界なので、記述をそのまま鵜呑みにしてはいけない。
そこへCAPCOMの広報さんがやってきた。
「皆さんお持たせしました、他の方も今到着されましたよ!」
そう告げる広報さんの後ろに人影が見えた。


23:スポーツ好きさん
10/06/01 15:24:58 Qfa29gDF
さて、買い物もしつくしたし。早速ゲーム好きなあの人の元へ飛ぶべきか…
いやいや、今までの経験から宇宙人と絡んだ時はろくなことがない。
第一今の買い物疲れのぐったりした状態ではクワドでロシアに行ける自信がない。
「アタシってば練習では完璧なんだけど本番には弱いのよね。
うっかりオホーツク海に沈んだらそれこそ誰も助けてくれないまま、DIVAの出番が終わっちゃうわ」
そうだわ、ここは新境地を求めるべくスケ力を集中してなすがままに3Aを飛んでみるのよ。
きっと新しい出会いが待っているはず。思い立ったらすぐ行動。窓から華麗に3Aを飛んだ。
「あっいっけなーい。せっかく買った服や靴に着替えるのを忘れたわーーーー!!」
叫んで見てももう遅い。身体は宙を飛んでいる。服装は結局いつものちょっとよれよれの部屋着のまま。

「うわああああああああああ」
ジョニ子の着地と同時に悲鳴があがった。
どうやら誰かの背中に飛び降りたようだ。
「イタタタタ…ちょっとアンタしっかり受け止めなさいよ!」
勝手にやってきたくせにひどい言い分である。
そして起きあがった視線の先には普段以上に瞳孔を開いてジョニ子を見つめているPちゃんの姿があった。

24:スポーツ好きさん
10/06/01 15:41:19 Mq6ZDjq1
SWEチェコ組@IKEA。
今度はGo○gleパック○ンを発見して遊び出すADSLに、スパイラルクロスボンバーを見舞うヴィッキー&ヨシ。
「…いい加減にしなさい!やれやれ……うん、でも女子同士のペアもいけそうだよね、ねえ?」
割と涼しい顔のべるるんに、ちびっとばかり困惑してそうなトラとミハル。
ADSLがやっとアンサイク■の『スケ2』記事を開いたところで、彼の携帯が鳴る。ルトコフコーチからだ。
「うっす、師匠?」
「アドリアン、スケ3のCMの話は知ってるな?出演依頼が来た!………私に!」
さすが可愛いと大人気(実はおそロシアだがそこも魅力)なルトコフコーチである。
「マジっすか!?…ちょっとみんな聞いてよ、師匠がCM出るんだって!」
「はいぃぃ!?…」さすがに反応に困るべるるん、トラ、ミハル。
「スゲーな師匠、かっけー!俺撮影見に行っちゃうし!」
「出演料が入るからな、お前は資金繰りの心配などせず、アスリートとして励め!」
ちびっと涙ぐむADSL。…麗しき師弟愛。

25:スポーツ好きさん
10/06/01 17:01:20 lMoYxqNm
♪~♪。 クリスの携帯電話が鳴るが、肝心の本人はゲームに苦戦していて絶対に出ようとしない。
仕方なくキャシーが代わりに出ると、それは日本支部の広報からの電話だった。
「…クリス・リード様でしょうか?例のゲームについて、大変申し訳ございませんでした。直ぐ最新のものを
テストプレイして頂きたくLAの×××ー××××にてお待ちしております。」
「?……ワタシは姉のキャシーだけど。例のゲームって、送って来たあの出来損ないのやつ?」
「そのとおりです。申し訳ございませんでした。CM出演依頼の件に関してはどのようなお返事を……」
「CM出演?……あ!あの手紙!!ごめん!まだ読んでないわ!」

「どうしたのキャシー?」「たたたた大変よ!ワタシ達『スケIII』のCMに出演する事になったわ!!」
「ええ~~っ!」「で、でも!ゲームなんかで時間をとられて練習が…」「練習も兼ねてるじゃんかよぉ!」
大好きなテレビゲームとアイスダンスの練習が、一度に出来るのならばこんなに良いことはない!
クリスは有頂天になって舞い上がった。今までどんなに努力しても自分達が使えないインチキゲームに
無茶苦茶腹を立てていたことも、全部忘れて。
二人は準備を整えると、LAに向けて軽やかにミッドラインステップを踏んだ。

26:スポーツ好きさん
10/06/01 19:44:18 tC0JBkAq
「アハンアハンそうだよ。アハハハ。うんうん。アハンやだな。うんそうそう。うんじゃあね、まったね~」
ガチャン。
「しまった。また切っちゃった」
スケⅡを一緒にやってくれる女の子を探そうと電話→関係ない話で盛り上がる→ご機嫌に電話を終える。
この繰り返しを続けて早20数人。いつも電話を切った瞬間に本来の目的を思い出すのだ。
一人1時間以上の長電話のため、再び電話をするのはいささか気が引ける。
「ラウラも終了、と。さて次は…」
なぜか五十音順に並んでいる手元の女の子リスト。
さきほど電話を終えたラウラ・レピストの名前を二重線で消す。
(今度こそは繋がってすぐに、用件を言わなきゃね。女の子リストが終わっちゃうよ。アハンアハン)
Trrrrrrrrr Trrrrrrrrr ガチャ。
数回の呼び出し音の後に繋がった。
「もしもし、ジョアニー?僕だよ、ステファンだよ。アハン」

27:スポーツ好きさん
10/06/01 20:05:36 37m/ftNm
だん!!と、六人が囲むカフェのテーブルが勢いよく叩かれた。SWEチェコ組@IKEAである。
「あっサーシャ!用事は終わったの?待ってたよー!」7日に17歳の誕生日を迎えるヨシちゃんが
まだどこか幼げな笑顔を浮かべ、来訪者に声をかける。
「スケツー、スケスリを知らない?あなたたちそれでもフィギュアスケーターですか」
遅れてやってきたのは、ロシア生まれのアレクサンデル・マヨロフ18歳。SWE男子フィギュアスケーターである。
勿論彼も合宿に参加していたのだが、所用のため遅れての食事参加となったのだ。
「あ、っと……サーシャ、こっち座る?」
ボックス席のテーブルに、通路側からヨシちゃんADSLヴィッキーミハル、
同じく通路側からべるるんトラと向かい合わせで座っている。
ほんの少しだけべるるんの声が上擦ったのにトラは気づいたが、
何故少し気おくれした風だったのかまでは、よくわからない。
「こっちもあいてるよー。席広いからいいね!」
先輩二人に漂う妙な空気に気づいているのかいないのか、ヨシちゃんは天真爛漫だ。
マヨロフ(165センチ)はヨシちゃん(169センチ)とべるるんを交互に見て……
「失礼します」と、べるるんの隣に座った。

28:スポーツ好きさん
10/06/01 22:18:23 uTyAiCzM
「あらステファン、ごめんなさい、これから出かけるところなの。CAPCOWって会社から……もしかしてステファンにも手紙が来たの?」
「うんそうなんだジョアニー。でも僕スケツーってやったことなくて」
「私もよ。でもやったことなくても大丈夫ですって、TELして確認したわ。欧州は誰が来るのかしら? ステファン知ってる?」
「え、えーとね…」
今まで連絡をとった皆の名前をステファンは言った。
「欧州も楽しいCMになりそうね! 北米もがんばるわ。じゃあステファン、テッサとスコットが待っているの。またね」
「わかった、ありがとうジョアニー。バーイ」

29:スポーツ好きさん
10/06/01 23:59:00 Acg/DPOv
取り合えず、LA観光といっても話が纏まらなかった御三方。
結局腹が減ったので顔見知りのお寿司屋さんに行くことに・・・

「も~!連絡くれれば上物とっといてあげたのに!」
「そんな気ぃ使わなくても大丈夫だって。でも次からはメールするよ。」
「悪いね、突然押しかけちゃって。でもネタが新鮮だからうまいよ!」
「海鮮丼うま~です。」
ランチタイム終了間際にやってきた3人はすし屋の娘の未来ちゃんの計らいで賄い海鮮丼をご馳走になっていた。
「ところで未来ちゃんにもきたんでしょ?CMの話。」
「来たよ。でもペアの相手が分らないからちょっと不安」
「ペア?なにそれ?」
「手紙読んでないの?今度のスケ3はコンセプト変わってペアバトルだって!」
「嘘!マジで!!」
急いで手紙を確認する3人。
「・・・・ほんとだ。書いてあった・・・・(>>8参照)」
「て、いうか・・・誰も気づいてなかった?」
チームジャパンの天然度はハンパないようです。



30:スポーツ好きさん
10/06/01 23:59:58 ry9KwFkV
カフェで食事中のSWEチェコ組。
「それにしても、まさか選手より先にコーチに出演依頼が来るとはね」
「格闘ゲームの宣伝だからですかね?ルトコフコーチ、あれで武闘派だから」
「そういえば選手にはまだ依頼ないのかな…まさかコーチ単独ってことはないよね?」

バンクーバー五輪では、前衛的すぎるSWEクオリティで注目を集めたADSL。
あの不気味さすら漂うフリー演技のあと、キスクラでのコーチの満面の笑顔とはしゃぐ様子が
あまりに対照的だったのは記憶に新しい。
というか、べるるんとADSL二人のおかげで『SWE=変プロ』という認識になりつつあるし。

「師弟揃ってあれだけ個性が立ってれば、そりゃ目立つよなぁ」
そんなことを考えるチェコの先輩後輩。
「それを言うなら、先輩だって既に充分キャラ確立してますよ」
勇名トラとか本●日とか桜餅とか。
持ちネタ豊富なトマシュ先輩がちょっと羨ましいミハルであった。

31:スポーツ好きさん
10/06/02 00:10:28 m005i2Qw
ボケボケのチームジャパン、よく読めばわかるがペアバトルモードはスケファン待望のペア選手たちが登録されたということである。
全世界のペア&アイスダンスファンは、CAPCOWが公表した新技や設定に狂喜乱舞していた。
なおシングル選手のごくごく一部は、特殊条件を満たすとペアで使用可能となる。例えばジョニー&ランビ(隠しペア)


「俺、この打ち合わせが終わったら恋人に告白するんだ…」
「俺、娘の1歳の誕生日なんだ…」
「お前らもっと死亡フラグ立てろ、じゃないとマジで死ぬぞ…」
なにかひどいことを言っているのはロシア支社所属の社員たち。実はこのPRのために新たにロシア支社を作ったのだ。
何故かって、ロシアのメインCMはプルシェンコVSヤグディンだからだ。
「ブリザード対策は万全か?」
「どうやって対策しろっていうんだよ……」

32:スポーツ好きさん
10/06/02 00:15:40 yig25oqE
ジャンプ一つで世界を回れることに大いに満足している、信成のご先祖様こと、第六天魔王信長。
この力があれば、天下統一はおろか世界統一まで出来たのではないのか?という考えが。しかし。
スケート自体が信長の時代に出来たばかりなので、フィギュアのジャンプはそもそも信長の時代に
使うのは当然無理な話である。かくして信長の野望は儚く消えた。

「…………また良からぬ事を考えてますね?いいですか、今は戦国時代じゃないんですよ。勝手に戦争を
起こしても世界は統一できません!」
自分のご先祖様に、とうとうと平和を説く信成。それを黙って聞く信長。
勿論信成の頭の中での出来事だ。ハタから見ると目を閉じた信成は何もしていない。

「のぶ君?のぶ君ったら!何ぼけっとしてるの。早くLAへ飛ぶのよ!もう~~っ!」
気がつくと美姫が不思議そうに顔を覗き込んでいる。

二人は先ほど、間違ってカナダに自爆したのだった。

33:スポーツ好きさん
10/06/02 00:34:26 4p6xSw9T
ブリザード対策におびえるロシア支社。
「…そういえば、プルシェンコさんはもう来てるんだっけ?」
「ああ、ヤナさんやスルツカヤさんと一緒に応接室にいるよ」
「こうなったら、スルツカヤさんとヤナさんが頼りだな」
「なんとか被害が拡大しないことを祈るよ……」
対策と言っても結局天に任せるしかないらしい。

「主任、只今ヤグディンさんが到着されたそうです!」
「そうか…では広報さんに連絡してくれ」
これから吹き荒れるであろうブリザードに対して、ぐっと身構える社員達だった。

34:スポーツ好きさん
10/06/02 00:38:07 5f8ndvdN
「つまり、スケツー……フィギュアスケーターⅡとはこれのことです」
ミハル持参のノートPCをADSLから借りて、マヨロフはその場にいる全員に解るよう
画面を見せた。ページをスクロールしていきながら説明をする。
キャラクター紹介に差し掛かると、素直に皆で歓声を上げる。
「トマシュさん欧州のトラさんなんですね!」「あ。ミハルくんもいるー……実は女の子だったの?!」
「……僕、吸血鬼?なんで?」「俺ヒットマンだって!すげー!」
「で、スケスリはこのスケツーの次回作で……>>8になります。」
適切で解りやすい説明に、六人はマヨロフに拍手を送る。
「ってことは師匠が欧州CM担当ってことかーへー」
そういえば08年のイエテボリワールドでは、先輩の写真が使われてる広告ばっかりで、
俺全然目立たなかったっけ。そろそろ俺だってこういう依頼が来てもいいはず!
ADSLは考える。ルトコフコーチにお願いして、一緒に参加させてもらえないかなー

