彼の家に行ったら玄関にしゃがんだガイルがいたat GSALOON
彼の家に行ったら玄関にしゃがんだガイルがいた - 暇つぶし2ch396:ゲーム好き名無しさん
08/06/22 01:11:45 QYPQHP5CO
また、夢を見た。
花畑の中を歩いて行くと大きな川が流れていた。
ダルシムそっくりの渡し守が何者かと争っていた。
僕は花畑に隠れ様子をうかがう。
ダルシム「ほーれ。お前さんは罪の無い人はおろか妻と娘にまで手をかけおった。
その所業、鬼畜の如し!よって地獄に堕ちなさい。」一郎「黙れぇい!ワシを誰だと思っておる!!くたばれ!ソニックブーン!!」
そこにいたのはなんと僕の父、一郎だった。
一郎「…?ば、馬鹿な!!なぜソニックブーンが出ない!!
ならば…サマソー!」
…しーん。
この場所で一郎はただの一郎だったのだ。
メカでも、ガイルでもない、ごく普通の中年親父。
死んだ人の来る世界だもんな…。妙に納得する。

ダルシム「ヨガヨガヨガヨガヨガ!!」
一郎「ぐげッぐげッぐげッぐげッぐげッ!!」
頭突きを喰らってノビる一郎。
そうだ。それがアンタの素の実力だ。所詮借り物の力がなければその程度だろうさ。

397:ゲーム好き名無しさん
08/06/22 01:35:29 QYPQHP5CO
ダルシムに連れ去られ三途の川を下って行く一郎。
僕は踵を返すと、振り返らず来た道を戻る。
…親父。
アンタは自分を馬鹿にした奴等に思い知らせるためその力をふるった。
そしてその復讐は遂げられた。

だが、その先に何がある?

結局、アンタは一体何がしたかった?


僕にはわからない。

…周りの景色がまばゆくボヤけてきた。現実の世界が、目覚めが近づいているのがわかった。

398:ゲーム好き名無しさん
08/06/26 15:13:13 saNi1UoLO
もう信じらんない!次回のコスプレイベントでガイルにコスプレして
イベント開始から終了までずっと
イベント会場の入口でしゃがんだまま
道行く人々にニヤリと笑いかけようなんて計画立ててる何て聞いてないし
ちょ~キモいよ!次の誕生日のプレゼントもらったら別れます

(とガチでガイルコスプレしてコスプレイベントに参加しようかと思った。
でもガイルの衣装何て売ってないよな?
自分で作るか特注するしかないか…大変そうだ)

399:ゲーム好き名無しさん
08/06/26 16:11:32 V2DkZqcLO
金髪逆毛+タンクトップ+迷彩軍服+軍用ブーツ+星条旗のタトゥー+ドッグタグ

これさえすればいい

400:ゲーム好き名無しさん
08/06/28 17:23:00 pDFzDVK6O
~エピローグ~

太郎「…ふぅ。またあの夢か…。」
あの死闘から3ヶ月。
僕は悪運強く死の淵から生還した。
度重なる改造手術で僕の中におけるガイルの比率がかなり偏り、
玄関でしゃがんだり、遊びに来た花子ちゃんを対空技で向かいの家までブッ飛ばしたり、
あげくのはてには巨大化して街を壊滅させたりと今になってみればちょっとヤンチャが過ぎたかな~とも思う。

父・一郎の一件はいまだに僕のトラウマだ。こうして今も殺戮サイボーグ中年親父の悪夢にうなされる。
全てを忘れる事は出来ないかもしれないが、新天地で別の人生を歩む事はできる。
機内アナウンス「死にたくないお客様はシートベルトをしめやがってください。もうすぐ着陸しますよゴルァ。
次はハワーイ。ハワーイ。終点でーす。」

そう。僕は休暇中のガイル(本物)とすりかわる為にハワイ行きの飛行機に乗っているのだ。
僕は親父とは違う。もっと上手くやるさ。


401:ゲーム好き名無しさん
08/06/28 17:35:18 Se8ixakiO
>>400
乙かれ様。面白かったです。
もう続編は無理ですよね…

402:ゲーム好き名無しさん
08/06/28 17:47:54 pDFzDVK6O
ガクーン!!

突如、機内が大きく揺れた!
アナウンス「オーマイゴッ!!右のエンジンがトーラブッちゃいましたぜ。お客様!
はっきり言って当機は墜落します。生存率は1%以下でしょう。」
パニックになる機内。悲鳴と怒号が響く中、さらにアナウンスは続く。
アナウンス「このまま死ぬのは、ノーサンキュー!なのでワタクシ機長はパラシュートで離脱いたします。
当機をご利用くださいまして誠にありがとうございました。それでは皆様、グゥゥーッド・ラァァック!!」
パニックは収まった。皆、あまりの絶望的状況に諦めてしまったのだ。重く暗い空気の中、口を開く者はいなかった。
まずいな。いくら僕がガイルの力を秘めているとはいえ…
理不尽なトラブルに冷静に対処しようと思ったが、さすがに分が悪い。航空事故じゃあ死ぬ。

その時、乗客の一人が叫んだ!
乗客A「窓の外に人が居るぞ!?」
何ィ?ここは高度数千メートルの上空だというのに!?
乗客B「スーパーマン!?それともスパイダーマン!?」
アメリカってスゲエ。そんな救いのヒーローがホントにいるのか。
乗客C「私達、助かるのね!」
機内の絶望的状況は歓喜の声に変わった!!頑張って名も知らぬヒーロー!!

403:ゲーム好き名無しさん
08/06/28 18:05:35 pDFzDVK6O
我らの救いのヒーローは、飛行機の翼に立ち、何もない空間から、ビーム砲を呼び出した!
そして、ビーム砲を構えると、
「プロトンキャノ~ン★」

残っていた左のエンジンを撃ち抜いた!
太郎「なんてことするんじゃコラーーーーーー!!!」
救いのヒーローはなんと死神だった!!
再びパニックとなる機内。かすかな希望からドン底に叩き落とされたから絶望もひとしおだ!

ズズゥン!
その謎の悪のヒーローが、天井を破って侵入してきた!!
ヤバいって!外との気圧の差どれくらいあると思って…!
乗客D「ひょえー」
乗客E「どっわー」
機外に吸い出され飛ばされる人々!!僕はしゃがんでタメを作り何とかもちこたえる。ビバ!ガイルパワー!

「太~郎~く~ん♪」

飛行機に無賃乗車してきたのは
陽子キャノン砲を肩にかついだ、
花子ちゃんだった…。


【太郎編・完】


404:ゲーム好き名無しさん
08/06/28 18:15:55 pDFzDVK6O
長らくのご愛顧誠にありがとうございました。
私事で恐縮ですが、作者KUWA(仮名)は4月の法改正と物価上昇の煽りを食らって、パソコンに向かうヒマもありません。


再び出会った二人はどうなるのか!?(考えてないかもしれません)
そして本物のガイルは!?(忘れていたかもしれません)
次週より、【激闘ハワイ編】が始まる!(かもしれません。)


405:ゲーム好き名無しさん
08/06/28 18:38:32 qQIWyuITO
仕事を好きに休んでハワイでゴロゴロしてるガイルって…
お金持ち!??

まぁ少佐だから給料は凄そうだが

406:ゲーム好き名無しさん
08/06/28 19:11:45 AcolYqPq0
花子ーーーーーーーーーwwww


407:ゲーム好き名無しさん
08/07/04 07:39:00 YyLtwK+YO
キャミィ花子萌え

408:ゲーム好き名無しさん
08/07/08 12:53:58 xb4xaKpE0
幕間

ハワイの高級リゾートホテル「アーンスランド」
彼はアメリカンコーヒーをすすりながら愛娘とテレビの緊急ニュースを見ていた
ガイル(本物)「日本からの飛行機が墜落したとな。何々・・・。すぐ近くの空港じゃないか。」
アナウンサー「事故現場からの中継です。墜落の原因は明らかになってはおりません。
事故による死傷者は今のところ不明です。機長はなんとエンジンがトラブルするやいなや乗客を見捨てて逃げ出したそうです。
なお機長は近くのクロコダイル養殖場の沼に軟着陸し、命に別状はないとのことです。その時点では。」
クリス(ガイルの娘)「???どういう意味かしら、パパ?」
ガイル「そりゃワニさんの沼にダイブすればなぁ。小粋なアメリカン・ジョークというやつだな。HAHAHA!」
クリス「・・・・・・・・・。」
ガイル「あぁー、すまん。ちょっと不謹慎だったかなパパ」

クリス「まあ、いいわ。アタシちょっとお散歩に行ってくる。」
ガイル「ハワイは観光地とはいえ、気をつけるんだぞ。特に路地裏とかに入ったりしちゃ駄目だぞ。」
クリス「わかった。愛してるわパパ。」

娘クリスを見送った後も、ガイルはテレビのニュースを見ていた。
休暇中とはいえ軍人としての勘がこの事故にただならぬモノを感じたのだ。
アナウンサー「さて、ここで訂正とおわびです。
>>396ダルシム「(省略)よって地獄に堕ちなさい」一郎「黙れぇい!・・・」とありますがこれは改行ミスです。
>>400あの死闘から3ヶ月。とありますがこれは矛盾してます。単に書き込んだのが3ヶ月前(四月)だったのが原因です。
>>311で、2週間くらい前・・・と言及しています。)
後先考えずに書くから時系列にタイムパラドックスが生じています。カオスディメンションです。

時系列・太郎編
1日目 太郎、改造手術をうけたメカ一郎に追いかけ回され半殺しにされる。
4日目 病院で死の淵から生還。花子の差し入れ弁当に悶絶。さらに二日。
6日目 ついにガイル化、凄絶な死闘の末メカ一郎との因縁を絶つ。
   (空白の期間)
花子編
1日目 彼の家に行ったら玄関にしゃがんだガイルがいた。
2~7日目ぐらい? あの手この手を試してみるが、最終的に空中コンボを決められ地表に激突。
8日目 プロトンキャノンでガイル(太郎)を撃破。ガイル巨大化するも何とか撃破。

というわけで、あの死闘から3ヶ月→あの死闘からもうそれなりに時間が経った。と訂正お願いします。」

ガイル「・・・なんのこっちゃ?」

アナウンサー「それでは引き続き本編をお楽しみください」



409:ゲーム好き名無しさん
08/07/08 15:09:46 xb4xaKpE0
ハァイ!アタシはクリス。先週からパパと一緒にハワイにバカンスに来てマース。ママには内緒で。
パパはアメリカ空軍の少佐やってるの。米軍の輸送機であっという間にひとっ飛び。公私混同ってすばらしい。
さて、ちょっとしたお小遣い稼ぎのため今アタシは一人で町に繰り出してるの。
ハワイくんだりまできて知り合いに会うなんてことはないでしょうけど、赤い頭巾をかぶってサングラスをかけて変装完了。
おっと、日本人はっけーん。しかも一人で歩いてやがるぜ。
平和ボケしててなおかつ金もぎょうさん持ってる、まさにカモ。ヒェッヒェッヒェッ!!
クリス「ハァーイ!!そこの兄さんちょっとそこの人気のない裏通りにカモン!!」
強引にジャパニーズのお兄さんの腕を掴み、裏路地へと引きずっていく。チョロいモンだぜ。
日本人「え?えぇ?」
クリス「うらァ。命が惜しけりゃ金だしな!ああン?」
愛用のイングラムを突きつけてホールドアップ。
クリス「この銃はイングラムM11といって誕生日にパパに買ってもらった私の宝物なの。
1分に1200発もの連射性能をもつ優れものよ。さぁあり金すべて出すか、鉛玉食らって血を出すか選択しな?」
ダガガガガガガガ!!足下に威嚇射撃をする。コイツぁオモチャじゃねぇんだぜ?
「ひいぃぃぃ!?」
逃げ惑う日本人。もう少しいたぶってやるか。
クリス「おぅ日本人。オメー名前は?」
日本人「あ、あのー。そ、それが

僕は誰なんでしょう?」

410:ゲーム好き名無しさん
08/07/08 15:11:29 xb4xaKpE0
クリス「く、くくく。うふふふふふふふふ。
あーっはっはっはっはっはッ!!ギャハハハハハハハハハハハハハ!!!」

コイツは可笑しい。記憶喪失ってか!!
日本人「はあ、ほら飛行機が墜落しちゃって。」
クリス「あぁ、そういえば今朝のニュースでやってたわ。日本からハワイ行きの飛行機が落っこちたって。
機長が逃げて責任問題になってたわね。そうかぁ記憶喪失かぁ。
それじゃあ仕方ない。今回は見逃してア・ゲ・ル(はぁと)。」
日本人「どうもありがとう。可愛らしい赤ずきんさん。」
背を向けて去っていこうとする日本人。アタシは笑顔でイングラムのトリガーを引く。ドガガガガガガガ。
クリス「んな手に引っかかるか。ダァーホ!!」

日本人「あ、あのー血が出てるんですけど」
クリス「そりゃぁ、アタシ達みんな生きてるんだもの。生きているから笑うのよ。ゲヘヘヘヘヘヘ
さ、金出せ。今なら応急処置すれば多分助かるぜ?あえて保証はしないけど。」

日本人「あ、あのーヤバいんすけど」
クリス「そりゃぁ、時間経過とともに生存率がガクンと落ちるってのは常識よね。
さ、金出せ。ほらほら素直に出したら911(レスキュー隊)ぐらいは呼んでやっから」
日本人「いやそうじゃなくて、大怪我で僕の中にいるなんかヤバイモノが押さえられなくなってるんですけど。」


アタシは自分の目を疑っちゃった。だってこのひ弱そうな日本人(まあ、顔は悪くないが)服が破け筋肉ムキムキになっていくんだもの。
さらにトンでもないサプライズ!!この日本人、顔まで別人のように変わってしまったの。
あろう事かその顔は、米国空軍少佐・ガイル。私の愛する父親に!!
クリス「パ、パパ!?何これ、どういう事?」
父ちゃんはなぁ、父ちゃんはなぁ、父ちゃんだったんだぜーー!!
・・・もしかしてパパ、私の行動を監視するためにひ弱そうな日本人に変装してたの!?
おそるべし米軍の技術力。ハリウッドも真っ青だぜ!!
ガイル?「・・・」
はっ!!マズイ。アタシのちょっと人には言えない素行がばれちまった。
相手が赤の他人なら問答無用で顔がわからないようぶっ殺して路地裏に捨てておくんだけど、愛する家族にそんなこと出来ないゼ!
クリス「ああー、うん。何というか。これは冗談よ。ちょいとお茶目なアメリカンジョーク。てへ。」


