10/06/23 22:38:03 D9skLcyB
若将軍 「浴衣を?」
ネイピア姉 「うむ。(←若将軍に資料を差し出す)」
若将軍 「・・・(←資料を眺めている)」
ネイピア姉 「今、ちょうど供給過多気味の素材があってな。
調べてみると、浴衣の素材に適しておると判ったんじゃ。
我はそれを、1年を通して使える服として売り出そうと思っておる。」
若将軍 「海都の気候を考えれば、夏だけしか使えないというわけじゃないだろうな。
・・・だが、それならなぜ俺に依頼を出したんだ?
今さら素材の収集、というわけでもないだろう?」
ネイピア姉 「うむ。・・・お主にはな、広告塔になってもらいたいんじゃ。」
若将軍 「広告塔?」
ネイピア姉 「知っての通り、アーモロードには和服を着る文化は無い。
日常的に来ておるのは我か、お主ら将軍、あとは忍び達くらいじゃ。
何の工夫もせぬまま浴衣を売ったところで、せいぜい一過性のものにすぎん。」
若将軍 「・・・・・」
ネイピア姉 「お主のような黙っておれば眼鼻立ちの良い男は、
モデルには最適。そういうことじゃよ。」
若将軍 「・・・・・条件が有る。」
ネイピア姉 「なんじゃ?報酬なら例の小娘の所に・・・」
若将軍 「ああ、報酬の問題じゃないんだ。
・・・むしろ、こちらの条件を呑んでもらえるなら、報酬は要らない。
無給で働こうと思う。」
ネイピア姉 「・・・・」
若将軍 「怪しいか?」
ネイピア姉 「タダより高いものは無いと言うでな。」
若将軍 「当然だな。・・・だが、貴方に損はさせない。
話は簡単だ。浴衣とセットで使う履物として、下駄を準備してもらいたい。」
ネイピア姉 「下駄を?」
若将軍 「それと、だ。1000に1つくらいの割合で、鼻緒が切れやすくさせてほしい。
それも女性向けの、サイズの小さいもののみに、だ。」
ネイピア姉 「・・・・」
若将軍 「・・・・」
ネイピア姉 「不良品を混ぜろ、ということかの?」
若将軍 「正確には違うが、概ねその通りだ。」
ネイピア姉 「不良品を意図的に作った等と知れたら、この店の信用問題じゃ。
それがわからぬお主でもあるまい?」
若将軍 「・・・そうだな。だが、時に不完全な品が求められることもあるんだ。」
ネイピア姉 「理由を、聞かせてもらおうかの?」
若将軍 「・・・夏祭り。」
ネイピア姉 「は?」
若将軍 「この町の夏祭りまで、あと1カ月と16日だ。」
ネイピア姉 「それと何の関係があるんじゃ?」