その時だ。聞いたことのある声が、七人の和やかな空気に割り行った。
「ルトコフコーチはCM出演に選抜された人間のうちの一人にすぎないわよ」
その声の主とは……

35:スポーツ好きさん
10/06/02 01:08:25 yig25oqE
崇彦がPCで『スケIII』最新情報を調べた。
「……いや違う。ペア&アイスダンスの選手が使えるようになっただけで、シングルの選手はそのままだ。
何か条件を満たせばペアも組めるかも、という隠し要素があるだけだ。だから未来ちゃんはペアの相手とか
いないから、安心して」
「なぁんだ……私てっきり……組めるんだと…………」「…誰と?」「………秘密(赤面)」

36:スポーツ好きさん
10/06/02 01:27:22 4p6xSw9T
ちなみにロシア支社の広報さんは、支社内でもきっての有能かつ美人と評判である。
彼女がスケⅢ担当になったのは能力はもちろんだが、プルとヤグの対ブリザード対策としての
ロシア支社の涙ぐましい努力の一環なのは言うまでもない。

37:スポーツ好きさん
10/06/02 07:40:21 yig25oqE
「でもさ。案外未来ちゃんとかは隠し要素でペア組んだりするかもね♪なんか少しアメリカと日本チームと
合同で撮影する事もあるっていってたし」
大輔はマティーニを飲みながら行った。LAの寿司にはマティーニがよく合う。
「……え~ホントですかぁ~!それ、少し期待しちゃっていいんです?」未来が瞳を輝かせた。
「たとえば、真央と未来の女の子ペアなんて、ゲームなら皆ちょっと使ってみたいと思わない?どう?」
「……………え~~…………そういう意味、ですかぁ………」
そういう意味じゃないんだけどな。まぁ、いいかぁ……。
まだまだ時間は余裕なので、三人は未来にお礼を言って街をぶらつくことにした。

38:スポーツ好きさん
10/06/02 08:01:42 Ksi14Rcz
「やだ、アンタどうしてこんなとこに」
「それはこっちの台詞だ!」自分の背中を椅子代わりにしたままのジョニ子に、Pちゃんは立ち上がって抗議した。
「痛っ! もう、アタシはDIVAなんだから、もっと紳士的に扱いなさいよ」
「人ん家の屋根突き破った奴を丁重にもてなせなんてマナー、僕は知らないね」
指差した上には、穴の空いた屋根。足下には、スケート靴や練習着、ゲーム機に教科書に…色々なものが散らばった部屋。
「え、まさかここ… アンタの家?」
「そうだよ。で、何の用だ」折角の気分を家諸共ぶち壊されたPちゃんの怒りは、相当なものである。

39:スポーツ好きさん
10/06/02 09:24:10 4p6xSw9T
ロシア支社の広報さんは有能だった。そしてイーラとヤナは機転が利く人だった。

応接室にヤグディンを通した途端、予想通り室内の気温が下がった。
「なんだ、遅れてた共演者ってキミだったんだ……それなら待つ必要なんてなかったのに」
「そりゃあお前と違って、俺様がこないと話にならないからな」
さっそく吹き荒れ始めるブリザード。床は既に氷が張りかけた…が。
「…っくしゅん!あらすみません、私としたことが素敵なお二人の前で恥ずかしいわ!」
「あら…何だか寒くなってきたわね?」「どうしたのかしらね…今日は私薄着だからとても寒いわ」
わざとらしくくしゃみをする広報さんと、これまたわざとらしく寒そうにするイーラとヤナ。
それを聞いてブリザードがパタリとやんだ。さすがに女性3人を寒い目にあわせるわけにはいかない。
こういうところでは意見一致するプルとヤグだった。

「それでは今から今回の依頼についてご説明しますね」
にっこりと素敵な笑顔で笑う広報さん。
その前のソファーにはヤグ・イーラ・ヤナ・プルと座っている。ウィルス編で二人の対ブリザード対策であった美女緩衝材である。

「…すごいです主任!広報さんがブリザードを封じています!!」
応接室にお茶を運びに行った社員が慌てて報告しに来た。
「そうか!さすがはうちのNo1広報さん!!」
「やった!俺たちまだ生き残れますね!!」
涙を流して喜ぶロシア支社スケⅢ担当チーム一同であった。


40:スポーツ好きさん
10/06/02 09:33:28 yig25oqE
有名な観光地LAハリウッドとはいえ、ちょっとメインストリートを外れると治安の悪い所がまだある。
皆さんも観光に行く際には十分気をつけよう。というところで、大きな町には大抵いる不良青年の群れが
近づいてくるのが見えた。男達はどうやら可愛い真央に目をつけたようだ。
慌てて真央を庇う大輔と崇彦。しかし体格でかな~り劣る二人は、奴等の眼中にはないらしい。
真央を強引に掴もうと、連中の一人が手を伸ばした時。チンピラにナメられた大輔の頭の中のスイッチが入る。

その次の瞬間。……絡んで来た不良共は全員、床に寝っころがってノビていた。
「………ふん!馬鹿にしやがって!」パンパンと両手を払いながら大輔は呟いた。
「大ちゃん、ヤバいよこれ………」お陰で危機は去ったが、一般人をノシてしまうのはどうかと…。
「…あ!こんなに人だかり…大ちゃん、たかちゃん、逃げるよ!」真央は二人の手を引いてステップを踏む。

41:スポーツ好きさん
10/06/02 10:45:09 4rYuTY59
その頃日本では練習に励む佳菜子の携帯が鳴った
「CM出演依頼なんてのが来たんだけど、まさかドッキリじゃないよな?」
「あっ、やっぱりゆづのとこにも来たんだ」電話の主は羽生だった
「ってことは加菜子のところにも?」
「うん!遥や町田君のとこにも来たらしいよ。あたしもビックリして、確認したの。何でも日本では若手編っていうバージョンを作るんだって!それに特強に指定されたあたし達が選ばれたってわけ」
「そうだったんだ~てっきり憧れのプルシェンコさんと共演出来るのかと思ったけど、それは無理かな・・・」
「どうなんだろうね。でも若手編だから、やっぱりそういう相手になるんじゃない?あたしはロシアのポリーナ選手とまた戦いたいな!」
「そっか、そうだよな。じゃあ僕はシニアに上がる事だし、デニス・テン選手とビールマン対決希望!」
急遽決定したこの若手編CM、どのように製作されるかは未だ未定のようだ

42:スポーツ好きさん
10/06/02 12:08:13 y8NQmRh1
ステップを踏もうとしたその時。真央達の前に何者かが立ちはだかった。
LA警察だった。
人だかりが出来るほどの騒ぎということもあり誰かが通報したのだろう。
そのまま連行されてしまう。
「タカちゃん、真央達どうなっちゃうの?」
「うーん、理由を話せば正当防衛ってことだしわかってもらえると思うけど」
「よくあるLA警察24時みたいなので放送されたりせえへんか?」
「あーっあれ面白いよね。真央、ついつい見ちゃう」
「俺も。放送されるんならもっとかっこいい決め技見せればよかったかな」
「大丈夫だよ、あのステップなら短くても絶対大ちゃんってわかるって」
そんな暢気な会話をしているうちにパトカーは警察署へ着いた。

一応小塚の説明のおかげで正当防衛とはわかってもらえたものの完璧に顔バレしていた。
なんとかCAPCOWの広報担当者を引受人にしてもらうことで解放してもらえたはいいが……
(困ったなあ。こんなに迷惑かけちゃって…どうやって謝ろうか…)
さっきから背を向けて歩いている無言の担当者の背中を見ながら小塚は思う。
「あのー…」
言ったと同時に担当者が振り返る。
「皆さんの行動がちょっと問題になってまして……今回のCMの件で日本チームの参加を見送ろうという話があがってまして」
(あーやっぱり……)
「すみませんでした。僕がしっかりしてないといけないのに…」
「いや、こちらも担当者を誰かひとりつけておくべきでした。
で、その参加見送りの話を回避する策を私が考えているんですが協力していただけますか?」
「策?」
このままでは他の日本チームどころか他の国にまで迷惑がかかってしまう。
イヤな予感がしないでもないが、ここは頷くしかない。


43:スポーツ好きさん
10/06/02 12:32:59 yig25oqE
「……映画化?」「ええっ、本当ですか!」「なんでまたそんな大きな話に…」三バカ…いや三人は驚いた。
参加見送りを回避すべく、CAPCOW広報が出した答えだった。ゲームを宣伝する映画を作ろうというわけだ。
勿論大作映画というわけではないので、比較的簡単に出来るだろう。
ニッポン人の仕事っぷりは、早い!綺麗!丁寧!で世界でも有名で知られている通り。
しかもスケーター達のスケート力のお陰で、CG効果等の処理が殆ど必要なくなり、スタントマンを雇う必要も
無く、かなりのローコストで製作できる。早い!綺麗!丁寧!しかも低価格!である。

「どうです?やってみますか?勿論やりますよね?」口調は丁寧だが、なんだか腹黒くないか?広報。
「やります」………三人は力強く答えた。


44:スポーツ好きさん
10/06/02 12:35:58 4p6xSw9T
広報さんによると、ロシアでは第一弾CMは「プルシェンコvsヤグディンの宿命対決」をメインに行くそうだ。
その後第2・第3弾の展開も…ということらしい。既に後続CMの出演者の選考に入ってるとか。
ギャラその他難しい話にヤナが対応するかたわら、プルはようやく渡されたβバージョンを、先ほどまでとはうって変わってご機嫌でプレイしていた。
テストプレイは全員そろってから…というのは、ブリザード対策でもあったのだ。
ちなみに現在プレイしているのは噂のペアバトルモード、選択したのは川口悠子&スミルノフ組である。
画面の中で彼等の必殺技「4回転スロウジャンプ」が対戦相手に大ダメージを与えていた。

「…というわけで、皆さんにはCM出演ならびにPRイベントでデモプレイを行って頂きたいんです」
「イベント…ですか?」広報さんにイーラが尋ねた。
「ええ、発売日にはCAPCOW各支社合同で大規模なイベントを行いますので、そこで各国スケーターの皆さんに特別仕様の機材を使って頂きます!」
「特別仕様?…これとどうちがうの?」ラウンド勝利したところで、プルが画面から目を離した。
「難しい話はわかんねぇから、手っ取り早く説明してくれよ」とヤグディン。
「そちらはあくまで家庭用なんです。当日使うものはゲームセンターやイベントで使うことを目的に作られた、新しいスタイルですよ」
実物は開発室にありますので…ということで、4人は広報さんの案内で開発室へ移動した。

45:スポーツ好きさん
10/06/02 12:51:35 yig25oqE
「ハ~イ♪みんなお久しぶり~。あとはノブとミキを待つだけ?」
LA内日本支部では、駆け付けたキャシーが出迎えてくれた。クリスはテストプレイにどっぷりハマり込んでいる。
「へ~え!これが最新作かぁ…」崇彦がテレビ画面を覗き込んだ。悪魔と天使の衣装を着たリード姉弟が、華麗な
バトルを繰り広げていた。2PのCPUはどこの国のペアのカップルだろうか。背景に寒々とした山脈が見える。
よく見ると、体力ゲージがシングルの選手に比べて倍になっているらしい。ペアは必殺技、アイスダンスは
無敵技に長けていた。
「俺達、体力はあるけど、な~んか技?ていうか必殺!みたいなやつ、少なくないか?も少し強くなんねぇ?」
クリスはゲームをしながら喋っているので、言葉が適当だ。
大輔と真央もテストプレイを観戦する事にした。聞くと、シングルの選手達も大幅にパワーアップしているらしい。

46:スポーツ好きさん
10/06/02 13:59:10 X95zSh/B
「ルトコフコーチはCM出演に選抜された人間のうちの一人にすぎないわよ」

カフェのSWEチェコ組。誰かにそう声をかけられ、顔を上げてそちらを見た。
「メデュ…」と言いかけたADSLに、ヴィッキーがSWEロールの旗をプツッと刺して黙らせる。
「やあ、キーラじゃないか?どうしてここに…」
歩く、いや滑る『広告塔』、北欧美女と言えばまずこの人、キーラである。
「クリストファー、みんなも、お久しぶり!ヨシちゃんとサーシャはお初だったかしら」
失礼、とキーラはマヨロフの隣に腰掛けた。マヨはちょっと緊張しながら話しかけた。
「キーラにもCM出演依頼が来たんですね?…ああやっぱり。当然ですよね」
「じゃ、ラウラもですか?」向かいのヨシちゃんが身を乗り出す。
「ええ、そうよ。…私は、なんか北欧勢が集まってるみたいだから(スケパシー)、ここに跳んで来たの。
 この中で出演依頼を受けた人はいるの?」
「俺と、後輩のミハルが。…あっそっか、SWE組は合宿だったろ?自宅に依頼状届いてるんじゃないか?」
一方ヴィッキー&ヨシはPCを引き寄せて、再び『スケ2』記事に見入っていた。間のADSLが迷惑そうにしている。
「お姉ちゃんと私はキャラに入ってないっていう…」
「そうだね…ねえ、この記事はスケツーでしょ?私たち、スケスリには出てるのかなあ?」

