09/09/09 23:24:51
様々な思いが胸中を巡ったイーブイはしばらく黙りこくっていたが、やがて堰を切った様に鳴き始めた。人間にしてみれば、暗い部分の心情をこれから吐露される訳である。
よくうちのにわにきていたピカチュウ…クロっていうんだけどね、びょうきのこととか、すごくきにかけてくれていたの。
クロはむかしペットだったことがあったけど、「おや」のひとがあなたとおなじびょうきでしんでしまって、もともとすんでいた「きいろのもり」にかえって、それからはずっと「やせい」だっていってた。
あなたのことでなやんだときに、そうだんにのってもらった。これからのことで、じょげんをたくさんもらえた。それに…はなしているだけで、こころがおちついたの。
でもごめんなさい。いいきになって、ずっとさきのはなしばかりするようになってしまったの。そのときだけ、さみしくなくなっていたから。
あなたがつらいのに、わたしにげてた!ごめんなさい…
イーブイは人間に深々と頭を下げる様な体制で下を向いていた。
人間は今までに聞いた事の無い早口とその内容に呆然としていたが、突如何かを思い出したと言わんばかりの顔つきになった。次第に悲哀のとれた穏やかな笑顔になっていく。
…未来の事を考えるのはちっとも悪くなんか無い。気持ちの切り替えが出来ているって事さ。だって、ココは生きているじゃないか。未来を夢見て何が悪い?
それに比べてぼくは…とにかく長生きする事に拘り過ぎたかな。今日は話してくれてありがとう。