08/09/08 12:54:08 dlWkq0XU
未完の大器が、ツボミから“脱皮”した。劇的なフィナーレ。プロ初本塁打が代打サヨナラ。
親子ゲームの10時間前にも3ランをブチかますオマケ付き。
脚本家でも書けないドラマのエンディング。中日・平田が1人2役の主役を演じた。
バットを放り投げ、両手を広げた。確信が全身を包む。同点の九回、一死。右中間に劇弾は消えた。
高校通算70本塁打の和製大砲が、苦節3年目で産声を上げた。プロ第1号。ナイン総出の袋だたき。師匠・立浪との熱い抱擁。言葉が出なかった。
「ホームランを狙え」。打席に向かう直前、立浪がささやいた。毎日の早出特打に付き合い、技術指導から精神面に至るまで、
勝負師の神髄を惜しげもなく注いでくれた先輩。感謝の気持ちを結果で表せた。プロとしてこれ以上のことはない。
感触は一緒だった。ナゴヤドームで行われた横浜戦前のウエスタン・ソフトバンク戦でも、右中間に3ランを放っていた。同じ舞台、同じ方角。
残像、軌道を10時間前に重ね合わせた。
「長かったですけど、自分ひとりの力で来れたわけではないので。皆さんに感謝してます」。大阪桐蔭高時代に右肩を脱臼しながらもドラフト1位で指名してくれた落合監督。
リハビリに付き添ってくれたトレーナー。額を地につけても、ありがとうの思いは尽きない。恩返しの旅は今、始まったばかりだ。