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教皇に言われた通りに、アルデハビッツを目指す。
アルデハビッツはアーリアの故郷だという。
アルデハビッツに到着し、早速クーベルに会う。
クーベルは確かにおっさんだが、それほど年を取っているとは見えないし、
ましてや、100年前から生きているようには見えなかった。
「あんたは100年前―獣人戦争のときのクーベルなのか?まだ生きているなんて―」
「確かに、わしは屍も同じじゃ」
「教皇様があなたに会えと仰いました。[生命の法]について教えてください」
アーリアがそう言うと、クーベルは語りだした。
「かつて、わしはある旅人から[生命の法]を授かった。
[生命の法]を執り行うには、とてつもない力を必要とした。そのために造られたのが[ペイシェント]だ。
何千もの[レイモーンの民]の魂を凝集して[ペイシェント]を造りあげたのじゃ。
―わしを虐殺者と罵りたければ罵るがよい。
だが、あのときはそれ以外に[レイモーンの民]を救う方法は考えられなかったのじゃ。
そしてわしは、教わったとおり[生命の法]を執り行った。
すると、空間に真っ黒な扉が開いて、辺りのエネルギーを全て飲み込んでしまった。
今、レイモーンの周囲が砂漠化しているのはそのためじゃ。
旅人は残った[ペイシェント]を持って去っていった―。
[ペイシェント]には、寿命を延ばす力が秘められている。
このわしも、[ペイシェント]の力で100年を生きることが出来たのじゃ。
旅人もまた、今も生きておる」
これではっきりした。[生命の法]がなんなのかを知っているのは、その旅人だ。
「直接聞けばよかろう。旅人とは、アレウーラの国王じゃよ。
王は強いぞ。おぬしらには、その覚悟があるかのう?」
みんなの気持ちは決まっていた。
「ならば、力を渡そう。国王を倒すために構築した[プリセプツ]を」
ルビアは「セイグリッドシャイン」、アーリアは「テンペスト」を覚えた。
国王はアール山の頂上に住んでいる。一同はアール山を登っていった。
中腹あたりにロミーが待っていた。
「わたしもそろそろ里帰りしたいのよ。だからあなたたちには死んでもらわなきゃ」
ロミーは体から瘴気を漂わせている。
「兄さん、ロミーは特殊な[スポット]だ。そのままでは止めは刺せない」
死んだと思われていたルキウスが現れて言った。ルキウスがロミーに向かって念じると、
ロミーは真の姿―全身真っ黒な[スポット]の姿に変わった。
カイウスとルビアは親の仇を討った。
「終わった―父さん、やったよ!」
頂上まで登り、国王が住んでいる建物の前に着いた。
そこには見えない壁が張り巡らされていた。
試しにティルキスとフォレストが見えない壁を押そうとしたがびくともしない。
「なるほど。[ヒト]も[レイモーンの民]も入れぬ領域か」
「オレがやってみる!」
カイウスが進み出て押してみると、見えない壁は一瞬にして消えた。