09/08/31 12:39:17 h3iq5535
しかし・・・、
ぐぅ~~~
まるで、カエルがなく様な音がしたかと思うと、オレはその場に座り込んだ。
「ハラ・・・、減った・・・。」
そう、オレはあまりにもハラが減りすぎていて、動けなかった。
そういえば、今朝からなにも食べていなかった。いや、オレがうまれてから、
あのトレーナーはオレに何も食べ物を与えてはくれなかった。つまり、オレは
ここ数日、絶食状態だったわけだ。
「ヤ、ヤベェ・・・。なんか食わないと、コレ、死んじまうって・・・マジで・・・」
オレはコレはマズイ!と本気で思った。尋常な空腹じゃなかった。
復讐どころじゃない・・・、オレは死にそうになりながら、なんとか立ち上がり、
復讐のために・・・、ではなく食料調達のために歩き出した。
だが、食料を探す事が案外難しいことをオレは始めて実感した。
木の上を見ても、地面を見ても、どこにも食べれそうな物は、まったくなかった。
気がつくと、オレは草むらではなく、森のなかに入っていたが、その森にも
木の実はおろか、木の実の破片さえなかった。
(なんで、ねえんだよ・・・、いじめかよ・・・)
オレはついにその場に倒れ込んでしまった。
(・・・生まれてから、まだ日が浅いのに、オレは空腹のせいで死ぬのかよ・・・)
そんなことをぼんやり考えていた。
それから、しばらく時間がたった。オレはしょうこりもなく(なんとか)生きていた。
しかし、自分がこのままでは、餓死する事は百も承知していた。
なんか食わないと・・・、なんか食わないと・・・、そう思っていた時だった。
「ん・・・?」
なにか、かすかに聞こえたような気がした。
気のせい・・・?
・・・。
ハハッ!・・・
いや、気のせいじゃない!たしかに今笑い声がした!
オレは最後の力を振り絞り、立ち上がると、声のする方目指して、
大儀そうに歩いていった。