08/09/03 21:40:15 0
『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』は当初、招待作品だったことを押井監督が明かした。
押井監督は「最初はコンペじゃないと言う話だったんです。だから楽しく映画祭に来られると思ったんですけど」と苦笑い。
結果、宮崎監督同様に、同映画祭初のアニメーション映画での金獅子賞受賞の期待が寄せられることになった。
それでも押井監督は、映画『イノセンス』が日本のアニメーション映画として初めてカンヌ国際映画祭のコンペティションに
選ばれたときと比較し、「カンヌのときは大学受験のテストで緊張して以来の緊張で、しかも一回滑っているので
イヤな記憶がよみがえってくるんですけど、今回はダメだったらしょうがないと。淡々としていようと思っています」と
リラックスした表情を見せた。
また今回、くしくも金獅子賞を争うことになった宮崎監督や北野監督の作品にも言及し、
「偶然かもしれないけど、ミヤさんの作品も北野監督の作品も老人の映画だね。ミヤさんの作品は老人と子どもしか出てこないし、
北野監督の作品は老夫婦。僕は言ってみれば子どもの世界を描いている。偶然なのか、3人の作品とも大人が出てこないんですよ。
なぜ大人が映画の真ん中にいないのか? ミヤさんの場合は老人の妄想だね。僕はそう思っているけど。
僕のは、多少未来があると思うけど」と分析した。
続けて、「二人の映画は好きだし、全部観ているけど、なぜ大人が出てこないのか。
アニメーションの世界ではわりとそれが自然だったけど、明らかに『崖の上のポニョ』に関していうと、
避けて通るように老人と子どもしか出てこない。何か伝えたいものがあるのだろうけど、大人が主役の映画は作りづらいのか。
二人を意識するというワケじゃないけど、同じ時代を呼吸している何かがあるのではないか? と思います」
と同じ映画作りをする同志として共感していることを語った。
押井監督の話は、今回のコンペ作品21本中、日本映画が3作品も選ばれたことに及び「欧州で日本映画を含めたアジア映画が
積極的に取り上げられるようになったのは、ここ10年ぐらい。単なるオリエンタリズムじゃなく、全部がおたく化しているのではないか。
ヴェネチア映画祭の場合は、それが極端なんだと思うけど」と持論を展開した。
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