09/01/08 00:37:47 Zr9+pFQS
>>379
そこは、ややこしいし、本筋と関係がないので聞かれたら答えるつもりでいた。実は、書かれた字面だけ見ると
論理的に破れているような印象を与えるかとも思ったので、
>俺が君に対して”ある種”要求した「体系性」というのは
という風に書いた。
それで、聞かれたので説明する。国籍法・自衛隊・皇室というような組み合わせは、実は典型的な「論点セット」だ。
「論点セット」という考え方は、俺が知る限りでも数人の論者が似たようなことを言っているから、さほど目新しい考え方
でもないが、一番グーグルに引っかかりやすい最近のものは、内藤朝雄の「論点抱き合わせセット」という概念を
参照してほしい。要は、本来は論理的繋がりが薄いにもかかわらず、なぜか、
サヨクなら、再分配拡大─自衛隊縮小─皇室軽視、という系列の答えのセットを好む。
ウヨクなら、再分配縮小─自衛隊拡大─皇室重視、という系列のセットを好む。
というようなパターンや傾向の問題だ。再分配と皇室問題などというのは、せいぜいが、「皇室は税金の無駄遣い」
程度のほとんど言いがかり的論理関係しかない。もちろん、間接的な連絡を含んだ、緩やかな論理的関係なら色々と
こじつけられるだろうが、現実問題としては、ほぼ自動的に、別の言い方をすれば「党派的」に、答えの傾向が決定
されているのが本当だろう。
ところで、俺は最初に、君をどうも胡散臭いと感じた。コテコテのネット言論に加担しつつ、国籍法について、穏当で
バランスの取れた見解を示したからだ。そこで、国籍法の見解がフェイクではないか、という疑いをもった。そのこと
を確認するには、むしろ典型的な「論点セット」をつきつけて、意見を求めることがリトマス紙になる。しかし同時に、
俺の本音としては、論点セットに「乗ってくる」ような奴というのは、紛れもなく、「党派的」な人間で、先ほどの議論の
文脈でいえば、賢者の「体系」に魂を乗っ取られた人間だ。だから、俺の質問は同時に二つの問いかけを背負っていた。
一つは、「そのお前の国籍法についての見解はどのくらい”本物”なのだ?」ということ、そして、さらにその裏側に
あったのは、「お前はよくいるタイプの”党派的”人間か?」ということ。当然、裏側にあるものの方が、俺にとっては
重要で、したがって、俺が本音のところで要求している体系性は、俺が言葉の上で要求したものとは正反対のもの
だったということだ。
文章で説明するとこのようにやたら長くなるし、そもそもそのような二重の針が仕掛けられた釣り糸でテストされる
などというのは、ぞっとしない話だろう。とはいえ、これについては、君の「狂気」についての話が、事前になされていた
ことと無関係ではない。もはや一息ついた話題であるし、そう面白いとも容易だとも思えないから深入りしないが、
それは、いわゆる「心の病」ではなく、むしろ言論の病、という趣きのものであったことは、述べておいてもよいかと思う
(付言すれば、「言論の病」を侮ってはならない。言葉が病んでいるということは、結果として、心が病んでいることと、
ほとんど区別を付ける意味がない場合も、時にはあるからだ)。