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勘違いで延期になっていたノーベル賞作家大江健三郎さんの講演会「本を読むことに始まる」が16日、
山形市のシベールアリーナで開かれた。大江さんは、当初予定の10月4日に来なかったことをわびた上で、
後日談をユーモラスに披露した。
4日の講演会を翌日と間違えていたことを本番直前に知った大江さんは、大声で「もう間に合わない」。
「自分一人の失敗でお客さんに迷惑を掛けた」とすっかり落ち込み、
自宅2階の書庫にある携帯ベッドに引きこもってしまった。1週間たって、障害のある長男光さんが上がってきた。
「パパは気持ちが変になっていましたか?」と言われて「そうだ、気持ちが変になっていたんだ。でももう大丈夫」。
2人で堂々と階段を下りたという。
本に鉛筆で書き込み、赤線を引くのが大江さんの方法。「同じ本の再読が非常に重要。
1回目は海図を持たない航海のようなもの。2回目で新しい読み方を発見するだけでなく、
再読している自分自身が分かる」と勧めた。
読書で身に付くのは「想像力」。限られたイメージ群を想像力によって、
強力で新鮮なイメージにつくり替えていくのは作家の仕事でもある-と指摘。大江さん不在の前回、
急きょ代役を務めた作家井上ひさしさん(川西町出身)の朗読劇「少年口伝隊一九四五」を例に挙げ、解説した。
聴衆は満員の600人。先着200人には、大江さんが自戒を込めて自著に「注意深く」、
同じ意味のフランス語「Attentif!」と記したサイン本が贈られた。
写真:講演日勘違いの後日談や、読書の力について話す大江健三郎さん=山形市のシベールアリーナ
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ソース:山形新聞
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