47:スポーツ好きさん
10/06/02 14:06:38 4p6xSw9T
案内された開発室で広報さんに特別仕様の機材を見せられたロシアチーム一行。
見せられたのは彼等の知っているゲーム機とはまるで違っていた。
大型モニターと本体部分はあるが、コントローラーの類が見当たらない。
その代わりに突起のついたいろんなサイズのベルトらしきものと、ゴーグルのようなものが置いてある。
「何だこの変なベルトみたいなのはよ?」「これを使ってやるの?」
「画面も大型テレビだけだし…どうやるのかしら?」不思議そうな3人に広報さんが説明する。
「特別機材はこのベルトとゴーグルをつけて操作するんです…ちょっと試されますか?」
「あ、僕やってみる!」名乗りを上げたプルがさっそく試してみることに。
手や足にベルトを付けて、ゴーグルを被ってみると…目の前にリンクが広がっていた。
周囲には大勢の観客がサッカー場か闘技場のような歓声を上げている。
「ええ?これ一体どうなってるの?!」周囲の光景に驚くプル。大型モニタにはリンクの上に立つプルの姿が映っている。
「こちらが特別使用の「バーチャルリアリティモード」です。この装置をつけると体の動きがトレースされて、自分が実際にゲームの中に入ったような感覚で操作できるんですよ!」
試しにその場で軽く2Aを飛んでみると、画面の中のプルも同じ動きでジャンプした。
「今はまだ一人分しかありませんが、当日までに人数分用意しますよ!」
「…ねぇ、だったらこれひとつ欲しいなぁ?」
お願い。と必殺の上目遣いで広報さんを見つめるプルだった。

48:スポーツ好きさん
10/06/02 14:23:13 yig25oqE
「真央なんかあんな不良連中と比べたら、凄い強いのにさ……別に守る必要なんてなかったじゃん」
あんなしょうも無いチンピラを倒してお縄になった事に、まだ納得していない様子の崇彦。
「お前さ、……女の子が自分で自分守れるっつーなら、ほっとくの?俺は嫌だねそういうの」
大輔がしれっと言う。
ん~………だから。俺達スケーターは、半端無しに強いんだって。一般人は赤ん坊みたいなもんで…。
上手く言えない。でも先輩の言う事も、もっともかもしれない。崇彦は黙ってゲーム画面を見つめた。

49:スポーツ好きさん
10/06/02 14:23:40 I1xQUdO0
ジョニ子から屋根を破壊するに至った経緯を聞き、あまりの無計画さにPちゃんの瞳孔は閉じる気配がない。
「だいたい・・・北米CMなのにまずロシアに行っちゃダメでしょう!」
「・・・しょうがないから、一緒に北米支社まで行ってあげてもいいけど」
散らかった部屋の中から荷物を引っ張り出しながら独り言のように言って顔を上げると

・・・ジョニ子は聞いていなかった。
「まぁ、パトリックでもいいか。あなたもCM出るんでしょ?私と練習に行くわよ」
「・・・え?!ちょ、ちょっ・・・どこ行っ・・・待って!」

哀れPちゃんトラブルメーk・・・ゲフンゲフン、DIVA組にめでたく合流。
いつになったらジョニ子は真面目に北米支社に出向くのか。
後から派手に登場しようと企んでるんだろうが・・・大抵トラブルになるだけだぞ!

50:スポーツ好きさん
10/06/02 14:55:04 X95zSh/B
『SWE組が合宿で留守の間に、自宅に依頼状が来ているのでは?』というトラの意見。
「そうかもしれないね…とりあえずみんな一旦帰宅して確認しよう。
 その後また連絡を取り合おうよ、メールでも、またここに集まってもいいし…
 じゃあ合宿お疲れ様でした!解散!」
べるるんの言葉に、いそいそと割り勘を済ませて帰り支度のSWE組。
「俺らも帰るか」ということでトラとミハルも席を立った。

…どーーーん!
「お待たせ、ちょっと長電話になっちゃって…あら、みんなは?」遅れてやって来たラウラだ。
カフェのボックス席には、キーラ一人がぽつんと頬杖をついて待っていた。
「まだ出演依頼来てるかわからないんですって。確認しに帰ったわ」
「せっかく来たのに帰っちゃったの…私たちどうする?」
「そうね、CAPCOWユーロに出向くまで、まだ日があるし…」

51:スポーツ好きさん
10/06/02 15:03:04 yig25oqE
ゲーム観戦中の真央は、『スケIII 』サンプルのパッケージを読んでみる。

{バトルモード お馴染の対戦モード。チームバトルも加わり、通信対戦が熱い!}
{RPGモード ダンジョン探索モード。モンスターを倒し、宝箱を開けろ!}
{無双モード 体力ゲージの続く限り、無限に出てくる敵を倒しまくれ!!}
{タイムアタックモード 時間の限り、お題の物を破壊せよ!}
{トレーニングモード 君にぴったりの師匠の元で、戦いのスキルを磨こう!遠慮はいらないぞ!}

「へえぇ……なんだかよくわからないけど、楽しそう…。私にも出来るかな」

52:スポーツ好きさん
10/06/02 16:07:20 X95zSh/B
ADSLは気をはやらせながら自宅に急いだ。
(…ってか何で師匠がCMに?スケスリにも出てんのかな?師匠が出てんなら俺も出てるはず。
 て事は…まさかCMで鬼組手の再現をやらされんのか!?…まあ資金のためだ、何だってやるぜ)
べるるんも自宅に向かいながら考えていた。
(僕はスケスリに出ているんだろうか…アドリアンやサーシャは出ていそうだけど…
 そういえば僕はスケツーでは『吸血鬼』とかいう設定だったっけ?)
はたしてCM出演依頼状は来ているのか?

53:スポーツ好きさん
10/06/02 18:11:25 yig25oqE
「あ、浅田さん。まだ正式ではありませんが、こういう設定もあります。チームジャパンはこれですね」
広報さんが仮印刷された説明書の紙を、真央に持ってきてくれた。

 {RPGモード}:戦闘タイプ(全員に共通するものはのぞく)
    大輔:戦士&騎士系
    崇彦:賢者&レンジャー系
    信成:侍&召喚士系
    美姫:モンク&魔術師系
    真央:???&???
    キャシー&クリス:吟遊詩人&ギャンブラー系

「あれ。なんで私だけ???になってるの?まだ決まってないのかな?」不思議に思いつつも紙を崇彦に回した。

54:スポーツ好きさん
10/06/02 19:01:22 wz/0ZJ8O
その頃サンクトペテルブルグのとあるリンク。
「ユウコ!これを見てくれ!!」
何やら紙を持って駆け込んできたのは、アレクサンドル・スミルノフである。
「どうしたのサーシャ?」リンクに先に降りていた悠子が訝しげに尋ねた。
「CAPCOWから手紙だよ!スケⅢのPR活動の依頼だって!!」
「あら?それならプルシェンコさん達が担当じゃないの?」
「それが今度はペアバトルが入るから、第2弾CMで出演して欲しいらしいよ。新作発表イベントは全員で参加して欲しいって!」
新作がペアバトルモードが売りとなれば、ロシア支社としては現ヨーロッパチャンプの二人にも注目するのは当然の動きである。
ひとまず担当者の話を聞く為に、二人はロシア支社に向かう準備を始めた。


55:スポーツ好きさん
10/06/02 20:29:50 1Bm9+JJI
アメリカ某所。 なが~~~~いアイスショー行脚を終え、アボットはやっと自宅に帰りついた。
「久しぶりだよマイホーム! あれ、なんか郵便が来てるな・・・」

もちろんその郵便はCAPCOW北米支社からのPR活動依頼であった。
全米チャンピオンの僕がアメリカ代表ってこと?ヒャッホー!! と胸踊るアボット。
「えーと、新作にはペアバトルが入るのか・・・メリル(やチャーリー)も呼ばれてるのかな♪
しばらくオフタイムだしユカとも離れて羽根を伸ばせそうだな :) 」

・・あれ?メールだ。
『to ジェレミー
 長旅お疲れ様^^ もう自宅に戻った頃かしら^^ 
 ところでジェレミーのところにはCAPCOWから何か来てる?
 私のところにはなんか新しいゲームとやらのCMのために北米支社に来て下さいってお手紙が来てるんだけど^^
                                                               from ユカ ^^ 』

「・・・・・・・ノオオオオオオオ!!」
せっかくのオフタイムワクワク計画が一瞬で終わった哀れな弟子の叫びが静かな街中に響き渡るのであった。

56:スポーツ好きさん
10/06/02 20:52:08 CcPHJEi0
ジョアニーにあっさり電話を切られてランビはちょびっとだけショックを受けていた。
(用件のみであっさり終わっちゃうなんて・・もっと話したいことがいっぱいあったのにな。
お部屋にお邪魔したり他にも女の子をいっぱい呼んだり、このゲーム難しいねって言いながらみんなでアハハウフフする予定だったのに・・・)
女の子リストを見ながらため息をつく。リストアップして電話をかける前は
あんなに心が弾んでたのに、いざ全員にかけ終わった後に残ったのは寂しさだけだった。
(また初めからかけ直そうかな。即留守の子もいたからその子達を先にしようかな。
でもしつこいって嫌われたらイヤだしな~。そういえばお腹すいたな~)
時計を見る。そこで初めて20時間以上電話をし続けていたのに気付く。
もう遊んでる時間はなかった。
そろそろ欧州支社に行く準備をしなければならない・・・ひとりで・・・・・・

57:スポーツ好きさん
10/06/02 21:39:45 yig25oqE
真央はパッケージの説明書を開いて読んでいた。

{今回追加された新たなバトルモード!}
チームバトルモード:シングル選手4~6人で「チーム」を作り、一度に1~2人づつ戦うモード。選手入れ替えは
 体力ゲージがあるかぎり自由に選択出来る。チーム名は自由に付ける事ができる。付けないと自動的に名前が付く。
 「超必殺技」時には、生き残っている選手全員で行うので、人数は沢山残っているにこしたことはない。
タッグバトルモード:チームバトルの一つで、二人のシングル選手がタッグを組み戦うモード。
 勿論ペアとは別物。(>>29の未来はデモでこの画面を見て、ペアと勘違いしたらしい。)
 タッグ名は自由に付けられるが、付けなければ自動的に付く。組み合わせによって出る必殺技も色々。

「タッグ名……?それじゃ、たとえば私と未来ちゃんとかだったら何になるんだろ……?」

58:スポーツ好きさん
10/06/03 00:14:52 aLW/4pox
プルのおねだりに対してヤナ姐さんと広報さんによる交渉の結果、イベント後に機材一式譲り受ける事で話がまとまった。
ひとまずこれで宇宙人もおとなしく依頼をこなしてくれるはずだ。
「そういえばこれって、世界各国で宣伝するんだよね?…他所は誰がやるんだろう?」
「さあ…私も他のところは知らないわね。」
「俺も知らなぇな…他所には興味ないしな」
残念ながらイーラもヤグディンも知らないようだ。
「ジェーニャ、気になるなら誰かに連絡を取ってみたら?」
「そうだなぁ…ちょっと聞いてみるよ。」
プルは携帯を取り出すと、早速どこかへと電話をかけ始めた。

59:スポーツ好きさん
10/06/03 00:59:53 c4Y5a619
何がなんだかわからないままジョニーに引きずられるPちゃん。
過去スレでもあまりDIVAと絡んだことがないからちょっとドキドキしている。
無理矢理な態勢で引きずられてるから自然と息も上がってきた。きつい。ちょっと待て。歩かせろ。
「ジョ…ハァハァ……ジョニー一。とりあえず行き先くらい……言って…」
「え?うっさいわね。ヤダ、あんたなんでそんなに顔が赤いのよ。息も荒いし。
ははーん、さてはアタシのこと実は好きだったのね」
「ちっ違うっ」
Pちゃんの瞳孔が更に開いてその奥が光った。

