09/06/02 19:58:53 2aGli8Hl
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「そうだ…野球が好きなんだ」
映画“ナチュラル”の中のロバート・レッドフォードの台詞である。原文は“God, I just love baseball.”。
翻訳の専門家の人には文句を言われそうだが、「神様、私は野球が好きなだけなんだ」と直訳しては、
レッドフォードが演じた“不遇の天才打者”の気持ちは伝わらないと思う。噛み締めるような想いが、この簡単な一文には込められているからだ。
アメリカの6月と言えば、夏休みのはじまり、つまり本格的な野球シーズンの到来を意味する。
この時期に両リーグ交流戦を仕組むあたりは、さすが商売上手のMLBと言えなくもないが、
とにかく夏は野球の季節なのである。例えばカブスの本拠地リグレーフィールドでは、
まだ肌寒い開幕直後には閑散としていた通り向こうのビルの屋上席が、パーティー好きの人々で埋まり始める。
ボストンではグリーンモンスター席を求めて争奪戦がさらに激しくなり、NYマークのグッズを着込んだ連中は、
よりいっそう勝ちにこだわり始め、西海岸や南部の町でも、観客席にサイズの合わない帽子をかぶった子供たちの姿が目立ってくる。
真夏になると、民家からはTVやラジオ中継の実況放送が聞こえ漏れてくる。野球なんだから、
頑張って楽しむ必要はない。真っ昼間からビール片手に、こうこぼしながら楽しんだって、誰も怒らないのだから。
「野球ってのろのろしてるよなぁ」と。
世界的な経済危機だ、未曾有の大恐慌だと騒いでるんだから、のんびりプロ野球など楽しんでいる暇なんてない。
それでもやっぱり、夏は野球=Baseballなのである。ホットドッグにビール。鉛筆とスコアカード。日本人選手を追うのもよし、
日本人選手にはない変てこりんな打ち方やパワーに酔いしれるのもよし。遠く離れた日本で、朝っぱらからTVで野球を見てたっていいじゃないか。
「そうだ…野球が好きなんだ」
そういう気持ち、分かるでしょ?