411:ゲーム好き名無しさん
08/07/08 15:12:43 xb4xaKpE0
「ソォニッ!ソォニッ!!ソォニックブーン!!!!」
クリス「えぎぇぇぇぇョ!!」
パパの得意技。ソニックブームを喰らってぶっ飛ぶアタシ。
そのままヤシの木に直撃し、弾力のあるヤシの幹にピンボールよろしく打ち出され路地裏の壁に激突!!おぐはァァ!!
クリス「よ、よくも乙女を傷物にしてくれたわね・・・」
親にもぶたれた事無いのにぃ。ぶったのは父親か。いや、そうじゃねーわ!!
クリス「アンタ、私のパパじゃないわね!!パパなら私が人を殺そうが、核を撃ちこもうが『ごめんなさぁい。てへ。』とかいえば
『しょうがないな。クリスは。HAHAHA』って無条件に許してくれちゃうナイスガイなのよッ!!貴様いったい何者!?」
ガイル「ワ、ワタシは・・・僕は・・・誰だ?うううぅ・・・あ、頭が・・・アタマが頭痛で痛い・・・!!」
頭をかきむしる偽(?)ガイル。
アタマが頭痛で痛い?日本語おかしいんじゃねぇか?まあアタシアメリカ人だからわかんねーデースけど。
クリス「偽物なんて許せない!!その最高にダンディで気高く美しい姿をしていいのは世界でたった一人、パパだけよ!!
それをたっぷりじっくりゆっくり自覚してくたばんなーーッ!!」
素早く銃のマガジンを交換しSMG(サブマシンガン)の銃口を偽パパに向ける。
クリス「ク・・・」
だが、イングラムのトリガーを引く指が鈍る。
で、できない。出来ないワ!!
いくら偽物とわかっていてもパパに向かって発砲なんて出来ないぜよ。

ガイル「ボクハ、僕は、誰だ!?僕は誰なんだーーー!!」
偽ガイルが必殺技のモーションに入る!!やっべ!!バックステップ!!
でも距離をとってしまえばサマソーもソニックブーンも怖くない。伊達に実の娘やってねえし。
ガイル「サマソォー!!サマソォー!!」
クリス「はぃ!?ええーーーーッ!?!?」
またもやアタシは目を疑う。サマソーといいながらバイオレットに光る柱状のエネルギー波が発射される!!
クリス「おぎょぇぇぇゎ!!」
何!?何ナノこの人!?テメ言ってることとやってることが全然ちがうじゃぁねーかこのスットコドッコイ!!
サマソーなどと言っときながらマグネティック・ショックウェーブだしたよコイツ!!
再びぶっ飛びながらそんなことを考えた。
再びヤシの木に直撃し、再び弾力のあるヤシの幹にピンボールよろしく打ち出され、今度は路地裏に停めてあった車の上に落下する。
べこぉおん!!
クリス「んぐおおおお!!アメ車硬てえeeeee!!アメ車痛てえeeeee!!」
ガイル「僕・・・だ・・・れ・・・」

偽ガイルはその場に気絶して倒れてしまった。変身が解けたのか元の日本人の姿にもどっていた。
クリス「・・・何だったのかしら。でもこのままにしておく訳にもいかないし。とりあえず、連れて帰っていろいろ聞きだしましょう。」
うん。それがいい。久しぶりの尋問ね。拷問マニアとしての腕が鳴るわ!!ヒエーッヘッヘッヘッヘッヘ!!



412:ゲーム好き名無しさん
08/07/08 16:22:39 zGqG37oJO
初代スト2が出たころ俺はクリスちゃんで抜いてたんだが
まさかクリスちゃんが暴君だったという方向で来るとはwwwwwww

てかブリブリ親バカなガイルwwwwwww
凄く素敵な展開です楽しみ(^^)ww

413:ゲーム好き名無しさん
08/07/08 17:07:49 xb4xaKpE0
アタシが滞在してる高級リゾートホテル、「アーンスランド」につく。
この偽ガイルである日本人を担ぎながら自分の部屋に帰る途中で、ホテルの女支配人の森子(モリコ)に出くわした。
支配人・森子「あら、これはこれはリトル・ミス。ご機嫌はいかがかしら?」
無駄に妖艶なこの緑色の髪をした日本人、ヨーロッパ系のハーフらしい。胸のあたりを強調したポーズでにこやかに話しかけてくる。
クリス「最高に最悪だぜ」
何せテメーに会っちまったからな。この女リトル・ミス(小さなお嬢様)などと慇懃無礼にかつ遠回しに嫌味を抜かす。
森子「女の価値は胸の大きさだけじゃ無いわよぉ。落ち込まないでねぇ?」
ぶっ殺すぞこのアマ。人がなにげに気にしている事を!!
クリス「・・・っと、無駄話をしてる場合じゃねえ。宿泊してる部屋とは別にもう一つロイヤルスイートを用意してくんな。代金はこれで。」
そういってアタシの隠し口座のカードを森子の胸元に差し込んでやる。
クリス「それと、このホテル拷問道具って貸し出ししてねぇのか?」
森子「拷問道具ぅ?たしかにちょっと変わった趣味のお客様のために貸し出ししてる備品はあるけど、
せいぜいムチとかロウソクとか三角形の木馬とかあとチョウチョの仮面とか、そんなのばっかよ?」

それ違う。

森子「ははーん。」
クリス「んだよ?」
ニヤニヤしたサキュバスチックなほほえみでアタシとその背に担いだ謎の日本人を見比べる森子。
森子「バカンス先のホテルにボーイフレンドを連れ込むとは、なかなかやるじゃなぁい?」
クリス「ちげーよ。」
相手にすんのも馬鹿らしいので無視して担いだ日本人を今しがた確保したロイヤルスイートに連行する。


414:ゲーム好き名無しさん
08/07/08 17:09:30 xb4xaKpE0
とりあえず、謎の日本人を超高級ロイヤルスイート・ルームのアンティークの椅子に縛り付ける。
クリス「お目覚めの時間よ。白雪姫。」
拷問の定番、水をぶっ掛けて目を覚まさせる。
「うーんん…ここは?」
クリス「尋問される側に質問は許されない。」
アタシは眼帯をつけた将校スタイル(コスプレ)で尋問を開始する。こういうのは雰囲気作りが大切なのよ。
圧倒的有利な立場から相手の心が折れるまでじわじわいたぶり続ける。ああ、なんて快感。
クリス「さて、改めて聞こうか。ホワッチュアーユーネェェーンマっ?(What are you name?)」
相手の鼻をつまみ上げながらふぅーっと息を吹きかけてやる。そしてにこやか~に質問を開始する。
「ぶぎぃぃぃぃぃ」

クリス「おめーは何故アタシのパパに変身できる!?」
アタシ、超ノリノリ・ハイテンション!!制服効果ってやつかしら。

「だーかーらー!!僕は、何も覚えていないんだって!!自分の名前だって…。」
日本人はあくまでもこう言う。じゃあ仕方ないわね。スイッチオン・エレクトリック・サンダー(Pボタン連打・byブランカ)
「はびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃ!!!!!!」
これまた拷問の定番、電気ショックだ。さあ吐け。自分を解放しろ。
クリス「おめーの目的は何だ!?」
「だっかっらっ!!僕は何も知らないって!!ばびゃーーーーーー!!」



クリス「はぁはぁ…強情なやつだぜ。気に入った。まさかアタシのおばあちゃん直伝・拷問フルコースに耐え切るとはな!!」
ちなみに亡くなったおばあちゃんも軍人で敵味方に恐れられる悪魔の鬼将校。そして拷問のスペシャリストだった。
(パパですらおばあちゃんには頭が上がらなかったらしい)
クリス「だが、こんなものはオードブルにすぎないゼ!!ヘイ、森子!」
指をパチンと鳴らす。ホテルの支配人モリコがルームサービスで台車に物騒極まりない鉄の塊を乗っけて持ってきた。


415:ゲーム好き名無しさん
08/07/08 18:11:01 Hzc+GJQwO
おばーちゃーんww

416:ゲーム好き名無しさん
08/07/08 21:56:54 OqlwboYT0
お、新シリーズの始まりですか。頑張ってくださいw

417:ゲーム好き名無しさん
08/07/13 21:14:22 wWRCkSCCO
クリスちゃんハァハァ

418:ゲーム好き名無しさん
08/07/14 00:10:07 ULIT7vgxO
スレタイが

彼の~ガイルがいる

じゃないことが悔やまれる

419:ゲーム好き名無しさん
08/07/14 21:16:50 cIJucCwjO
森子「お待たせいたしましたぁ~御注文の品です。」
クリス「おぅわりぃな、手間かけさせちまってよ。」
この女、個人的理由はともかく、サービスは超一流だ。その点は素直に認める。
日本人「あ、あの~、それは一体なんでしょう?すっっごく血なまぐさいんですけど?」
運び込まれた鋼鉄の拷問器具を見て恐れおののく日本人。
どういう用途かは理解は出来なくともそれが生命に対して著しく危険をもたらすモノだと感じたようだ。
森子「これは中世の拷問器具、通称『鉄の処女』といわれていまーす。地下の厳重に封印された部屋から偶然出てきました
この直立した鋼鉄の棺桶には内部に無数のトゲトゲが!もし中に入ってフタを閉めたりしたら、
太くて大きいのがたくさん沢山ザックリと。あぁ考えただけでもゾクゾクしちゃいますわ。ワタクシ。」

「ひ…」
日本人のあんちゃんも違う意味でゾクゾクしたようだ。

420:ゲーム好き名無しさん
08/07/14 21:43:50 cIJucCwjO
クリス「さーて、言い残す事はある?キャプテン・サワダ?」
日本人「サワダって誰ッスか!?僕はそんな面白不吉な名前じゃ…」
ならば、本当の名前はなんていうんだ?あーん?
「だ、だから僕ぁ何にも思い出せないって…」
…チッ。流石にこんな誘導尋問にはひっかからないか。
クリス「じゃあ、オメーの名前は便宜上キャプテン・サワダだ。はい決定ー!!」
ジタバタ暴れて抗議するキャプテン・サワダ(仮名)。そーかそんなに嬉しいか。
クリス「じゃあ、早速その名前を墓にきざんでやんぜ、サムライ。
HERE WE GO!KAMIKAZE!(殺るぜ、カミカゼ!)」
ガコン!戦慄のアンティーク拷問器具『鉄の処女』が荘厳なる音を立ててゆっくり開かれる。うむ乙女は恥じらいが肝心だ。
クリス「遺言があれば聞くわ。キャプテン・サワダ?出血大サービスよ。もっとも本当に大出血するのは貴方だけどね。」
サワダ(仮名)「ああああ、なぜ僕がこんな目に!?」

バアン!! その時このロイヤルスイートのドアを蹴破る音が響き渡り、何者かが凄まじい勢いで乱入してきた!!
Here comes a new challenger!?

421:ゲーム好き名無しさん
08/07/15 05:03:57 2D5BKrkNO
ガイル「クリース!」
と思ったら乱入してきたのはパパだった。げげ!何で?
森子「この拷問器具を運んでくる途中で偶然お会いしたから、お宅のお嬢様が男を連れ込んでナニヤラしようとしてます
って世間話したんですの、ワタクシ。オホホホホ」
高笑いする女支配人。オホホホホじゃねー。それは告げ口と言うんだよこのアマ。
なんてこったい!パパにアタシの拷問官姿なんて見せられないから、わざわざ違う部屋とったのにコンチクショー!

ツカツカツカ…
釈明する間もなく荒縄で縛られた日本人キャプテン・サワダ(命名・アタシ)に歩み寄るパパ。
ガイル「貴様か!貴様が俺の娘をたぶらかしたのか!?」

完全に勘違いしてるパパ。いくらなんでもそれはない。アタシがこんな日本人如きを相手にするか!?
余談だができちゃった婚の事をショットガン・マリッジというの。娘の親父が男の所にショットガンもって、
「テメエ殺ース」と挨拶に来るからだそうな。

ガイル「許さん!許さんぞぉ!!
貴様なんぞAIM-9(サイドワインダー)にくくりつけて大西洋の果てまでぶっ飛ばしてやる!!」
ショットガンどころか赤外線誘導追尾ミサイル!マジギレしてますおとっつぁん!

サワダ(仮名)「…ガ…ガイル……?
…ち…父親?…ガイル…家族…うぅ
ううッ、あ…頭が…アタマがァァーーーー!!」

422:ゲーム好き名無しさん
08/07/15 05:37:43 2D5BKrkNO
!?マズい!まさかあの日本人…気をつけてパパ!!ソイツは
ガイル「クリス!お前は黙ってなさ…いぃぃぃ!?」
言い終わらないうちに、神秘のサムライ、キャプテン・サワダ(仮名)はまたしても愛するパパそっくりに変身した!
バリバリバリバリバリ!
筋肉が盛り上がり縛り付けていた荒縄が千切れ飛ぶ!
ガイル「ぬわにぃぃ!?まるでこれは鏡に写したようなそっくりさん!」
度肝を抜かれるパパ。そりゃそうだ。ドッペルゲンガーに会った人間は死ぬらしいからな。
もし他人が自分そっくりに変身したらアタシの場合泣いちゃうか問答無用で射殺してるぜ。

ガイル(本物)「ムゥ…なんて肉体美だ。おまけに世界一ハンサムで、表情からは知性がにじみ出ているようだ!」

かっくん!思わずずっこけるアタシ。感心しつつ実は自分を自賛するパパ!
この異常なシチュエーションにもっとつっこむべき場所があんでしょーに!

423:ゲーム好き名無しさん
08/07/15 07:33:51 Cw+6xbABO
ガイルはアメリカンから見たらイケメンらしいね

てかこのお話のガイルはナルシストですかwwww

424:ゲーム好き名無しさん
08/07/15 11:40:28 L8MCidGeO
ナルシストってまるでバルログみたいだな
っと全編を通してもまだこの話バルログは出てきてなかったよね

425:ゲーム好き名無しさん
08/07/16 13:52:43 T6pVg0Zf0
髪の毛手入れしているあたりでナルシスト爆発www

426:ゲーム好き名無しさん
08/07/18 18:56:08 JPTXrvK0O
そー聞くとガイルはおしゃれさんなのかな…
あんなゴツマッチョでアメリカンな奴が

427:ゲーム好き名無しさん
08/07/19 21:51:22 VFELnnEHO
偽ガイル「た…倒す。…敵…ガ、ガイルーーー!!」
錯乱気味ながらもパパに向かって拳を振り上げる偽物!あ、危ない!!
ガシッ!
ガイル(本物)「だが、所詮イミテーションだな。打ち込みが甘い。」
そう言ってガッチリとガードを固めて攻撃を防ぐ。カ、カッチョイイーー。
シュワバッ!互いにバックステップして距離をとる二人。そして、
「ソニックブーン!」
「ソニックブーン!」
同時に繰り出す必殺技。相殺される真空刃。
同キャラ対戦?格ゲーじゃお馴染みの光景だがこうして目の当たりにしてみるとどんなに胸クソ悪りぃもんか。
アタシのパパとそのそっくりさんが殺し合いしてんだぜ。どこの怪奇ミステリーゾーンだよ。
ふと辺りを見回してみるといつの間にか支配人・森子は居なくなっていた。
危険を感じたのか、はたまた面倒に巻き込まれるのをさけたのか…。いずれにしてもあんのBicchi(ビッチ)!