60:スポーツ好きさん
10/06/03 01:28:36 8Dy5p24X
広報担当の映画の説明をぼんやり聞きながら崇彦は考えていた。
「(しかっし、警察沙汰になった人間をCMから下ろすのは分るけどその代替えが映画出演って何なんだろ?)」
お縄になったこともそうだが、その後のゲーム会社の動きもなんだが腑に落ちないというか・・
そんな時、崇彦の携帯が鳴った。
「(この着信は!)ちょっと失礼しま~す。」
そういって廊下に出て行った。
「プルシェンコさん?お久しぶりです。」
「やあ、元気だったかい?早速だけどスケ3のCMの以来来たかい。」
「ええ、来ましたよ。」
二人で自分達のCMの内容の話でしばらく盛り上がる。
「へぇ~、ロシアはヴァーチャル体験できるんだぁ~すごいですね~。」
「そっちこそCMが映画に代わるなってすごいじゃない!怪我の功名ってやつかい?」
「ちょっと意味違うけど・・・」苦笑する崇彦。
「・・・なんだったら、一緒にやらないかい?」
「え?・・・まさか・・・」
「そう、ヴァーチャル機器で映画をやっちゃうの!」
「それは!・・・・大丈夫ですか?僕達が勝手にそんなこと。」
「僕達フィギュアスケーターが動けばその流れは誰にも止められない。君もよく知ってるでしょ?」
「う~ん、そうですけど・・・・でもやってみる価値はあるかも。」
「じゃあ、ロシアの方は僕で何とかするから、撮影の日取りが決まったら教えてくれる?」
「分りました。でも日程が間に合わなかったら?」
「大丈夫。毛皮の貴婦人ががんばってくれるよ。」
「万全ですね。」
「そういうこと。それじゃまた連絡するよ!」
「分りました、よろしくで~す!」
さすが27歳児、やることが違う
そう思いながら再び会議に戻る崇彦であった。

61:スポーツ好きさん
10/06/03 02:46:35 oyvEi/WW
映画会議も順調に進んでいた。ロシアチームとのゲーム内での合同撮影もあっさりと予定に入った。
「そうと決まったら、今のうちに皆さんゲームに慣れといてくださいね♪」やけに楽しそうな日本支部広報。
なんか怪しい、とは思ったものの、崇彦はプル達との約束が楽しみだったので、秘密にしておくことにした。

早速テストプレイで、クリスと対戦してみることにした大輔。あまり考える事も無く、適当に自分を選択する。
案の定圧倒的にゲームスキルのあるクリスに一方的にやられ始めた。
「……コレちょっと俺には難しいわ……」大輔は自分が暴れた方が手っ取り早いかもしれない。
「タカ、ちょっとやってみ?」キャラクター選択画面で崇彦を選び、崇彦にコントローラーを手渡す。
「え?俺が俺使うの?」「うん。なんで?」「ええ~~っ……なんだか恥ずかしいや、照れるよ……」
結局崇彦は、無難に大輔キャラのままで対戦をすることにした。センスがあるのか操作にはあっという間に慣れ、
クリス操作のリード姉弟を圧倒するようになってきた。焦りだすクリス。

崇彦が、日本支部広報から教えてもらった特殊コマンド入力に成功した瞬間。ゲームキャラ・大輔の3Fが
ヒットし、ゲームキャラ・リード姉弟が分離した。画面には大きく数字で『10』からカウントダウンが始まる。
「え~~~~~っこ、これどーなってんの!!ちょっと!キャシーが!ダウンしたまま起きないんだけど!
ていうか、ダイスケ!ダウンした俺に追い打ち攻撃しまくり!マジ!止めて!止めて!」
観戦している大輔は、なんだか自分がクリスを虐めているようでちょっと悪いような気がしてきた。

カウント『0』。……"2P WIN" 体力ゲージがまだ少し残っているのにもかかわらず、リード姉弟は負けた。
「ノォーーーー!おかしいよこれ!ちょっと!どうなってるんだよ~~~~」
「これがアイスダンサーゆえの『負け方』の一つです。他にも、『靴ひもが解ける』『ブレードが折れる』等、
普通にはない条件下で負ける可能性も今回のゲーム要素に含めました。」
丁寧に説明してくれる日本支部広報だが、クリスの頭の中はブスブスとくすぶったままだった。

62:スポーツ好きさん
10/06/03 08:26:29 8Dy5p24X
しかしジョニ子はいったいこれからどこへ行く気なのか?
それが知りたいPちゃんは思い切って聞いてみた。
「どこへ行くかって?そうね~・・・武道ができるコーチがいいから、SWEかしら?」
「は?SWE?」
「たしか、アドリアンのコーチが武道に嗜みがあるって小耳にはさんだの。修行にはもってこいじゃない?」
「そ、そうかな~」
「そういう訳だから出発~!!」
「うわ~!!ジョニー、僕わまだ・・わあああああ!!!!」
Pちゃんの意向を完全無視してジョニ子たちはSWEに跳んだ。

63:スポーツ好きさん
10/06/03 08:27:29 M6E61+Ub
ジョニ子「そういえばパトリック、アンタツンデレだったわね!」
P「ツンデレ!?何言って」
ジョニ子「アタシのこと好きなら素直になりなさいよね!薔薇冠も欲しかったんでしょ?今度作ってあげるわ♪」
P「話を勝手に進めるなよ!」
どこまでも押されっぱなしのPちゃん。自分だけではジョニ子を止められない。
P「練習行くんだろ、跳びますよ!」
言うが早いかPちゃんは練習中の4Tを跳んだ。
誰か俺を助けてくれ!

64:スポーツ好きさん
10/06/03 09:36:43 oyvEi/WW
「ど~してこんな所に飛ぶのよ~~……まじありえない!」「…………ごめん、美姫ちゃん…ううっ」

美姫が怒るのも無理はない。此処はアリゾナ州、グランドキャニオンのど真ん中。
信成の、カナダからのジャンプ自爆である。アメリカには間違いないが、LAからは遠く離れていた。
「あたしの!あたしのLA行きを!ハリウッド女優への道を……どうして貴方は、閉ざそうとするの?!」
何時の間にか女優になる為の旅になっちゃってるし。
信成は、自分勝手に行き先を決めたがる、自分のなかにいるご先祖様を説得しようと必死になっていた。
「まことに良い眺めではないか!ははは!」「………ふざけないでください!僕達はLAに向かってるんですよ!」

「のぶ君?のぶ君本当はふざけてるんでしょう?真面目にやってくれないと困るのよ!」
一瞬ギクリとして美姫の方に振り返った信成は、今にも…………な状態寸前だった。
(や、やばい!あたし今凄くやばい状態?!どうしようどうしよう)
焦った美姫は直ぐ覚悟を決めた。なにしろ此処は大峡谷のど真ん中である…逃げる場所など何処にもなかった。
とりあえず何時自分が気絶しても良いように、寝袋を足下に敷き詰める。そして力一杯耳を塞いだ。

凄まじい大音響が峡谷中に響き渡り、浸食した地層がボロボロ砕け、崩れ始めた。
信成の、溜まりに溜まった熱い感情が、堰を切って一挙に溢れ出す。…そう、皆さんご存知「大号泣」である。

(いやああぁああぁああぁああ………)
声にならない誰かへのSOSをスケパシーに託し、美姫は静かにその場に崩れ落ちた。

65:スポーツ好きさん
10/06/03 10:36:14 Ee0n+eH5
一方ロシア支社。
「実はゲーム発売に先駆けて製菓会社とタイアップ商品を発売するんです」
広報がプル達に商品を見せた。
「『フィギュアスケーターポテトチップ』?」
「へえ、オマケにカードがついてるのか」
ヤグが試しに一袋開けると、金色に輝くWinter衣装の自分のカードが出てきた。
金・銀・銅のメタリックカードは勿論レアカードだ!
ちなみに当たりカードが入っていたら特製カードファイルが貰えるぞ!

66:スポーツ好きさん
10/06/03 11:01:28 2v6F1akw
不安定な態勢のまま飛んだ4T。無事着地はしたがここはスウェーデンだろうか。怪しい。
辺りは木々に覆われ自然いっぱいだ。
「スケパシーを使ってもいいけど…
『未知の場所に辿り着き新たな困難に立ち向かう2人』なんてのもドラマチックよね。さ、行くわよ」
「ど、どこへ?」
さっきから同じセリフばかり言ってないか?俺…
「なに言ってんのよ、人がいる所に行かなきゃ新たな困難も生まれないでしょ」
「いやいや困難とかいらないし、それにCMのこともあるから戻らないと」
DIVAに振り回されるのに慣れてないPちゃんはどうしていいかわからなかった。
そんな2人の耳にカウベルの音が届いた。

67:スポーツ好きさん
10/06/03 14:18:45 4F8+Cn+C
カランカランカランカラン…
「アハン、ありがとうみんな、僕のために…」
一人さびしくCAPCOW欧州支社に旅立つランビを、カウベル隊が見送りに来てくれた。
だが見送りはここまでだ。ここからランビは1人で行かなければならない。
「何あの音?ちょっと…ステファンじゃない!?」
ジョニ子が走って来た。Pちゃんがあわてて後を付いて来る。
「ジョニー!それにパトリック!ねえちょっと聞いて欲しいんだ、僕ね…」
「アンタがいるってことはここはスイスね?パトリック!違うじゃない!」
ランビを無視して怒るジョニ子、Pちゃんはとにかくなんとかしなきゃ、と気を奮い立たせた。
「こんな事してる場合じゃないだろ!こんな、こんな…」
だが後の言葉が続かない。どうしたらいいんだ俺。
「ねえ2人とも行かないで聞いてよ、僕『スケⅢ』CM出る事になって、これから欧州支社に行くんだ」
構って欲しくて話しかけるランビに、ジョニ子が振り向いた。

68:スポーツ好きさん
10/06/03 22:47:11 yRO//7MI
「CMですって!どういうことよ!」
ここではじめて出演依頼が自分以外にもきていた事に気づいたジョニ子。
慌ててランビに問いただす。
「だから僕は、スケ3の新作CM撮りのために欧州支社があるパリに行くんだよ!」
「欧州・・・新作・・・・」
考えるジョニ子。それをさらに瞳孔を開いて見つめるPちゃん。
「いいわ!一緒に行きましょう!」
「ほんと!」「まじ!」
「だって!あたし以外にも手紙が来たってことは、他にも受け取ったスケーターがいる!
つまり、CMは複数製作されるということ!こうなったらすべてのCM制覇してやる!」
ジョニ子の乙女魂に火がついた!ランビとPちゃんをお供にジョニ子一行はパリを目指して跳んだのであった


69:スポーツ好きさん
10/06/03 23:54:13 waU+3//N
パリのCAPCOW欧州支社ではジュベールがゲームのテストプレイをしながら待機していた。
彼が遊んでいるのは無双モード。使用キャラは自分である。
得意の大技、4回転で敵をバッサバッサとなぎ倒していく快感がたまらない!
…それにしても他の選手は招待されていないのだろうか?一人で遊んでいるのもなんだか寂しくなってきた。

70:スポーツ好きさん
10/06/04 00:02:08 3q+JVYK/
テストプレイにも飽きてきた日本チーム。その空気をすかさず察知する広報担当者。
「どうぞ、こちらにお菓子を準備しております」
通された会議室には山のようなお菓子が積まれていた。
「わーい。これ全部もらっていいんですか?」
「もちろんです。ご要望どおりゲリコお菓子1年分です」
「要望?」
そんなのは誰も聞いた覚えがないけど・・・?
「スケⅢの開発に一部携わっていただいた某スケーター様から承っております。
皆様のギャラは各国の有名ブランドお菓子1年分で結構です、と」
広報担当者はそう言い残して会議室を後にした。
残された一同の頭に浮かぶのはお馴染みリュックを背負った彼の姿・・・

71:スポーツ好きさん
10/06/04 00:14:47 O+E6z8nV
一度はテストプレイをやめてみたジュベールだったが
一人で暇なので、寂しさとも戦いながらやっぱり再び遊んでみる。
「おっ危ねっ。今のスゲエかっこよかったなー。この技の切れ味すごくね?4回転気持ちいー。」
自然と独り言が多くなるのがなおさら寂しい。
最後の決めポーズをしている画面の中の自分と共に写った写メをママンに送信してみる。

72:スポーツ好きさん
10/06/04 02:09:48 tJVltzo1
「次はねえこれと、これと…」
フィギュアスケーターポテトチップのおまけカードで遊んでいるのは
27歳児プルシェンコ。
広報の美人お姉さんも笑顔で一緒に遊んでいるが
よく見るとこめかみには青筋がうっすら浮かんでいた。
おまけカードで遊び始めて早数時間。大人のお姉さんには厳しいかもしれない。
(仕事だから……頑張れ私)

73:スポーツ好きさん
10/06/04 08:42:19 WyEoGJ6q
「皆様、おいでやす。よう来てくれはりましたなぁ」無事欧州支社に到着したDIVA一行は、現地スタッフに温かく迎えられた。
「ハイ、どうぞよろしく。もう誰か来てるのかしら?」ジョニ子は辺りを見回してみたが、ロビーにそれらしき人影はない。
「只今お越しなんは、仏国のジュベールはんと…」Pちゃんの瞼がぴく、と動いた。
「じょ、女子は? 女の子はっ?」ランビが食い付いたが、スタッフはやや困った顔で首を振った。そのまま肩を落とすランビ。
「女子の皆さんにも声はかけてるんですけど、どうにも食い付きが悪うてですね。…あれ、お二人はん」
ここでようやく、スタッフは欧州の血を引くアメリカのDIVAと、目を見開く香港系カナダ人に気付いたようであった。
「アメリカのウィアーはん、ですね? …良かったら一つ、頼まれて欲しいことがありましてん」
「え、アタシに?」

74:スポーツ好きさん
10/06/04 09:17:54 JlOlJkKW
ジェーニャが遊んでいる傍らでは、カードを抜いたポテトチップの袋が山になっていたが、
27歳児が手を出してしまわないように、社員さんにこっそり処理をお願いするヤナ姐さん。
オフシーズンの体重増加はスケーターの天敵だ。
「…あれ?このカードなんだろ?」
新たな袋をあけると、キラキラ光るカードが出てきた。ちなみに図柄は「タンゴアモーレ衣装のプルシェンコ」である。
「まあ!それは1万分の1の確立で入っている『プラチナカード』ですよ!私も実物は初めて見ました!」
驚きの表情を浮かべる広報さん。これも何か特殊なカードなのかな?

