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サカ豚は「プロ野球は国税庁通達によって、赤字補填を損金扱い、無税で受けている!」と喚くのだが
サッカー界の大御所が「Jリーグにも同じ通達が適用されている」と明記していることは無視するんだよな。
川淵三郎・著「虹を掴む」より
税金問題にしてもそうだ。渡邉さんはプロ野球のようにチーム名に出資企業の名前を付けることに
こだわるあまり、チーム名に出資企業名がつかないと、その企業からクラブへの赤字補填のお金が
広告宣伝費として損金扱いされないと主張した。これもまったくの誤解。渡邉さんとは逆に、チーム名
から企業名を外すことにこだわっていた私はJリーグを立ち上げる前からこの件について国税庁に
相談を持ちかけていた。そしてプロ野球球団への親会社の赤字補填のお金が広告宣伝費として認め
られているのは、国税庁長官の通達でしかないことを教えてもらっていた。その通達は当時プロ野球
チームを所有していた映画会社や鉄道会社からの陳情を受けて昭和29年8月10日くらいに出たもの
で、それが今に生きているということだった。
われわれは、Jリーグではチーム名から出資企業名を外したい、それでも出資企業から受け取る
お金を広告宣伝費として認めてほしいとお願いした。すると国税庁は「ユニフォームの胸に企業名でも
入れば問題ない」という。が、名古屋グランパスエイトをサポートするトヨタ自動車や鹿島アントラーズを
サポートする住友金属は「そんなケチな真似はしたくない。うちは企業メセナ的な発想でやるのだから」
という考えだった。それで「胸に企業名を入れないクラブもある」と答えたら、「それならユニフォームの
どこかしらに、小さくてもいいから出資企業の証になるものを入れてくれれば広告宣伝費として認めま
しょう」と言ってくれた。それで名古屋や鹿島はリーグ開幕当初、非常に小さなマークをいやいやながら
ユニフォームの袖に入れていたわけである。「何も入れたくない」というトヨタ自動車や住友金属に
「頼むからマークを入れてくれ」とお願いしたのはこちらだったのである。この件に関する渡邉さんの
Jリーグ批判は、そういう過去の国税庁とのやり取り、出資企業とのやり取りを全くご存じなかったのだ
と思う。