09/03/26 21:40:04
前スレ910です。
ようやく以前描いた話(償い)のスピンオフエピソードが描きあがったので新スレに投下します。
償いの続編エピソードは他に描いた話とも若干リンクした内容になるかも・・・
「元気でやれよ。まぁおまえみたいなクズはすぐに飢え死にするだろうがな」
生まれたばかりだった私は何を言われたか理解できなかった。
ただ置いていってほしくなかった。
その思いですがるように着いていこうとしたら、その男はボールから私よりもずっと大きなポケモンを出し「片付けろ」とだけ言った。
その後のことはよく覚えていない。
ただ薄れ行く意識の中で高笑いを上げながら私に罵声を浴びせていたことだけは分かった。
気がついたときには目の前に野生のポケモンがいる。
大きく口を開き、私の腹を食い破ろうとしている様子が見えた。
こんな所で死んでたまるか。
あの男に復讐するまでは!
痛くてよく動かない体に無理矢理力を込めて、その場から力いっぱい跳躍した。
宙を舞う私の後ろ足を敵の鋭い爪が深く抉る感触と同時に熱い何かが後ろ足を濡らす。
だが、そんなことにかまってられない。
とにかく全力で逃げた。
目の前の草むらに飛び込み、痛みでろくに動かない後ろ足を引きずりながらとにかく走り続ける。
どうにか敵を撒いた時に初めて気づいたことだが、顔の左側が大きくパックリと裂けており既に傷口が乾き始めていた。
どうやらあの男が連れているポケモンにやられたらしい。