ガイルVSガイルの闘いは膠着しつつあった。同キャラの場合、性能が同じである以上実力の差が顕著にあらわれるというが、
あの偽物ごときがパパと同等の実力なんて認めたくない…
パパが負けるなんて有り得ない(断言)!…でも万が一のためにこっそり服のポケットに入れていた秘密兵器をとりだす。

428:ゲーム好き名無しさん
08/07/19 22:35:00 VFELnnEHO
クリス「ライオット(暴徒鎮圧)・ガン~!」
強化プラスチック製、計量で一見オモチャみたいな銃だけど高圧電流入りのカセットを打ち出して相手を無力化する、いわば遠距離スタンガンね。
もっとも実弾でないとはいえ運が悪いと骨折するくらい強力なシロモノで、さらに運が悪いと心臓停止する事もあるとか。

ガイル「やめなさい、クリス。1対1(サシ)の勝負に手を出すもんじゃない。」
ぐげ!バレてた。でもでもパパ…

ガイル「たしかにパワーも技術もある。なかなかイイ線いってはいるが、それだけじゃ俺には勝てないな」
偽ガイル「…?」
ガイル「貴様には軍人としてもっとも大切な魂(スピリット)が無い。戦うための理由が無いッ!闘うための信念が無いッ!
俺が戦ってきた相手には皆、理想があった!命をかけるべき何かを持っていた!…たとえ悪人でもな。
目を見ればわかる。貴様にはそれが無いッ!」
パパが怒涛のコンボを決める!膝蹴りから裏拳、しゃがみ強キック!
偽ガイル「ガハッ!…ゴホッ!!」
一気に流れは傾いた。
ガイル「どうした?動きにキレがなくなったぞ!?仮にも俺の姿を真似ているなら、もっとガッツを見せたらどうだ!」
はーい!今気付いたんだけど、動きにキレがなくなったのは多分アタシの拷問メニューによるダメージが原因だと思いまーす!
でも、んなこと口が裂けても言えないゼ!イェーイ!

偽ガイル「理由…た、たたかう理由…?…な、何故僕は……どうして…?」

429:ゲーム好き名無しさん
08/07/19 23:21:08 VFELnnEHO
頭痛をこらえているのか、こめかみを押さえながらフラフラと近づいてくる偽ガイル!
パパは油断なくしゃがんで迎撃体勢をとる。
偽ガイル「ぼ…僕は…ボクは…」
しかし、サマーソルトの出番は無く、偽ガイルは前のめりに倒れてしまう。  …K.O.!
例によって気絶すると元の日本人の姿に戻ってしまうようね。さーて、じゃあどうしてくれようかなこのパチモンがァ!?
ガイル「クリス、ソイツの手当てを。」
はぁ!?!?何でなんでどーして?コイツはあろう事かパパの姿を騙った不届き者よ!?
ガイル「単なる気まぐれさ。」
まあ、パパがそう言うならしかたない。あ、そうそう大事なコトを忘れてた!
クリス「やっぱりパパはかっこいいー!さっすがアタシの父親!」
笑顔でアタシはパパに抱きつく!うんうん、パパは最強!世界一の父親よッ!
カチン!
クリス「あ」
ガイル「あ」
大事なコトを忘れてた、アタシはライオット・ガンを持ったままだった!!抱きついた勢いでうっかりトリガーをひいちゃった!
ガイル「ふんゴーーーーー!!」
高圧電流と衝撃で後ろにゴロゴロと転がってゆくパパ!
あああ!そっちには異様な存在感でそびえ立つ中世の拷問器具『鉄の処女』が!
ガコオオオン!!
キャー!ホールインワンしちゃったー!しかもその拍子にフタがうまい具合に閉まっちゃった!なんてこったいオーマイガッ!?
ぷっしゅ~~~~~~

このゲームには残酷、グロテスクな表現が含まれています。


…この日、リゾートホテルの一室、最高級のロイヤルスイートルームから世にもおぞましい断末魔の悲鳴が響きわたったという…

430:ゲーム好き名無しさん
08/07/19 23:39:08 VFELnnEHO
プルルルル
ガチャ
『合言葉は?』
『シャドルーは世界幸福を願う夢のハイテク企業です。』
『うむ。森子君か、して首尾はどうだね?』


森子『という次第で、どうやら本当に彼は記憶喪失のようです。最初は記憶喪失を装って少佐に近づいたのかと思ったのですが』
『ぬぅ…今の旅行中こそが彼らをすり替える絶好のチャンスだというのに…』
森子『あら、悲観なさるのはまだ早すぎませんこと?
今のところ目撃者は少佐本人とその娘だけですわ。しかもターゲットは不慮の事故で瀕死の重傷です。』
『なるほど…計画に支障なし、か。
よかろう、近日中に刺客を送り込もう。未来科学の粋を集めた最強のターミネーターだ』
森子『お待ちしておりますわ。ではごめんあそばせ。
…院長先生』

431:ゲーム好き名無しさん
08/07/20 00:11:02 3OvSzH1CO
誰かこのお話を漫画にしてくれないものか…
好きすぎるガイルさん

432:ゲーム好き名無しさん
08/07/20 00:29:32 Krx9DFrq0
ナニコレw

433:ゲーム好き名無しさん
08/07/20 01:48:02 ibXMy+ZpO
確かに…
このスレだけにとどめておくのは惜しいくらいのなかなかの出来だ

434:ゲーム好き名無しさん
08/07/24 20:10:58 vrl/uQCI0
~高級リゾートホテル・ガイルの部屋~

クリス「はい、パパ、あ~ん。」
そういってベッドの上のパパにオートミールを食べさせてあげる。パパは包帯グルグル、絶対安静の重傷。
医者が言うにはフツーの人間ならまず死んでたが、鎧並の筋肉がかろうじて致命傷から守ってくれたのでは・・・とぶったまげていた。
クリス「はい、サワダも、あ~ん。」
そういって別のベッドに寝ている謎の日本人、キャプテン・サワダにも別のオートミールを食べさせてあげる。
キャプテンといってもコイツは別に空軍大尉というわけではない。
(CAPTAIN=陸、空軍大尉。少佐の1つ下の階級。海軍の場合は大佐。ちなみに少佐はMAJOR)
この男、記憶喪失だというので便宜上こう呼んでいたのだが、いまだに名前すら思い出せない上、
今更ほかの呼び方を考えるのも面倒くさいのでこの名前が定着してしまった。
クリス「どう?おいしい?記憶が早く戻るように刺激タップリ、ハバネロレッドペッパーソース入りよ。」

サワダ「*@&#$&!!!」
悶絶するサワダ。そんなに美味しかった?ケッケッケ。このソースについて講釈してやろう、耳かっぽじってよく聞きな。

クリス「辛さはタバスコの何倍もあるほとんど狂気の調味料で、パッケージの注意書きには喘息(ぜんそく)患者は絶対に食うなと。
もし食べたりしたら即座に重度の呼吸困難、命の危険もあるとかないとか。」
文字通り『死ぬほど辛い』のよ。元々貴様のせいでパパがひどい目にあったんだ、思い知れ。


・・・この日本人・サワダは財布やパスポート、自分を証明する物を何も持っていなかった。
パパはコイツの身柄を保護してやろうと言い出した。ま、私自身コイツを監視下に置くことは賛成だったが。
文無しのコイツにパパの姿で窃盗とか強盗とかされたらたまんねえしな。
んなわけで、サワダは記憶が戻るまで旅行先限定の召使いとしてこき使ってやることにした。働かざる者食うべからず。
問題はホテル側がどう言うかだったが、・・・黙っとこ。バレたらバレただ。

435:ゲーム好き名無しさん
08/07/24 20:12:08 vrl/uQCI0
クリス「ん?なんかコゲ臭くないかしら!?」
ふと見ると、サワダのアタマのてっぺんから煙が出ていた。
サワダ「ふぁがあアアー!!」ボッ!!
サワダが炎上した!!えぇー謎の人体発火現象!?うっそーん!?いくらハバネロソースが辛いといっても火はでねーだろ火は!

ガイル「フゥム。君は俺そっくりに変身したり、どうも特殊な体質のようだな。クリス、発火する格闘家ってのは珍しくない。
ケンおじさんいるだろ?ママの妹、イライザの旦那さん。あいつも昇竜拳から火が出るんだわ。」
パーパー!!そんな冷静なこと言ってる場合じゃないでしょ!消火器ー、消火器はどこ-!!

サワダ「はースッゲーびっくりした」
それはこっちの台詞だっつーに。アタシの迅速な対処のおかげで火は消し止められた。
サワダのパジャマが焦げた程度だが、ベッドに延焼してたらと思うと冷や汗が出る。何なんだコイツは!
まあ、都合がいいからコレに着替えなさい。あらかじめ用意しておいた服を渡す。

サワダ「クリスちゃん?えぇと、これは・・・執事の服・・・か?」
そう、いわゆる燕尾(えんび)服というやつね。アンタのために作った特注品よ。
蝶ネクタイを締めキリッとした服装にサワダもまんざらでもない様子。アタシも選んだ甲斐があったというものだ。
クリス「まずは、執事としての立ち振る舞いを身につけてもらいましょうか。この服、蝶ネクタイに高性能小型AIが内蔵されていて
言葉使いや姿勢、その他もろもろ使用人としてふさわしくない部分があると判断された場合、お仕置きとして高圧電流が・・・」


サワダ「ばびゃーーーー(感電)!!な、何ー故ーだー!?ど、どぼぢて~だ~!?」
クリス「だーれが、『クリスちゃん』だ!?『クリスお嬢様』だろ?『お・じょ・う・さ・ま』。あぁん!?」
サワダ「いや、ふつうのお嬢様はもっとおしとやかであまつさえそんな言葉遣いはしないだろ・・・おンぎゃ~~~(感電)!!」

使用人の分際で主人に逆らうなど笑止千万。気絶しない程度の電流だから命に別状はない。気に入ってくれたかしら?
サワダ「なめんな!!誰がこんなも・・・にょおおおおお(感電)!!

・・・はぁはぁ、・・・あ、ありがたき・・・し、幸せでございます。」

クリス「ふふん。なかなか物わかりのいい男ね。・・・さてアタシはちょっと出かけてくるわ。夕方には帰る。」
サワダ「い、行ってらっしゃいませ。」ペコリと一礼するサワダ。
バリバリバリーー!!「・・・にゃ・・・にゃんでーーー!?」容赦なくサワダに襲いかかる電撃!!
クリス「油断したわね。おじぎの角度が甘いのよ。もっとふかぶかーーーっっと礼をするコトね。
でも、初めてにしては上出来かしら。アタシ的に今のはノーカウントにしてあげる。」
サワダ「・・・もったいないお言葉でござい・・・ま・・・す」(ばたっ)

隠し口座の金も無限じゃない。パパの治療費、思ったよりかさんだからな。ちょっと『お小遣い稼ぎ』にいかないと。
あぁ、なんて健気で家族思いなアタシ。アタシはサワダにパパの看病を任せると、例によって赤いずきんとサングラス、
そして愛用のイングラムを手に部屋を後にした。


436:ゲーム好き名無しさん
08/07/24 20:13:30 vrl/uQCI0
クリスが出かけていった後の部屋で、サワダは慣れない言葉遣いと立ち振る舞いに苦戦していた。
サワダ「ええと、ガイルさん。包帯を変えましょうね。」バリョバリョバリョ!!襲い来る電撃!!感電するサワダ。

サワダが蝶ネクタイを見るととても小さなランプが赤く点灯していた。
サワダ「よ、呼び方が悪いのかな?ご主人様・・・いや、旦那様の方がいいかな?」
また蝶ネクタイを見る。ランプは消えていた。OKということだろうか?

ガイル「いや、旦那様とかご主人様はやめてくれ。堅苦しいのはごめんだ。」
サワダ「じゃあ、ガイル!」バリョリョー!!再び電撃!!
蝶ネクタイはまた赤いランプ。さすがにNGらしい。
ガイル「困ったなー。俺は呼び捨てでかまわんのだが・・・うーむ、ならば・・・そうだな!少佐と呼んでくれ。コレが一番自然だ。」
サワダは蝶ネクタイを見る。黄色いランプが点滅していた。『本来ならNGだけど主人が言うなら仕方ない』といったところか。

ガイル「すまないな。娘のワガママに付き合わせてしまって。だが、あんなに楽しそうなクリスを見たのはひさしぶりだよ。」

『人の苦しむ姿を見てあんな楽しそうに出来るのはきっと根性がねじくり曲がってるからでしょう。』
・・・だがサワダは危ういところで本音を飲み込んだ。

ガイル「妻と別れてから(注:公式設定に準拠。スト2、エンディングでガイル少佐は妻子とヨリを戻す)
アレには寂しい思いをさせてきた。住むところも転々とし友達もろくに出来なかったらしい。」

『友達が出来ないのは、もっと根本的かつ改善など望むべくも無い部分に原因があると見受けられます。』
・・・間一髪。サワダは心の叫びを精神力で押さえ込んだ。



ガイル「俺には親友がいた。アイツがどう思っていたかはわからんし、もう確かめようもないが、少なくとも俺はそう思っていた。
・・・最近思うのだ。あの子にも、同じ立場、同じ目線の友が必要なのかもしれない、と。」

サワダ「友達・・・ですか。」
たしかに彼女と『対等』な人間なんてまずいない。下手すりゃ世界中探し回ってもいない。
そういう意味で彼女は孤独かもしれない。

サワダ「でも、彼女には貴方がいるでしょう。」
ガイル「そうだな。だが所詮、親の視点では子供の視点に立つことは出来ん。家族といえどもな。」

サワダ「家族・・・」
急にサワダの頭に何かが浮かんでくる。だが、それはまるでもやがかかったようにおぼろげで、
捕まえようと必死になればなるほど、かえってすり抜けていくような感覚だった。

ガイル「どうした?]
サワダ「僕にも、家族が・・・いたような、気がします。」
サワダは混乱していた。・・・とても大切なことだった気もするが。思い出そうとすると、張り裂けそうな気分になるのだ。

 リンゴーン♪
そんなサワダの思考を中断するように部屋のチャイムが鳴らされた。

437:ゲーム好き名無しさん
08/07/24 20:15:34 vrl/uQCI0
サワダ「っとと・・・お客様かな?はーい。どちらさまで・・・」
ガチャっとドアを開けようとした瞬間、

ドキューン!!ドキューン!!ドキューン!!何者かの銃撃を受けドアはぶっとばされた!
サワダ「ぎゅう-!?」ドアの下敷きになるサワダ!!

サワダは考える。クリスの仕業だろうか、いやアレはアレで人でなしだが父親の前でこんな暴挙に出るとは考えにくい。
とすると、目の前のコレは何だっぺ?
ドアから這い出た彼の前になんだか青っぽい少年が現れた。
「ダダンダンダダン♪ダダンダンダダン♪(ターミネーターのテーマ)」
ミョーに明るくノリのいい声の主が爆煙の中から現れた。

「YEAH!こんにちは。俺様はガイルを始末するために派遣されたターミネーター。どこへ逃げてもガッタハッスル!
アナタのハートをロックオン!!俺様がオマエの胸の穴を埋めてやるぜ。風穴開けた後だがな!!」
サワダ「は?」なんですと?あまりの置いてけぼりの状況についていけないサワダ。
身長は120センチぐらいとかなり小柄だが、ソイツの右腕についていた青いラグビーボールのような銃が火を噴く。

ターミネーター「うらうらうら、踊れおどれガイルーーー!!俺様がここへ来た以上明日の朝日は拝めないと知れ-!!」
踊るサワダ。サワダの足元に撃ちこまれるエネルギー弾(?)。

サワダ「うわああああ!!僕はガイル少佐じゃないです人違いです-!!」
ターミネーター「嘘こけ!!俺様の目はターゲットをDNAレベルでスキャン、解析できるのだ!!貴様のDNAはガイルのものと一致している!!
顔とか声がデータと違う気もするが、そんな些細なことは問題じゃないのだーーーー。」

いや、大問題だろう。サワダは思った。・・・というか問題外だろうコイツ。なんて大雑把なロボットだ!!
水色のタイツに青いパンツ、青いヘルメット、青いブーツとグローブ。さらにサワダは思った。このターミネーター誰かに似てる。

・・・誰だっけ?

