09/05/24 00:56:54 nRCFwQiU
>>573
これは非常に難しい問題ですね。
まず、私はこういった問題を議論、検証するにあたっては、「我々は考古学を取り扱っているのではない」ということを常に留意する必要があると思います。
清国時代や、日本に割譲された1895年当時を生きていた人に今から取材することは不可能ですから、残された資料や状況証拠を手がかりに推測するしか無いという点では考古学と同じです。
しかし、そうして導きだされた結論は、今現在生きて暮らしている人間の、今後の人生に大きく影響する可能性があるのです。
ですから、現代の情勢に影響する近代史というのは、多かれ少なかれ、それぞれの立場に有利な結論ありきで分析されるのは仕方の無いことです。
そういった意味では、そのサイトのように必死で日台戦争があったと主張しても誰得ですが。(中共や国民党が得するとしても、労力に対して効果が微妙すぎる)
左翼批判という意味ではなく、我々自身も単なる自己満足に陥らないように注意し続けなければならないと思うため、長々と書かせてもらいました。
本題の、台湾という国の起源はどこかという問題ですが、逆轉隊の立場としては、「何年後かは不明ですが、そう遠くない将来のある時点がそうなる予定」と答えるのが的確でしょう。
一般的に見てどうかという話は、本当は私より隊長や他のメンバーに聞いた方が良さそうなのですが、大雑把に言って以下のような感じじゃないかと思います。
割合は、世代や地域によってかなり違うと思うのでよく分かりません。
独立建国派:「台湾人意識ならあるけど、台湾という国は未だかつて成立したことがない」
最近建国派になった人:「やっぱり無かったということに去年気付いた... 冏rz」
国民党原理主義者:「中華民国は國父(孫文)が作った!台湾は中華民国の一部だ!大陸も中華民国の一部だ!」
その他大勢:「台湾は中華民国なんでしょ?起源?さぁ?よくわかんねw」
それでは、台湾人意識の始まりとしてはどうかを考えると、これも、明確にいつ頃から、というものではなさそうに思えます。
日本では意外と目にすることが多い台湾民主国については、台湾人から聞いたことは今まで一度も無く、やはり、日治時代に蒔かれた教育という種が国民党政府の侵略によって芽を出したのが最初ではないでしょうか。
その後も続く本省人と外省人の対立、李登輝政権時代、民進党政権の誕生も、台湾人というアイデンティティの確立に大きく関わっているはずです。
とはいえ、何かのきっかけで爆発的に広まったわけではなく、長い年月の間に、「気がついたら自分は台湾人だと思う人が増えていた」のではないかと思います。
また、台湾人という言葉の持つ意味も、時代とともに変化していっていると思います。
私の考えとしては、台湾人や台湾人意識というのは、特定の民族や特定の国家の末裔をさすものではなく、人工的な多民族国家という意味で「アメリカ人意識」に近いものだと思いますし、それが一番現実的な落ち着けどころになるでしょう。