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第65回ヴェネチア国際映画祭が、折り返し地点となる6日目を迎えた。
コンペ作品21本のうち、9本が公式上映を終えたが、映画祭デイリーペーパー「CIAK」の“星取り表”では、
現在宮崎駿監督『崖の上のポニョ』がトップ、北野武監督『アキレスと亀』は3位につけている。
「CIAK」の批評ランキングは、「IL GAZZETTINO」や「LA REPUBBLICA」といった
イタリアを代表するメディアの批評家たち10人と、一般から選ばれた10人の観客たちが、コンペ作品の評価に応じて星をつけていくもの。
6作品の上映を終えた5日目までは『アキレスと亀』がトップを走っていたが、6日目の8月31日(日)、
批評家1人と一般6人のつけた五つ星により、『崖の上のポニョ』がトップに躍り出た。
現地点で他の有力作は、同じく31日に上映されたプピ・アヴァティ監督によるイタリア映画“Il papa di Givanna”。
1938年のボローニャを舞台に、不安定な精神状態から親友を殺してしまうジョヴァンナと、無償の愛で絆を深めていく父、
そんな父娘の間に入り込めない母が織りなす家族関係を描くドラマ映画だ。地元イタリアの作品とあり注目度は抜群だが、
金獅子賞の行方を占ううえでは、落とし穴もある。
批評家や観客たちの星付けとは異なり、実際の金獅子賞の行方には、その年のコンペ部門審査員のカラーが強く反映される。
今年の審査委員長ヴィム・ヴェンダースはカンヌ映画祭で審査委員長をつとめた際に、
スティーヴン・ソダーバーグの実験的映画『セックスと嘘とビデオテープ』にパルムドールをおくった人物。
感傷や愛を描いた『ニュー・シネマ・パラダイス』系ドラマを避け、
新進気鋭のリアリティに目を注ぐ傾向にある(関連記事:マルコ・ミューラーのインタビュー)。
また、日本映画に関しては、ヴェンダースが親日家であるがゆえに評価が厳しくなるという見方もある。
ある映画ジャーナリストは、「ヴェンダースは、たけし、宮崎、押井(守)の過去の作品をほとんど見ているはず。
だからこそ、今回出品されている作品単体の評価ではなく、過去の作品との比較で評価するだろう。
同じくジョニー・トーも日本映画に精通しているからこそ、厳しい評価を下す可能性も」と分析する。
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