75:スポーツ好きさん
10/06/04 11:07:52 b9L/TR0d
美姫の悲鳴のスケパシーで駆け付けてくれた、黒くて長(ryな人のお陰で、信成達はなんとかLAに到着した。
「やっほ~♪あら、未来ちゃん!」「うえるかむですぅ!ミキ、ノブ、エヴァン!」
「…………アメリカ支部もLAで打ち合わせ?」「そうみたいなんですけど…肝心のジョニーさんがまだ
到着してなくってぇ……ジェレミーとユカさんも」
信成はアメリカ支部のCM内容を読んだ。 ジョニーVSライサチェック 宿命のライバル対決 とある。
「…………主人公がまだ来ていないわけやね。」
「ですぅ。なんか携帯も繋がらないし、スケパシーもなんだか…」まさかPチャンとの騒動で忙しいとは思うまい。
スケパシーが届かない?よっぽど混線しているのかな……。僕のでも駄目かな?
差し入れのスシで腹を満たした信成達は、未来やアメリカ支部の人達と共に日本支部へと出向いてみる。

76:スポーツ好きさん
10/06/04 15:24:45 LjE0aMsD
グランドキャニオンで美姫が悲鳴スケパシーを飛ばした少し後の話・・・

「ミキ!ノブ!どうしてこんなところに?!」
美姫「キャーーー!黒くてでっかい何かがー!」
信成「うわーーー!黒くて長い首無し人間ー!」
「・・・俺だよ、ライサチェックだよ・・・」

二人「ごめん!顔の色がリアルにグランドキャニオンに同化してて気づかなかった!」

77:スポーツ好きさん
10/06/04 20:15:08 Rb110zek
「エヴァンはどうしてグランドキャニオンにいたの?」
よくよく話を聞いてみたらスケパシーが届いたのではなく
安藤の叫び声を耳にしたから飛んできたらしい。
「いや…グランドキャニオンのどこかに1本大きな木が生えているらしくて…
6月に実をつけるらしいんだが…それを食べると……」
「食べると?」
続きを言わないライサを下からのぞき込む。のぞき込んでは見たけれど
あまりに高い位置に顔があり、表情はわからない。
「凶暴な動物がおとなしくなるらしいって聞いて…」
「へー、そんなのあるんだ。エヴァン家のペットって凶暴なのね。たーいへん」

78:スポーツ好きさん
10/06/04 22:19:35 Ci3RU3nO
COPCOW欧州支社からジョニ子への依頼内容とは?
「実は見てのとおり、出演を快諾してくれるスケーターに偏りがございまして、
ジョニーさんの力お借りしたいのですが・・・」
「あら?どういうことかしら。話が見えないんだけど・・・」
 欧州担当者によると、ロシアや日本のような単独の支社と違い多数の国を担当する欧州は、
依頼するスケーターの選定から多忙を極め、いざ出演を快諾した選手がいても、
互いにスケジュールがあわず結局出演を断られるケースが後を絶たないという。
「我々としては最悪CM製作断念という事態を避けるべく、まだ返事待ちのスケーターたちを纏め上げるべく、
その要となるプロデューサーとして、ぜひとも参加していただきたいのです。」
「う~ん、良いんだか悪いんだか・・・」
悩むジョニ子であったが
「わかったわ!乙女のあたしに任せて頂戴!」
「ほんとですか!ありがとうございます!」
「ただし、私にも北米での出演依頼があるの。そこの影響が出ないようにして・・
ううん、むしろプラスになるようにしてほしいのだけど?いかが?」
「できる限りのことはさせて頂きます。」
「ありがとう。商談成立ね(ハート」

ジョニ子たちとの商談を成立させた欧州担当者。
「ふう、これで何とかCMコンペ辞退は避けられそうだ。」
「今回はなんとしてのコンペで勝ち抜き欧州版CMを全世界にオンエアーさせる!」

担当者さんも大変な戦いをしているようです。がんばれ!

79:スポーツ好きさん
10/06/04 22:56:53 9PXy20WK
出現率1万分の1のプラチナカードは、数百種類近くあるおまけカードの中でも
たった2枚しかないレア中のレアカードだ。
1枚目はこのタンゴアモーレ(薔薇衣装)のプルのカード。(通常の衣装は銀カードに収録)
もう1枚の絵柄は公表されていないが、ネット上でまことしやかに語られる噂話では
真央(アクセルマスター仕様)ではないかという説が有力だ。
2枚のカードを揃えると、CAPCOWより秘密のプレゼントが貰えるらしい。

80:スポーツ好きさん
10/06/04 23:18:45 pXsJlBz2
ヤナの命によりプルの目にとまらぬ場所に集められている開封されたポテトチップス。
相変わらずプルはおまけカードに夢中のままである。ポテトチップスは鮮度が命。
お菓子の処理に困ったらあの人だ。ドラえもんのポケットのようなお菓子用胃袋を持つ彼に連絡だ。

(湿気った時はキッチンペーパーを敷いてレンジでチンするといいよ!
砕いてご飯にかけてもおいしいよ!)

81:スポーツ好きさん
10/06/04 23:52:06 zTwX0Vaf
ジョニ子が欧州支社の方と話している間に、ランビとPちゃんはジュベがいる部屋へ通されていた。
「あ!ブライやんだ!それがフィギュアスケーターってゲームなんやね!
僕もやりたーい!」
さっそくゲームに食い付くランビ。
「おぉ、ステファンにPちゃんやないか。みんなで順番に対戦でもやろか。
誰が一番(ゲームが)強いか、勝負や!」
「二人には負けへんで!マッターホルントルネードでやっつけたる!」
「しょ、しょうがないなぁ…僕はゲームなんて子供っぽいの興味ないけど(嘘)付き合ってあげるよ。
あーゲームなんて全然やったことなーい(大嘘。勝ちたい。超勝ちたい)」
まずは…ブライやんVSステファンだ!!

82:スポーツ好きさん
10/06/05 00:08:28 HvBFu3RV
その頃バトルは欧州支社へ出向くべくリュックにお菓子を詰め込んでいた
「全部入りきらないよ~」

83:スポーツ好きさん
10/06/05 10:04:27 nCpNmMyh
悪魔「入りきらない分は今食べちゃえばいいよ!」
天使「入りきらない分は置いていこう。帰ってきたらまた食べればいいじゃないか」

正反対の気持ちに引き裂かれそうになり、懊悩するバトル。

84:スポーツ好きさん
10/06/05 11:42:34 /Ym/HxKd
持ちきれないお菓子の処遇に激しく悩むバトル。
その体内でフル稼働しているお菓子センサーが新たな反応を捉えたぞ!

どこかの部屋の中に大量に積まれたポテトチップス。
さながらポテトチップのピラミッドだ。
そしてそこから発する香ばしい香り……!!

思わず唾を飲み込んでしまう。
本能に導かれるように、気がつけばポテトチップスの山に向かって飛んでいた。

85:スポーツ好きさん
10/06/05 14:27:30 t9/+lXKu
ジャンプ中のバトルはどこからか漂ってくる甘い香りに気づいた。
嗅いだことのない甘い香りに誘われて無意識に方向転換。
着地した先はグランドキャニオンだった。
目の前に広がるのはピンク色の謎の実。
チョコレートにも似たなんとも言えない香りに全身が包まれる。
「メインの前にデザートもたまにはいいよね」
誰とはなしに呟き謎の実をポケットに入れながら早速口に放り込んだ。

86:スポーツ好きさん
10/06/05 17:30:05 J4Sb0NRd
「ふーん、『タッグバトル』『チームバトル』『RPG』…色々あるのねぇ」
ジョニ子はカウチにふかふかと身を沈めた。
欧州担当者に渡された資料とサンプルパッケージが、周囲に散乱している。
「ねえ、『バトルロワイヤル』モードはないの!?素敵じゃない?」
ジョニ子の脳内には、すでにイメージ映像が出来上がっていた。
必殺技を繰り出し乱舞する数々のスケーターズの中心で、薔薇をまき散らすアタシ…。
「さっすがジョニーはん!け、検討中でおます、、、他にCMアイデアなどあれば聞かせとくなはれ」
担当者のもみ手が入る。何しろ欧州CMはジョニ子のやる気にかかっている、いや賭けている。

87:スポーツ好きさん
10/06/05 21:01:28 F41pCaaz
ジョニ子の言う『バトルロワイヤルモード』…
>>51の『無双モード』がそれに該当するのではないかと思われるが
突っ込み要員がその場に誰もいなかったようだ。
というかこのスケⅢ、モードががかなり多い。いったいディスク何枚組で発売されるのだろうか。

88:スポーツ好きさん
10/06/05 21:08:45 Yv/kP++B
「あははん。どうせ僕なんて森の中を永遠にひとりぼっちで彷徨うシマウマなのさ。
森から抜け出せない羽根のないシマウマさ。あはん」
ランビは落ち込んでいた。部屋の隅の壁によりかかり宙を見ていた。

ジュベと戦ったスケⅡ。やり方もわからず臨んだスケⅡ。
コマンドも知らず技をどうやって出すのか防御はどうすればいいのかわからないまま完敗したのだ。
途中でジュベやPちゃんに遊び方を質問してみようとしたまさにその時
担当のお姉さんがファン○ジュース10本を差し入れに持ってきたのが運の尽き。
女の子の前で情けない姿は見せなくないものさ、あはん。な気持ちが災いしてしまった。

89:スポーツ好きさん
10/06/05 21:35:39 63rGCnmp
「シマウマに羽根なんてないやん」
「いつものポエムや。気にするな、Pやん。
それより俺と勝負やで!」
あれからさらにPちゃんにも負けたランビ。
これでランビは二敗、残る二人は一勝ずつ。
最後はジュベVSPちゃんで頂上決戦である。
「俺が強いってことを証明したるで!」
「四回転がなくても勝てるってことわからせたるわ!」
ちなみに二人のセリフはあくまでゲームでの話である。

90:スポーツ好きさん
10/06/06 03:33:56 H2wrt5wq
実はジョニ子の言う『バトルロワイヤル』モードはまんま深作作品の事だったが
欧州担当者は知る由も無かった

91:スポーツ好きさん
10/06/06 09:40:50 lj4+6EZY
その頃アボットはコーチのユカとランチを楽しんでいた。
ふとフォークを見つめ、不安な気持ちになる。
「・・・このフォーク1本で殺し合いに参加しなくちゃいけない、って言われたら嫌だなあ」
「その時は私の持ってるスプーンも貸してあげるから、それで窮地を脱すればいいわ」

なんか違う気もするがまあいいか、とアボットは不安を振り払って食事を続けた。

92:スポーツ好きさん
10/06/06 10:10:32 qJvYea9Y
プルがおまけカードで遊ぶのにようやく飽きてきた頃、悠子とスミルノフがロシア支社にやってきた。
早速テストプレイを開始する川スミ組。その様子を後ろから眺めるプル。
「このペアバトルって、シングル選手もできるんだよね?僕もできるかなぁ」
「隠し条件がいるって聞いただろ?…そもそもおまえじゃ無理だしな」
「なんで?隠し条件出せばいいんだろ?僕だってできるよ!」
「…ペアって事は相手をリフトするんだぞ?たしか前にヤナを落っことしたよな?」
筋肉隆々なスミルノフと対照的なプルを見比べて、ニヤリとするヤグ先輩。
「あの時は衣装も入れると重かったのよ」「CMで一緒に滑った時は大丈夫だったわよ?」
ブリザードを警戒してヤナとイーラがすかさずフォローに入った。
プルは痛いところをつかれて悔しそうだ。やはりペアバトルは無理なのか?

