09/07/25 23:04:33
「そういえば、リザードンはどこに行ったんですか?」
もう一匹の同居人、リザードンの姿がないことに、今気付いた。普通なら巣の警備をするため、ここにいなければならないんだが…
「リザードンさんなら、217番道路に飛んで行ったわよ」
オオタチがリザードンに対してさん付けなのは、リザードンは彼らのボスだからだ。
「え?」
「210番道路支部のピジョンがさっき来ててね、自分じゃウリムーが生きていくのに適したところに連れていけないから、リザードンさんの力を借りたいって言って…」
「ウリムーを野生に返すため飛んでいったというわけですか」
「あたり」
orz で表すのがピッタリな姿勢にピカチュウがなる。厄介な展開になるのが、今までの経験からすぐにわかった。
「そこで、ひとつお仕事頼みたいんだけどいいかな?」
「何ですか?」
「明日からの食糧調達。お願い」
甘い声でオオタチにああ言われるとピカチュウは断れなくなる。
「了解です…」
普段食糧調達はリザードンとピカチュウが一日ずつ交代でやっている。
食糧調達の当番じゃないほうは巣の警備となり、敵が来ないかぎり一日中のんびり過ごすことができる。
警備はいわば休日のようなもので、これからはそれがリザードンが帰ってくるまでなくなる。
「リザードンさん曰く217番道路までは遠いし、道のりが険しいから一週間は帰れないって」
「はい…」
オオタチは戦闘が苦手じゃないか。
オオタチはかわいい女の子だし、ビーダルたちに襲われるかもしれないじゃないか。性的な意味で
ケガしているイーブイの傍にオオタチがいたほうがいいじゃないか。
無理矢理理由をつけて、無理矢理自分に言い聞かせた。
「でもやっぱり自宅警備員がいいなぁ」