438:ゲーム好き名無しさん
08/07/27 00:37:37 TrhgUzZ10
誰だ??花子か?一郎か?母親か?妹か?それとも????

439:ゲーム好き名無しさん
08/07/27 12:03:10 guyly8jFO
あんな屈強が軍人を瀕死にさせる拷問道具すげぇー!!!!

440:ゲーム好き名無しさん
08/07/27 12:04:27 guyly8jFO
すまん
屈強が→屈強な
だった

441:ゲーム好き名無しさん
08/07/27 14:02:07 a3BiqLly0
~一方、クリスは例によって「お小遣い稼ぎ」のため、ハワイの町並みを散策していた。…飢えた狼のような目で~

クリス「ふぅー。どうも今日はツキがないみたいだゼ。」
いや、そもそも最近は運が悪いみたい。というか大凶だわ。生まれてここまで最悪な事はなかった。
せっかくのバカンスにパパは大怪我しちゃうし…。アタシが一体何したってのよ。
こんなに可愛い美少女で、日ごろの行いも何一つ後ろめたい事なんて無いというのに。神様のアホンダラ!!
その場にガックリとひざをついて、自分に降りかかったあまりの理不尽な不幸に嘆くアタシ。

「ホホホ、そこなお嬢さん。人生に迷っているようね。」
露天の女占い師に声をかけられた。あ、この女ローズ(ストZERO)に似てる。

ローズ(に似た人)「ワタクシが貴方の路(みち)を占って差し上げましょう。」
あぁーん!?てめ何様のつもりだコラぁ?蜂の巣にすっぞこのアマ。
アタシの運命はアタシが切り拓く。くだんねー霊感商法に付き合ってるヒマなんざ、ねーんだYO。

ローズ「身内に不幸なことがあって、貴方は今、落ち込んでいる。…そうね?」
なぬ!?何故わかったの?もしかしてモノホンの力を秘めた占い師!?
ローズ「いや、貴方がさっきから道端の隅で独り言で自分の境遇を話しまくってたから。」

…えぇーとイングラム(サブマシンガン)どこにしまったかしら。
クリス「よーするにインチキじゃねーかああ!ドタマぶち抜かれてぇのかこのボケナスがああ!!」
ローズ「あらやだ、お客さんをリラックスさせるためのジョークよ。大事なのはここから。
だからその物騒な火器をしまってくださらないかしら?」
まあいい、一応最後まで聞いてやる。
ローズ「落ち込んでいるのは、貴方が家族を愛している証拠。占いの結果をいいますわ。
 『家族が貴方に力をくれる』とでました。」
なんだその当たりさわりのないどうとでも取れるあいまいな結論は!!チッ!女の子が皆、占い信じると思ってんじゃねー!
…いや、まてよ…
クリス「…そうね、きっとパパならこう言うはず『こんな時こそ、弱気になるな!』と!」
すっくと立ちあがる。そうよ感傷に浸るヒマがあったら今アタシにできることを一つでもやるべきよ。
うっしゃ!ポジティブ!ポジティブ!気を取り直して、タタキ(強盗)に戻りますか。
ローズ「元気が出たようで。さて、占い料1万ドル(約百万円)払ってくださいな。サービスで半額ですのよ。」
アタシはにっこり微笑むと、かばんの中からパイナップル(手榴弾)を出し、歯でピンを抜いた。
クリス「つりはいらねぇよ。とっときな。」

442:ゲーム好き名無しさん
08/07/27 15:17:18 a3BiqLly0
ちゅどーんん!!
粉々にぶっ飛ぶ露店とインチキ占い師。
クリス「観光客相手にあこぎな商売してんじゃねぇ。」
もっとやるなら正々堂々とやるべきだ。
…っと!そんなことを考えていたら、道の向こうに日本人はっけーん。しかも一人で歩いてやがる。
平和ボケしててなおかつ金もぎょうさん持ってる…んだが、サワダの例もあるからな。ここは慎重にいこう。
日本の男は軟弱になったとはいえサムライの末裔だからな。甘く見てると痛い目にあう。前回の教訓だ。

…道の向こうにいる日本人は少女のようだ。年は私より3,4つぐらい上かしら。
手ぶらで歩いており武器は携帯していない。いける!これならいけるわ!!

クリス「ハァーイ!!そこのお嬢さんちょっとそこの人気のない裏通りにカモン!!」
強引に日本人女性の腕を掴み、裏路地へと引きずっていく。またしてもチョロいモンだぜ。
日本人の少女「は?はぇ?」

クリス「おらァ。命が惜しけりゃ金だしな!?」
愛用のイングラムを突きつけてホールドアップ。ん?よくよく見るとこの女、キャミィににてるわ。
日本人なのにキャミィ。そう言えば、スト2の女キャラって皆日本人っぽい顔なのよね、外国人でも。
キャミィ(に似た少女)「ううう…なんて可哀相な女の子。こうでもしないと食べていけないのね。
少ないけどこれでハンバーガーでも食べて?」
チャリン、チャリン、チャリン。そういって、キャミィは1ドル硬貨を三枚(約300円)渡してきた。

クリス「く、くく。うふふふふ。 あーっはっはっはっはっはッ!!
…ったくどうして、サワダの時といい日本人はこうもアタシの堪忍袋を爆発させるのかしらね?」
イングラムを構えなおす。いけない娘。ちょっと痛い目にあわないとわからないのね。

キャミィ「えへへへー。アナタこそわからないの?これって正当防衛よね?あーあ。
せっかく私が3ドルも出して、見逃してあげようというのに。降りかかる火の粉は払うべし!!」
いつの間にかキャミィの手には何かのビンが握られていた。
キャミィ「ヨガフレイム(アルコール)!!」
ボボボボボボ!! 降りかかる火の粉、もとい火炎放射!!火だるまになるアタシ!!
クリス「うおっ熱(ちゃ)ーーーーっっ!!」

443:ゲーム好き名無しさん
08/07/27 16:49:18 a3BiqLly0

「すかさず、コンニャク!!」

キャミィ(に似た日本人)の連続攻撃!!ゼリーみたいな灰色の塊を口に突っ込まれるアタシ!!
クリス「もが!もご!もげ~~~!」
ぐえー!!石灰くせえ!!しかも呼吸できねぇぇぇ!!この、アタシが…このアタシがぁぁー!!
キャミィ「さあ、喰らっちゃいなさい!!新必殺!ハイパーコンボ・MOTI(餅)!!」

日本人の少女の手には白く輝く柔らかそうな円形の物体が!!
聞いたことがある、日本人は皆新年の初め、度胸試しのためににMOTI(モチ)という物を食べるという。
だがかなりの危険度で、毎年何人もMOTIのせいで死人がでているという。(注:間違った日本文化です)

クリス「ごふっ!?」
の、のどにのどにモチがぁぁーー!!!…意識が朦朧としてきた。や、やっべー…し、死ぬ。

キャミィ「フンぬ!!」ドカッ!!
背中を強打され、涙目でモチを吐き出すアタシ。ぐげーっほ。げほ。
そして悠然と去ってゆくキャミィ。
ま、待てコラ。テ、テメー何故トドメをささねえ!?アタシをコケにする気か!?
くるりと振り返ると、

キャミィ「充分思い知ったでしょ?もうほーんのちょーっと身の程を知った方がいいわよ~。」
ば、馬鹿にしやがってーーっっ!!アタシは悔し涙を流しながらあの女の背中を見た。
ケッ!!油断しやがって!!どんな手を使っても勝てばいいんだよッ!!そして慎重に奴の頭に照準を合わせ
イングラムを撃った。


444:ゲーム好き名無しさん
08/07/27 17:40:35 he9o646nO
>>437
わかったー!!
水色のタイツ、青いパンツ、ヘルメット、ブーツ、そんで青いラグビーボールみたいな銃!
ロックマン!!

445:ゲーム好き名無しさん
08/07/28 19:18:30 2JlCD5YE0
( ;∀;)イイハナシダナー
URLリンク(www.nicovideo.jp)

泣いちゃった俺ガイルw

446:ゲーム好き名無しさん
08/07/28 23:14:26 bSvPpAY7O
スト4でガイルはナッシュのコスプレをするらしいな

見てきたけど可愛かったwww
なんか可愛かったwwww

447:ゲーム好き名無しさん
08/07/30 13:48:17 Ui/ECbr/0
大根ふいたw

448:ゲーム好き名無しさん
08/07/30 19:49:55 PIP7mbfz0
ダガガガガガガ!!!!ハワイの路地裏にイングラムが咆哮をあげる。
…チッ。アタシとした事がつまんねーことにムキになっちったぜ。
キャミィ「いたたたたた。ちょっとー。後ろから人を撃つなんて酷いんじゃない?」


……へ?
クリス「…いや、ちょ、ちょっ、ちょっと待てコラ。テ、テメー今、銃で頭を撃たれたよな?」
キャミィ「あなたが撃ったんだからその通りでしょ?」
クリス「…いや、だ、だから、おかしいだろが、フツーは!?
フツーの人間なら潰れたスイカみたいに脳漿(のうしょう)をブチまけて倒れなきゃおかしいっての!?」
もう一度確かめてみよう。おっと、動くんじゃねいぞ。イングラムのマガジンを交換する。
平静を装ったつもりだったが、カタカタと手が震えてなかなかうまくいかなかった。ジャキッ!!

クリス「You shall die!!(死にくされ!このラッキョ頭がぁぁ!!)」ドガガガ!!
再び響き渡る銃声!
…だが。
カン!カンカンカンカーン!!ぶつけられたポップコーンのように跳ね返る鉛弾。
キャミィ「あ痛っ!あだだだ!!」

クリス「 (゚Д゚) 」

…聞いたことがある。日本にはNINJA(忍者)という伝説のリーサルウェポンがいるらしい。己を極限まで鍛えぬいた究極の殺戮マシーン。
鋼の肉体、その強度は裸の状態でもシャーマン戦車に匹敵し、素手で人間の首を跳ね飛ばすという…。
(注:これまた間違った日本文化です。)

トントン!
クリス「はッ!?」
肩をたたかれ我に返るアタシ。




449:ゲーム好き名無しさん
08/07/30 21:21:33 PIP7mbfz0
キャミィ「…あのさぁ。わかってる?まだお嬢ちゃんだから黙ってたけどー。こういう事されて怒らない方が人としておかしいって。」

いやいやいや、人としておかしいのは脳天に銃弾を食らっても跳ね返しちゃう方だろう。キャミィ似の日本人はさらに続ける。

キャミィ「やっぱ、しつけのなってない子供は赤の他人であっても、たとえそれが外国人であっても、制裁しちゃうのが道徳的よね。
うん、そうにちがいない。…というわけで。」

なんだ?なんなんだ?サワダといい、この女といい、絶対ヘンだよ日本人。ありえない、ありえないって…。

キャミィ「映画・アイアンマン。日本版公開は9月27日。…期待と愛を殺人ビームに込めて!!ヒァカム プロト~ンキャノ~ン!!」
パチン☆ 指を鳴らす日本人。
次の瞬間、何もない虚空から突如、無骨で巨大な鋼鉄のキャノン砲が目の前に現れた。

クリス「 ( Д ) ゚ ゚ 」

キャミィ「ファイヤー(発射)!!」
ズッピーーーームム!!
クリス「ふ・ん・ぎ・え・え・ぇ・ぇ・ぇ~~~~~~!!」

レインボゥに光る破壊光線を喰らってぶっ飛ぶアタシ。何?何なの?日本人ってみんなこんな奴なの?
そのままヤシの木に直撃し、しかし弾力のあるヤシの幹すら圧倒的なエネルギーの前にへし折られ、
ヤシの幹ともどもたまたま開いていた下水のマンホールに転がり落ちてしまう。ボチョーン!!

くっせー!しかも流れが結構速い!!あああ、楽しかったパパとママの思い出が走馬灯のように浮かんでくる。アタシの方が沈んでるのか。
一緒に下水に落ちてきたヤシの木に何とかしがみつく。

クリス「こっ、このままで済むとお~も~う~な~よ~。」

下水のマンホールから虚しい捨てゼリフだけが遠ざかりながら反響していた…。


450:ゲーム好き名無しさん
08/07/31 01:27:10 oIaNQlIA0
~クリスを屠(ほふ)ったキャミィ似の少女は路地裏を後にし人気のない海岸で水平線を眺めていた~

キャミィ(に似た日本人)「はぁ…虚しいわ。」
ザッ。そこへ近づく怪しい人影。気配に振り向く。どうも女性のようだ。何かふらふらと危ない足取りで、

「そ…そこのお…お嬢さん。人生…にたそがれているよう…ね。」

彼女は思った。あ、この女ローズに似てる。…けど何でこの人ボロボロなんだろう?
焼け焦げた服の所々からプスプスと煙が出ている。まるで爆発物でも投げつけられたかのようだ。
ハワイって日本人の多い観光地だけど、やっぱり外国である以上それなりに危険かも知んないわ。
正直ヤバいんじゃないかしら。さっきはさっきで赤頭巾のコスプレをした追いはぎ少女にからまれるし…。

ローズ(に似た人)「ワ…ワタクシが…み、路(みち)を占って差し上げましょ…ごふぅ!!」
血を吐いてその場に倒れる謎の占い師。しかもビクンビクン痙攣している。
キャミィ(うっわー。マジにヤバイすぎるってこの人。善良な市民として普通なら救急車呼ぶところだけど…)
正直かかわりたくない。なので彼女は自分の心の声に従うことにした。
キャミィ「おなかもすいたし、どこかで何か食べに行こーっと(棒読み)」

日本人が世界に誇る得意技、「見て見ぬ振り」。全てをなかったことにして、そそくさとその場を去ろうとする少女。
だが、半死半生の女占い師はうつ伏せになって倒れたまま声を掛けてきた。
ローズ「貴女は彼氏に復讐をするためにハワイにやってきた…」

ピタ。足が止まる。
なんと!?何故わかったの?もしかしてマジにソウルなパワァーを秘めた占い師!?