93:スポーツ好きさん
10/06/06 21:07:13 Ft/0sBua
バトルが口にした謎の実はイチゴ味だった。怪しい食物食うなよ。
というツッコミはおいといて、食べると力が湧いてくる。
気がつくとバトルは華麗な4Tを跳んでいた。

94:スポーツ好きさん
10/06/06 21:11:23 KIMDucSu
ブリザードを阻止すべく広報のお姉さんも動いた。
「大丈夫です!実はプルシェンコさんも使えるんですよ!」
そう、一見ペアバトルは不向きに思えるが、実は意外性を狙って使用可能なのだ!
「本当は秘密なんですけど、特別に……」広報さんはプルの耳元で隠し条件の出し方を囁いた。
「そうだったんだぁ!ありがと。早速やってみるね~」
プルは隠し条件をクリアすべく、テストプレイにとりかかった。

「大丈夫か?ゲームとはいえ、あの細っちょろい腕じゃ無理だろ?」
「もちろんその点は対策済みです。実際に見て頂ければ解りますよ」
訝しそうなヤグディンに広報さんは自身満々に答える。
いったいどんな対策がされているのか気になるところだ。

95:スポーツ好きさん
10/06/06 22:30:00 XzJe4YS3
日本支部についた未来、ライサ、安藤、織田。
到着するや否やライサは担当にCMの撮影日程を細かく聞いている。
「そう言われましてもまだ詳細はまったく決定しておりませんので」
「早くしてくれないと困るんだって。6月にしかあれは実をつけないんだよ。
俺の人生がかかってるんだ!」
顔を真っ赤にして問いつめているのだが、なにぶん黒いもので担当者にはその怒りが伝わっていない。
他の支社と細かく話を詰めてきます、と言い残してその場を去る担当者。
「エヴァン、まだ言ってるの?どれだけ凶暴なペット飼ってんのよ」

96:スポーツ好きさん
10/06/07 01:00:52 xdT/N35Y
「ハクション!ハークション!!っ今畜生・・・誰か悪い噂してやがるな?」
リュ-キンのレーダーが反応した

97:スポーツ好きさん
10/06/07 12:02:57 0+2+2ssh
ぐわっしゃ~~んっ!!!!!何かがロシア支社に飛び込んできた。
「うわっ?!何これ?!」「あっちの部屋の方で音がしたぞ!!」
慌てて音のしたほうへ向かうロシアチーム一行。問題の場所の扉を開けてみると・・・・・・
「やあ、なんか変わった味で美味しいねこのチップス・・・むしゃむしゃ」
挨拶もそこそこに、ポテトチップスの山を超高速で胃袋に納めるバトルがいた。
そのスピードと比例して、みるみるうちに小さくなっていくポテトチップスの山。
ちなみに味のラインナップは塩味の他に、ボルシチ味・ビーフストロガノフ味・ピロシキ味となっている

98:スポーツ好きさん
10/06/07 18:28:10 /v1W7+ax
担当者との軽い打ち合わせを終えゲーム中の3人がいる部屋に入ったジョニー。
ドアを開けた瞬間、なんとも言えない熱気と男くさい香りが漂う。
ジュベとPちゃんがコントローラーを握りしめながら、汗だくでスピンやジャンプに勤しんでいたのだ。
蹴りの付かない勝負を続けるうちに熱中しすぎてリアルで画面の中の自分たちと同じ動きをしているようだ。
リアルの2人は実際には戦わずその場で動いてるだけであるが画面の中では息を抜けない戦いが続いている。
コントローラーはもちろん6mの延長ケーブルつきで激しい動きでも気にせず遊べる仕様で安心だ。

99:スポーツ好きさん
10/06/07 19:52:39 a7wlX/7R
「欧州の出演者は今のところステフとブライアンか。
後トマシュとアドリアン当たりがいいところよね。
あ、そうだ!アドリアンのコーチのルトコフさんには師匠役として出てもらおう!」
ジョニ子の中でどんどん企画が膨らんでいく。
「ほかに出演希望者がいた場合にはいかがしますか?」
担当者の問いにジョニ子はウィンクをする。
「あまり役者を増やすと出番が減るから・・・・・
そうね~、撮影前にオーディションがてらにバトルロイヤルやらない?」
「は?」
「つまり、最後までリンクに残った人間が主役。リンクに長く残っていた順にCMのおいしい役どころを
ゲットできるという風にするの!」
「なるほど・・・」
「もちろん、撮影前に怪我されちゃたまらないからテストプレイもかねて勝負は新作ゲームでね!」
「素敵なアイデアですね。では早速ゲームの準備を!『無双モード』を使えば短時間ですむ!」
担当者さんは早速オーディションの準備に取り掛かった。


100:スポーツ好きさん
10/06/07 23:47:12 Ve6SopwY
「ジェフ、こんだけ全部食べちゃって大丈夫?」
速攻でポテトチップスの山を平らげて満足げなジェフにプルが尋ねた。
「全然大丈夫だよ!ポテトチップの山と香りでかえって食欲出たぐらいだし」
「…おまえの菓子用の胃袋は鋼鉄製かよ?」
呆れ顔のヤグ。その指摘はあながち間違ってないかも知れない。
「そういえばここに来る途中で食べた実もおいしかったなぁ…食べたら急に力が出てきて、一気にクワドで飛んで来れたよ」
「ええ?それ本当?!…ねぇ、もうちょっと詳しく聞かせてよ!」
プルにせがまれて、バトルは先ほどの謎の実の話を聞かせた。
「…チョコの香りでイチゴ味で、食べると力が出る実って、ほんとにあるの?」
「本当だって!ほらここに現物が…あれ?おかしいな?」
ポケットを探るが入れてあった実がない。慌ててあちこちを探すバトルだった。

101:スポーツ好きさん
10/06/08 16:08:04 URtigNZT
ぽこんっ。何かがジョニーの頭にぶつかった。「いったあ、ちょっと何よ!」
しかし皆首をふる。床に落ちているのは謎の実。バトルが華麗な4Tを決めるうちに落とした実が
色々回って慣性の法則も無視し硝子窓をつき破ってここまでその実がたどりついたことは誰も知らない。


102:スポーツ好きさん
10/06/08 17:52:09 aLBlXiq8
「いきなりでアレだけど、うちに帰るわ。お買い物に行きたくなったんだもの」
オキニの白タンクトップとピンク短パンに着替え、青いバレンシアガバッグを手に
ジョニ子は颯爽と部屋を出る。
「さっき頭にぶつかったこれ、果物かしら。チェリー?」
謎の実をポケットにねじこんで、それっきり忘れた。

103:スポーツ好きさん
10/06/08 19:09:29 0SOs+SZW
家に帰ろうとしたはいいがクワドにいまいち自信がないジョニ子はパリの街で買い物をすることにした。
途中パパラッチに写真を撮られてしまったが
メイクのノリと撮られた角度が不満だったために撮り直しを要求。
シャンゼリゼ通りでジョニ子の写真撮影会が始まった。

104:スポーツ好きさん
10/06/08 19:43:38 3BXyLgQn
先週末に研究した美しいポージングの成果をいかんなく発揮出来てご満悦のジョニ子

105:スポーツ好きさん
10/06/08 20:24:37 aLBlXiq8
ジョニ子が悦に入ってる頃、黒くて長い人も背筋がゾクッとして、急遽恋人に会いに行く事に決定。
「理不尽にボコられそうな気がする。おみやげは何にしようかな」
恋をしているのか、恐怖刺激が中毒になっているのか。両方なのか。

106:スポーツ好きさん
10/06/09 02:03:05 2sQX579e
ライサの頭の上にまたぽこっ。
これはなぜかうっかり4Tを決めてしまったバトルが落とした例の実が。

107:スポーツ好きさん
10/06/09 06:40:02 uJqrZ6t5
「・・・これは!」
謎の実を丁寧にティッシュで拭い、なぜか持っていたジップロックに入れる。
ポケットにねじこんで忘れているどこぞのライバルとは、こんなところでも対照的なのだった。

108:スポーツ好きさん
10/06/09 08:52:28 LjYDB3+p
謎の実を探すバトルだが、一向に出てくる気配が無い。途中でどこかに落としたか?!
…心なしかみんなの視線が突き刺さるような気がする。徐々に焦りだすバトル。
まずい!このままじゃネタ認定されてしまう!

109:スポーツ好きさん
10/06/09 10:20:07 +PfPpgRi
「き、きっと心が清くてお菓子の精に愛されてる人間にしか見えないんだよ」
視線が痛い、痛い
「ほ、本当だよ、苺グミにチョココーティングされたような、サクランボ入りのパイと、プリンとパイナップルと、
ローストターキー風味も少々、ミルクキャンデーと、バターをぬったトーストパンの・・・」
取りあえずバトルは思いつくままどんな味だったかを語った。
もうどんな風味か全く想像がつかない。
プルとヤグは顔を見合わせヤレヤレと頭を振った。
バトルは込み上げてくるもどかしさを、ぐっとかみしめて
「パルナス パルナス モスクワの味~」と鼻歌を歌いながら
助走も無しにクワドで跳んでいった。
「モスクワの味さがしてみるよ~」
部屋の中にはその声が残っていた。

110:スポーツ好きさん
10/06/09 11:22:39 2sQX579e
ジョニ子のDIVAぷりにぽかーんとなりつつ残された欧州担当者。
「相変わらずのDIVAやなーアハンアハン」とさして動じないランビにジュベが
「あれでクワドが飛べれば世界チャンプなんやけどなー」
どこぞの誰かに似たセリフを吐く。勿論俺がナンバーryと付け加えて。
「たかがクワド、でもされどクワド……そう簡単に跳べないから
皆苦しいんじゃないか。それでもクワド跳べというあんたと俺じゃworldの順位は
やっぱり逆になるべきだった」Pチャンはそう、本当に小さく呟いた。

111:スポーツ好きさん
10/06/09 11:56:28 DVt6dUPZ
もどかしさを抱えたまま華麗な4Tを飛ぶバトル。
「こうなったら、もう一度あの実を探してきて皆に見せるしかない!そうすれば信じてもらえるはずだ!」
再びあの実を入手すべくグランドキャニオンに向かって飛んでいった。

一方バトルの飛んでいった方向を眺めるプルとヤグ。
「…あいつ結局何がしたかったんだ?」
「う~ん…ポテチ食べて、実の話をしてて…でも確かにクワドは飛んでたよね?」
果たしてバトルは例の実を見つけ出せるのか?

112:スポーツ好きさん
10/06/09 15:53:49 8ZyyLZwS
ジョニ子に『オーディションバトルロイヤル』を提案された広報さんは考えていた。

イベントで全候補選手を集めて大々的にバトルロイヤルをやって
その様子をメインにしてCMを作ればいいんじゃないかしら?
ゲームショウとアイスショーが一度に楽しめるイベント、きっと話題にもなる!
後は世界各支社にあわせた編集をすればいいだけだし、一気に全選手を集めた方が効率がいいわ。
だいたい、スケート選手がこうもすぐによその国へ飛んでいってしまうとは思わなかった!
急に飛んで来たり飛んで帰ったり、これじゃいつまで経ってもCMが完成しないわ!
そうよ、そうしましょう!ボスに提案するのに、新しい企画書をすぐに作らなくちゃ。
北米やアジアにもメールで根回ししておかなくちゃ。
さぁ、そうと決まれば・・・働きマンモードよっ!

