09/01/07 13:53:18 eF1aFOgz
それにしても昨日の心理学者氏の言い分を読み返してみると
どうもネット上の言論というものを特定の論点しか論じることの出来ないものとして
見下しているようで、そこにコミットしているという理由で俺を批判しているのか
それとも俺を何やらつまらない人間として批判するためにネット言論の欠陥を言い立てているのか
そのあたり詳細ははっきりしないのだが、ともかく少しネット言論やネット活動について誤解があるようだ。
ネット上の議論といっても色々あるんだが、まぁここでは政治系に絞ればいいと思う。
ネット上での政治系の議論は何か特定の事件や報道をきっかけに自然発生的に始まるものが多く
どうしても体系的論点の呈示からではなく特定の論点から始まることが多くなる。
そしてネット言論の場ではリアル言論の場のように論者の間に序列や権威といったものが存在しておらず
一応全員が対等であるという形なので、賢者的な存在が体系的論点を呈示しても
それが一気にコンセンサスを得るということにはなかなかならない。
リアル言論の場でも実際は賢者の呈示する体系的理論を全員が理解し賛同しているわけではないのだが
互いに顔の見える現実世界では政治力学が働いてコンセンサス形成が進むのだ。
しかしネット世界ではそうした政治力学が微弱であるため、特定の論点にこだわった言論が多く生き残る。
結局は体系的理論もそうした特定の論点と折り合いをつけて最終的にコンセンサスが形成されていくのであって
そうしてネット言論の場なりのバランスというものはとれていく。決してネット言論がバランスと無縁なのではない。
ただそれはどうしても特定論点を重視したものになりがちで、体系的なものではないように見えるかもしれない。
また、純粋思考の中で熟慮の末に練り上げられた理論に比べ、ネット上の力学が作用した不純なものにも見えるかもしれない。
しかし、本当に現実世界の特定の個々の論点を矛盾なく包含し得る体系的理論など存在するのだろうか。
そんなものこそ観念的に過ぎる絵空事でしかないのかもしれない。むしろ1人の熟慮ではなく多数の議論の末に辿り着いた
不格好で体系的でなく狭い視野しか持たないような結論のほうがよりリアルで有用なのかもしれない。
俺はどちらかというと、心理学者氏が国籍法の問題について褒めてくれたように
1人で思考して割と無難で面白みの無い、良く言えばバランスのとれた見解に落ち着くことが多いので
それが観念的に過ぎることを警戒して、ネット言論の場にコミットして生の議論をしてみたくなるのだろう。
ただ、ネット言論の場に問題が無いわけではない。箸にも棒にもかからない低劣な論があるのも事実だし
ネット言論の場の自由闊達さを悪用して特定の方向へ誘導しようとする政治的な動きも存在する。
特に最近はそういう傾向は顕著で、かつて俺が好んだネット言論の場は大きく変質してしまったようだ。
今後、そういう悪しき言論をいかに排除していくのかが大事になっていくだろう。
また、ネット上の言論とは別に、ネット上で何らか具体的活動をしようという時は
ネット上では誰もが対等であるがゆえに論点が多岐にわたっているとどうしても意見がバラバラになってしまうので
活動の妨げになることも多い。だから活動を伴う場合は、努めて論点を特定のものに絞るほうが良い。
俺がネット上で関わることが多いのはだいたい活動絡みなので、どうしても論点は絞りがちになる。
特に他の論点を避けているわけではないのだが、どうしても活動に関係の無い論点は触れないということが多くなるのだ。