451:ゲーム好き名無しさん
08/07/31 02:38:59 oIaNQlIA0
ローズ「んま!?さらに占いの結果によると貴女はその恋人に怒り狂うあまり、ほかの乗客の迷惑も考えず、
後先考えずにハワイ行きの飛行機を襲撃したと出ましたワ!!FBIにちくってやろうかしら。」

キャミィ「ぐげ!しょ、しょうがないじゃない。私だって飛行機が落下し始めて
『流石にちょっとやりすぎたー!!どうしようー』とか思ったんだからー。」
ローズ「なるほどなるほど、それでさっきは海を見て罪悪感に浸っていたと。
まあ、ワタクシにとってもそんな取るに足らない人間の命なんてどうでもいいですわ。
ただ、その結果、われわれの計画に支障が出たことが許せないんですのよッ!!」

ブワアアッ。ローズ(に似た占い師)は急に起き上がると、その足元から怪しいオーラが噴き出してきた!!
ローズ「あるときは露天の占い師。またあるときは高級リゾートホテルの女支配人。その実態は…」
キャミィ(ああっ!!このひとローズかと思ったら…ヴァンパイアに登場する…)

ローズ(?)「いでよ、ワタクシの眷属!!」
どこからか現れたコウモリの群れをまとう。コウモリたちは彼女の黒く大きな翼へと変貌していく!、
「タツノコVSカプコンにも出場が決まって超ゴ・キ・ゲ・ン(はぁと)
シャドルー・ハワイ支店店長兼、営業部統括 その名はモリコ!!モリコ・アー…」

キャミィ「ヴァンパイアに登場するあの 年増 !!」

  年増 年増 としま トシマ トシマ…

ぷっちーん!(血管) ぷりーん!(理性)
いまの『年増』という発言によって、森子の血管と理性とがブチ切れる音が盛大に轟いた。

森子「ウフ…ウフフフフフ?言ったわね?言っちゃいましたわね?本当は少佐の娘を監視、
あわよくば拉致するのが任務でしたが。まあ、彼女はアナタの砲撃でお亡くなりになったようですし…。
任務変更。ここで邪魔な組織の裏切り者を始末することに致しますワ。オホホホホホホホホ…

…血反吐はいて氏ねやゴルア!!!」


452:ゲーム好き名無しさん
08/07/31 03:34:08 oIaNQlIA0
完全に不意を突かれて、森子のエリアル開始技を食らってしまう少女!!
キャミィ「ぐっはああーーー!!??」
上空数十メートルまで打ち上げられる!!

森子「あなたのデータは全て目を通してあるわ!!かつてガイル(偽)のエリアル攻撃を受けたそうね?
この高さから高速で海面にたたきつけられた場合、衝撃とダメージはコンクリート以上になっちゃうわよぉ?」
そして森子、とどめの強キック…!!を放とうとしたその瞬間!!
キャミィ「納豆!!…についてくる小さな袋入り醤油&カラシ!!」ぴゅぴゅー!!
右手に袋入り醤油、左手に袋入りカラシ。それを器用に爪で小さな穴を開けて発射するキャミィ(似の少女) 
まさかこの体制で反撃してくると思わなかった森子はもろにそれを眼に受けてしまう!!

森子「ぐわー!眼がー眼がー!!」
空中でひるんだ森子を足でカニバサミすると、
キャミィ「こんなのはデータになかったでしょ?飛行機で落下していたときに閃いて、彼に試してみた必殺技よ!!」
ひゅぅぅぅぅーーーーー………ズドーン!!
そのまま上空から森子を砂浜に叩きつける!!

森子「こ・・腰がああ!!」
「口ほどにもないわね。でもあの院長の手先となると容赦できないかな?おいでませ、プロトンキャノン!!
さっきの銃を持った女の子のように手加減はしないわよ。」
ズピィィィーーーー!!
陽子ビームキャノンの光線をうけ跡形もなく消し飛ぶ森子。
森子「な……ッツ……と…うーー…」

453:ゲーム好き名無しさん
08/07/31 04:02:25 oIaNQlIA0
「ふう、またつまらぬものを撃ってしまった。なんちて。」
安堵して一息。だがそこに油断が生じた!!
ビョワワワーーー!!!
まったくの死角から、プロトンキャノンとは別種の、だが威力は勝るとも劣らないビーム兵器の直撃を受ける!!
キャミィ「ばごおおお!!?」
森子「どう?これが砲撃ってものよ。ソウル・イレイザーの威力はいかがかしら?」
背後には跡形もなく消し飛んだはずの森子の姿が!!
森子「残念だったわね。あなたが撃ったのはワタクシの幻影(イリュージョン)よ。
ふふん。アナタ、楽には殺さないわ。ちょっとお待ちなさいな。」

プルルルルルルル
ガチャ

大ダメージを受け動けない少女。それを尻目に携帯電話(コウモリ型)をかけるサキュバス(っぽい女)。
森子「…とまあ、こういう成り行きなんですの。院長。」
『ふむふむ。ちょっとテレビ電話を向けて彼女の顔を見せてくれたまえ。』
森子が携帯電話を少女に向ける。
キャミィ「い、院長~~~!!」
ベガ(に似た)院長「やあ、ひさしぶりだね。花子君。色々話をしたいところだが、これを挨拶に代えさせてもらうよ

洗脳ビーム!!」
キャミィ(なんと実は花子だった!!)「ぎょばあああああ!!!??」
テレビ電話にうつった院長の眼から怪しい光線が放たれる!!
院長「さて、花子君。今我々はガイル少佐に関わる重大な作戦を遂行中なのだ。ぜひ君にも協力をしてほしい。」

花子「…Yes sir!(イエッサー!!)」 

454:ゲーム好き名無しさん
08/08/05 19:10:34 ogS5AVZL0
~一方、サワダはホテルの部屋に乱入してきた青い謎の少年型ロボット(?)の猛攻を受けていた~

ロボット少年「シーット!!ちょーこまかとすばしっこい奴だNE。」
ホテルの部屋は彼のバスター砲で見るも無惨な姿に・・・。
サワダ(ホテルに対して賠償金いくらぐらいになるんでしょうか?)

極めてクリティカルな状況とは裏腹に頭では冷静にそんなことを計算していた。
生命の危機にもパニック一つおこさないのは生来の性格によるものなのか、
はたまた記憶を失う前に幾度もこんな大ピンチをくぐり抜けたことがあったのだろうか?

取りうる選択肢は二つ。
1 何とか話し合う。
・・・話の通じる相手ではなさそう。問答無用でCOBLA(コブラ)みたいな銃に撃ち抜かれて死亡。
2 ガイル少佐を見捨てて逃げる。
・・・ガイル少佐死亡。クリスお嬢様に地獄の果てまで追い詰められ、死ぬより酷い目にあった後死亡。

サワダは思った。どうしろと!?…ついに部屋の隅に追い詰められるサワダ。
青い少年型ターミネーターは腕に装着したラグビーボール型のバスター砲にエネルギーをチャージし始めた。
ロボット少年「チェーック・メイト。むふふ、シャドルーでの株も上がるというものだ。出世街道まっしぐら!
俺様には夢がある。両手に抱えきれないような。それこそドキドキする様な!!聞きたい?聞きたいか~?」

別にそれほど聞きたいわけではなかったが、サワダは何とか時間を稼ぐことにした。
サワダ「イヤー素晴らしい!!(棒読み)毎日毎日生活のためだけにただ漫然と仕事をこなし、何の変化もない生活に磨耗してゆく、
死んだ魚の目をした人間ばかりあふれかえるこの昨今。この不肖、サワダは大いに感動いたしました!(棒読み)
…で、貴方様の夢とは?ぜひこの僕めにお聞かせください(超棒読み)」

ロボット少年「教えてあげないYO ジャン♪」火を噴くバスター砲!!
サワダ「なんじゃそりゃー!!」
生命の危機ではあったがサワダまったく関係ないことを考えていた。(一種の逃避ともいう)

サワダ(うそ泣きでもすれば良かったのだろうか?…いや違う、うわべだけの敬語や態度では駄目なのだ!
そうか!礼儀や作法よりも、本当に大切なのは相手に対する誠意とか思いやり。つまり『真心(まごころ)』!!)

ぱぱらぱっぱっぷっぱー♪ サワダは『執事の極意』を体得した!!
(↑ここまでサワダの妄想世界)
ビャシュウウウ!!そんな輝かしい妄想なんてお構いなしに迫りくる破壊エネルギーの塊!!万事休す!?

455:ゲーム好き名無しさん
08/08/05 21:10:54 ogS5AVZL0
「ソニック・ブーン!!」
だが、次の瞬間。サワダの眼前でチャージショットは別方向から飛んできた真空の刃によってかき消されてしまった!!
ロボット少年「なにぃ!!この俺様の往く道を邪魔立てするのは誰だッ!?」

「その男は無関係だ。」
よく通る自信に満ちた声。そしてそこには…
サワダ&ロボ少年「で、出たッ!?ミ、ミイラ男ー!?」
恐怖のあまり敵味方を忘れお互いに抱きついて怯えるサワダとターミネーター!
包帯グルグル巻きのミイラ男!!…もとい絶対安静を言い渡されたはずのガイル(本物)が立っていた。
ロボ少年「んん~?ん!?んんんんん!!!!何だこれは!!ガイルのDNAと一致する人間がもう一人!?…双子か?」
サワダは思った。馬鹿だ…こいつは馬鹿野郎だ。

ガイル「お前の標的はこの俺だろう?アメリカ軍人は逃げも隠れもしない!!さあこいMEGAMAN(メガマン)!」
ロボ少年(メガマン)「なにいい!!何故!?なぜに俺様の名前をッッ!!エスパーか!?」
サワダ「いや、いくらエスパーといえどロボットの心の中までは見れないでしょう」
サワダの冷静なツッコミ。ゴギューン!!そこへ放たれるメガマンの冷静なアッパーカット!
サワダ「へぷぅ!?」
ジョー(あご)を撃ち抜かれ、高級なカーペットの上に沈むサワダ。

ガイル「貴様のパンツに名前が書いてある。」
かすむ目でサワダは青いターミネーター少年のパンツを凝視する。
確かに書いてある。『MEGAMAN』。しかもデカデカと、さらに目立つ真っ赤なロゴで!!何で気づかなかったのだろう?
メガマン(海外版ロックマン)…どうりで子供のころやった事があるようなないような気がしたと思ったら。

456:ゲーム好き名無しさん
08/08/05 21:50:17 ogS5AVZL0
サワダ「無茶ですよ!そんな体で何しようってんですか!?」
満身創痍ながらも、サワダを守るようにメガマンの前に立ちはだかるガイル。
ガイル「軍人には民間人を守る義務がある。そして軍人は軍人である以上いつでも命をかける覚悟ができている。
…君は隙を見て逃げろ。」
背中越しで不敵にニヤリと笑う空軍少佐。

メガマン「おおっと。そうはイカ墨スパゲッティ・シシリアの荒ぶるマフィア風味。
俺様の顔と名前が割れたからにゃあ、二人とも謎の死体になってワイキキ・ビーチに浮かんでもらうぜぃ!!」
俊敏に距離をとるメガマン!
ガイル「貴様のボディを、カメハメハ大王像の横に飾ってやるさ。」
痛々しい包帯姿ではあったがガイル少佐の動きは少しも劣ってはいなかった。すばやく溜めをつくり飛び道具で牽制する!
「ソニック・ブーン!!」


457:ゲーム好き名無しさん
08/08/10 16:26:26 gMzK91aPO
このガイルめちゃめちゃ性格いいな

458:ゲーム好き名無しさん
08/08/10 17:18:05 BsjqYMmQO
そうだな
コメディ色の強い説なだけあってか
他キャラが性格破綻者ばかりな中
主役のガイルだけは紳士的で一安心。

しかし本当にピンチになったら
一人逃げ出してしまわないか
ちょっとだけ心配だけどね

459:ゲーム好き名無しさん
08/08/10 19:50:49 MWSPU/mm0
~さて、聡明な読者の皆様。単純な計算問題です。
ガイル少佐の身長を(髪型の分は入れないで)便宜上180センチとします。
(注:身長が仮定より高くともこの場合は問題ありません)そうすると肩の高さは大体150センチ前後。
で、ソニックブームを放つ高さは胸の辺りなので130センチと仮定します。
標的『メガマン』の身長。120センチ。この点を踏まえて次の問いに答えなさい。

ガイル少佐がメガマンに対してソニックブームを繰り出した場合、メガマンのどの部分にヒットするでしょうか?
130-120=?


バシュウウウウ!!
ガイルの繰り出した必殺の音速旋風が凶悪ロボット・メガマンにおそいかかる!!
メガマン「それが攻撃かッ!!痛くもカユーくもないわッ!!」
だが、メガマンには効果がない。
ガイル「く、くそう…ならば、見ろ。空軍魂を!!ソォニッ・フゥリケーン!!」

空軍少佐の虎の子、超必殺・ソニックハリケーン。半壊した部屋の調度品が音速の刃の渦に巻き込まれる。
サワダ「ぎゅうう~」
今度は飛んできたベッドの下敷きになるサワダ。

メガマン「無駄無駄ムダァ~!エコロジー★」
だが空気のブレードは青いロボット少年の10センチぐらい上を通過しただけだった。
ガイル「…ば、馬鹿な!!俺のソニックが効かない……グゥゥ!!」
苦しそうにひざをつくガイル。無茶がたたって傷口が開いてしまったのか、包帯のあちこちが紅く染まっていた。
メガマン「どうだ恐れ入ったか!?これがスーパーロボット・MEGAMANの実力だ!!」

サワダは思った。お前は何もしてないでしょう。




460:ゲーム好き名無しさん
08/08/10 21:51:37 MWSPU/mm0
ガイル「ふ、不覚……」
出血で朦朧とする意識。そのまま前のめりに倒れてしまう少佐。
メガマン「ジ・エンド。だが確実にトドメをさしておくのが仕事人クオリティでござる。ウェポーン・チェーンジ!!」
掛け声とともに紫色に変色するメガマン!言葉使いもゴザル口調に変わっている!
そして彼の手には直径50センチはありそうな巨大手裏剣が握られていた!!

メガマン「これは遥か日の国に伝わるシャドーブレイドでござる。ニンニン♪そのエリンギみたいな頭を真っ二つにスライスするでござる~!」
かなりの重量がある高級ベッドの下じきになっているサワダを一瞥するメガマン。
メガマン「ふふん。ケンイチ氏(うじ)。次はおぬしの番でござる。まあ、とりあえずそこで指をくわえて見ているがいいでござる。」
サワダ「誰だよケンイチ君って!?」
……思わず突っ込みを入れる、が。それよりもサワダの心には引っかかるキーワードが何度も反響していた。

野太い男の声が、偉ぶってはいるが威厳も何もない下劣な台詞がサワダの頭の空白にあぶり出される!!
???『……お前の目の前でゆっくり二人をなぶり殺してやる。貴様は指をくわえて見ているだけだ……』

メガマン「お命頂戴!でゴザル」
ガイルに向かって、巨大な金属の板が振り上げられる!!

???『……貴様にこの上なき怒りと、絶望、どれだけ自分がちっぽけで無力かを理解させたその後でその苦悩を終わらせてやろう。
……永遠になッッ!!!!』
サワダ「……めるな」

メガマン「んあ!?何かいった?でも発射しちゃったでゴザル」
ギュギュュワーン!!飛んでゆく危険な巨大手裏剣・シャドーブレイド!!

…時間にしてほんの数秒のことだが、彼の周りのすべての景色がゆっくりとスローモーションのように感じられた。
サワダ「僕をなめるなああ~~~!!」
サワダの体は突如筋肉が盛り上がり、髪型も黄金のエリンギのように逆立ち、向こうの方で倒れているガイル少佐そっくりに変身した!
バァーン!!一瞬で重量感あふれる超高級ベッドが天井まで跳ね上げられる!!

サワダ「させるかぁぁー!!」
そして、凄まじい速度で発射されたシャドーブレイドに突進するサワダ・ガイル

いま、彼の体には得体の知れない怒り、憎悪、殺気、そしてあふれんばかりのパワーとスピードが満ち満ちていた!!


461:ゲーム好き名無しさん
08/08/10 22:46:28 MWSPU/mm0
突風のごとく一直線に疾走(はし)る高速のサワダ・ガイル
…あっという間にシャドー・ブレイドに追いつく。
サワダ(よし!簡単に横から叩き落せるッ!!)