すばやくパソコンを打ちまくる音が響くCAPCOW広報部であった・・・

113:スポーツ好きさん
10/06/09 17:12:09 IA1v5kyn
プル「まあなんでもいいんだけど・・・どうせ愛されるなら寿司の精がいいな」
ヤグ「穴子の精が大勢出てくれると尚可」

その頃、Pチャンは黄昏気分をこじらせてしまっていた。虚ろな目つき(瞳孔全開)で体育座り。
鼻にスプーンをひっつけたところを写メに撮って、リッポンに送りつけたりしても、心は晴れない。

114:スポーツ好きさん
10/06/10 00:27:58 5WnjzpPr
こつん。とプルの足元で音がした。よく見ると何か落ちている。
「何だろうこれ?」手に取ってみると、それはチェリーのようなイチゴのような奇妙な実だった。
そこから何とも言えない香りが漂ってくる。強いて言えば海苔とか酢飯とか醤油に近いような…?
「なんだか寿司の匂いがするなぁ…」素敵な香りに思わず心揺さぶられそうになったが
「ジェーニャ!得体の知れない物に手を出しちゃダメよ!!」というヤナの一言で思い留まるプルだった。
「もしかしてさっきジェフが言ってた実ってこれの事かな?…ちょっと調べてみよう」
謎の実を調べる為に、一行はロシア支社の駐車場に停めていた宇宙船へと移動した。

115:スポーツ好きさん
10/06/10 07:44:38 RBcX5mV/
CAPCOW広報さんが一生懸命仕事してるってのに、ジョニ子は相変わらずお買い物三昧。
両手に大量の紙袋(もちろん中身は洋服と靴とバッグと化粧品)をさげ、パリを闊歩する。
「マダーム?」
「ウィ」
――あらやだナンパかしら。アタシそんな軽いDIVAじゃなくってよ。
極上の笑顔で振り返ると、そこには道路工事のマッチョ兄ちゃんがいた。
「荷物、重そうだね。これをプレゼントするよ」
工事用のネコ車だった。
URLリンク(livedoor.2.blogimg.jp)

一輪タイヤはバランスが取りにくいが、せっかくの好意を無にするわけにはいかない。
ジョニ子は優雅な仕草で荷物を積み込み、挑発的なモデルウォークでその場を後にした。

116:スポーツ好きさん
10/06/10 10:26:58 0QrwgwBo
例の実の香りはバトルにはお菓子、宇宙人には寿司と人によって感じが変わるらしい。
ますます謎だ。

117:スポーツ好きさん
10/06/10 11:28:44 YJ1ocycY
コストナーさんは無性においしい果物が食べたくなっていた。
「トチオトメイチゴの旬はもう過ぎてしまったよ!今ならサトウニシキチェリーだよ!」
並外れた語学力を駆使して、日本のネット通販に挑むも、海外発送してくれる店がみつからなくてがっかり。
「果物がダメなら、せめてこの『アイスの実』とかいうの食べてみたいよ・・・」
もっと無理だろう。

118:スポーツ好きさん
10/06/10 13:44:31 VVOdGbQB
「ていうか、なんでこのアタシが一人でお買いもの?!荷物持ちは?!こんな時の為のあの男じゃない」
と、早速Pちゃんにスケパシーを送るジョニ子。
その頃Pちゃんはリッポンから返信されてきた六人兄弟満面の笑みでのタケノコルッツポーズの写メを前に、
ますます途方にくれていた。


119:スポーツ好きさん
10/06/10 14:07:02 /GPfeAIY
『おらっパトリックいい加減来いや。シカトこいてんじゃねえぞ』
反応しないPちゃんにジョニ子の怒りが爆発。
本来の姿が出てしまった。
びっくりしたPちゃん。
でもひとりじゃ恐かったのでランビとジュベを無理矢理引き連れて急いでジョニ子のもとに駆けつけた。

120:スポーツ好きさん
10/06/10 16:02:27 V/Sh6nVW
「やだっあんた達。どうしたのよ」
ジョニーの元にやってきた3人は黒スーツに黒サングラス姿になっていた。
実は欧州支社に訪れた時の格好があまりにダサ(ryので
見かねた社員が無難な黒スーツに着替えさせたのだ。
(「実はジョニーさんも着替えさせたかったのですが」:某社員談)
「いいじゃない、まるであたしのボディガードだわ」
気分はすっかりホイットニー。
「えんだーーーーーーーーーーーーーー」
ジョニーの歌声がパリの街に響き渡った。

121:スポーツ好きさん
10/06/10 18:26:00 OyJ0pYAq
「えんだーーーーーーーーーーーーーー」が
歌いたいという気持ちをスケパシーにしてスケーターズに届け
プルと、さらんそこから別所のウル様がカリンカを歌いたいいだして
全力で周りから止められたり、ランビが口を開くより先にジュベが
ランビの口をふさいだりしたのはまた別の話である。

122:スポーツ好きさん
10/06/10 18:29:00 oZ9JIu/Y
DIVAの歌声で、パリ中のハトが目眩を起こしてボタボタと道に倒れた。

ボディーガードを従えてご満悦のジョニ子は、なぜかPチャンの携帯を使って
「歌姫+ボディガード」の写メを撮る。
そこにリッポンから、彼が趣味で撮りためたという寺院の写メが届いた。
「まあ素敵な写メ。御礼として今撮ったばかりの歌姫写真を送りましょう」
「あ、あのそういうのやめて・・・」
「なんでっ!?ねえ、なんでよっ?」
涙目Pチャン。根はお坊ちゃんなのか、スケパシーで怒鳴り飛ばされた後だから気弱なのか。
「ハイ、送信☆」
うなだれるPチャンの肩に、ジュベが黙ってそっと手を乗せる。暖かい掌だった。

ランビは倒れた鳩に話しかけるのに夢中だった。

123:スポーツ好きさん
10/06/10 19:32:06 b982GQZA
プルシェンコとジョニ子の歌声はスケパシーを通じて全スケーターを攻撃した!
全スケーターのHPが1000下がった!
全スケーターの攻撃力が50下がった!
仲間を見つけたランビはHPが100あがった!
ランビはレベルアップした!
じゅもん「あはんあはん」をおぼえた!

124:スポーツ好きさん
10/06/10 20:29:56 DxLWZItW
ちなみにランビのとくいじゅもんは「セクハラ」である。
MPを消費しないうえ、いかなるときもマホトーンが聞かないやっかいな呪文だ。
その効果は一定でないが、連発すると相手が面倒臭がってどこかへ行ってしまう。

125:スポーツ好きさん
10/06/10 21:22:38 nisLVSTN
テン君は歌パシーを受信しても尚熟睡中だった

126:スポーツ好きさん
10/06/10 21:30:00 TQ9CbiaH
小塚はため息をついた。
今いるメンバーは見渡す限り謎の衝撃波に一瞬怪訝な顔をしたけど
特にその後は気にしてないようだ。危機を知らせるようなスケパシーではないというのだけはわかったからだ。
テレパシーを通じて送られてきたあの感じたことのない衝撃。
歌なのか呪文なのかわからないけど聞こえてきたあの声。
多分・・・あの人とあの人だ。
出来るだけ穏便にことを進めたい小塚は、なんとか他の支社と合同で話が進まないように
とにかくここにいるこのメンバーだけで滞りなく自分達のCM話が進むように
そう祈るだけで精一杯だった。

127:スポーツ好きさん
10/06/10 21:40:13 oZ9JIu/Y
テンくんは熟睡しつつ、寝言ならぬ寝歌を口ずさむ。
幼い頃に合唱団で鍛えた美声は健在。
汚れなく美しい調べに、窓辺に飛んできた小鳥たちもさえずりでハーモニーを奏でる。
天国のような光景がそこにあった。

なお、パリの鳩は「えんだーーーーーーーーーーーーーー」の後に「あはんあはん」をくらい、
斜めにしか飛べなくなったり、なぜか「カァー」と鳴いたり、シュールな事になっている。

128:スポーツ好きさん
10/06/10 21:56:06 T9kxWDqW
ジョニ子とプルの歌声は思わぬところに影響を及ぼしていた。
謎の実が歌声の影響で化学変化を起こし始めたのだ。
しかしネタ認定を恐れて謎の実を探すバトルと、大急ぎで持って帰る途中のライサ、
歌っているプルはそのことに気付いていない。

129:スポーツ好きさん
10/06/10 22:48:17 RBcX5mV/
衝撃の歌パシー(念仏みたいなやつ+やたら声量はあるけど音程がフリーダムすぎるやつ)は
回転移動中のバトルにも少なからず影響を及ぼした。着地点がズレてしまったのだ。
「・・・ここどこ?」
真っ白な息を吐きながら、バトルは目の前のシロクマに問うてみた。返事はない。

ライサも影響を受けた。リューキンを訪ねるはずだったのに、なぜか実家に帰ってしまったのだ。
甥っ子のお守りなどしつつ、なんかする事あったんだけどなあ・・・なんだっけ?と首をひねっている。

130:スポーツ好きさん
10/06/10 23:11:42 ij/r9NuV
「うわあああああっ」
「きゃああっ」
「ひいいいいいいいいいいうぎゃあああ」
同じ頃、CAPCOWの欧州支社、ロシア支社、北米支社で同時に叫び声があがった。
スケⅢ完成に向けて各支社でデータの最終調整を行っていたところ
謎の微振動が各社を襲い、その後データがサーバーごとクラッシュしてしまったのだ。
他のゲームのデータを積んでるHDDはなぜか無事だったようだ。
「状況は?」
「完成前のデータを各社で保存していましたがすべてやられたようです」
「バックアップは?」
「それが……アラスカのバックアップセンターにはデバッグ前のデータしか残ってません」
「なにいいいいいい。またあのデバッグ作業をしなきゃならんのかあああああああああああ」

歌パシーはフィギュアスケート繋がりからかスケⅢのデータまで破壊してしまった。
各社を襲った謎の微振動が誰かさん達の低周波による歌パシーが原因だとはいまだ当然、判明していない。

131:スポーツ好きさん
10/06/10 23:36:38 otkXpUbQ
 先ほどの歌パシーの余韻を振り払うべく、チームジャパン+αは近くのリフレクソロジーサロンに直行。
アロマテラピー、蓬蒸し風呂、海藻泥パック、高周波ジャグジーetc・・・・
思い思いの癒しでくつろぐ面々。そんな中岩盤浴から帰ってきた小塚の姿を見たメンバーは唖然とした。
小麦肌でゆるパーマ姿の彼はどう見てもレゲェダンサーにしか見えなかったからだ。
本人曰く「気持ちよかったからちょっと長めにはいったんだけどサイコーだったね!」だそうだ。

ちなみに岩盤浴で日焼けした経験は職人Lの経験上一度もありません。




132:スポーツ好きさん
10/06/10 23:54:55 p0NvBjd9
そのころ、フィンランドのヌルメンカリ家では
すやすやお昼寝していたアクセルくんが何かを感知したのか突然泣き出し
あわてて息子をあやすぬる麺の姿があったという。
遠く離れた北欧の、(スケーターの身内とはいえ)まだスケーターではない赤ん坊にまで影響が及ぶとは
歌パシーとはまこと恐ろしいものである。

北欧といえば…いったん帰宅したスウェーデン勢&チェコ勢、
カフェで彼らと入れ違いになったキーラ&ラウラは
今頃どうしているのだろう。
CM出演依頼が来ていたとしても、なんだか内容に大幅変更の可能性が出てきたぞ?(>>112参照)

133:スポーツ好きさん
10/06/11 00:05:32 IMJpB+8n
ひとしきり歌ってようやくプルの歌声が止まった。ほっとするロシアチーム一行。
「あ、そういえばタカヒコから連絡来ないなぁ?どうしたんだろ?」
実は>>60でプルと合同撮影の約束をしていたことを小塚はすっかり忘れていた。
ノリと勢いで迂闊にもOKしてしまい、自ら墓穴を掘ったことに彼が気付くのはもう少し先の話である。
「何かあったのかな?…そうだ!打ち合わせついでに行ってみようっと」
小塚の願いも空しくロシアチームを乗せて出発する宇宙船。

当然自分とジョニ子の歌パシーでスケⅢデータがクラッシュしたことなど知る由はない。

134:スポーツ好きさん
10/06/11 00:07:41 UZUdXbmg
あっちゃこっちゃに甚大な被害?を及ぼしたにも関わらず、当事者ジョニ子はお気楽。
「歌ったら喉が渇いちゃったわ。お茶にしましょ」
居心地のよいカフェを求めてそぞろ歩く。
ボディガードもついてくる(そのうち一人はハトをポケットに忍ばせている)。

135:スポーツ好きさん
10/06/11 00:09:02 tKni8bAN
「ここの岩盤浴、日サロ効果もあるんだ!」
小塚を見ていそいそと岩盤浴に向かう高橋。
ワイハ帰りで今でも充分こんがりなのに、さらに焼ける気である。

136:スポーツ好きさん
10/06/11 00:31:25 Xgn2IFsV
>>133でプルの歌声はやんだが>>121のウル様の歌声も歌パシーはまだ続いている。

137:スポーツ好きさん
10/06/11 01:15:59 qLBd82A8
ぬる麺がアクセル君をあやしている頃スウェーデンではADSLとべるるんが叫んでいた
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!」その手には欧州支社からのCM出演依頼が握られていたので
歌パシーに共鳴したのか、はたまた依頼に対しての喜びの表現だったのかは分からない

138:スポーツ好きさん
10/06/11 12:52:14 ZR442Kjn
「何これ、すっぱぁぁぁぁぁぁい!Pちゃん、あんたのカフェオレとこのジュース取り替えて」
一番高い特製ジュース「マダムのよろめき」を勝手に頼んでおきながら、ジョニ子は駄々をこねる。
しょげるPチャンの隣で、ランビがメニューを手に取り、読み上げる。

「マダムのよろめき:グランドキャニオンの傍にある神秘の大木。わずかしか収穫できない
貴重な果実を丹念に搾りました。美肌痩身効果に加え、髪は豊かに艶を増し、フェロモンが
溢れる奇跡のジュースを貴女に」

ジョニ子の目の色が変わった。炎が揺らめいている。
「Pチャン、やっぱりジュース返して」

「他の効果として……性格が穏やかになるってさ。アハン」
思わず笑ってしまったランビの隣で、Pチャンの瞳孔が限界まで広がった。
「このジュース、店にあるだけ全部、ジョニ子姐さんの前に持ってきて!」

