10/03/16 00:36:35 i/bMF9Ic
ゲルダ「影業のシンディ、今日こそ雌雄を決する時ぞ！」
アレディ「あ、ゲルダ殿。師匠はただいま留守にしております」
ゲルダ「（ｶﾞｰﾝ）そ、そうか…ならば奴は何処にいる？教えぬならば、死あるのみ」
アレディ「今日は月に一度、甘味を賞味なされる日。
故に、異国の“あいすくりーむ”なる物を召し上がりに向かわれました」
ゲルダ「あいすくりーむ、だと？」
アレディ「はい。聞く所に拠ると、とても冷たい氷菓子だとか」
ゲルダ「氷！？」
アレディ「流石の師匠も“あいすくりーむ”には敵わないと申されておりました」
ゲルダ「…すまんが急用を思い出した、貴様との争覇は次まで持ち越しだ！（ﾊﾞﾋﾞｭﾝ）」
アレディ「ぬっ、早い！まさに電瞬一撃…凍鏡のゲルダ、恐るべき使い手です」
（数日後）
ゲルダ「久しぶりだな、シンディ！」
シンディ「ゲルダ…その鬼気迫る形相、どうやら貴女の決意は不退転のようですね」
ゲルダ「その通りだ。さあ、その身に受けるがいい…貴様の為に編み出した新たなる奥義を！」
シンディ「良いでしょう、私も全身全霊を以って貴女の業を受け止めてみせる！」
ゲルダ「喰らえ―『氷牙刺（こおりがし）・逢須繰矛（あいすくりーむ）』！！」
シンディ「……なんですか、これは」
ゲルダ「だから、“あいすくりーむ”だ。さしもの貴様も“あいすくりーむ”には太刀打ち出来ぬと聞いてな…
こいつを編み出す為に、三日三晩休むことなく修練に身を注いだ。我が全身全霊の秘技をたっぷりと味わうがいい」
シンディ「…ゲルダ…」
ゲルダ「か、勘違いするな！こいつはあくまでも攻撃なのだ、全ては貴様をこの手で平伏させる為なのだぞ！」
シンディ「まあ、貴女がそこまで言うならば…（ﾊﾟｸｯ）」
ゲルダ「ど、どうだ（ﾄﾞｷﾄﾞｷ）」
シンディ「ゲルダ、あなたの研鑽は理解いたしました。故にはっきりと言わせて頂きます」
ゲルダ「ああ！（ﾜｸﾜｸ）」
シンディ「…これ、味も素っ気も無い、只の氷ではありませんか」
ゲルダ「！！ ……うわ～ん！」
シンディ「む、早い！これぞ加速装置…凍鏡のゲルダ、荒れ狂う濁流のように激しい人ですね」
くそ！何故だ！どうして俺の中でゲルダ様のイメージが
「本当はシンディ師匠が大好きだけどつい空回っちゃうツンデレさん」で凍結されてしまったのだ！？