だが、何という事だろうか。神は彼にまたも試練を与えた。
ガツッ。
サワダ「!?」
今朝方クリスにご馳走されたハバネロソースの空き瓶を踏んづけてバランスを崩すサワダ!
そのまますっ転んで、後頭部を床に穴が開くほどのいきおいでぶつけてしまう!!
サワダ「ぶふぅ!?」(鼻血)

運命とは時に非情な物である。非力にもサワダ・ガイルは元の姿に戻ってしまった。
メガマン「ドゥハハハハハハ!!にんともかんともこいつぁ傑作でゴザル!!二人まとめて人体切断標本になるがいいでゴザル!」

(注:シャドーブレイドが発射されてからここまで2.00秒)


462:ゲーム好き名無しさん
08/08/10 23:13:40 MWSPU/mm0
ガリガリギュリリイイーーンン!!
倒れた二人に迫る、未知の金属で精製された巨大なシュリケンブレード!!
メガマン「残念ながら最終回でゴザル。来週からはスレタイを『玄関にチャージしたメガマンがいた』に変更だー♪」

~さて賢明な読者の皆様、今度は応用問題です。
シャドーブレイドは直径約50センチ(半径25センチ)直線的に進んだ後再び同じ地点に戻ってくる特殊武器です。
メガマンの身長は120センチ。今回は前に発射しました。
射出した高さを(つまり中心を)80センチとした場合、サワダとガイルのどの部分に命中するでしょうか?
ただし、倒れている二人の高さは大きく見積もっても30センチとします。

ギュワーン!!倒れた二人の約25センチ上を通過してしまうシャドーなブレイド!!
メガマン「甘い!甘いでゴザル!!シャドーブレイドはたとえ避けたとしてもまたもとの地点に戻ってくるので…」
ザックリ!
再び元の地点に戻ってきたシャドーブレイドは見事メガマンの眉間に突き刺さった!!
サワダ「……」
ガイル「……」
メガマン「お、おのれぇぇ……謀ったなぁぁ……」

二人は思った。いや、何もしてないって。


463:ゲーム好き名無しさん
08/08/11 14:38:49 LIeK/10iO
ガイルは髪型を足したら身長195cmくらいなりそうだな

464:ゲーム好き名無しさん
08/08/14 03:52:23 +pDMPWiSO
サワダ「チャンス!うおおお。」
サワダは起き上がると渾身の力を右の拳に込めて一撃を放つ!

ポキットナ!
しかし鋼鉄のボディの前にサワダの拳はモロくもポッキーみたいにあっけなく逝った!
サワダ「ぐをををを!?コブシがああぁぁ?」のたうち回る執事見習い。
メガマン「あらやだ。ゴーメンなさいよ!」
頭付きの要領で頭に刺さったままシャドーブレイドを振り下ろす。
「うおっち」
サワダは悶絶しながらも何とか斬撃をかわす!
メガマン「ふー危ない危ない。頭カラッポじゃなきゃ死んでたでござる。」
そう言って手裏剣を引っこ抜くと頭を左右に振る。カランコロンといかにも軽そうな音が鳴り響いた。

サワダは思った。製作者出てこい!欠陥品じゃあーりませんか?頭カラッポでどうやって動いてるんだッ?
メガマン「デスクトップパソコンと一緒。チップ以外はスカスカなのさ。まあその拳じゃ戦えまい。
ではではまずエリンギの方から調理をはじめるでござる。三秒間殺戮クッキングぅ」
サワダに背を向け巨大手裏剣を手に一歩一歩ガイル少佐に歩み寄る、青きターミネーター。

サワダ「痛っ」バチッ!!
今さっき刃がかすったのか執事の服が破け血がにじんでいた。電撃の配線も切断されたのか青白い火花がスパークしていた。

465:ゲーム好き名無しさん
08/08/16 19:02:08 Q8ozByhdO
サワダ(これは…)
突如としてサワダに反撃の名案が浮かぶ。J・P・ポルナレフもビックリだ。
ビリイィィッ!負傷してない左手で執事の服を裂く。
そしてメガマンの後ろから捨て身で突進し青い少年型ロボットを羽交い締めにした!

サワダ「どうだ!背中にぴったり張り付いてしまえばなにもできないだろう!」
メガマン「んもう。激しいんだから。でもコレでは貴様とて手も足も出まい。このノコノコが!も少し脳を使うでゴザル!」
サワダ「手も足も出ないが…電撃がでる!ゥゥゥヴおおびゃびゃ~」
言い終わらない内に敗れたサワダの服から高圧電流が漏れ出す!

メガマン「バビャばびゃばっ馬鹿な!貴様も死ぬぞなっもし!?…でござる~~!」
頭カラッポとはいえやはりロボット。接触した部分から流れた電流がCPUにダメージを与えている!

メガマン「エエェ~…レクトリカル・コミュニケーション 意識~を消してイマジネーション こっこっからっ逃げ出せーない♪
スパークさっせってっROCK ACTION……」

狂ったように謎のメロディーを口走るターミネーター。だがサワダの身体にも限界が来ていた。

「もういい。ソイツから離れろ!」
サワダは腕を離す。そのまま気絶し、床に倒れる。そこへ飛びかかるミイラ男…もといガイル。
ガイル「サマソー」
メガマン「うわぁーい!?」

466:ゲーム好き名無しさん
08/08/16 19:48:38 Q8ozByhdO
ガイルの攻撃を喰らって、ロイヤルスイートの窓を突き破ってぶっ飛んでゆくメガマン。
そのままハワイの夕空を滑空しカメハメハ大王像の横に墜落!
メガマン「こ、これで勝ったと思わない事だ
知るがいい。メガマン(百万の男)の意味を……。やがて、第二、第三の俺様が貴様らを……」

ティウンティウンティウン


それをホテルのフロントから見ている影があった。おもむろにコウモリ型の携帯電話を取り出すと、

『森子君かね?どうした?』
森子『院長センセ!あのターミネーター負けちゃいましたワ
とんだ見かけ倒しですこと。それ以前にあの性格じゃ刺客には向いてないと思いますワ。』
『フフン、問題ない。ここだけの話、実験段階でうっかり奴のCPUに梅コブ茶をこぼしてしまってなw
結果あの一機だけ性格に大問題が発生したんだよ。戦闘データの収集も十分。欠陥品の処分だと思えばいい。
他のメガマンは感情を持たずに命令を遂行する文字通りの完璧なロボットだ。それに…』

森子『そうでしたわね。彼女がいましたわね。今ホテルの地下、改造手術室でおねむの時間ですが。』
『私の最高傑作だ。さらに進化した強化骨格、コンクリをも砕き鉄骨すらひん曲げる人工筋肉、
吐く息は数千度の炎と化し、その上洗脳によってどんな状況でも100%の能力を発揮できる。』
森子『うふふへへへ…楽しみですわね。じゅるり。』
『……』

『…あー。つかぬ事を聞くが森子君。もしかしてキミ…ゴホン。そっち(百合)系の人なのかな?』
森子『うふふふ…』ガチャン
『オッ、オイ!森子クーン!森子クーン!質問に答えてなーい!私の最高傑作なんだぞー!違うって言って!?
ねぇ森子クーン!!!』

467:ゲーム好き名無しさん
08/08/16 20:25:45 Q8ozByhdO
ガイル「やったか?」
サワダ「ええ、多分」
包帯グルグル巻きの軍人と電撃黒コゲの居候。二人は負傷と疲労で、寝ころんだまま会話する。
ガイル「しかし無茶をする。俺は逃げろと言ったはずだ。」
サワダ「何故です?僕は赤の他人でしょう?何故貴方は他人の為に命をかけられるのですか?」

答える代わりに黒コゲになったサワダの姿をあごでクイッと指摘する。
ガイル「では何故君は逃げなかった?狙われたのは俺だ。」
サワダ「……」

「人と人の繋がりとはそういうものだ。理屈や損得が全てじゃない。他人の為闘える奇特な奴も少なからずいるって事だ。
いずれにしてもこの場所に長居は無用だ。クリスが帰って来たらすぐに発とう。」
サワダ「貴方達がうらやましい。」

ガイルはゆっくり起き上がる。サワダも黒コゲのまま身を起こす。

サワダ「さっきの騒動で少し思い出しました。僕の父はどうしようもない男でした…。」
蘇った記憶の断片の中にあった自分を殺そうとした男のヴィジョン。多分あの男は自分の父親だろう。
「でもクリスちゃんは貴方を心から信頼し、貴方も彼女を愛し…。僕は、僕には、それがうらやましい…」

「!?」
会話の途中だったが二人は顔を見合わせ『油断するな』と目配せする。壊れた部屋の入り口に何者かの気配を感じたのだ。
クリスが帰って来たのか?それとも新手の刺客が…?

468:ゲーム好き名無しさん
08/08/17 00:24:36 3fvD8jijO
クリス「はあはあはあはあ…ひでぇ目に遭った。」
下水を何百メートルも流され、どうにかマンホールから地上にでて、ようやくホテルの近くまでたどり着いた。
木の棒を杖代わりにしてヨロヨロ歩いていると、
ゴォン!思いっきり道を塞ぐ障害物にぶつかる。どこ見とんじゃコラ。…って
そこにカメハメハ大王像がたたずんでいた。くそォ。のん気な顔しやがって。ストレス解消にSMGでブチ砕いてやろうか?
でも、下水に浸かっちまったら、イングラムは分解洗浄しなきゃいけないな。運が良かったなテメー(器物損壊です)

ヒュウウーン!
クリス「ん?何だ、何かが近づいて来るような音がする。」
右を見て、左を見る。気のせいか…??

ズズドーン!

何か青っぽい鋼鉄の塊がアタシの上に落下してきた。ぐふ!
なんだー?何の攻撃だ!?つーか重いー!
???「こっ…これで勝ったと思わない事だ…」
青い鉄の塊が喋くってやがる。いいからそこ退かんかい!身をよじって脱出する。アイタタタ。

クリス「オイてめー、何可憐な美少女の上に降ってきてんだよ?コラぁ」
???「知るがいい。メガマンの意味を……。やがて、第二、第三の俺様が貴様らを……」
聞いちゃいねえ。パイナップル(手榴弾)でも投げつけてやるか?

だがソイツはパイナップルのピンを抜く間もなく爆発し四散しやがった! ティウンティウンティウンティウン
「はんぎゃー!」巻き添えを喰うアタシ。

「つぅ~~。何なんだよ一体」四散した青いパーツを見る。
「!?コレ、もしかして!…すっげー!ロボットじゃん!」
しかも戦闘用!?アタシの目がキラキラリーンと輝く!持って帰ってサワダに修理させようっと。
そんでもって重火器をしこたま積み込んでアタシのサポートをする最強のキラーマッスィーンに改造したげるわー!

469:ゲーム好き名無しさん
08/08/17 18:14:50 d2lCRbOxO
ロックマンが死んだときの効果音までwwww
才能あるなぁー

470:ゲーム好き名無しさん
08/08/18 19:43:12 59Dtj+NF0
壊れたパーツを拾い集め、ホテルの部屋に戻る。あれ、部屋のドアが壊れてる?
大方サワダが何かへまをしたんでしょうね。後でおしおきよ。

おおっとぅ!!いい事考えた。ちょっとパパとサワダをびっくりさせてあげましょう。
拾ったロボットのヘルメットを頭にかぶる。そういえばこのロボット、メガマンに似てるわね。
部屋にバッと突入する。
クリス「てれってれって~♪ てれれってれって~♪ てれって てれって てって~て~れて~♪」
メガマンのボス決定音楽で華麗に登場するアタシ。どう、パパ?このロボットそこで拾った…

ガイル「やはり新手か!!サワダ!行くぞッ!!」
サワダ「了解(ラジャー)、少佐!!」
え…?
「サマソー!」
「サマソー!」
クリス「ぐっほァーーーー!!!!」
パパとサワダの見事なコンビネーションアーツ!!…がアタシを正確に捉える!!
いつの間にそんな息ぴったりになったの二人とも?ちょっとジェラシィ。
と、というか、にゃ…にゃんで…?どうして……!?そのままハワイの夕空を滑空しカメハメハ大王像の横に墜落!
ごふぅぅ!!


471:ゲーム好き名無しさん
08/08/19 21:02:34 HG1quBVdO
ガイル「…すまん。」
サワダ「…申し訳ございません。」

アタシは二人を半壊した部屋に正座させて、詰問する。
クリス「まあ、事情は分かったわ。」悪気があった訳でなし。
罪を憎んで人を憎まず。
クリス「でも、お仕置きはしまーす。」当然だ。
ガイル「あたた。」
パパの包帯を替えて開いてしまった傷口に消毒液をポンポンと塗る。どう?反省した?
ガイル「海より深く。」
次はサワダの番よ。アンタは部屋に開いた大穴の淵に立ちなさい。
サワダ「あの、見晴らしがいいですね、クリスお嬢様」
そうね。ここは最上階のロイヤルスイートだから。
サワダ「あの、そろそろお尋ねしてよろしいですか?」
よろしいわよ。言ってみ?
サワダ「あの、何で僕は荒縄でぐるぐる巻きにされて、部屋の外までポッカリ開いた近寄るのすら危険な穴の前に立たされてるんですか?」
うふふ。何 で だ と 思 う ?
クリス「正解は~!」
アタシは縄で縛ったサワダの背中に手をやると…

「でやー!」

472:ゲーム好き名無しさん
08/08/19 21:43:56 p3lIPpl9O
ガイルへのお仕置きが超優しいのに対してサワダは…wwww

473:ゲーム好き名無しさん
08/08/20 18:14:11 fvJBjOAhO
サワダ「…………っ!?」
なーんてね。背中からロープをほどいてやる。
クリス「今回だけは特別だ。聞けば、オメーはパパのピンチを助けてくれたんだってな。」
不本意だが仕方がない。電気仕掛けの執事服は結構高かったんだが、パパの命には変えらんない。
「お、お嬢様…。」
ブワッと涙を流すサワダ。そして男泣きしつつひざまずきアタシの手を取る。
「なんと寛大な!不肖サワダ。これから先も未熟ながら使用人として精一杯、奉公させていただきますッッ」
何コイツ?どうしちゃったの?電流付きの執事養成燕尾服はもうオシャカになったってのに、何だかさらに執事っぽくなりやがった。
ガイル「刺客と命のやりとりをする中、何か執事として考える所があったらしい。」
ヤレヤレ。┓( ̄∇ ̄)┏ といったポーズでパパも呆れてる。
まだ号泣しているサワダ。アタシに認められたのがそんなに嬉しいのか。なんだか調子狂うぜ。かえってこっちが照れくさい。
アタシはサワダの手を振り払うと、照れ隠しにサワダの背をドーンと叩く。

クリス「オイ。こ、こんぐらいでいい気になるんじゃあねーぞ。また明日からビシバシ…」
ふと見ると、サワダが消えていた。あり?
ガイル「落ちたぞ。」

風に乗ってアタシに届くサワダの悲鳴!
ああぁぁ~~……(どさッ)…………。

えっ?ええええーッッ!?そんなつもり無かったのにー!