139:スポーツ好きさん
10/06/11 13:16:28 orjl59m5
「姐さん何やってんだ?」Pチャンからの写メに写るジョニ子をみてちょっとびっくりするリッポン。
しかし、なかなか良い写真だったので、ツイッターにアップすることに。
『サングラスしてて瞳孔が見えないけどジョニ姐の右隣はPチャンだよ :P』
と解説を付けた。
つか、お前ら仲良いんだな。

140:スポーツ好きさん
10/06/11 13:49:33 yoVJi07h
店にある全ての「マダムのよろめき」を飲みまくるジョニ子を見て
これでジョニ子がおとなしくなることを期待するPちゃん。
だが彼は知らない。
歌パシーの影響で例の実が化学変化を起こしていたことを…(>>128参照)

141:スポーツ好きさん
10/06/11 13:55:20 acDT3Pi7
「申し訳ございません。『マダムのよろめき』は本日はこれで最後になります」
数杯飲んだ後に店員がそう告げる。
「アタシの美貌のためよ。(ボディガードたちが)倍の料金を払うから全てあるだけ飲ませなさいよ」
「そうだそうだー」
マダムにおとなしくなってもらいたいPちゃんも小声で応援する。
「お出ししたいのはやまやまですが、なかなか簡単には取りに行ける場所でもなく、尚且つ6月にのみ実をつけると聞いております」
「ふーん、6月だけ。原材料が入手困難ってわけね」
ジョニ子の目が輝いた。
「要はその実を直接食べればいいのよね。さあ、行くわよ」
『色男のたしなみ』を飲みたかったランビと、『筋肉美へのあくなき追求』を頼もうとしてたジュベを両脇に抱えジョニ子とPちゃんは華麗にその場から飛び立った。

142:スポーツ好きさん
10/06/11 20:26:45 HGqNrSau
グランドキャニオンの真ん前に降り立った、歌姫+ボディガード。
「その大木ってのはどこなのかしら。そのへんにいる人に聞いてみましょう」
一行があたりを見回すと、そこに・・・見覚えのある人物が!

143:スポーツ好きさん
10/06/11 21:49:11 Xgn2IFsV
DIVA一行の前にいたのはカナダの歌って踊れる姐さんだった

144:スポーツ好きさん
10/06/11 22:26:34 S8CDvRtK
エマ姐さんキタ━━(゚∀゚)━━!!!!
やっぱりこのスレいいわwww 次の展開が読めないからこそおもしろい。

他住人を信じてバトンを渡す勇気を持てる人・いい意味でその期待を裏切れる人が
職人なんだと思う。

145:スポーツ好きさん
10/06/11 22:36:10 ZR442Kjn
通りすがりの名無し旅人がうっかり感動してしまうほど、エマ姐さんのオーラは凄味があった。

「ハーイ、ジョニ子とご一行さんたち、ごきげんよう」
エマ姐さんのウインクで、なぜかピンク色のフラミンゴの大群が飛び交った。

146:スポーツ好きさん
10/06/11 23:02:13 yEJkdYNf
ロシアの宇宙船がLAに到着。早速崇彦たちのもとへやってきた。
「あ~!!プルシェンコさん久しぶり~」
「みんな元気だったかい?ところでタカヒコは?」
「ここですよ~」
陽気に手を振るレゲェ状態の彼に少し驚いたプル。
「どうしたの?イメチェン?」
「なんかここの岩盤浴はいるとイメチェンできるらしいですよ?今大ちゃんが挑戦中です。」
とテキトーに返事してしまった。
「へ~、じゃあ僕も行ってみようか」
「それなら俺も行くぜ!」
「あたしも!」
なぜか次々と岩盤浴に吸い込まれていくロシアチームなのであった。

147:スポーツ好きさん
10/06/11 23:27:45 Q4HSmP/2
実はエマ姐さん、グランドキャニオンへは例の実ではなく、
気軽にイメチェンできる鉱石を採取にやってきていた。
そうとは知らないジョニ子一向は気が気ではない。
一方のエマ姐さんもジョニ子の登場に一瞬ではあるが驚いた表情を見せていた。
二人の間にある種の緊張が走っていた。

148:スポーツ好きさん
10/06/11 23:59:42 zcggjC2f
「くっ、アタシよりキャラの濃いのがいるわ。またDIVAの立ち位置が危うくなるわ」
エマに対抗して自分も白鳥を飛ばそうと試みる。
しかし動揺からか、おかしくなったパリの鳩を大量召喚してしまうジョニ子。

鳩がかわいそうなので、Pちゃんは餌にポン菓子をまいてやった。

149:スポーツ好きさん
10/06/12 00:07:40 hKy5/Tp6
不図、エマ姐さん、ジョニー一行の中に現カナダナショナルチャンピオン三連覇中、見た目年齢三十歳のPチャンを見つける。
しかしエマ姐さんから見ればおかっぱ頭でころころ転けまくっていたPチャンのイメージしかない。
「あら、パトリック。貴方なんでジョニーと一緒にいるの?」
「え?」鳩にポン菓子を配る手が止まるPチャン。
「ちょっと!うちのパトリックに気軽に声かけないでよっ!!」
「えええっ!?」

因みにジュベランビは不穏な空気をいち早く察知してホップ、ステップ、バックステップと既に安全な場所に退避していた。

150:スポーツ好きさん
10/06/12 00:17:05 ytNJ2IbY
カァーと鳴く鳩とランビのポエマー心が通じ合ったのか大量召還された鳩はランビに懐いたようだ。
Pちゃんにポン菓子をもらっていた鳩たちも気付けばランビの周りを飛び回っている。
「どないすんねん。わしらボディガードやないんか?」
「せやけど…あの不穏な空気に入り込める勇気はないで」
「パトリックがなんとかしてくれるんちゃうか?」
「まかせて大丈夫なんかなあ」
「大丈夫やって。ほらブライやんも仲良くせな」
そう言ってぐいぐいジュベの頬に鳩を押し当てるランビ。

151:スポーツ好きさん
10/06/12 00:27:20 jiQGHnTJ
さて意気揚揚と岩盤浴に入っていったプルだったが、ものの5分も経たないうちに飛び出してきた。
「うわ~!!なんかヒリヒリする~!!!」
見れば全身真っ赤になっていた。ついでに髪がくるくるの縦ロールになっていた。
「いきなり日焼けするからよ!」慌ててアロエ入りジェルを塗りたくるヤナ姐さん。
色白な人が急に日焼けするとよくある事例だけに、大いに気をつけられたし。
…さすがに髪が縦ロールにはならないと思うが。

152:スポーツ好きさん
10/06/12 00:38:23 n8AqvP60
ランビに鳩を押しつけられ、逃げようとするジュベ。
「ちょ、あかんて、やめ、あかんてー!ママーン!」
「なんや、ブライやんは鳩きらいか?かわええのに」
「あかんねん。その、首のカクッカクッてなるのがあかんねん」

向こうではジョニ子&エマの睨み合いが続いている。

153:スポーツ好きさん
10/06/12 00:46:12 uoYbkJ4F
あっという間にでていったプルを「貧弱、貧弱ゥ」というヤグが歌う。
ひゅーっとブリザードが吹いてプルの身体はあっという間に元の白さを取り戻した。
いいんだ、イメチェンなんてこれ以上ないのを18の時にやったからッ……。

154:スポーツ好きさん
10/06/12 00:51:59 pcknb0af
「アタシ達ここの国立公園内の動物たちに会いにきたのよ」
先手必勝。あの果実をエマに渡すわけにはいかない。
なんとしてもエマをまかなければ。
エマはまだ疑わしげだ。
「ステフ!いらっしゃい」
鳩まみれのランビ登場。
「どーーーーーしてもステファンが見たいっていうから仕方なく…ね」
「アハン」
肯定の意を示すアハン。エマはランビに視線を向けた。

155:スポーツ好きさん
10/06/12 01:58:00 ZGVhj4ct
Pちゃんは迷っていた。
ジョニーと共に行動していくのは確かにつらい、きつい、振り回されてクタクタだ。
でもボディガードとしての使命は全うしたい。ちょっと仲良くなってきたような気もするし・・・
ここでエマ先輩がついてこいって言ってきたらどうしよう。
いくら見た目年齢が30歳とはいえ中身はまだまだ19歳。大先輩の言うことを振り切ったりはできない。
(どうしよう・・・どうすればいいんだああああああ)

ジョニ子の言葉を一応信じて聞くエマ先輩。相手に知られたくない情報を持っているのはエマ先輩も同じだった。
「ふーんそうなのね」
そう言った瞬間にピンク色の羽根がその場全体を覆い尽くした。
そして羽根が地面に舞い落ちた時、エマ先輩の姿はなかった。
Pちゃんのこともまたエマ先輩の頭からすっかり消え去っていた。

156:スポーツ好きさん
10/06/12 06:07:15 woArvT1i
ライサは甥っ子大好き男なので、実家でお守りに熱中していた。
甥っ子もライサが大好きなのか、近所の公園で拾ったとおぼしきどんぐりをくれた。

「やあかわいい木の実だね・・・ん?木の実?あ、大事な事忘れてた!」

家族に別れを告げ、ライサは恋人の元を目指す。
そう、騙して変な実を食わせるために。

157:スポーツ好きさん
10/06/12 09:44:20 UGpcZITP
ブリザードで色白復活したプル。
さらに冷気の影響かはたまた宇宙人のパワーなのか、
縦ロールもあっという間にするするとほどけて元に戻っていった。
(やっぱり思いつきのイメチェンはやめよう…)
さすがの27歳児も懲りたようだ。

そうこうしているうちに岩盤浴からヤグと大輔が戻ってきた。
「どうしたの?!二人とも?!」
その姿を見て驚くプル。ふたりとも想像以上の変貌を遂げていた。

158:スポーツ好きさん
10/06/12 12:43:31 xf/luPS0
「そ、その格好はっ・・・ドムシャバのマトリックスッ・・・・!!!(出落ち?)」

159:スポーツ好きさん
10/06/12 12:49:05 Ti+Nu0lI
「なんかさーちょー疲れたんだけどぉー。いきなり目の前にあらわれてぇフラミンゴ飛ばしてぇエマちょーウケる!」
…!?
ボディガード達の動きがとまる。
ジョニーの今の言葉遣いおかしくないか?なんか人格変わってないか?
「グランドキャニオン無意味に広すぎぃーヤベー。ありえねー」
急に変貌したジョニ子にPちゃんは驚きを隠しきれない。
サングラスの下の瞳孔も開きっぱなしで危険信号を発していた。
「パトリックの瞳孔開きまくりーちょーやばくね?つーかちょー可愛すぎぃー」
「え?ジョニー、僕が可愛い?」
ジョニ子の言葉に喜ぶPちゃん。
「……はっ。アタシったら何してたかしら!?」
「ジョニー今の言葉をもう一回言ってもらっていいかな」
「今の言葉ってなによ。訳わかんないこと言うわね。
それよりもエマを前にして、どっちにつこうか迷ってたのにアタシは気づいてたわよ」
「いやっそれは……あのっいやその、あれは」

「さっきのジョニーなんやったんや?」
「暑さでやられたんかもしれんな」
「マダムのよろめき」のせいとはまだきづかない一同であった。

160:スポーツ好きさん
10/06/12 21:52:09 78q2Xs0b
再びグランドキャニオンにやってきたライサ。
「確か管理事務所から北へ○○kmだったから・・・・こっちだ!」
自分の体と太陽の位置を使って方角を割り出す。
「う~ん、こういう時身長長いって便利!」
胸を弾ませ再びジャンプする長い人だった。

161:スポーツ好きさん
10/06/13 07:04:29 dz3IodOO
一方バトルはまだ北極にいた。
シロクマに食べられそうになり、逃げ回ってるという過酷な状況である。
お菓子だけが命綱。それが尽きる前に脱出しないと・・・・!

ジョニ子の唐突なギャル化→元通りに、Pチャンはとまどい、ジュベールは鼻白んだ。
ランビエールは「まあええわな。気まぐれ乙女はかわいいやん。アハンアハン」と
気にせず、鳩がくれたポン菓子の余りを食べたりしていた。

ヤグ&大輔は顔を見合わせ、なにやら満足げにうなずいている。
特にヤグディンはえらく悦に入ってるご様子。
仮にマトリックスではなく、アボリジニの方に変化してたらどうだったのか。

162:スポーツ好きさん
10/06/13 16:44:31 PrMFQYHr
そのころグランドキャニオンヘリコプターツアーに参加していた観光客は
「なんだかよく分からないけど、あそこにすごく黒い人が!」
「ってか人間じゃなくね?あの長さ」
「えっ、じゃあビッグフット?」
「あんなに細いのいるかよ・・・あ、消えた!」
と上空からライサを見て口々にああだこうだと言い合い、
最終的に”餓死をしたビッグフットの幽霊”で落ち着いた。


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