474:ゲーム好き名無しさん
08/08/21 21:52:09 29VQ781lO
サワダ(ビクンビクン)(がくがく)(コクン)
声無き声を上げ親指を挙げて大丈夫だとアピールするサワダ。
ど う 見 た っ て 大 丈 夫 じ ゃ ね ぇ

クリス「チッ…。しょうがねーからアタシが手当てしてやるか。」今回は悪意があってやったわけではないので一応、良心の呵責がある。

アタシとズタボロのサワダは支配人モリコの部屋に行く。包帯だの何だのといった医療品が足りなくなったし、何よりアタシ達の部屋に刺客がやってきたのだ。
ホテル側のセキュリティーの甘さをグサグサ指摘し、部屋の修繕費は全てあちら持ちにしてやらなきゃな。あわよくば慰謝料もガッポリ頂いてやんぜ。

クリス「ん…?」
支配人のオフィスから、何やら声が聞こえる。

475:ゲーム好き名無しさん
08/08/22 22:19:47 cguJQ5XO0
ドアの隙間から様子をのぞきこむ。日も暮れた夕闇に半裸の女二人の姿が浮かび上がる。
森子「ふふふ……イケナイ娘。ワタクシを年増呼ばわりするなんて。許しませんことよ。」
キャミィ「あうぅッ!!」
!!!!そこにいたのは、ホテルの女支配人モリコとキャミィ(似の少女)昼間アタシにプロトンビームをぶっ放した女だ。
あ、あの女あっち(百合)だったのか……!!くんずほぐれつする二つの肢体。

「こ、これは…な、なんと淫らな(↑)クリスお嬢様…」復活するサワダ。
「いっ、今アタシに話しかけるんじゃねえ(赤面)」どう反応していいか解らないおぼこなアタシ。
「写真に撮っておきましょうか?」黙れ。体重の乗った裏拳でサワダの口を閉じさせる。

森子「ふふふ。何でもいうことを聞く可愛いお人形さん。貴女に新たな任務を与えるわ。あの鉄クズは見事に失敗してくれた。
少佐は明日にでもこのホテルを発ち、身を隠すでしょう。速やかに目標を補足せよ。ターゲット・米国空軍少佐・ガイル。」

  なぬ!?

キャミィ「……消去するのか?」
森子「少佐の偽者(ダミー)が、機能しないというアクシデントが起こっている。したがって極力生け捕りせよって事だそうよ。
ただし拉致が難しい、あるいは出来ないと判断した場合にはこの限りではないと……。」
キャミィ「承知した。正直まだ自分の能力が馴染んでいない。手加減する自信は無いな。」
森子「あらあら、言ってくれるわね。お姉さんキュンときちゃった……てえーい。」


クリス「……サワダ」聞いたか?今の話。
サワダ「はい、お嬢様!ここはやはりデジカメで撮影し永久に保存するべきかと。」
……。
無言でにっこり微笑んだアタシは後ろからサワダの口を塞ぐと首を思いっきりねじり込んでやった。ゴギョ!!

「~~~~~~!!!!!!」悶絶するサワダ。口を塞いでるから声は漏れないぜ。
と、とにかくこんなホテルに居らんねー!!すぐ出発すっぞ付いて来いサワダ!!


476:ゲーム好き名無しさん
08/08/23 04:16:32 FglweCyx0
そんな事より聞いてくれよDJよ。こないだ、ナッシュに会いに行ったんです。ナッシュに合いに。
そしたら、なんか静止してるのに熱くなって聞かないんです。
で、よく聞いたら「どうしてもと言うのならお前を倒して」とか言ってるんです。
もうね、アホかと。バカかと。お前な、田舎に左遷させられたぐらいで普段してないヘリ操縦してんじゃねーよ。ボケが。
核搭載ヘリだよ、核搭載ヘリ。なんかICPOとかもいるし。よーし私軍と協力しちゃうぞーとか言ってんの。もう見てらんない。
お前らな、1時間後に空爆があるからここから離れろと。壊滅作戦ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
ギアナ高地のナイアガラの滝で向かい合った奴らがいつ谷底に落とされてもおかしくない、殺すか殺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。
中国警察はすっこんでろ。で、やっと友人を倒したと思ったら、隣の赤いヤツが「泣かせるストーリーだな。その親友もまた(ry」とか言ってるんです。
そこでまたブチ切れですよ。あのな、鉄拳での制裁なんて、今日び流行らないんだよ、ボケが。得意げな顔して何が「ムッハァ」だ。
お前は本当に強化兵士の作製を目的にしてるのかと問いたい。問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。お前、ロリコンなだけちゃうんかと。
マーシャルアー通の俺から言わせてもらえば、今軍人の間での最新流行はやっぱり「待ちタメ」。コレだね。「待ちタメ」。コレが通の選び方。
「待ちタメ」ってのは屈んでるだけで二択を迫れる。そんかわり移動しながら出す事が出来ない。コレ。で、それにイカサマー。コレ。最強。
しかしコレをやると対戦相手からマークされてリアルファイト突入の危険も伴う諸刃の剣。素人にはオススメできない。
まぁお前らド素人はマヴ使用のコマンドサマーでもしてなさいってこった。

477:ゲーム好き名無しさん
08/08/26 23:26:50 maA9SjSZ0
ガイル「ん。これがメガマンか。軍でも未確認情報だったが。」
一人部屋に残ったガイルはクリスの回収してきたメガマンの残骸を前に悪戦苦闘していた。
ほとんど原型をとどめた状態で四散したとはいえ、もとどうりに戻すだけでもかなり骨の折れる作業である。
ましてや彼はパイロットであって技術仕官ではない。機械の修理は当然ながら専門外である。
彼はそれでも愛娘のために、果敢にもロボットの修理に挑戦していた。

余談だが空軍部隊はパイロットと整備班の2つに分けられる。当然ながら実際に出撃するパイロットのほうが待遇、給与ともはるかに上である。
冷戦の終結あたりから戦闘機の出番は大幅に減り(だが、緊急時のためにいつでも機体の整備や訓練飛行は怠れない)
空軍所属者はサラリーマン軍人と揶揄されるようになる。とはいえ今も昔もパイロットは花形であり、栄光ある軍のヒーローではあるが。

ガイル(だが忘れてはいけない。パイロットが機体に命を預け自由に大空を舞えるのは、沢山の人間が舞台裏で彼らを支えているからなのだ。)

遅々として進まぬメカいじりに空軍少佐はそんなことを考えていた。

そしてどうにか一通り組みあがったメガマン。よくよく見ると左腕があらぬ方向を向いており、右足と左足も逆にくっつけてしまってたが。
ガイル「~~。ま、まあいい。性能チェックでもしておくとするか。」
スイッチオン!
メガマン「オッペケペー!(奇声)」
スイッチ切断!
ガイル「だが忘れてはいけない。パイロットが機体に命を預け自由に大空を舞えるのは……」
彼は何も見なかったことにした。

478:ゲーム好き名無しさん
08/08/27 04:55:12 zRTFAl3C0
クリス「ほら急げサワダ!!」
エレベーターを待つ時間すらもどかしく、アタシ達は階段を駆け上がる。
「パパ大変よ!!すぐに…」
半壊、というかほとんど全壊した自分の部屋に飛び込む。パパは遠い目で外を見ながらアメリカンコーヒーを飲んでいた。
ん、!?アタシが持ち帰ったロボットが組みあがっている。もしかしてパパがやったの?スゴーイ。
よくよく見ると左腕が変な方向に曲がってて右足と左足が逆のような気もするけど、たった1,2時間でここまでいくとは…

サワダ「いえこのロボット、プラモみたいな簡単組み立て形式で組み立てだけなら五歳児でも10分でできる仕様だと
 …ほら背中のこの部分に表示がしてありま……グブゥ!!?」
おだまり。
「するってーと、何かい!?うちのパパは五歳児にも劣るとでも!?五歳児にすらッ!?アタシの父親はそんなに不器用か!?」
ボコる。とりあえずコイツの余計な口にチャックをしてやらねば。
サワダ「……(ぷるぷる)」この男はアタシにぶん殴られながらも震える指で何かを指し示す。
その先を視線で追うと……。
ガイル「……」
体育座りで地面にうつむくパパの姿が!!(漫画的表現なら人魂が浮かんでそうな落ち込みようだ)
あ、えーと、これは決してそういう意味では…
サワダ「そ、そんなことよりおぜう様!!今重要なのは…」
そうだった!!
クリス「パパ、今すぐこのホテルから脱出するのよ!!」


479:ゲーム好き名無しさん
08/08/27 07:56:43 2ozm2ooQO
5歳児並の脳みそガイルwww
そういやスト2時のガイルは31歳だったっけ…

480:ゲーム好き名無しさん
08/09/01 01:49:48 IQFjuDlUO
アタシとパパ、そして壊れたロボットを担いだサワダはホテルの地下駐車場を目指して走る。
駐車場にはアタシとパパがこのホテルに来るときに乗ってきた軍用ジープが置いてあるのだ。
『ホーッホッホッホ!そうはいきませんことよ。小娘!』
悪のホテル支配人、森子の笑い声が館内放送で響く。
途端、向こうの廊下の壁からヤリが飛び出してきた!なんて嫌なギミックを凝らしたホテルだ!
クリス「うわた!」動体視力に自信のあるアタシはとっさに身をかがめる
ガイル「ウオッと」ほぼ同時に抜群の反射神経でよけるパパ。軍人は伊達じゃない。
サワダ「へ?」ザックリ!
ロボを背負ってる分だけ反応が鈍ったのか、これまた見事な串刺しになるサワダ!
ガイル「危ない所だった。本当にホテルの支配人が黒幕だったとは!」
クリス「大事にならなくて良かったわ。急ぎましょう!」
サワダ「いや、刺さってんですけど。ヤリ
しかも貫通してんですけど。ヤリ」
そんだけ話せりゃ上等だろがよ!急所は外れてるようだ。うん問題ない。
法廷ゲームの中で赤い検事も言っていた。凶器自体がフタの役目をしているので出血はさほどでもないと。
クリス「おっとサワダ!ヤリは抜くんじゃねーぞ。地下まで全力で走れ!」
サワダ「う、うっそー!」

481:ゲーム好き名無しさん
08/09/02 10:18:35 iyDgcOnFO
アタシ達3人は無事にどうにか地下駐車場にたどり着く。
サワダ「いや、どこが無事なんでしょうか?」
体にヤリがぶっささった男が何か言ってるようだけど無視無視。
あった!軍用ジープ!実は荷台の方に重火器を隠し持って来てたのよね。(パパには内緒で)うっしゃー!これで百人力じゃ!
クリス「ほれ、サワダ。ちょっと持っとけ。」
荷台に入れといたRPG(対戦車ロケット)をサワダに持たせておく。
サワダ「ッオオ~~」ヤリの刺さった身体にはつらそうだ。男の子でしょ我慢なさい。
クリス「さて、逃走用のアシ(車)を確保しないとね。」
サワダ「へ?そのジープで逃げないんですか?」
クリス「相手はこのホテルの支配人よ。つまりここは敵の庭よ。車に細工がしてあるかもしれない。」
映画みたく車のイグニッションキーを回した途端に大爆発とか。
ガイル「へ?」ガキュキュ!
だがなんたる事か!時すでに遅し!パパはジープの運転席に乗って、車のキーを回しているとこだった。なにやってんのパパー!

ゴガアーーン

映画みたく爆発炎上する軍用ジープ!
火だるまになってぶっ飛ぶウチの父親。きゃー!

482:ゲーム好き名無しさん
08/09/02 16:41:47 XIyZeeIaO
ツッコミ:クリス
ボケ:ガイル・サワダ

483:ゲーム好き名無しさん
08/09/07 18:12:22 AdsFM4Ga0
ゴロゴロ転がって身体についた火を消すパパ。伊達に火を吐いたり拳から炎が出たりする変態さん相手に戦ってる訳じゃない。
ガイル「……(がくっ)」
と思ったら、意識を失うお父様。えぇ?
サワダ「もともと、例の拷問器具によって死の淵をさ迷った身体ですから、これ以上のダメージは本当にマズイのでは?」
まあそんな事言ったら車が爆発した時点で即死してなきゃおかしいけどよ。
パパ曰くストリートファイトする人間は、体力ゲージがゼロにならない限りどんな攻撃を喰らっても死なないらしい。
サワダ「…というかいい加減僕に刺さったままのヤリ何とかしてもらえませんか…?」
クリス「おぅ。ここを無事に脱出したら救急病院にでも駆け込んでやんよ。安心しろ、テレビでやってたが
トラックから落ちてきた鉄パイプに貫かれたアメリカ人女性が助かったケースもある。希望を捨てんな。」
まあ、今言ったケースではその女性以外 即 死 だったんだがな。
そもそもテレビで放映されんのはいわゆる『助かったケースのみ』だ。毎日毎時間どこかで起こる大事故のうちそれこそ『奇跡的に』助かるケースなんて全体から見れば数パーセント、下手すりゃ小数点以下だろーに。
だが、サワダにその事実を言うのは気が引けた。
クリス「……」

ここでふと思った。アタシが家族以外の他人を思いやるなんて…と。パパとママそれにアタシさえ良ければ、他人が死のうが滅亡しようがどうでもいいというのがアタシの主義だったはず。
チッ。なんか面白くねー!!ドカッ!!
コイツの背中を思いっきり蹴ってやることにした。
サワダ「おっおっおおおっぉぉぉぉーーッ!!傷口が、傷口がぁぁぁ!!なっなっなにすんですか一体ーー!!」
悶絶しつつ抗議するサワダ。ふん、ごめんなさいなんて言わないワ。
クリス「うっせぇ。大体てめーボケッとしてんじゃねーよコラ。さっさと代わりの足を用意しねえか。」
サワダ「あ、それならこちらの方が快くお貸ししてくれそうですよ。イタタタ。」
サワダの前には超高級ロールスロイスとその持ち主とおぼしき背広を着た紳士風の男が倒れていた。服装から値踏みするにどうやら高級ホテルにふさわしそうな貴族風の男のようだ。
さらによくよく見るとズボンの上からでもわかるぷりっとしたケツ、キューピーマヨネーズのような髪型、この男デミトリに似てる。いや、そんなことより!!

なんて奴だ!!サ、サワダまさか、アンタ…この男を脅迫したんじゃあ…
クリス「あーあ。面倒な真似を…こういう場所で強盗(タタキ)するんじゃねえよ。駐車場だと死体を埋めて隠蔽できないでしょう?
はあ、使えない執事ねぇ。アタシだったら室内で犯行に及んで夜中にこっそりバラバラにして運び出すぐらいのプランをたててから殺(バラ)すのに。」
まあ、殺っちまったものは仕方がない。死体をロールスロイスのトランクに詰めて身元がわからないよう細工して……
サワダ「いえ、この紳士殿は僕めが『非常時なので車を貸していただけないでしょうか』と声を掛けたところ、
爆発炎上したジープと黒焦げのガイル少佐とヤリの刺さった僕を見て卒倒されまして。泡まで吹いて…ごらんの通り」
あ?あら、そう?嫌だわアタシったら早とちり。てへへ。
ようし、パパをロールスロイスに乗っけて!!このホテルから脱出よーーッ!!



484:ゲーム好き名無しさん
08/09/07 20:07:08 AdsFM4Ga0
おっと、その前に。デミトリ(に似た男)から財布とカードを攫っておきましょう。逃亡資金よ。
(ごそごそ)
あ、あれ?普通、観光客が外出するときには必ず現金とかカードとかトラベラーズチェックを持ち歩くはずなのに。
サワダ「あ、それならこの紳士殿から車のキーを拝借したときに一緒に。」そういって分厚い財布を見せるサワダ。
クリス「オ、オヌシ…なかなかワルよのぅ。」
思わずジャパニーズ時代劇口調になるアタシ。
サワダ「いえいえ、お嬢様ならこのぐらいやるだろーなと。」
ふん。気が利くじゃねーか。まあちっとは執事として認めてやってもいいか?とりあえずロールスロイスに乗り込むアタシ達。
んん?どうしたサワダ?神妙な顔して。
「と、ところでお嬢様が運転するんですか?この車」
「おうよ」
車のイグニッションキーを回す。
「で、でもお嬢様、免許持ってるんですか?」
エンジンがかかった。ハンドルを握る。
「知ってるかサワダ?アメリカじゃあ州によって法律が違うんだ。」
クラッチを踏む。
「あ、さようで。お嬢様はどうみたってローティーンだからてっきり…」
サイドブレーキ解除。
「まあ、アタシも車の運転操作なんて理論上でしか理解してないんだけどな。」まあ構造は理解してるし問題ないだろ。
ギアを入れて、
「は?」
アクセル全開!
「つまり、実際に運転するのはこれが始めてなんだゼ!!」
「えええええええええ!!??」凍りつくサワダ。しっかりつかまってろよ!

クリス「Let's go!!!!!!」
サワダ「ギャアアアアア!!!!!!」


485:ゲーム好き名無しさん
08/09/07 20:28:43 AdsFM4Ga0
快調に地下駐車場を進んでいくアタシ。まあ途中柱とか壁にかすったりしてそのたびにサワダが哀れな子豚のような悲鳴を上げてたが。
大丈夫大丈夫。あたしこう見えてもレースゲームは得意なのよ。
ズズズズ!!突如すさまじい地響きが車を通してまで伝わってくる。
そして、車があらぬ方向へと移動してしまう。
サワダ「ヒイイイイイイイ!!!!!!」
クリス「おっと?」インデペンデンスデーイのように誤魔化す。
ハンドル操作は間違えてないし…?
いや、なんかおかしいぞ。まるでこのホテル全体が急に傾いてしまったような…そして駐車場の出口に差し掛かると…
そこには地面がなかった!!
クリス「と、飛んでる~~!?」
サワダ「えええええ~!!??」
なんと、ホテルが空に浮かび上がっていたのだ!!何だこのホテル。ラピュタか!?
サワダ「と、とにかく戻ったほうが良いんじゃ?」
そ、そうね、下まで目測で20メートルくらいある。落ちたら怪我じゃすまないわね。バック運転の操作は……っと。
クリス「あ!」
この状況に動転してアクセルを思いっきり踏んじゃった!!
無情にも上空20メートルから飛び出すロールスロイス!!


 JESUS(マジかよぉぉ)~~~~~!!! 

486:ゲーム好き名無しさん
08/09/11 00:05:35 iKGAQjIQ0
クリス「お、落ちるうう~~~!!」
地球の引力に引かれ落下するロールスロイス。この高さからこんな鉄の塊が加速度をつけて落下するのだ。
三べん死んでもお釣りがくるぜ。だがアタシゃ往生際が悪いんだ。
クリス(くそッ!くそッ!!なんか無いのか?ボンドカーみたいにジェット噴射で空を飛んだりこの絶体絶命の状況を都合よく何とかできるような装置とか)
手当たり次第に車のボタン群を押しまくる。ポチ!ポチ!!ガチャガチャガチャ!!

バシュウウン!!
クリス「はい?」
サワダ「え、えぇー?」
その瞬間、前の座席に座っていたアタシの座席だけがシートごと真上に飛んで車からエジェクト(排出)してしまった。車内にパパとサワダを残して。
宙空を舞う座席とその上のアタシ。シートベルときっちり締めてるから手も足も出ないーーーー!!!
というか、車から射出されてもこの高さからではあまり生存率は変わらない気がする。依然として人生の終焉は不可避だ。い、いやぁぁぁーーー!!!

サワダ(お、落ちる、落下…確か前にはもっと高い所から落ちた気がする…記憶が…記憶が!!)

サワダ「ううぅ…あ、頭が頭があ!!」


487:ゲーム好き名無しさん
08/09/17 23:32:56 SNzpOOwr0
落下する高級シートに抱かれながらもなおアタシはこの状況を打破する手段を模索する。
そして、一億ビットの頭脳が0.01秒で結論を出す。
『無理。死ぬ。』

だが、それは突然のことだった。景色が止まった。
正確に言うと、アタシが乗ったシートが空中で停止したのだ。ふと見るとパパたちを乗せたロールスロイスも空中で停止している。

クリス「こ、これは一体!??」
やはり神はアタシを見捨ててはいなかったって事?
まぁこんなに可愛くて日ごろの行いも申し分ない健康優良少女を死なせちゃあ地球規模の損失ってもんだ。
クリス「しかし、墜落死はまぬがれたものの…どうやってここから降りりゃぁいいんだ?」
いまだにアタシは地上20メートル前後の高さで車のシートごと空中に固定されている状態。
一体誰が?どのような方法で?どんな目的があって?などといろいろな疑問がわき上がるがとりあえず地上に無事着地するのが先決だ。そこへ下のほうから響く声。
サワダ「大丈夫ですかぁ~?地上に降りたいですかぁ~?」
見下ろすと、既にロールスロイスは傷ひとつなく、砂浜の上に着地していた。ってことはパパは無事だって事よね?ふぅ。安心した。
車から出ていたサワダは続けてアタシにこう叫ぶ。
サワダ「死の恐怖に戦慄しましたかぁ~?己の悪行を反省する気になりましたかぁ~?」
サ、サワダの野郎~!!自分だけ助かったからって、アタシをおちょくってささやかな復讐に浸るつもりか~!!
クリス「うっせぇ!!てめこの!!さっさと気を利かせてアタシの状況を何とかしやがれ。このサル!!」

サワダ「……じゃあ、仕方ありませんね。アデュー(さようなら)クリスお嬢様。ククククク。ハハハハハハハッ!!」

はぃ?

親指をクイッと下に向けるサワダ。その途端!!
ガクーン!!再び地球の引力に捉われ、ニュートンの林檎のごとく下へ落下するアタシ!!

クリス「ほんぎょぇぇぇぇ~~!!」
そのままアタシはリゾートホテル(のあった場所)のまん前、ハワイの海岸の砂浜にすさまじい土煙を上げて地面とキスをした。ズドーン!!


488:ゲーム好き名無しさん
08/09/17 23:35:29 SNzpOOwr0

クリス「い、いててて…。い、生きてる。」
柔らかい砂浜の上、アタシは無様に投げ出される。
サワダ「ふふふ。それは良かった。まあ楽に死なれちゃぁ僕の恨みが晴らせませんからね。落下スピードをゆっくり目にしたんですよ。」
クリス「サワダ…てめぇ…一体何のつもりだ!ご主人様にこんなことしてただで済むとでも…」
ズドーン!!アタシの体は再び見えない力で宙を舞い、また砂浜に頭から落ちるアタシ。

クリス「ぶふ~~!?」
サワダ「どうです?ハワ~イの砂の味は?負け犬の風味がするでしょう?
…ふふ。僕はね、全て思い出したんですよ。僕が何者なのか。僕の目的はなんだったのかをッ!!
そう。僕が貴女のお父様に変身できたのはね。僕が少佐に成り代わる為だったんだッ!!」
そういってまたもやアタシの体は見えない力で砂浜に叩き付けられた。ズドドーン!!
「正しかったんですよッ!!貴女はねッ!!」ズズーン!
「僕を拷問にかけるのではなくその場で殺すべきでしたね!!」ズドーン!

何度もたたきつけられ、アタシはヘロヘロになっていた。だがここで力尽きるわけにはいかない。
クリス「サワダ…」
力を振り絞って、立ち上がる。

「アタシは、アタシはアンタの働きぶりをほーーーんのちょっとだけど認めてたのに…。」まあ0.1ミクロンぐらい。

だが、それでもアタシが家族以外をこんな風に認めることなんて奇跡に近い。
「このまま専属の使用人として本採用してもいいかななんて思ってたのに…。」
そんな風に思ってた自分が馬鹿みたいじゃねーか。
「もう容赦しねーぞ。血反吐はいて地獄に落ちな。」
ほとんど反射的、服に隠してあったイングラムを取り出すと照準をつけずに奴に向かって乱射する。
トリガーを引いた後。アタシはふと気づく。『アタシは何故こんなにもこの男が許せないのだろう?』

489:ゲーム好き名無しさん
08/09/18 02:06:23 lZ4JTl7J0
サワダが手をかざす。
サブマシンガンの銃弾は軌道を反らされ、奴を避けるようにしていくつかはどこかへ流れ飛び、またいくつかは砂の上に落ちる。


サワダ「僕の前にプロトタイプの偽ガイル少佐がいた、身体の半分が機械で腕にはドリルがついてるというとても人前に出せるような代物じゃなかったけど。
ガイル+メカ。凄まじいほどのパワーだったよ。廃棄処分(ロストナンバー)にしてやったけどね。」
何故か自嘲気味に笑うサワダ。
サワダ「そしてまた、僕もただのガイル少佐のコピーじゃあない。」また手をかざす。
クリス「あっ!!」
アタシの手からイングラムが勝手に吸い寄せられ、奴の手に収まってしまった。
サワダ「電磁力を支配し磁界を思うままに操ることできる、磁界王マグネティック・ガイル少佐。それが僕の能力だ。」
ドドーン!!ぢかいおうまぐねちっく・がいるしょうさ!!
クリス「…アンタ。自分のネーミングセンスについて疑問を感じないの?」
どうにも一般人にはついていけないハイセンスさに思わず突っ込みを入れる。
サワダ「ぅるさいぅるさぁい!!僕だって好きでこんな呼ばれ方をしたいわけじゃないや~い!!……院長先生の趣味で(ブツブツ)」
真っ赤になって涙目で反論するサワダ。あ、やっぱ本人も気にしてたのか。いくらなんでもなあ。コンバット・越前とかコマンダー・常磐よりひでぇ。
サワダ「んんっ。まあともかく、磁力にはこんな使い方もある。」
そういっておもむろに未だ腹に刺さったままのヤリを引き抜こうとするサワダ!!ズブシュ!!
クリス「ハ、ハラキリ!?」
『極殺自爆陣』 ハラキリで血を飛び散らせる大技さ!当たった敵を転ばせることが可能だ!そんな電波がアタシの脳裏をかすめる。

490:ゲーム好き名無しさん
08/09/18 02:07:21 lZ4JTl7J0
だが、アタシは返り血を浴びることもなく、すっころぶ事もなかった。
クリス「傷口から、出血しない!?」今までお腹にぶっささっていたヤリを思い切り引っこ抜いたにもかかわらず。
異議あり!!おもわず大声で叫びそうになってしまった。指まで突きつけて。

サワダ「血液中のヘモグロビンは鉄分を含んでいる。磁力線で血行を良くする治療法があるが、僕は逆に超強力な磁界を操ることによって出血を止めたのさ。」
まるでピップ・エレ○バンの宣伝のような口上を垂れる元・使用人。
「さて、余興はここまでです。ハイパーグラビテーション!!」
クリス「がはっ!?」
サワダの放った重力球に囚われ、身動きを封じられるアタシ。
「短い間ですが大っっ変お世話になりました。お礼に貴女の愛銃によって蜂の巣になるか、このヤリでゴルゴダで磔にされた聖人のごとき最期を迎えるか選ばせてあげましょう。」
くっ…!!
アタシ、絶体絶命のピーンチ!!

「そこまでだ。…俺の娘にそれ以上やるなら、黙ってはいられないな。」
クールに響く、おそらくアタシがこの世で一番頼りにしている人の声。


491:ゲーム好き名無しさん
08/09/26 23:46:10 sXNMi1ljO
サワダ「これは好都合。少佐、聞いての通りです。」
ガイル「サワダ。どういった経緯かは知らんが、要するにお前と俺は戦わねばならない運命にあるという事か…」
サワダとパパが対峙する。
サワダ「それには及びませんよ。」
ガリッと奥歯を鳴らすサワダ。
サワダ「奥歯に仕込んだ発信機を作動させました。僕が記憶を取り戻した事が彼らにも知れた事でしょう」
すると、空中に浮かんだ高級ホテルが突如として変形!何ィ!巨大ロボットでも出現するのか!
ガイル「あ、あれは!空中戦艦バルログ…!実在していたのか!」
なんだそのヒョーとかいいながら金網に登りそうな名前は!
と、言いたいとこだが一応聞いておく。
クリス「バルログ?」
ガイル「表向き俺は観光でハワイに来ていたのだが、実はとある悪の組織が開発、建造しているという噂の巨大空中戦艦を調査、破壊する極秘任務を命じられていたんだ。
…まさか自分が宿泊しているリゾートホテルがそうだったとは!!」
灯台もと暗し。言いたくはないがパパは諜報員(スパイ)には向かないと思いました。
まあ、よく言えば正々堂々とし過ぎてるってゆーか。第一極秘任務をペラペラ喋ってる時点でどうよ。CIAにでも任せといた方が良かったのでは…

492:ゲーム好き名無しさん
08/09/29 22:32:34 DtQypB1/O
彼の家に行ったらプレイステーション2があったスレ削除されちゃったのぉ?
ショック!

493:ゲーム好き名無しさん
08/09/30 07:30:02 gM16IF3mO
このストーリー大好き

494:ゲーム好き名無しさん
08/10/02 15:56:14 wlR/RPLAO
ゴウンゴウンゴウン…
空飛ぶ高級リゾートホテル…もとい空中戦艦バルログのキャノンが黒光りする砲身を真下に向ける。
サワダ「さあ、大人しく投降してください。さもなくば空対地キャノン砲フライングバルセロナが火を噴いちゃいますよ。」ギャキン!
鈍重な鋼の筒がこちらを向いて停止した。目標捕捉は完了って事かしら?名前はアレだがあんなん喰らったらひとたまりもないぜオイオイオイ。

ガイル「もし断る。と言ったら?」
サワダ「対地キャノンの身を焦がすような熱いアツぅーい想いを骨の髄まで思いしる事になるでしょう。その身をもって。」
うっぎゃー!冗談じゃねぇ。巻き添え喰らっておっ死ぬなんてごめんだよ!ああ、だからと言ってパパを見捨てアタシだけ逃げるなんて出来っこないし。
クリス「嗚呼!乙女心が揺れるわッッ…。」
ガイル「とかいいつつRPGー7を何気なく構えるのは止めなさい、クリス。話し合いにならなくなる。」
バレた?てへ。死なばもろとも、コイツだけはぶっ殺してやろうと思ったんだけど。
サワダ「この後に及んでそのクソ度胸だけは素直に凄いと思いますよ。」
うるせえ。テメーに褒められても嬉しかないやい。
サワダ「で、どうしますか。少佐?貴方さえ確保できればお嬢様には用はありません。個人的な怨恨を晴らせないのは至極残念ではありますが。」
ガイル「君は俺の結論がわかった上でそういう事を言うのだな。俺が愛する家族を巻き込んでまで抵抗するとでも?」
両手を後ろに組んで投降の意思表示をするパパ。くぅ~。むざむざとこんな奴に…!
サワダ「賢明な選択です。」
サッと手を挙げて空中戦艦に合図を送るサワダ。
と、次の瞬間…!


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